[ 時代統合情報システム トップ ] [ データベース一覧 ]

後撰集


[ 作品集成立年順 | 作者名順 | 作品名順 ]

作品集名後撰集 
作品集名読みごせんしゅう 
作成年月日天暦九年-天徳元年(955-957年)
場所 

後撰集 巻一:春上
後撰集 巻二:春中
後撰集 巻三:春下
後撰集 巻四:夏
後撰集 巻五:秋上
後撰集 巻六:秋中
後撰集 巻七:秋下
後撰集 巻八:冬
後撰集 巻九:恋一
後撰集 巻十:恋二
後撰集 巻十一:恋三
後撰集 巻十二:恋四
後撰集 巻十三:恋五
後撰集 巻十四:恋六
後撰集 巻十五:雑一
後撰集 巻十六:雑二
後撰集 巻十七:雑三
後撰集 巻十八:雑四
後撰集 巻十九:離別羈旅
後撰集 巻二十:慶賀哀傷

後撰集 巻一:春上

00001
敏行 藤原敏行朝臣 (018)

ふる雪のみのしろ衣うちきつつ春きにけりとおとろかれぬる

ふるゆきの−みのしろころも−うちきつつ−はるきにけりと−おとろかれぬる

異同資料句番号:00001

00002
躬恒 凡河内躬恒 (029)

春立つとききつるからにかすか山消えあへぬ雪の花とみゆらむ

はるたつと−ききつるからに−かすかやま−きえあへぬゆきの−はなとみゆらむ

異同資料句番号:00002

00003
兼盛 兼盛王 (040)

けふよりは荻のやけ原かきわけて若菜つみにと誰をさそはん

けふよりは−をきのやけはら−かきわけて−わかなつみにと−たれをさそはむ

異同資料句番号:00003

00004
読人不知 よみ人しらす (000)

白雲のうへしるけふそ春雨のふるにかひある身とはしりぬる

しらくもの−うへしるけふそ−はるさめの−ふるにかひある−みとはしりぬる

異同資料句番号:00004

00005
実頼 左大臣 (511)

松もひきわかなもつます成りぬるをいつしか桜はやもさかなむ

まつもひき−わかなもつます−なりぬるを−いつしかさくら−はやもさかなむ

異同資料句番号:00005

00006
番号外作者 朱雀院 (999)

松にくる人しなけれは春の野のわかなも何もかひなかりけり

まつにくる−ひとしなけれは−はるののの−わかなもなにも−かひなかりけり

異同資料句番号:00006

00007
読人不知 よみ人しらす (000)

君のみや野辺に小松を引きにゆく我もかたみにつまんわかなを

きみのみや−のへにこまつを−ひきにゆく−われもかたみに−つまむわかなを

異同資料句番号:00007

00008
読人不知 よみ人しらす (000)

霞立つかすかののへのわかなにもなり見てしかな人もつむやと

かすみたつ−かすかののへの−わかなにも−なりみてしかな−ひともつむやと

異同資料句番号:00008

00009
躬恒 みつね (029)

春ののに心をたにもやらぬ身はわかなはつまて年をこそつめ

はるののに−こころをたにも−やらぬみは−わかなはつまて−としをこそつめ

異同資料句番号:00009

00010
番号外作者 行明規王 (999)

ふるさとののへ見にゆくといふめるをいさもろともにわかなつみてん

ふるさとの−のへみにゆくと−いふめるを−いさもろともに−わかなつみてむ

異同資料句番号:00010

00011
友則 紀友則 (033)

水のおもにあや吹きみたる春風や池の氷をけふはとくらむ

みつのおもに−あやふきみたる−はるかせや−いけのこほりを−けふはとくらむ

異同資料句番号:00011

00012
読人不知 よみ人しらす (000)

吹く風や春たちきぬとつけつらん枝にこもれる花さきにけり

ふくかせや−はるたちきぬと−つけつらむ−えたにこもれる−はなさきにけり

異同資料句番号:00012

00013
躬恒 みつね (029)

かすかのにおふるわかなを見てしより心をつねに思ひやるかな

かすかのに−おふるわかなを−みてしより−こころをつねに−おもひやるかな

異同資料句番号:00013

00014
番号外作者 兼覧王女 (999)

もえいつるこのめを見てもねをそなくかれにし枝の春をしらねは

もえいつる−このめをみても−ねをそなく−かれにしえたの−はるをしらねは

異同資料句番号:00014

00015
読人不知 よみ人しらす (000)

いつのまに霞立つらんかすかのの雪たにとけぬ冬とみしまに

いつのまに−かすみたつらむ−かすかのの−ゆきたにとけぬ−ふゆとみしまに

異同資料句番号:00015

00016
番号外作者 閑院左大臣 (999)

なほさりに折りつるものを梅花こきかに我や衣そめてむ

なほさりに−をりつるものを−うめのはな−こきかにわれや−ころもそめてむ

異同資料句番号:00016

00017
兼輔 藤原兼輔朝臣 (027)

やとちかくうつしてうゑしかひもなくまちとほにのみにほふ花かな

やとちかく−うつしてうゑし−かひもなく−まちとほにのみ−にほふはなかな

異同資料句番号:00017

00018
貫之 紀貫之 (035)

春霞たなひきにけり久方の月の桂も花やさくらむ

はるかすみ−たなひきにけり−ひさかたの−つきのかつらも−はなやさくらむ

異同資料句番号:00018

00019
躬恒 みつね (029)

いつことも春のひかりはわかなくにまたみよしのの山は雪ふる

いつことも−はなのひかりは−わかなくに−またみよしのの−やまはゆきふる

異同資料句番号:00019

00020
伊勢 (019)

白玉をつつむ袖のみなかるるは春は涙もさえぬなりけり

しらたまを−つつむそてのみ−なかるるは−はるはなみたも−さえぬなりけり

異同資料句番号:00020

00021
読人不知 よみ人しらす (000)

春立ちてわか身ふりぬるなかめには人の心の花もちりけり

はるたちて−わかみふりぬる−なかめには−ひとのこころの−はなもちりけり

異同資料句番号:00021

00022
読人不知 よみ人しらす (000)

わかせこに見せむと思ひし梅花それとも見えす雪のふれれは

わかせこに−みせむとおもひし−うめのはな−それともみえす−ゆきのふれれは

異同資料句番号:00022

00023
読人不知 よみ人しらす (000)

きて見へき人もあらしなわかやとの梅のはつ花をりつくしてむ

きてみへき−ひともあらしな−わかやとの−うめのはつはな−をりつくしてむ

異同資料句番号:00023

00024
読人不知 よみ人しらす (000)

ことならは折りつくしてむ梅花わかまつ人のきても見なくに

ことならは−をりつくしてむ−うめのはな−わかまつひとの−きてもみなくに

異同資料句番号:00024

00025
読人不知 よみ人しらす (000)

吹く風にちらすもあらなんむめの花わか狩衣ひとよやとさむ

ふくかせに−ちらすもあらなむ−うめのはな−わかかりころも−ひとよやとさむ

異同資料句番号:00025

00026
読人不知 よみ人しらす (000)

わかやとの梅のはつ花ひるは雪よるは月とも見えまかふかな

わかやとの−うめのはつはな−ひるはゆき−よるはつきとも−みえまかふかな

異同資料句番号:00026

00027
読人不知 よみ人しらす (000)

梅花よそなから見むわきもこかとかむはかりのかにもこそしめ

うめのはな−よそなからみむ−わきもこか−とかむはかりの−かにもこそしめ

異同資料句番号:00027

00028
素性 素性法師 (021)

むめの花をれはこほれぬわか袖ににほひかうつせ家つとにせん

うめのはな−をれはこほれぬ−わかそてに−にほひかうつせ−いへつとにせむ

異同資料句番号:00028

00029
読人不知 よみ人しらす (000)

心もてをるかはあやな梅花かをとめてたにとふ人のなき

こころもて−をるかはあやな−うめのはな−かをとめてたに−とふひとのなき

異同資料句番号:00029

00030
読人不知 よみ人しらす (000)

人心うさこそまされはるたてはとまらすきゆるゆきかくれなん

ひとこころ−うさこそまされ−はるたては−とまらすきゆる−ゆきかくれなむ

異同資料句番号:00030

00031
読人不知 よみ人しらす (000)

梅花かをふきかくる春風に心をそめは人やとかめむ

うめのはな−かをふきかくる−はるかせに−こころをそめは−ひとやとかめむ

異同資料句番号:00031

00032
読人不知 よみ人しらす (000)

春雨のふらはの山にましりなん梅の花かさありといふなり

はるさめの−ふらはのやまに−ましりなむ−うめのはなかさ−ありといふなり

異同資料句番号:00032

00033
読人不知 よみ人しらす (000)

かきくらし雪はふりつつしかすかにわか家のそのに鴬そなく

かきくらし−ゆきはふりつつ−しかすかに−わかいへのそのに−うくひすそなく

異同資料句番号:00033

00034
読人不知 よみ人しらす (000)

谷さむみいまたすたたぬ鴬のなくこゑわかみ人のすさめぬ

たにさむみ−いまたすたたぬ−うくひすの−なくこゑわかみ−ひとのすさへぬ

異同資料句番号:00034

00035
読人不知 よみ人しらす (000)

鴬のなきつるこゑにさそはれて花のもとにそ我はきにける

うくひすの−なきつるこゑに−さそはれて−はなのもとにそ−われはきにける

異同資料句番号:00035

00036
読人不知 よみ人しらす (000)

花たにもまたさかなくに鴬のなくひとこゑを春とおもはむ

はなたにも−またさかなくに−うくひすの−なくひとこゑを−はるとおもはむ

異同資料句番号:00036

00037
読人不知 よみ人しらす (000)

君かため山田のさはにゑくつむとぬれにし袖は今もかわかす

きみかため−やまたのさはに−ゑくつむと−ぬれにしそては−いまもかわかす

異同資料句番号:00037

00038
番号外作者 朱雀院の兵部卿のみこ (999)

梅花今はさかりになりぬらんたのめし人のおとつれもせぬ

うめのはな−いまはさかりに−なりぬらむ−たのめしひとの−おとつれもせぬ

異同資料句番号:00038

00039
番号外作者 紀長谷雄朝臣 (999)

春雨にいかにそ梅やにほふらんわか見る枝は色もかはらす

はるさめに−いかにそうめや−にほふらむ−わかみるえたは−いろもかはらす

異同資料句番号:00039

00040
読人不知 よみ人しらす (000)

梅花ちるてふなへに春雨のふりてつつなくうくひすのこゑ

うめのはな−ちるてふなへに−はるさめの−ふりてつつなく−うくひすのこゑ

異同資料句番号:00040

00041
躬恒 みつね (029)

いもか家のはひいりにたてるあをやきに今やなくらん鴬の声

いもかいへの−はひいりにたてる−あをやきに−いまやなくらむ−うくひすのこゑ

異同資料句番号:00041

00042
是則 坂上是則 (031)

ふか緑ときはの松の影にゐてうつろふ花をよそにこそ見れ

ふかみとり−ときはのまつの−かけにゐて−うつろふはなを−よそにこそみれ

異同資料句番号:00042

00043
番号外作者 藤原雅正 (999)

花の色はちらぬまはかりふるさとにつねには松のみとりなりけり

はなのいろは−ちらぬまはかり−ふるさとに−つねにはまつの−みとりなりけり

異同資料句番号:00043

00044
躬恒 みつね (029)

紅に色をはかへて梅花かそことことににほはさりける

くれなゐに−いろをはかへて−うめのはな−かそことことに−にほはさりける

異同資料句番号:00044

00045
貫之 つらゆき (035)

ふる雪はかつもけななむ梅花ちるにまとはす折りてかささん

ふるゆきは−かつもけななむ−うめのはな−ちるにまとはす−をりてかささむ

異同資料句番号:00045

00046
兼輔 つらゆき (027)

春ことにさきまさるへき花なれはことしをもまたあかすとそ見る

はることに−さきまさるへき−はななれは−ことしをもまた−あかすとそみる

異同資料句番号:00046


後撰集 巻二:春中

00047
番号外作者 藤原扶幹朝臣 (999)

うゑし時花見むとしもおもはぬにさきちる見れはよはひ老いにけり

うゑしとき−はなみむとしも−おもはぬに−さきちるみれは−よはひおいにけり

異同資料句番号:00047

00048
番号外作者 藤原伊衡朝臣 (999)

竹ちかくよとこねはせし鴬のなく声きけはあさいせられす

たけちかく−よとこねはせし−うくひすの−なくこゑきけは−あさいせられす

異同資料句番号:00048

00049
遍昭 僧正遍昭 (012)

いその神ふるの山への桜花うゑけむ時をしる人そなき

いそのかみ−ふるのやまへの−さくらはな−うゑけむときを−しるひとそなき

異同資料句番号:00049

00050
素性 素性法師 (021)

山守はいははいはなん高砂のをのへの桜折りてかささむ

やまもりは−いははいはなむ−たかさこの−をのへのさくら−をりてかささむ

異同資料句番号:00050

00051
読人不知 よみ人しらす (000)

さくらはな色はひとしき枝なれとかたみに見れはなくさまなくに

さくらはな−いろはひとしき−えたなれと−かたみにみれは−なくさまなくに

異同資料句番号:00051

00052
伊勢 (019)

見ぬ人のかたみかてらはをらさりき身になすらへる花にしあらねは

みぬひとの−かたみかてらは−をらさりき−みになすらへる−はなにしあらねは

異同資料句番号:00052

00053
読人不知 よみ人しらす (000)

吹く風をならしの山の桜花のとけくそ見るちらしとおもへは

ふくかせを−ならしのやまの−さくらはな−のとけくそみる−ちらしとおもへは

異同資料句番号:00053

00054
是則 坂上是則 (031)

桜花けふよく見てむくれ竹のひとよのほとにちりもこそすれ

さくらはな−けふよくみてむ−くれたけの−ひとよのほとに−ちりもこそすれ

異同資料句番号:00054

00055
読人不知 よみ人も (000)

さくらはなにほふともなく春くれはなとか歎のしけりのみする

さくらはな−にほふともなく−はるくれは−なとかなけきの−しけりのみする

異同資料句番号:00055

00056
融 河原左大臣 (014)

けふ桜しつくにわか身いさぬれむかこめにさそふ風のこぬまに

けふさくら−しつくにわかみ−いさぬれむ−かこめにさそふ−かせのこぬまに

異同資料句番号:00056

00057
道真 菅原右大臣 (024)

さくら花ぬしをわすれぬ物ならはふきこむ風に事つてはせよ

さくらはな−ぬしをわすれぬ−ものならは−ふきこむかせに−ことつてはせよ

異同資料句番号:00057

00058
伊勢 (019)

あをやきのいとよりはへておるはたをいつれの山の鴬かきる

あをやきの−いとよりはへて−おるはたを−いつれのやまの−うくひすかきる

異同資料句番号:00058

00059
躬恒 凡河内躬恒 (029)

あひおもはてうつろふ色を見るものを花にしられぬなかめするかな

あひおもはて−うつろふいろを−みるものを−はなにしられぬ−なかめするかな

異同資料句番号:00059

00060
読人不知 よみ人しらす (000)

帰る雁雲ちにまとふ声すなり霞ふきとけこのめはる風

かへるかり−くもちにまとふ−こゑすなり−かすみふきとけ−このめはるかせ

異同資料句番号:00060

00061
番号外作者 大将御息所 (999)

さきさかす我になつけそさくら花人つてにやはきかんと思ひし

さきさかす−われになつけそ−さくらはな−ひとつてにやは−きかむとおもひし

異同資料句番号:00061

00062
読人不知 よみ人も (000)

春くれはこかくれおほきゆふつくよおほつかなしも花かけにして

はるくれは−こかくれおほき−ゆふつくよ−おほつかなしも−はなかけにして

異同資料句番号:00062

00063
読人不知 よみ人も (000)

立渡る霞のみかは山高み見ゆる桜の色もひとつを

たちわたる−かすみのみかは−やまたかみ−みゆるさくらの−いろもひとつを

異同資料句番号:00063

00064
読人不知 よみ人も (000)

おほそらにおほふはかりの袖もかな春さく花を風にまかせし

おほそらに−おほふはかりの−そてもかな−はるさくはなを−かせにまかせし

異同資料句番号:00064

00065
読人不知 よみ人も (000)

なけきさへ春をしるこそわひしけれもゆとは人に見えぬものから

なけきさへ−はるをしるこそ−わひしけれ−もゆとはひとに−みえぬものから

異同資料句番号:00065

00066
読人不知 よみ人も (000)

もえ渡る歎は春のさかなれはおほかたにこそあはれとも見れ

もえわたる−なけきははるの−さかなれは−おほかたにこそ−あはれともみれ

異同資料句番号:00066

00067
番号外作者 藤原師尹朝臣 (999)

あをやきのいとつれなくもなりゆくかいかなるすちに思ひよらまし

あをやきの−いとつれなくも−なりゆくか−いかなるすちに−おもひよらまし

異同資料句番号:00067

00068
番号外作者 藤原師尹朝臣 (999)

山さとにちりなましかは桜花にほふさかりもしられさらまし

やまさとに−ちりなましかは−さくらはな−にほふさかりも−しられさらまし

異同資料句番号:00068

00069
番号外作者 衛門のみやすん所 (999)

匂こき花のかもてそしられけるうゑて見るらんひとの心は

にほひこき−はなのかもてそ−しられける−うゑてみるらむ−ひとのこころは

異同資料句番号:00069

00070
朝忠 藤原朝忠朝臣 (044)

時しもあれ花のさかりにつらけれはおもはぬ山にいりやしなまし

ときしもあれ−はなのさかりに−つらけれは−おもはぬやまに−いりやしなまし

異同資料句番号:00070

00071
番号外作者 小弐 (999)

わかためにおもはぬ山のおとにのみ花さかりゆく春をうらみむ

わかために−おもはぬやまの−おとにのみ−はなさかりゆく−はるをうらみむ

異同資料句番号:00071

00072
番号外作者 宮道高風 (999)

春の池の玉もに遊ふにほとりのあしのいとなきこひもするかな

はるのいけの−たまもにあそふ−にほとりの−あしのいとなき−こひもするかな

異同資料句番号:00072

00073
興風 藤原興風 (034)

山風の花のかかとふふもとには春の霞そほたしなりける

やまかせの−はなのかかとふ−ふもとには−はるのかすみそ−ほたしなりける

異同資料句番号:00073

00074
読人不知 よみ人も (000)

春さめの世にふりにたる心にも猶あたらしく花をこそおもへ

はるさめの−よにふりにたる−こころにも−なほあたらしく−はなをこそおもへ

異同資料句番号:00074

00075
読人不知 よみ人も (000)

はる霞たちてくもゐになりゆくはかりの心のかはるなるへし

はるかすみ−たちてくもゐに−なりゆくは−かりのこころの−かはるなるへし

異同資料句番号:00075

00076
読人不知 よみ人も (000)

ねられぬをしひてわかぬる春の夜の夢をうつつになすよしもかな

ねられぬを−しひてわかぬる−はるのよの−ゆめをうつつに−なすよしもかな

異同資料句番号:00076

00077
読人不知 よみ人も (000)

わかやとの桜の色はうすくとも花のさかりはきてもをらなむ

わかやとの−さくらのいろは−うすくとも−はなのさかりは−きてもをらなむ

異同資料句番号:00077

00078
兼覧王 かねみのおほきみ (179)

年をへて花のたよりに事とははいととあたなる名をや立ちなん

としをへて−はなのたよりに−こととはは−いととあたなる−なをやたちなむ

異同資料句番号:00078

00079
列樹 はるみちのつらき (032)

わかやとの花にななきそ喚子鳥よふかひ有りて君もこなくに

わかやとの−はなにななきそ−よふことり−よふかひありて−きみもこなくに

異同資料句番号:00079

00080
貫之 紀貫之 (035)

ふりぬとていたくなわひそはるさめのたたにやむへき物ならなくに

ふりぬとて−いたくなわひそ−はるさめの−たたにやむへき−ものならなくに

異同資料句番号:00080


後撰集 巻三:春下

00081
番号外作者 藤原顕忠朝臣母 (999)

鴬のなくなる声は昔にてわか身ひとつのあらすもあるかな

うくひすの−なくなるこゑは−むかしにて−わかみひとつの−あらすもあるかな

異同資料句番号:00081

00082
貫之 つらゆき (035)

ひさしかれあたにちるなとさくら花かめにさせれとうつろひにけり

ひさしかれ−あたにちるなと−さくらはな−かめにさせれと−うつろひにけり

異同資料句番号:00082

00083
中務 (136)

千世ふへきかめにさせれと桜花とまらん事は常にやはあらぬ

ちよふへき−かめにさせれと−さくらはな−とまらむことは−つねにやはあらぬ

異同資料句番号:00083

00084
読人不知 よみ人も (000)

ちりぬへき花の限はおしなへていつれともなくをしき春かな

ちりぬへき−はなのかきりは−おしなへて−いつれともなく−をしきはるかな

異同資料句番号:00084

00085
伊勢 (019)

かきこしにちりくる花を見るよりはねこめに風の吹きもこさなん

かきこしに−ちりくるはなを−みるよりは−ねこめにかせの−ふきもこさなむ

異同資料句番号:00085

00086
読人不知 よみ人しらす (000)

春の日のなかき思ひはわすれしを人の心に秋やたつらむ

はるのひの−なかきおもひは−わすれしを−ひとのこころに−あきやたつらむ

異同資料句番号:00086

00087
読人不知 よみ人しらす (000)

よそにても花見ることにねをそなくわか身にうとき春のつらさに

よそにても−はなみることに−ねをそなく−わかみにうとき−はるのつらさに

異同資料句番号:00087

00088
貫之 (035)

風をたにまちてそ花のちりなまし心つからにうつろふかうさ

かせをたに−まちてそはなの−ちりなまし−こころつからに−うつろふかうさ

異同資料句番号:00088

00089
読人不知 よみ人しらす (000)

わかやとにすみれの花のおほかれはきやとる人やあるとまつかな

わかやとに−すみれのはなの−おほけれは−きやとるひとや−あるとまつかな

異同資料句番号:00089

00090
読人不知 よみ人しらす (000)

山高み霞をわけてちる花を雪とやよその人は見るらん

やまたかみ−かすみをわけて−ちるはなを−ゆきとやよその−ひとはみるらむ

異同資料句番号:00090

00091
読人不知 よみ人しらす (000)

吹く風のさそふ物とはしりなからちりぬる花のしひてこひしき

ふくかせの−さそふものとは−しりなから−ちりぬるはなの−しひてこひしき

異同資料句番号:00091

00092
深養父 きよはらのふかやふ (036)

うちはへてはるはさはかりのとけきを花の心やなにいそくらん

うちはへて−はるはさはかり−のとけきを−はなのこころや−なにいそくらむ

異同資料句番号:00092

00093
番号外作者 こわかきみ (999)

わかやとの歎ははるもしらなくに何にか花をくらへても見む

わかやとの−なけきははるも−しらなくに−なににかはなを−くらへてもみむ

異同資料句番号:00093

00094
読人不知 よみ人しらす (000)

はるの日の影そふ池のかかみには柳のまゆそまつは見えける

はるのひの−かけそふいけの−かかみには−やなきのまゆそ−まつはみえける

異同資料句番号:00094

00095
読人不知 よみ人しらす (000)

かくなからちらて世をやはつくしてぬ花のときはもありと見るへく

かくなから−ちらてよをやは−つくしてぬ−はなのときはも−ありとみるへく

異同資料句番号:00095

00096
躬恒 凡河内躬恒 (029)

かさせとも老もかくれぬこの春そ花のおもてはふせつへらなる

かさせとも−おいもかくれぬ−このはるそ−はなのおもては−ふせつへらなる

異同資料句番号:00096

00097
読人不知 よみ人も (000)

ひととせにかさなる春のあらはこそふたたひ花を見むとたのまめ

ひととせに−かさなるはるの−あらはこそ−ふたたひはなも−みむとたのまめ

異同資料句番号:00097

00098
貫之 つらゆき (035)

春くれはさくてふことをぬれきぬにきするはかりの花にそありける

はるくれは−さくてふことを−ぬれきぬに−きするはかりの−はなにそありける

異同資料句番号:00098

00099
読人不知 よみ人しらす (000)

春霞たちなから見し花ゆゑにふみとめてけるあとのくやしさ

はるかすみ−たちなからみし−はなゆゑに−ふみとめてける−あとのくやしさ

異同資料句番号:00099

00100
読人不知 よみ人しらす (000)

はる日さす藤のうらはのうらとけて君しおもはは我もたのまん

はるひさす−ふちのうらはの−うらとけて−きみしおもはは−われもたのまむ

異同資料句番号:00100

00101
伊勢 (019)

鴬に身をあひかへはちるまてもわか物にして花は見てまし

うくひすに−みをあひかへは−ちるまても−わかものにして−はなはみてまし

異同資料句番号:00101

00102
元良親王 もとよしのみこ (020)

花の色は昔なからに見し人の心のみこそうつろひにけれ

はなのいろは−むかしなからに−みしひとの−こころのみこそ−うつろひにけれ

異同資料句番号:00102

00103
信明 源さねあきら (124)

あたら夜の月と花とをおなしくはあはれしれらん人に見せはや

あたらよの−つきとはなとを−おなしくは−こころしれらむ−ひとにみせはや

異同資料句番号:00103

00104
番号外作者 橘のきんひらか女 (999)

宮こ人きてもをらなんかはつなくあかたのゐとの山吹の花

みやこひと−きてもをらなむ−かはつなく−あかたのゐとの−やまふきのはな

異同資料句番号:00104

00105
読人不知 よみ人しらす (000)

今よりは風にまかせむ桜花ちるこのもとに君とまりけり

いまよりは−かせにまかせむ−さくらはな−ちるこのもとに−きみとまりけり

異同資料句番号:00105

00106
敦忠 あつたたの朝臣 (043)

風にしも何かまかせんさくら花匂あかぬにちるはうかりき

かせにしも−なにかまかせむ−さくらはな−にほひあかぬに−ちるはうかりき

異同資料句番号:00106

00107
貫之 つらゆき (035)

常よりも春へになれはさくら河花の浪こそまなくよすらめ

つねよりも−はるへになれは−さくらかは−はなのなみこそ−まなくよすらめ

異同資料句番号:00107

00108
兼輔 かねすけの朝臣 (027)

わかきたるひとへ衣は山吹のやへの色にもおとらさりけり

わかきたる−ひとへころもは−やまふきの−やへのいろにも−おとらさりけり

異同資料句番号:00108

00109
元方 在原元方 (169)

ひととせにふたたひさかぬ花なれはむへちることを人はいひけり

ひととせに−ふたたひさかぬ−はななれは−うへちることを−ひとはいひけり

異同資料句番号:00109

00110
敏行 藤原敏行朝臣 (018)

春さめの花の枝より流れこは猶こそぬれめかもやうつると

はるさめの−はなのえたより−なかれこは−なほこそぬれめ−かもやうつると

異同資料句番号:00110

00111
読人不知 よみ人しらす (000)

はる深き色にもあるかな住の江のそこも緑に見ゆるはま松

はるふかき−いろにもあるかな−すみのえの−そこもみとりに−みゆるはままつ

異同資料句番号:00111

00112
番号外作者 典侍よるかの朝臣 (999)

春くれは花見にと思ふ心こそのへの霞とともにたちけれ

はるくれは−はなみにとおもふ−こころこそ−のへのかすみと−ともにたちけれ

異同資料句番号:00112

00113
読人不知 よみ人しらす (000)

我をこそとふにうからめ春霞花につけてもたちよらぬかな

われをこそ−とふにうからめ−はるかすみ−はなにつけても−たちよらぬかな

異同資料句番号:00113

00114
番号外作者 源清蔭朝臣 (999)

たちよらぬ春の霞をたのまれよ花のあたりと見れはなるらん

たちよらぬ−はるのかすみを−たのまれよ−はなのあたりと−みれはなるらむ

異同資料句番号:00114

00115
伊勢 (019)

君見よと尋ねてをれる山さくらふりにし色と思はさらなん

きみみよと−たつねてをれる−やまさくら−ふりにしいろと−おもはさらなむ

異同資料句番号:00115

00116
読人不知 よみ人しらす (000)

神さひてふりにし里にすむ人は都ににほふ花をたに見す

かみさひて−ふりにしさとに−すむひとは−みやこににほふ−はなをたにみす

異同資料句番号:00116

00117
読人不知 よみ人しらす (000)

み吉野のよしのの山の桜花白雲とのみ見えまかひつつ

みよしのの−よしののやまの−さくらはな−しらくもとのみ−みえまかひつつ

異同資料句番号:00117

00118
読人不知 よみ人しらす (000)

山さくらさきぬる時は常よりも峰の白雲たちまさりけり

やまさくら−さきぬるときは−つねよりも−みねのしらくも−たちまさりけり

異同資料句番号:00118

00119
貫之 つらゆき (035)

白雲と見えつるものをさくら花けふはちるとや色ことになる

しらくもと−みえつるものを−さくらはな−けふはちるとや−いろことになる

異同資料句番号:00119

00120
読人不知 よみ人も (000)

わかやとの影ともたのむ藤の花たちよりくとも浪にをらるな

わかやとの−かけともたのむ−ふちのはな−たちよりくとも−なみにをらるな

異同資料句番号:00120

00121
読人不知 よみ人も (000)

花さかりまたもすきぬに吉野河影にうつろふ岸の山吹

はなさかり−またもすきぬに−よしのかは−かけにうつろふ−きしのやまふき

異同資料句番号:00121

00122
読人不知 よみ人も (000)

しのひかねなきてかはつの惜むをもしらすうつろふ山吹の花

しのひかね−なきてかはつの−をしむをも−しらすうつろふ−やまふきのはな

異同資料句番号:00122

00123
遍昭 僧正遍昭 (012)

折りつれはたふさにけかるたてなからみよの仏に花たてまつる

をりつれは−たふさにけかる−たてなから−みよのほとけに−はなたてまつる

異同資料句番号:00123

00124
読人不知 よみ人も (000)

みなそこの色さへ深き松かえにちとせをかねてさける藤波

みなそこの−いろさへふかき−まつかえに−ちとせをかねて−さけるふちなみ

異同資料句番号:00124

00125
定方 三条右大臣 (025)

限なき名におふふちの花なれはそこひもしらぬ色のふかさか

かきりなき−なにおふふちの−はななれは−そこひもしらぬ−いろのふかさか

異同資料句番号:00125

00126
兼輔 兼輔朝臣 (027)

色深くにほひし事は藤浪のたちもかへらて君とまれとか

いろふかく−にほひしことは−ふちなみの−たちもかへらて−きみとまれとか

異同資料句番号:00126

00127
貫之 (035)

さをさせとふかさもしらぬふちなれは色をは人もしらしとそ思ふ

さをさせと−ふかさもしらぬ−ふちなれは−いろをはひとも−しらしとそおもふ

異同資料句番号:00127

00128
定方 三条右大臣 (025)

昨日見し花のかほとてけさみれはねてこそさらに色まさりけれ

きのふみし−はなのかほとて−けさみれは−ねてこそさらに−いろまさりけれ

異同資料句番号:00128

00129
兼輔 兼輔朝臣 (027)

ひと夜のみねてしかへらは藤の花心とけたる色見せんやは

ひとよのみ−ねてしかへらは−ふちのはな−こころとけたる−いろみせむやは

異同資料句番号:00129

00130
貫之 (035)

あさほらけしたゆく水はあさけれと深くそ花の色は見えける

あさほらけ−したゆくみつは−あさけれと−ふかくそはなの−いろはみえける

異同資料句番号:00130

00131
読人不知 よみ人も (000)

鴬の糸によるてふ玉柳ふきなみたりそ春の山かせ

うくひすの−いとによるてふ−たまやなき−ふきなみたりそ−はるのやまかせ

異同資料句番号:00131

00132
躬恒 みつね (029)

いつのまにちりはてぬらん桜花おもかけにのみ色を見せつつ

いつのまに−ちりはてぬらむ−さくらはな−おもかけにのみ−いろをみせつつ

異同資料句番号:00132

00133
番号外作者 源仲宣朝臣 (999)

ちることのうきもわすれてあはれてふ事をさくらにやとしつるかな

ちることの−うきもわすれて−あはれてふ−ことをさくらに−やとしつるかな

異同資料句番号:00133

00134
読人不知 よみ人しらす (000)

桜色にきたる衣のふかけれはすくる春日もをしけくもなし

さくらいろに−きたるころもの−ふかけれは−すくるはるひも−をしけくもなし

異同資料句番号:00134

00135
貫之 (035)

あまりさへありてゆくへき年たにも春にかならすあふよしもかな

あまりさへ−ありてゆくへき−としたにも−はるにかならす−あふよしもかな

異同資料句番号:00135

00136
実頼 左太臣 (511)

つねよりものとけかるへき春なれはひかりに人のあはさらめやは

つねよりも−のとけかるへき−はるなれは−ひかりにひとの−あはさらめやは

異同資料句番号:00136

00137
番号外作者 藤原雅正 (999)

君こすて年はくれにき立ちかへり春さへけふに成りにけるかな

きみこすて−としはくれにき−たちかへり−はるさへけふに−なりにけるかな

異同資料句番号:00137

00138
番号外作者 藤原雅正 (999)

ともにこそ花をも見めとまつ人のこぬものゆゑにをしきはるかな

ともにこそ−はなをもみめと−まつひとの−こぬものゆゑに−をしきはるかな

異同資料句番号:00138

00139
貫之 つらゆき (035)

きみにたにとはれてふれは藤の花たそかれ時もしらすそ有りける

きみにたに−とはれてふれは−ふちのはな−たそかれときも−しらすそありける

異同資料句番号:00139

00140
貫之 つらゆき (035)

やへむくら心の内にふかけれは花見にゆかんいてたちもせす

やへむくら−こころのうちに−ふかけれは−はなみにゆかむ−いてたちもせす

異同資料句番号:00140

00141
読人不知 よみ人も (000)

をしめとも春の限のけふの又ゆふくれにさへなりにけるかな

をしめとも−はるのかきりの−けふのまた−ゆふくれにさへ−なりにけるかな

異同資料句番号:00141

00142
躬恒 みつね (029)

ゆくさきををしみし春のあすよりはきにし方にもなりぬへきかな

ゆくさきを−をしみしはるの−あすよりは−きにしかたにも−なりぬへきかな

異同資料句番号:00142

00143
貫之 つらゆき (035)

ゆくさきになりもやするとたのみしを春の限はけふにそ有りける

ゆくさきに−なりもやすると−たのみしを−はるのかきりは−けふにそありける

異同資料句番号:00143

00144
読人不知 よみ人しらす (000)

花しあらは何かははるのをしからんくるともけふはなけかさらまし

はなしあらは−なにかははるの−をしからむ−くるともけふは−なけかさらまし

異同資料句番号:00144

00145
躬恒 みつね (029)

くれて又あすとたになきはるの日を花の影にてけふはくらさむ

くれてまた−あすとたになき−はるのひを−はなのかけにて−けふはくらさむ

異同資料句番号:00145

00146
貫之 つらゆき (035)

又もこむ時そとおもへとたのまれぬわか身にしあれはをしきはるかな

またもこむ−ときそとおもへと−たのまれぬ−わかみにしあれは−をしきはるかな

異同資料句番号:00146


後撰集 巻四:夏

00147
読人不知 よみ人も (000)

今日よりは夏の衣に成りぬれときるひとさへはかはらさりけり

けふよりは−なつのころもに−なりぬれと−きるひとさへは−かはらさりけり

異同資料句番号:00147

00148
読人不知 よみ人も (000)

卯花のさけるかきねの月きよみいねすきけとやなくほとときす

うのはなの−さけるかきねの−つききよみ−いねすきけとや−なくほとときす

異同資料句番号:00148

00149
読人不知 よみ人も (000)

郭公きゐるかきねはちかなからまちとほにのみ声のきこえぬ

ほとときす−きゐるかきねは−ちかなから−まちとほにのみ−こゑのきこえぬ

異同資料句番号:00149

00150
読人不知 よみ人も (000)

ほとときす声まつほとはとほからてしのひになくをきかぬなるらん

ほとときす−こゑまつほとは−とほからて−しのひになくを−きかぬなるらむ

異同資料句番号:00150

00151
読人不知 よみ人も (000)

うらめしき君かかきねの卯花はうしと見つつも猶たのむかな

うらめしき−きみかかきねの−うのはなは−うしとみつつも−なほたのむかな

異同資料句番号:00151

00152
読人不知 よみ人も (000)

うき物と思ひしりなは卯花のさけるかきねもたつねさらまし

うきものと−おもひしりなは−うのはなの−さけるかきねも−たつねさらまし

異同資料句番号:00152

00153
読人不知 よみ人も (000)

時わかすふれる雪かと見るまてにかきねもたわにさける卯花

ときわかす−ふれるゆきかと−みるまてに−かきねもたわに−さけるうのはな

異同資料句番号:00153

00154
読人不知 よみ人も (000)

白妙ににほふかきねの卯花のうくもきてとふ人のなきかな

しろたへに−にほふかきねの−うのはなの−うくもきてとふ−ひとのなきかな

異同資料句番号:00154

00155
読人不知 よみ人も (000)

時わかす月か雪かとみるまてにかきねのままにさける卯花

ときわかす−つきかゆきかと−みるまてに−かきねのままに−さけるうのはな

異同資料句番号:00155

00156
読人不知 よみ人も (000)

鳴きわひぬいつちかゆかん郭公猶卯花の影ははなれし

なきわひぬ−いつちかゆかむ−ほとときす−なほうのはなの−かけははなれし

異同資料句番号:00156

00157
読人不知 よみ人も (000)

あひ見しもまた見ぬこひも郭公月になくよそよににさりける

あひみしも−またみぬこひも−ほとときす−つきになくよそ−よににさりける

異同資料句番号:00157

00158
読人不知 よみ人も (000)

有りとのみおとはの山の郭公ききにきこえてあはすもあるかな

ありとのみ−おとはのやまの−ほとときす−ききにきこえて−あはすもあるかな

異同資料句番号:00158

00159
伊勢 (019)

こかくれてさ月まつとも郭公はねならはしに枝うつりせよ

こかくれて−さつきまつとも−ほとときす−はねならはしに−えたうつりせよ

異同資料句番号:00159

00160
番号外作者 良岑義方朝臣 (999)

いひそめし昔のやとの杜若色はかりこそかたみなりけれ

いひそめし−むかしのやとの−かきつはた−いろはかりこそ−かたみなりけれ

異同資料句番号:00160

00161
読人不知 よみ人しらす (000)

ゆきかへるやそうち人の玉かつらかけてそたのむ葵てふ名を

ゆきかへる−やそうちひとの−たまかつら−かけてそたのむ−あふひてふなを

異同資料句番号:00161

00162
読人不知 よみ人しらす (000)

ゆふたすきかけてもいふなあた人の葵てふなはみそきにそせし

ゆふたすき−かけてもいふな−あたひとの−あふひてふなは−みそきにそせし

異同資料句番号:00162

00163
読人不知 よみ人しらす (000)

このころはさみたれちかみ郭公思ひみたれてなかぬ日そなき

このころは−さみたれちかみ−ほとときす−おもひみたれて−なかぬひそなき

異同資料句番号:00163

00164
読人不知 よみ人しらす (000)

まつ人は誰ならなくにほとときす思ひの外になかはうからん

まつひとは−たれならなくに−ほとときす−おもひのほかに−なかはうからむ

異同資料句番号:00164

00165
読人不知 よみ人しらす (000)

にほひつつちりにし花そおもほゆる夏は緑の葉のみしけれは

にほひつつ−ちりにしはなそ−おもほゆる−なつはみとりの−はのみしけれは

異同資料句番号:00165

00166
番号外作者 大春日師範 (999)

さみたれに春の宮人くる時は郭公をやうくひすにせん

さみたれに−はるのみやひと−くるときは−ほとときすをや−うくひすにせむ

異同資料句番号:00166

00167
兼輔 藤原兼輔朝臣 (027)

みしか夜のふけゆくままに白妙の峰の松風ふくかとそきく

みしかよの−ふけゆくままに−たかさこの−みねのまつかせ−ふくかとそきく

異同資料句番号:00167

00168
貫之 つらゆき (035)

葦引の山した水はゆきかよひことのねにさへなかるへらなり

あしひきの−やましたみつは−ゆきかよひ−ことのねにさへ−なかるへらなり

異同資料句番号:00168

00169
番号外作者 藤原高経朝臣 (999)

夏の夜はあふ名のみして敷妙のちりはらふまにあけそしにける

なつのよは−あふなのみして−しきたへの−ちりはらふまに−あけそしにける

異同資料句番号:00169

00170
忠峯 壬生忠岑 (030)

夢よりもはかなき物は夏の夜の暁かたの別なりけり

ゆめよりも−はかなきものは−なつのよの−あかつきかたの−わかれなりけり

異同資料句番号:00170

00171
読人不知 よみ人しらす (000)

よそなから思ひしよりも夏の夜の見はてぬ夢そはかなかりける

よそなから−おもひしよりも−なつのよの−みはてぬゆめそ−はかなかりける

異同資料句番号:00171

00172
伊勢 (019)

ふた声と聞くとはなしに郭公夜深くめをもさましつるかな

ふたこゑと−きくとはなしに−ほとときす−よふかくめをも−さましつるかな

異同資料句番号:00172

00173
番号外作者 藤原安国 (999)

あふと見し夢にならひて夏の日のくれかたきをも歎きつるかな

あふとみし−ゆめにならひて−なつのひの−くれかたきをも−なけきつるかな

異同資料句番号:00173

00174
読人不知 よみ人しらす (000)

うとまるる心しなくは郭公あかぬ別にけさはけなまし

うとまるる−こころしなくは−ほとときす−あかぬわかれに−けさはけなまし

異同資料句番号:00174

00175
読人不知 よみ人しらす (000)

折りはへてねをのみそなく郭公しけきなけきの枝ことにゐて

をりはへて−ねをのみそなく−ほとときす−しけきなけきの−えたことにゐて

異同資料句番号:00175

00176
読人不知 よみ人しらす (000)

ほとときすきては旅とや鳴渡る我は別のをしき宮こを

ほとときす−きてはたひとや−なきわたる−われはわかれの−をしきみやこを

異同資料句番号:00176

00177
読人不知 よみ人しらす (000)

独ゐて物思ふ我を郭公ここにしもなく心あるらし

ひとりゐて−ものおもふわれを−ほとときす−ここにしもなく−こころあるらし

異同資料句番号:00177

00178
読人不知 よみ人しらす (000)

玉匣あけつるほとのほとときすたたふたこゑもなきてこしかな

たまくしけ−あけつるほとの−ほとときす−たたふたこゑも−なきてこしかな

異同資料句番号:00178

00179
読人不知 よみ人しらす (000)

かすならぬわか身山への郭公このはかくれのこゑはきこゆや

かすならぬ−わかみやまへの−ほとときす−このはかくれの−こゑはきこゆや

異同資料句番号:00179

00180
読人不知 よみ人しらす (000)

とこ夏に鳴きてもへなんほとときすしけきみ山になに帰るらむ

とこなつに−なきてもへなむ−ほとときす−しけきみやまに−なにかへるらむ

異同資料句番号:00180

00181
読人不知 よみ人しらす (000)

ふすからにまつそわひしき郭公なきもはてぬにあくるよなれは

ふすからに−まつそわひしき−ほとときす−なきもはてぬに−あくるよなれは

異同資料句番号:00181

00182
番号外作者 あるしの女 (999)

さみたれになかめくらせる月なれはさやにも見えすくもかくれつつ

さみたれに−なかめくらせる−つきなれは−さやにもみえす−くもかくれつつ

異同資料句番号:00182

00183
読人不知 よみ人しらす (000)

ふた葉よりわかしめゆひしなてしこの花のさかりを人にをらすな

ふたはより−わかしめゆひし−なてしこの−はなのさかりを−ひとにをらすな

異同資料句番号:00183

00184
読人不知 よみ人しらす (000)

葦引の山郭公うちはへて誰かまさるとねをのみそなく

あしひきの−やまほとときす−うちはへて−たれかまさると−ねをのみそなく

異同資料句番号:00184

00185
読人不知 よみ人しらす (000)

つれつれとなかむる空の郭公とふにつけてそねはなかれける

つれつれと−なかむるそらの−ほとときす−とふにつけてそ−ねはなかれける

異同資料句番号:00185

00186
読人不知 よみ人しらす (000)

色かへぬ花橘に郭公ちよをならせるこゑきこゆなり

いろかへぬ−はなたちはなに−ほとときす−ちよをならせる−こゑきこゆなり

異同資料句番号:00186

00187
読人不知 よみ人しらす (000)

たひねしてつまこひすらし郭公神なひ山にさよふけてなく

たひねして−つまこひすらし−ほとときす−かむなひやまに−さよふけてなく

異同資料句番号:00187

00188
読人不知 よみ人しらす (000)

夏の夜にこひしき人のかをとめは花橘そしるへなりける

なつのよに−こひしきひとの−かをとめは−はなたちはなそ−しるへなりける

異同資料句番号:00188

00189
伊勢 (019)

郭公はつかなるねをききそめてあらぬもそれとおほめかれつつ

ほとときす−はつかなるねを−ききそめて−あらぬもそれと−おほめかれつつ

異同資料句番号:00189

00190
読人不知 よみ人しらす (000)

さみたれのつつける年のなかめには物思ひあへる我そわひしき

さみたれの−つつけるとしの−なかめには−ものおもひあへる−われそわひしき

異同資料句番号:00190

00191
読人不知 よみ人しらす (000)

郭公ひとこゑにあくる夏の夜の暁かたやあふこなるらむ

ほとときす−ひとこゑにあくる−なつのよの−あかつきかたや−あふこなるらむ

異同資料句番号:00191

00192
読人不知 よみ人しらす (000)

うちはへてねをなきくらす空蝉のむなしきこひも我はするかな

うちはへて−ねをなきくらす−うつせみの−むなしきこひも−われはするかな

異同資料句番号:00192

00193
読人不知 よみ人しらす (000)

常もなき夏の草はにおくつゆをいのちとたのむせみのはかなさ

つねもなき−なつのくさはに−おくつゆを−いのちとたのむ−せみのはかなさ

異同資料句番号:00193

00194
読人不知 よみ人しらす (000)

やへむくらしけきやとには夏虫の声より外に問ふ人もなし

やへむくら−しけきやとには−なつむしの−こゑよりほかに−とふひともなし

異同資料句番号:00194

00195
読人不知 よみ人しらす (000)

うつせみのこゑきくからに物そ思ふ我も空しき世にしすまへは

うつせみの−こゑきくからに−ものそおもふ−われもむなしき−よにしすまへは

異同資料句番号:00195

00196
番号外作者 藤原師尹朝臣 (999)

如何せむをくらの山の郭公おほつかなしとねをのみそなく

いかかせむ−をくらのやまの−ほとときす−おほつかなしと−ねをのみそなく

異同資料句番号:00196

00197
読人不知 よみ人も (000)

郭公暁かたのひとこゑはうき世中をすくすなりけり

ほとときす−あかつきかたの−ひとこゑは−うきよのなかを−すくすなりけり

異同資料句番号:00197

00198
読人不知 よみ人も (000)

ひとしれすわかしめしののとこなつは花さきぬへき時そきにける

ひとしれす−わかしめしのの−とこなつは−はなさきぬへき−ときそきにける

異同資料句番号:00198

00199
読人不知 よみ人も (000)

わかやとのかきねにうゑしなてしこは花にさかなんよそへつつ見む

わかやとの−かきねにうゑし−なてしこは−はなにさかなむ−よそへつつみむ

異同資料句番号:00199

00200
読人不知 よみ人も (000)

常夏の花をたに見はことなしにすくす月日もみしかかりなん

とこなつの−はなをたにみは−ことなしに−すくすつきひも−みしかかりなむ

異同資料句番号:00200

00201
読人不知 よみ人も (000)

常夏に思ひそめては人しれぬ心の程は色に見えなん

とこなつに−おもひそめては−ひとしれぬ−こころのほとは−いろにみえなむ

異同資料句番号:00201

00202
読人不知 よみ人も (000)

色といへはこきもうすきもたのまれす山となてしこちる世なしやは

いろといへは−こきもうすきも−たのまれす−やまとなてしこ−ちるよなしやは

異同資料句番号:00202

00203
忠平 太政大臣 (026)

なてしこはいつれともなくにほへともおくれてさくはあはれなりけり

なてしこは−いつれともなく−にほへとも−おくれてさくは−あはれなりけり

異同資料句番号:00203

00204
読人不知 よみ人も (000)

なてしこの花ちりかたになりにけりわかまつ秋そちかくなるらし

なてしこの−はなちりかたに−なりにけり−わかまつあきそ−ちかくなるらし

異同資料句番号:00204

00205
読人不知 よみ人も (000)

夜ひなからひるにもあらなん夏なれはまちくらすまのほとなかるへく

よひなから−ひるにもあらなむ−なつなれは−まちくらすまの−ほとなかるへき

異同資料句番号:00205

00206
読人不知 よみ人も (000)

夏の夜の月は程なくあけぬれは朝のまをそかこちよせつる

なつのよの−つきはほとなく−あけぬれは−あしたのまをそ−かこちよせつる

異同資料句番号:00206

00207
読人不知 よみ人も (000)

鵲の峰飛ひこえてなきゆけは夏の夜渡る月そかくるる

かささきの−みねとひこえて−なきゆけは−なつのよわたる−つきそかくるる

異同資料句番号:00207

00208
読人不知 よみ人も (000)

秋ちかみ夏はてゆけは郭公なく声かたき心ちこそすれ

あきちかみ−なつはてゆけは−ほとときす−なくこゑかたき−ここちこそすれ

異同資料句番号:00208

00209
読人不知 よみ人も (000)

つつめともかくれぬ物は夏虫の身よりあまれる思ひなりけり

つつめとも−かくれぬものは−なつむしの−みよりあまれる−おもひなりけり

異同資料句番号:00209

00210
読人不知 よみ人も (000)

あまの河水まさるらし夏の夜は流るる月のよとむまもなし

あまのかは−みつまさるらし−なつのよは−なかるるつきの−よとむまもなし

異同資料句番号:00210

00211
貫之 つらゆき (035)

花もちり郭公さへいぬるまて君にもゆかすなりにけるかな

はなもちり−ほとときすさへ−いぬるまて−きみにもゆかす−なりにけるかな

異同資料句番号:00211

00212
番号外作者 藤原雅正 (999)

はな鳥の色をもねをもいたつらに物うかる身はすくすのみなり

はなとりの−いろをもねをも−いたつらに−ものうかるみは−すくすのみなり

異同資料句番号:00212

00213
読人不知 よみ人も (000)

夏虫の身をたきすてて玉しあらは我とまねはむ人めもる身そ

なつむしの−みをたきすてて−たましあらは−われとまねはむ−ひとめもるみそ

異同資料句番号:00213

00214
読人不知 よみ人も (000)

今夜かくなかむる袖のつゆけきは月の霜をや秋とみつらん

こよひかく−なかむるそての−つゆけきは−つきのしもをや−あきとみつらむ

異同資料句番号:00214

00215
読人不知 よみ人も (000)

かも河のみなそこすみててる月をゆきて見むとや夏はらへする

かもかはの−みなそこすみて−てるつきを−ゆきてみむとや−なつはらへする

異同資料句番号:00215

00216
読人不知 よみ人も (000)

たなはたはあまのかはらをななかへりのちのみそかをみそきにはせよ

たなはたは−あまのかはらを−ななかへり−のちのみそかを−みそきにはせよ

異同資料句番号:00216


後撰集 巻五:秋上

00217
読人不知 よみ人しらす (000)

にはかにも風のすすしくなりぬるか秋立つ日とはむへもいひけり

にはかにも−かせのすすしく−なりぬるか−あきたつひとは−うへもいひけり

異同資料句番号:00217

00218
読人不知 よみ人しらす (000)

打ちつけに物そ悲しきこのはちる秋の始をけふそとおもへは

うちつけに−ものそかなしき−このはちる−あきのはしめを−けふそとおもへは

異同資料句番号:00218

00219
読人不知 よみ人しらす (000)

たのめこし君はつれなし秋風はけふよりふきぬわか身かなしも

たのめこし−きみはつれなし−あきかせは−けふよりふきぬ−わかみかなしも

異同資料句番号:00219

00220
読人不知 よみ人しらす (000)

いととしく物思ふやとの荻の葉に秋とつけつる風のわひしさ

いととしく−ものおもふやとの−をきのはに−あきとつけつる−かせのわひしき

異同資料句番号:00220

00221
読人不知 よみ人しらす (000)

秋風のうちふきそむるゆふくれはそらに心そわひしかりける

あきかせの−うちふきそむる−ゆふくれは−そらにこころそ−わひしかりける

異同資料句番号:00221

00222
千里 大江千里 (023)

露わけしたもとほすまもなきものをなと秋風のまたきふくらん

つゆわけし−たもとほすまも−なきものを−なとあきかせの−またきふくらむ

異同資料句番号:00222

00223
読人不知 よみ人しらす (000)

秋はきを色とる風の吹きぬれはひとの心もうたかはれけり

あきはきを−いろとるかせの−ふきぬれは−ひとのこころも−うたかはれけり

異同資料句番号:00223

00224
業平 在原業平朝臣 (017)

あき萩を色とる風は吹きぬとも心はかれし草はならねは

あきはきを−いろとるかせは−ふきぬとも−こころはかれし−くさはならねは

異同資料句番号:00224

00225
番号外作者 閑院 (999)

あふことはたなはたつめにひとしくてたちぬふわさはあへすそありける

あふことは−たなはたつめに−ひとしくて−たちぬふわさは−あへすそありける

異同資料句番号:00225

00226
読人不知 よみひとも (000)

天河渡らむそらもおもほえすたえぬ別と思ふものから

あまのかは−わたらむそらも−おもほえす−たえぬわかれと−おもふものから

異同資料句番号:00226

00227
番号外作者 源中正 (999)

雨ふりて水まさりけり天河こよひはよそにこひむとやみし

あめふりて−みつまさりけり−あまのかは−こよひはよそに−こひむとやみし

異同資料句番号:00227

00228
読人不知 よみ人しらす (000)

水まさり浅きせしらすなりぬともあまのと渡る舟もなしやは

みつまさり−あさきせしらす−なりぬとも−あまのとわたる−ふねもなしやは

異同資料句番号:00228

00229
番号外作者 藤原兼三 (999)

織女もあふよありけり天河この渡にはわたるせもなし

たなはたも−あふよありけり−あまのかは−このわたりには−わたるせもなし

異同資料句番号:00229

00230
読人不知 よみ人しらす (000)

ひこほしのまれにあふよのとこ夏は打ちはらへともつゆけかりけり

ひこほしの−まれにあふよの−とこなつは−うちはらへとも−つゆけかりけり

異同資料句番号:00230

00231
読人不知 よみ人しらす (000)

こひこひてあはむと思ふゆふくれはたなはたつめもかくそあるらし

こひこひて−あはむとおもふ−ゆふくれは−たなはたつめも−かくそあるらし

異同資料句番号:00231

00232
読人不知 よみ人しらす (000)

たくひなき物とは我そなりぬへきたなはたつめは人めやはもる

たくひなき−ものとはわれそ−なりぬへき−たなはたつめは−ひとめやはもる

異同資料句番号:00232

00233
読人不知 よみ人しらす (000)

あまの河流れてこひはうくもそあるあはれと思ふせにはやく見む

あまのかは−なかれてこひは−うくもそある−あはれとおもふ−せにはやくみむ

異同資料句番号:00233

00234
読人不知 よみ人しらす (000)

玉蔓たえぬものからあらたまの年の渡はたたひとよのみ

たまかつら−たえぬものから−あらたまの−としのわたりは−たたひとよのみ

異同資料句番号:00234

00235
読人不知 よみ人しらす (000)

秋の夜の心もしるくたなはたのあへるこよひはあけすもあらなん

あきのよの−こころもしるく−たなはたの−あへるこよひは−あけすもあらなむ

異同資料句番号:00235

00236
読人不知 よみ人しらす (000)

契りけん事のは今は返してむ年のわたりによりぬるものを

ちきりけむ−ことのはいまは−かへしてむ−としのわたりに−よりぬるものを

異同資料句番号:00236

00237
敦忠 藤原敦忠朝臣 (043)

逢ふ事の今夜過きなは織女におとりやしなんこひはまさりて

あふことの−こよひすきなは−たなはたに−おとりやしなむ−こひはまさりて

異同資料句番号:00237

00238
読人不知 よみ人しらす (000)

織女のあまのとわたるこよひさへをち方人のつれなかるらむ

たなはたの−あまのとわたる−こよひさへ−をちかちひとの−つれなかるらむ

異同資料句番号:00238

00239
読人不知 よみ人しらす (000)

天河とほき渡はなけれとも君かふなては年にこそまて

あまのかは−とほきわたりは−なけれとも−きみかふなては−としにこそまて

異同資料句番号:00239

00240
読人不知 よみ人しらす (000)

あまの河いはこす浪のたちゐつつ秋のなぬかのけふをしそまつ

あまのかは−いはこすなみの−たちゐつつ−あきのなぬかの−けふをしそまつ

異同資料句番号:00240

00241
友則 紀友則 (033)

けふよりはあまの河原はあせななんそこひともなくたたわたりなん

けふよりは−あまのかはらは−あせななむ−そこひともなく−たたわたりなむ

異同資料句番号:00241

00242
読人不知 よみ人しらす (000)

天河流れてこふるたなはたの涙なるらし秋のしらつゆ

あまのかは−なかれてこふる−たなはたの−なみたなるらし−あきのしらつゆ

異同資料句番号:00242

00243
読人不知 よみ人しらす (000)

あまの河せせの白浪たかけれとたたわたりきぬまつにくるしみ

あまのかは−せせのしらなみ−たかけれと−たたわたりきぬ−まつにくるしみ

異同資料句番号:00243

00244
読人不知 よみ人しらす (000)

秋くれは河霧わたる天河かはかみ見つつこふる日のおほき

あきくれは−かはきりわたる−あまのかは−かはかみみつつ−こふるひのおほき

異同資料句番号:00244

00245
読人不知 よみ人しらす (000)

天河こひしきせにそ渡りぬるたきつ涙に袖はぬれつつ

あまのかは−こひしきせにそ−わたりぬる−たきつなみたに−そてはぬれつつ

異同資料句番号:00245

00246
読人不知 よみ人しらす (000)

織女の年とはいはし天河雲たちわたりいさみたれなん

たなはたの−としとはいはし−あまのかは−くもたちわたり−いさみたれなむ

異同資料句番号:00246

00247
躬恒 凡河内躬恒 (029)

秋の夜のあかぬ別をたなはたはたてぬきにこそ思ふへらなれ

あきのよの−あかぬわかれを−たなはたは−たてぬきにこそ−おもふへらなれ

異同資料句番号:00247

00248
兼輔 兼輔朝臣 (027)

たなはたの帰る朝の天河舟もかよはぬ浪もたたなん

たなはたの−かへるあしたの−あまのかは−ふねもかよはぬ−なみもたたなむ

異同資料句番号:00248

00249
貫之 つらゆき (035)

あさとあけてなかめやすらんたなはたはあかぬ別のそらをこひつつ

あさとあけて−なかめやすらむ−たなはたは−あかぬわかれの−そらをこひつつ

異同資料句番号:00249

00250
読人不知 よみ人しらす (000)

秋風のふけはさすかにわひしきは世のことわりと思ふものから

あきかせの−ふけはさすかに−わひしきは−よのことわりと−おもふものから

異同資料句番号:00250

00251
読人不知 よみ人しらす (000)

松虫のはつこゑさそふ秋風はおとは山よりふきそめにけり

まつむしの−はつこゑさそふ−あきかせは−おとはやまより−ふきそめにけり

異同資料句番号:00251

00252
業平 業平朝臣 (017)

ゆく蛍雲のうへまていぬへくは秋風ふくと雁につけこせ

ゆくほたる−くものうへまて−いぬへくは−あきかせふくと−かりにつけこせ

異同資料句番号:00252

00253
読人不知 よみ人しらす (000)

秋風の草葉そよきてふくなへにほのかにしつるひくらしのこゑ

あきかせの−くさはそよきて−ふくなへに−ほのかにしつる−ひくらしのこゑ

異同資料句番号:00253

00254
貫之 つらゆき (035)

ひくらしの声きく山のちかけれやなきつるなへにいり日さすらん

ひくらしの−こゑきくやまの−ちかけれや−なきつるなへに−いりひさすらむ

異同資料句番号:00254

00255
貫之 つらゆき (035)

ひくらしのこゑきくからに松虫の名にのみ人を思ふころかな

ひくらしの−こゑきくからに−まつむしの−なにのみひとを−おもふころかな

異同資料句番号:00255

00256
貫之 つらゆき (035)

心有りてなきもしつるかひくらしのいつれももののあきてうけれは

こころありて−なきもしつるか−ひくらしの−いつれもものの−あきてうけれは

異同資料句番号:00256

00257
貫之 つらゆき (035)

秋風の吹きくるよひは蛬草のねことにこゑみたれけり

あきかせの−ふきくるよひは−きりきりす−くさのねことに−こゑみたれけり

異同資料句番号:00257

00258
貫之 つらゆき (035)

わかことく物やかなしききりきりす草のやとりにこゑたえすなく

わかことく−ものやかなしき−きりきりす−くさのやとりに−こゑたえすなく

異同資料句番号:00258

00259
貫之 つらゆき (035)

こむといひしほとやすきぬる秋ののに誰松虫そこゑのかなしき

こむといひし−ほとやすきぬる−あきののに−たれまつむしそ−こゑのかなしき

異同資料句番号:00259

00260
貫之 つらゆき (035)

秋ののにきやとる人もおもほえすたれを松虫ここらなくらん

あきののに−きやとるひとも−おもほえす−たれをまつむし−ここらなくらむ

異同資料句番号:00260

00261
貫之 つらゆき (035)

あき風のややふきしけはのをさむみわひしき声に松虫そ鳴く

あきかせの−ややふきしけは−のをさむみ−わひしきこゑに−まつむしそなく

異同資料句番号:00261

00262
番号外作者 藤原元善朝臣 (999)

秋くれは野もせに虫のおりみたるこゑのあやをはたれかきるらん

あきくれは−のもせにむしの−おりみたる−こゑのあやをは−たれかきるらむ

異同資料句番号:00262

00263
読人不知 よみ人しらす (000)

風さむみなく秋虫の涙こそくさは色とるつゆとおくらめ

かせさむみ−なくあきむしの−なみたこそ−くさはいろとる−つゆとおくらめ

異同資料句番号:00263

00264
読人不知 よみ人しらす (000)

秋風の吹きしく松は山なから浪立帰るおとそきこゆる

あきかせの−ふきしくまつは−やまなから−なみたちかへる−おとそきこゆる

異同資料句番号:00264

00265
忠峯 壬生忠岑 (030)

松のねに風のしらへをまかせては竜田姫こそ秋はひくらし

まつのねに−かせのしらへを−まかせては−たつたひめこそ−あきはひくらし

異同資料句番号:00265

00266
実頼 左大臣 (511)

山里の物さひしさは荻のはのなひくことにそ思ひやらるる

やまさとの−ものさひしきは−をきのはの−なひくことにそ−おもひやらるる

異同資料句番号:00266

00267
番号外作者 小野道風朝臣 (999)

ほにはいてぬいかにかせまし花すすき身を秋風にすてやはててん

ほにはいてぬ−いかにかせまし−はなすすき−みをあきかせに−すてやはててむ

異同資料句番号:00267

00268
読人不知 よみ人しらす (000)

あけくらしまもるたのみをからせつつたもとそほつの身とそ成りぬる

あけくらし−まもるたのみを−からせつつ−たもとそほつの−みとそなりぬる

異同資料句番号:00268

00269
読人不知 よみ人しらす (000)

心もておふる山田のひつちほは君まもらねとかる人もなし

こころもて−おふるやまたの−ひつちほは−きみまもらねと−かるひともなし

異同資料句番号:00269

00270
番号外作者 藤原守文 (999)

草のいとにぬく白玉と見えつるは秋のむすへるつゆにそ有りける

くさのいとに−ぬくしらたまと−みえつるは−あきのむすへる−つゆにそありける

異同資料句番号:00270


後撰集 巻六:秋中

00271
貫之 紀貫之 (035)

秋霧の立ちぬる時はくらふ山おほつかなくそ見え渡りける

あききりの−たちぬるときは−くらふやま−おほつかなくそ−みえわたりける

異同資料句番号:00271

00272
貫之 紀貫之 (035)

花見にといてにしものを秋の野の霧に迷ひてけふはくらしつ

はなみにと−いてにしものを−あきののの−きりにまよひて−けふはくらしつ

異同資料句番号:00272

00273
読人不知 よみ人しらす (000)

浦ちかくたつ秋きりはもしほやく煙とのみそ見えわたりける

うらちかく−たつあききりは−もしほやく−けふりとのみそ−みえわたりける

異同資料句番号:00273

00274
興風 藤原おきかせ (034)

をるからにわかなはたちぬ女郎花いさおなしくははなはなに見む

をるからに−わかなはたちぬ−をみなへし−いさおなしくは−はなはなにみむ

異同資料句番号:00274

00275
読人不知 よみ人しらす (000)

秋の野の露におかるる女郎花はらふ人なみぬれつつやふる

あきののの−つゆにおかるる−をみなへし−はらふひとなみ−ぬれつつやふる

異同資料句番号:00275

00276
読人不知 よみ人しらす (000)

をみなへし花の心のあたなれは秋にのみこそあひわたりけれ

をみなへし−はなのこころの−あたなれは−あきにのみこそ−あひわたりけれ

異同資料句番号:00276

00277
番号外作者 近江更衣 (999)

さみたれにぬれにし袖にいととしくつゆおきそふる秋のわひしさ

さみたれに−ぬれにしそてに−いととしく−つゆおきそふる−あきのわひしさ

異同資料句番号:00277

00278
番号外作者 延喜御製 (999)

おほかたも秋はわひしき時なれとつゆけかるらん袖をしそ思ふ

おほかたも−あきはわひしき−ときなれと−つゆけかるらむ−そてをしそおもふ

異同資料句番号:00278

00279
番号外作者 法皇御製 (999)

白露のかはるもなにかをしからんありてののちもややうきものを

しらつゆの−かはるもなにか−をしからむ−ありてののちも−ややうきものを

異同資料句番号:00279

00280
伊勢 (019)

うゑたてて君かしめゆふ花なれは玉と見えてやつゆもおくらん

うゑたてて−きみかしめゆふ−はななれは−たまとみえてや−つゆもおくらむ

異同資料句番号:00280

00281
師輔 右大臣 (513)

折りて見る袖さへぬるるをみなへしつゆけき物と今やしるらん

をりてみる−そてさへぬるる−をみなへし−つゆけきものと−いまやしるらむ

異同資料句番号:00281

00282
大輔 (502)

よろつよにかからんつゆををみなへしなに思ふとかまたきぬるらん

よろつよに−かからむつゆを−をみなへし−なにおもふとか−またきぬるらむ

異同資料句番号:00282

00283
師輔 右大臣 (513)

おきあかすつゆのよなよなへにけれはまたきぬるともおもはさりけり

おきあかす−つゆのよなよな−へにけれは−またきぬるとも−おもはさりけり

異同資料句番号:00283

00284
大輔 (502)

今ははや打ちとけぬへき白露の心おくまてよをやへにける

いまははや−うちとけぬへき−しらつゆの−こころおくまて−よをやへにける

異同資料句番号:00284

00285
読人不知 よみ人しらす (000)

白露のうへはつれなくおきゐつつ萩のしたはの色をこそ見れ

しらつゆの−うへはつれなく−おきゐつつ−はきのしたはの−いろをこそみれ

異同資料句番号:00285

00286
伊勢 (019)

心なき身はくさはにもあらなくに秋くる風にうたかはるらん

こころなき−みはくさはにも−あらなくに−あきくるかせに−うたかはるらむ

異同資料句番号:00286

00287
読人不知 よみ人しらす (000)

人はいさ事そともなきなかめにそ我はつゆけき秋もしらるる

ひとはいさ−ことそともなき−なかめにそ−われはつゆけき−あきもしらるる

異同資料句番号:00287

00288
番号外作者 中宮宣旨 (999)

花すすきほにいつる事もなきやとは昔忍ふの草をこそ見れ

はなすすき−ほにいつることも−なきやとは−むかししのふの−くさをこそみれ

異同資料句番号:00288

00289
伊勢 (019)

やともせにうゑなめつつそ我は見るまねくをはなに人やとまると

やともせに−うゑなへつつそ−われはみる−まねくをはなに−ひとやとまると

異同資料句番号:00289

00290
読人不知 よみ人も (000)

秋の夜をいたつらにのみおきあかす露はわか身のうへにそ有りける

あきのよを−いたつらにのみ−おきあかす−つゆはわかみの−うへにそありける

異同資料句番号:00290

00291
読人不知 よみ人も (000)

おほかたにおく白露も今よりは心してこそみるへかりけれ

おほかたに−おくしらつゆも−いまよりは−こころしてこそ−みるへかりけれ

異同資料句番号:00291

00292
師輔 右大臣 (513)

露ならぬわか身と思へと秋の夜をかくこそあかせおきゐなからに

つゆならぬ−わかみとおもへと−あきのよを−かくこそあかせ−おきゐなからに

異同資料句番号:00292

00293
読人不知 よみ人しらす (000)

白露のおくにあまたの声すれは花の色色有りとしらなん

しらつゆの−おくにあまたの−こゑすれは−はなのいろいろ−ありとしらなむ

異同資料句番号:00293

00294
実頼 左大臣 (511)

くれはては月も待つへし女郎花雨やめてとは思はさらなん

くれはては−つきもまつへし−をみなへし−あめやめてとは−おもはさらなむ

異同資料句番号:00294

00295
読人不知 よみ人も (000)

秋の田のかりほのやとのにほふまてさける秋はきみれとあかぬかも

あきのたの−かりほのやとの−にほふまて−さけるあきはき−みれとあかぬかも

異同資料句番号:00295

00296
読人不知 よみ人も (000)

秋のよをまとろますのみあかす身は夢ちとたにそたのまさりける

あきのよを−まとろますのみ−あかすみは−ゆめちとたにそ−たのまさりける

異同資料句番号:00296

00297
読人不知 よみ人も (000)

時雨ふりふりなは人に見せもあへすちりなはをしみをれる秋はき

しくれふり−ふりなはひとに−みせもあへす−ちりなはをしみ−をれるあきはき

異同資料句番号:00297

00298
貫之 つらゆき (035)

往還り折りてかささむあさなあさな鹿立ちならすのへの秋はき

ゆきかへり−をりてかささむ−あさなあさな−しかたちならす−のへのあきはき

異同資料句番号:00298

00299
宗于 むねゆきの朝臣 (028)

わかやとの庭の秋はきちりぬめりのちみむ人やくやしと思はむ

わかやとの−にはのあきはき−ちりぬめり−のちみむひとや−くやしとおもはむ

異同資料句番号:00299

00300
読人不知 よみ人しらす (000)

白露のおかまく惜しき秋萩を折りてはさらに我やかくさん

しらつゆの−おかまくをしき−あきはきを−をりてはさらに−われやかくさむ

異同資料句番号:00300

00301
貫之 つらゆき (035)

秋はきの色つく秋を徒にあまたかそへて老いそしにける

あきはきの−いろつくあきを−いたつらに−あまたかそへて−おいそしにける

異同資料句番号:00301

00302
天智天皇 天智天皇御製 (001)

秋の田のかりほのいほのとまをあらみわか衣手はつゆにぬれつつ

あきのたの−かりほのいほの−とまをあらみ−わかころもては−つゆにぬれつつ

異同資料句番号:00302

00303
読人不知 よみ人しらす (000)

わか袖に露そおくなる天河雲のしからみ浪やこすらん

わかそてに−つゆそおくなる−あまのかは−くものしからみ−なみやこすらむ

異同資料句番号:00303

00304
読人不知 よみ人しらす (000)

秋はきの枝もとををになり行くは白露おもくおけはなりけり

あきはきの−えたもとををに−なりゆくは−しらつゆおもく−おけはなりけり

異同資料句番号:00304

00305
読人不知 よみ人しらす (000)

わかやとのを花かうへの白露をけたすて玉にぬく物にもか

わかやとの−をはなかうへの−しらつゆを−けたすてたまに−ぬくものにもか

異同資料句番号:00305

00306
貫之 つらゆき (035)

さを鹿の立ちならすをのの秋はきにおける白露我もけぬへし

さをしかの−たちならすをのの−あきはきに−おけるしらつゆ−われもけぬへし

異同資料句番号:00306

00307
貫之 つらゆき (035)

秋の野の草はいととも見えなくにおくしらつゆを玉とぬくらん

あきののの−くさはいととも−みえなくに−おくしらつゆを−たまとぬくらむ

異同資料句番号:00307

00308
朝康 文屋朝康 (037)

白露に風の吹敷く秋ののはつらぬきとめぬ玉そちりける

しらつゆに−かせのふきしく−あきののは−つらぬきとめぬ−たまそちりける

異同資料句番号:00308

00309
忠峯 たたみね (030)

秋ののにおく白露をけさ見れは玉やしけるとおとろかれつつ

あきののに−おくしらつゆを−けさみれは−たまやしけると−おとろかれつつ

異同資料句番号:00309

00310
読人不知 よみ人も (000)

おくからにちくさの色になるものを白露とのみ人のいふらん

おくからに−ちくさのいろに−なるものを−しらつゆとのみ−ひとのいふらむ

異同資料句番号:00310

00311
読人不知 よみ人も (000)

白玉の秋のこのはにやとれると見ゆるはつゆのはかるなりけり

しらたまの−あきのこのはに−やとれると−みゆるはつゆの−はかるなりけり

異同資料句番号:00311

00312
読人不知 よみ人も (000)

秋ののにおく白露のきえさらは玉にぬきてもかけてみてまし

あきののに−おくしらつゆの−きえさらは−たまにぬきても−かけてみてまし

異同資料句番号:00312

00313
読人不知 よみ人も (000)

唐衣袖くつるまておくつゆはわか身を秋ののとや見るらん

からころも−そてくつるまて−おくつゆは−わかみをあきの−のとやみるらむ

異同資料句番号:00313

00314
読人不知 よみ人も (000)

おほそらにわか袖ひとつあらなくにかなしくつゆやわきておくらん

おほそらに−わかそてひとつ−あらなくに−かなしくつゆや−わきておくらむ

異同資料句番号:00314

00315
読人不知 よみ人も (000)

あさことにおくつゆそてにうけためて世のうき時の涙にそかる

あさことに−おくつゆそてに−うけためて−よのうきときの−なみたにそかる

異同資料句番号:00315

00316
貫之 つらゆき (035)

秋の野の草もわけぬをわか袖の物思ふなへにつゆけかるらん

あきののの−くさもわけぬを−わかそての−ものおもふなへに−つゆけかるらむ

異同資料句番号:00316

00317
深養父 ふかやふ (036)

いく世へてのちかわすれんちりぬへきのへの秋はきみかく月よを

いくよへて−のちかわすれむ−ちりぬへき−のへのあきはき−みかくつきよを

異同資料句番号:00317

00318
読人不知 よみ人しらす (000)

秋の夜の月の影こそこのまよりおちは衣と身にうつりけれ

あきのよの−つきのかけこそ−このまより−おちはころもと−みにうつりけれ

異同資料句番号:00318

00319
読人不知 よみ人しらす (000)

袖にうつる月の光は秋ことに今夜かはらぬ影とみえつつ

そてにうつる−つきのひかりは−あきことに−こよひかはらぬ−かけとみえつつ

異同資料句番号:00319

00320
読人不知 よみ人しらす (000)

秋のよの月にかさなる雲はれてひかりさやかに見るよしもかな

あきのよの−つきにかさなる−くもはれて−ひかりさやかに−みるよしもかな

異同資料句番号:00320

00321
番号外作者 小野美材 (999)

秋の池の月のうへにこく船なれは桂の枝にさをやさはらん

あきのいけの−つきのうへにこく−ふねなれは−かつらのえたに−さをやさはらむ

異同資料句番号:00321

00322
深養父 ふかやふ (036)

あきの海にうつれる月を立ちかへり浪はあらへと色もかはらす

あきのうみに−うつれるつきを−たちかへり−なみはあらへと−いろもかはらす

異同資料句番号:00322

00323
読人不知 よみ人しらす (000)

秋の夜の月の光はきよけれと人の心のくまはてらさす

あきのよの−つきのひかりは−きよけれと−ひとのこころの−くまはてらさす

異同資料句番号:00323

00324
読人不知 よみ人しらす (000)

あきの月常にかくてる物ならはやみにふる身はましらさらまし

あきのつき−つねにかくてる−ものならは−やみにふるみは−ましらさらまし

異同資料句番号:00324

00325
番号外作者 藤原雅正 (999)

いつとても月見ぬ秋はなきものをわきて今夜のめつらしきかな

いつとても−つきみぬあきは−なきものを−わきてこよひの−めつらしきかな

異同資料句番号:00325

00326
読人不知 よみ人しらす (000)

月影はおなしひかりの秋のよをわきて見ゆるは心なりけり

つきかけは−おなしひかりの−あきのよを−わきてみゆるは−こころなりけり

異同資料句番号:00326

00327
番号外作者 紀淑光朝臣 (999)

そらとほみ秋やよくらん久方の月のかつらの色もかはらぬ

そらとほみ−あきやよくらむ−ひさかたの−つきのかつらの−いろもかはらぬ

異同資料句番号:00327

00328
貫之 つらゆき (035)

衣手はさむくもあらねと月影をたまらぬ秋の雪とこそ見れ

ころもては−さむくもあらねと−つきかけを−たまらぬあきの−ゆきとこそみれ

異同資料句番号:00328

00329
読人不知 よみ人しらす (000)

あまの河しからみかけてととめなんあかすなかるる月やよとむと

あまのかは−しからみかけて−ととめなむ−あかすなかるる−つきやよとむと

異同資料句番号:00329

00330
読人不知 よみ人しらす (000)

秋風に浪やたつらん天河わたるせもなく月のなかるる

あきかせに−なみやたつらむ−あまのかは−わたるせもなく−つきのなかるる

異同資料句番号:00330

00331
読人不知 よみ人しらす (000)

あきくれは思ふ心そみたれつつまつもみちはとちりまさりける

あきくれは−おもふこころそ−みたれつつ−まつもみちはと−ちりまさりける

異同資料句番号:00331

00332
深養父 ふかやふ (036)

きえかへり物思ふ秋の衣こそ涙の河の紅葉なりけれ

きえかへり−ものおもふあきの−ころもこそ−なみたのかはの−もみちなりけれ

異同資料句番号:00332

00333
読人不知 よみ人しらす (000)

吹く風に深きたのみのむなしくは秋の心をあさしとおもはむ

ふくかせに−ふかきたのみの−むなしくは−あきのこころを−あさしとおもはむ

異同資料句番号:00333

00334
読人不知 よみ人しらす (000)

秋の夜は人をしつめてつれつれとかきなすことのねにそなきぬる

あきのよは−ひとをしつめて−つれつれと−かきなすことの−ねにそなきぬる

異同資料句番号:00334

00335
仲文 藤原清正 (125)

ぬきとむる秋しなけれは白露のちくさにおける玉もかひなし

ぬきとむる−あきしなけれは−しらつゆの−ちくさにおける−たまもかひなし

異同資料句番号:00335

00336
仲文 藤原清正 (125)

秋風にいととふけゆく月影をたちなかくしそあまの河きり

あきかせに−いととふけゆく−つきかけを−たちなかくしそ−あまのかはきり

異同資料句番号:00336

00337
貫之 (035)

をみなへしにほへる秋のむさしのは常よりも猶むつましきかな

をみなへし−にほへるあきの−むさしのは−つねよりもなほ−むつましきかな

異同資料句番号:00337

00338
兼覧王 (179)

秋霧のはるるはうれしをみなへし立ちよる人やあらんと思へは

あききりの−はるるはうれし−をみなへし−たちよるひとや−あらむとおもへは

異同資料句番号:00338

00339
読人不知 よみ人も (000)

をみなへし草むらことにむれたつは誰松虫の声に迷ふそ

をみなへし−くさむらことに−むれたつは−たれまつむしの−こゑにまよふそ

異同資料句番号:00339

00340
読人不知 よみ人も (000)

女郎花ひる見てましを秋の夜の月の光は雲かくれつつ

をみなへし−ひるみてましを−あきのよの−つきのひかりは−くもかくれつつ

異同資料句番号:00340

00341
読人不知 よみ人も (000)

をみなへし花のさかりにあき風のふくゆふくれを誰にかたらん

をみなへし−はなのさかりに−あきかせの−ふくゆふくれを−たれにかたらむ

異同資料句番号:00341

00342
貫之 つらゆき (035)

白妙の衣かたしき女郎花さけるのへにそこよひねにける

しろたへの−ころもかたしき−をみなへし−さけるのへにそ−こよひねにける

異同資料句番号:00342

00343
貫之 つらゆき (035)

名にしおへはしひてたのまん女郎花はなの心の秋はうくとも

なにしおへは−しひてたのまむ−をみなへし−はなのこころの−あきはうくとも

異同資料句番号:00343

00344
躬恒 みつね (029)

織女ににたるものかな女郎花秋よりほかにあふ時もなし

たなはたに−にたるものかな−をみなへし−あきよりほかに−あふときもなし

異同資料句番号:00344

00345
読人不知 よみ人しらす (000)

秋の野によるもやねなんをみなへし花の名をのみ思ひかけつつ

あきののに−よるもやねなむ−をみなへし−はなのなをのみ−おもひかけつつ

異同資料句番号:00345

00346
読人不知 よみ人しらす (000)

をみなへし色にもあるかな松虫をもとにやとして誰をまつらん

をみなへし−いろにもあるかな−まつむしを−もとにやとして−たれをまつらむ

異同資料句番号:00346

00347
読人不知 よみ人しらす (000)

女郎花にほふさかりを見る時そわかおいらくはくやしかりける

をみなへし−にほふさかりを−みるときそ−わかおいらくは−くやしかりける

異同資料句番号:00347

00348
定方 三条右大臣 (025)

をみなへし花のなならぬ物ならは何かは君かかさしにもせん

をみなへし−はなのなならぬ−ものならは−なにかはきみか−かさしにもせむ

異同資料句番号:00348

00349
仲平 枇杷左大臣 (504)

女郎花折りけん袖のふしことにすきにし君を思ひいてやせし

をみなへし−をりけむそての−ふしことに−すきにしきみを−おもひいてやせし

異同資料句番号:00349

00350
伊勢 (019)

をみなへしをりもをらすもいにしへをさらにかくへき物ならなくに

をみなへし−をりもをらすも−いにしへを−さらにかくへき−ものならなくに

異同資料句番号:00350


後撰集 巻七:秋下

00351
読人不知 よみ人も (000)

ふち袴きる人なみや立ちなからしくれの雨にぬらしそめつる

ふちはかま−きるひとなみや−たちなから−しくれのあめに−ぬらしそめつる

異同資料句番号:00351

00352
読人不知 よみ人も (000)

秋風にあひとしあへは花すすきいつれともなくほにそいてける

あきかせに−あひとしあへは−はなすすき−いつれともなく−ほにそいてける

異同資料句番号:00352

00353
棟梁 在原棟梁 (180)

花すすきそよともすれは秋風のふくかとそきくひとりぬるよは

はなすすき−そよともすれは−あきかせの−ふくかとそきく−ひとりぬるよは

異同資料句番号:00353

00354
読人不知 よみ人も (000)

はなすすきほにいてやすき草なれは身にならんとはたのまれなくに

はなすすき−ほにいてやすき−くさなれは−みにならむとは−たのまれなくに

異同資料句番号:00354

00355
読人不知 よみ人も (000)

秋風にさそはれわたる雁かねは雲ゐはるかにけふそきこゆる

あきかせに−さそはれわたる−かりかねは−くもゐはるかに−けふそきこゆる

異同資料句番号:00355

00356
貫之 つらゆき (035)

秋のよに雁かもなきてわたるなりわか思ふ人の事つてやせし

あきのよに−かりかもなきて−わたるなり−わかおもふひとの−ことつてやせし

異同資料句番号:00356

00357
貫之 つらゆき (035)

あき風に雲とひわけてくるかりの千世にかはらぬ声きこゆなり

あきかせに−きりとひわけて−くるかりの−ちよにかはらぬ−こゑきこゆなり

異同資料句番号:00357

00358
読人不知 よみ人しらす (000)

物思ふと月日のゆくもしらさりつかりこそなきて秋とつけつれ

ものおもふと−つきひのゆくも−しらさりつ−かりこそなきて−あきとつけけれ

異同資料句番号:00358

00359
読人不知 よみ人しらす (000)

かりかねのなきつるなへに唐衣たつたの山はもみちしにけり

かりかねの−なきつるなへに−からころも−たつたのやまは−もみちしにけり

異同資料句番号:00359

00360
読人不知 よみ人しらす (000)

秋風にさそはれ渡るかりかねは物思ふ人のやとをよかなん

あきかせに−さそはれわたる−かりかねは−ものおもふひとの−やとをよかなむ

異同資料句番号:00360

00361
読人不知 よみ人しらす (000)

誰きけと鳴く雁金そわかやとのを花か末を過きかてにして

たれきけと−なくかりかねそ−わかやとの−をはなかすゑを−すきかてにして

異同資料句番号:00361

00362
読人不知 よみ人しらす (000)

往還りここもかしこも旅なれやくる秋ことにかりかりとなく

ゆきかへり−ここもかしこも−たひなれや−くるあきことに−かりかりとなく

異同資料句番号:00362

00363
読人不知 よみ人しらす (000)

秋ことにくれとかへれはたのまぬを声にたてつつかりとのみなく

あきことに−くれとかへれは−たのまぬを−こゑにたてつつ−かりとのみなく

異同資料句番号:00363

00364
読人不知 よみ人しらす (000)

ひたすらにわかおもはなくにおのれさへかりかりとのみなきわたるらん

ひたすらに−わかおもはなくに−おのれさへ−かりかりとのみ−なきわたるらむ

異同資料句番号:00364

00365
躬恒 みつね (029)

年ことに雲ちまとはぬかりかねは心つからや秋をしるらん

としことに−くもちまとはぬ−かりかねは−こころつからや−あきをしるらむ

異同資料句番号:00365

00366
読人不知 よみ人しらす (000)

天河かりそとわたるさほ山のこすゑはむへも色つきにけり

あまのかは−かりそとわたる−さほやまの−こすゑはうへも−いろつきにけり

異同資料句番号:00366

00367
忠房 藤原忠房朝臣 (182)

秋きりのたちのの駒をひく時は心にのりて君そこひしき

あききりの−たちののこまを−ひくときは−こころにのりて−きみそこひしき

異同資料句番号:00367

00368
元方 在原元方 (169)

いその神ふるのの草も秋は猶色ことにこそあらたまりけれ

いそのかみ−ふるののくさも−あきはなほ−いろことにこそ−あらたまりけれ

異同資料句番号:00368

00369
読人不知 よみ人しらす (000)

秋の野の錦のことも見ゆるかな色なきつゆはそめしと思ふに

あきののの−にしきのことも−みゆるかな−いろなきつゆは−そめしとおもふに

異同資料句番号:00369

00370
読人不知 よみ人しらす (000)

あきののにいかなるつゆのおきつめはちちの草はの色かはるらん

あきののに−いかなるつゆの−おきつめは−ちちのくさはの−いろかはるらむ

異同資料句番号:00370

00371
読人不知 よみ人しらす (000)

いつれをかわきてしのはん秋ののにうつろはんとて色かはる草

いつれをか−わきてしのはむ−あきののに−うつろはむとて−いろかはるくさ

異同資料句番号:00371

00372
友則 紀友則 (033)

声たててなきそしぬへき秋きりに友まとはせるしかにはあらねと

こゑたてて−なきそしぬへき−あききりに−ともまとはせる−しかにはあらねと

異同資料句番号:00372

00373
読人不知 よみ人しらす (000)

誰きけと声白妙にさをしかのなかなかしよをひとりなくらん

たれきけと−こゑたかさこに−さをしかの−なかなかしよを−ひとりなくらむ

異同資料句番号:00373

00374
読人不知 よみ人しらす (000)

打ちはへて影とそたのむ峰の松色とる秋の風にうつるな

うちはへて−かけとそたのむ−みねのまつ−いろとるあきの−かせにうつるな

異同資料句番号:00374

00375
読人不知 よみ人しらす (000)

はつしくれふれは山へそおもほゆるいつれの方かまつもみつらん

はつしくれ−ふれはやまへそ−おもほゆる−いつれのかたか−まつもみつらむ

異同資料句番号:00375

00376
読人不知 よみ人しらす (000)

いもかひもとくとむすふとたつた山今そ紅葉の錦おりける

いもかひも−とくとむすふと−たつたやま−いまそもみちの−にしきおりける

異同資料句番号:00376

00377
読人不知 よみ人しらす (000)

雁なきて寒き朝の露ならし竜田の山をもみたす物は

かりなきて−さむきあしたの−つゆならし−たつたのやまを−もみたすものは

異同資料句番号:00377

00378
読人不知 よみ人しらす (000)

見ることに秋にもなるかなたつたひめもみちそむとや山もきるらん

みることに−あきにもなるかな−たつたひめ−もみちそむとや−やまもきるらむ

異同資料句番号:00378

00379
宗于 源宗于朝臣 (028)

梓弓いるさの山は秋きりのあたることにや色まさるらむ

あつさゆみ−いるさのやまは−あききりの−あたることにや−いろまさるらむ

異同資料句番号:00379

00380
読人不知 よみ人しらす (000)

君と我いもせの山も秋くれは色かはりぬる物にそありける

きみとわれ−いもせのやまも−あきくれは−いろかはりぬる−ものにそありける

異同資料句番号:00380

00381
元方 もとかた (169)

おそくとく色つく山のもみちははおくれさきたつつゆやおくらん

おそくとく−いろつくやまの−もみちはは−おくれさきたつ−つゆやおくらむ

異同資料句番号:00381

00382
友則 とものり (033)

かくはかりもみつる色のこけれはや錦たつたの山といふらん

かくはかり−もみつるいろの−こけれはや−にしきたつたの−やまといふらむ

異同資料句番号:00382

00383
読人不知 よみ人も (000)

唐衣たつたの山のもみちはは物思ふ人のたもとなりけり

からころも−たつたのやまの−もみちはは−ものおもふひとの−たもとなりけり

異同資料句番号:00383

00384
貫之 つらゆき (035)

葦引の山の山もりもる山も紅葉せさする秋はきにけり

あしひきの−やまのやまもり−もるやまも−もみちせさする−あきはきにけり

異同資料句番号:00384

00385
貫之 つらゆき (035)

唐錦たつたの山も今よりはもみちなからにときはならなん

からにしき−たつたのやまも−いまよりは−もみちなからに−ときはならなむ

異同資料句番号:00385

00386
貫之 つらゆき (035)

から衣たつたの山のもみちはははた物もなき錦なりけり

からころも−たつたのやまの−もみちはは−はたものもなき−にしきなりけり

異同資料句番号:00386

00387
忠峯 たたみね (030)

いく木ともえこそ見わかね秋山のもみちのにしきよそにたてれは

いくきとも−えこそみわかね−あきやまの−もみちのにしき−よそにたてれは

異同資料句番号:00387

00388
読人不知 よみ人も (000)

秋風のうち吹くからに山ものもなへて錦におりかへすかな

あきかせの−うちふくからに−やまものも−なへてにしきに−おりかへすかな

異同資料句番号:00388

00389
読人不知 よみ人も (000)

なとさらに秋かととはむからにしきたつたの山の紅葉するよを

なとさらに−あきかととはむ−からにしき−たつたのやまの−もみちするよを

異同資料句番号:00389

00390
読人不知 よみ人も (000)

あたなりと我は見なくにもみちはを色のかはれる秋しなけれは

あたなりと−われはみなくに−もみちはを−いろのかはれる−あきしなけれは

異同資料句番号:00390

00391
貫之 つらゆき (035)

玉かつら葛木山のもみちははおもかけにのみみえわたるかな

たまかつら−かつらきやまの−もみちはは−おもかけにのみ−みえわたるかな

異同資料句番号:00391

00392
貫之 つらゆき (035)

秋霧のたちしかくせはもみちははおほつかなくてちりぬへらなり

あききりの−たちしかくせは−もみちはは−おほつかなくて−ちりぬへらなり

異同資料句番号:00392

00393
素性 そせいほうし (021)

かかみやま山かきくもりしくるれともみちあかくそ秋は見えける

かかみやま−やまかきくもり−しくるれと−もみちあかくそ−あきはみえける

異同資料句番号:00393

00394
伊勢 (019)

かすしらす君かよはひをのはへつつなたたるやとのつゆとならなん

かすしらす−きみかよはひを−のはへつつ−なたたるやとの−つゆとならなむ

異同資料句番号:00394

00395
番号外作者 藤原雅正 (999)

露たにも名たたるやとの菊ならは花のあるしやいくよなるらん

つゆたにも−なたたるやとの−きくならは−はなのあるしや−いくよなるらむ

異同資料句番号:00395

00396
伊勢 (019)

菊のうへにおきゐるへくもあらなくにちとせの身をもつゆになすかな

きくのうへに−おきゐるへくも−あらなくに−ちとせのみをも−つゆになすかな

異同資料句番号:00396

00397
読人不知 よみ人も (000)

きくの花長月ことにさきくれはひさしき心秋やしるらむ

きくのはな−なかつきことに−さきくれは−ひさしきこころ−あきやしるらむ

異同資料句番号:00397

00398
読人不知 よみ人も (000)

名にしおへはなか月ことに君かためかきねの菊はにほへとそ思ふ

なにしおへは−なかつきことに−きみかため−かきねのきくは−にほへとそおもふ

異同資料句番号:00398

00399
読人不知 よみ人も (000)

旧里をわかれてさける菊の花たひなからこそにほふへらなれ

ふるさとを−わかれてさける−きくのはな−たひなからこそ−にほふへらなれ

異同資料句番号:00399

00400
読人不知 よみ人も (000)

何に菊色そめかへしにほふらん花もてはやす君もこなくに

なににきく−いろそめかへし−にほふらむ−はなもてはやす−きみもこなくに

異同資料句番号:00400

00401
読人不知 よみ人も (000)

もみちはのちりくる見れは長月のありあけの月の桂なるらし

もみちはの−ちりくるみれは−なかつきの−ありあけのつきの−かつらなるらし

異同資料句番号:00401

00402
読人不知 よみ人も (000)

いくちはたおれはか秋の山ことに風にみたるる鏡なるらむ

いくちはた−おれはかあきの−やまことに−かせにみたるる−にしきなるらむ

異同資料句番号:00402

00403
読人不知 よみ人も (000)

なほさりに秋の山へをこえくれはおらぬ錦をきぬ人そなき

なほさりに−あきのやまへを−こえくれは−おらぬにしきを−きぬひとそなき

異同資料句番号:00403

00404
読人不知 よみ人も (000)

もみちはをわけつつゆけは錦きて家に帰ると人や見るらん

もみちはを−わけつつゆけは−にしききて−いへにかへると−ひとやみるらむ

異同資料句番号:00404

00405
貫之 つらゆき (035)

うちむれていさわきもこかかかみ山こえてもみちのちらんかけ見む

うちむれて−いさわきもこか−かかみやま−こえてもみちの−ちらむかけみむ

異同資料句番号:00405

00406
読人不知 よみ人しらす (000)

山かせのふきのまにまにもみちははこのもかのもにちりぬへらなり

やまかせの−ふきのまにまに−もみちはは−このもかのもに−ちりぬへらなり

異同資料句番号:00406

00407
読人不知 よみ人しらす (000)

秋の夜に雨ときこえてふりつるは風にみたるる紅葉なりけり

あきのよに−あめときこえて−ふりつるは−かせにみたるる−もみちなりけり

異同資料句番号:00407

00408
読人不知 よみ人しらす (000)

立ちよりて見るへき人のあれはこそ秋の林ににしきしくらめ

たちよりて−みるへきひとの−あれはこそ−あきのはやしに−にしきしくらめ

異同資料句番号:00408

00409
読人不知 よみ人しらす (000)

このもとにおらぬ錦のつもれるは雲の林のもみちなりけり

このもとに−おらぬにしきの−つもれるは−くものはやしの−もみちなりけり

異同資料句番号:00409

00410
読人不知 よみ人しらす (000)

秋風にちるもみちははをみなへしやとにおりしく錦なりけり

あきかせに−ちるもみちはは−をみなへし−やとにおりしく−にしきなりけり

異同資料句番号:00410

00411
読人不知 よみ人しらす (000)

葦引の山のもみちはちりにけり嵐のさきに見てましものを

あしひきの−やまのもみちは−ちりにけり−あらしのさきに−みてましものを

異同資料句番号:00411

00412
読人不知 よみ人しらす (000)

もみちはのふりしく秋の山へこそたちてくやしきにしきなりけれ

もみちはの−ふりしくあきの−やまへこそ−たちてくやしき−にしきなりけれ

異同資料句番号:00412

00413
読人不知 よみ人しらす (000)

たつた河色紅になりにけり山のもみちそ今はちるらし

たつたかは−いろくれなゐに−なりにけり−やまのもみちそ−いまはちるらし

異同資料句番号:00413

00414
貫之 つらゆき (035)

竜田河秋にしなれは山ちかみなかるる水も紅葉しにけり

たつたかは−あきにしなれは−やまちかみ−なかるるみつも−もみちしにけり

異同資料句番号:00414

00415
読人不知 よみ人しらす (000)

もみちはのなかるる秋は河ことに錦あらふと人やみるらむ

もみちはの−なかるるあきは−かはことに−にしきあらふと−ひとやみるらむ

異同資料句番号:00415

00416
読人不知 よみ人しらす (000)

たつた河秋は水なくあせななんあかぬ紅葉のなかるれはをし

たつたかは−あきはみつなく−あせななむ−あかぬもみちの−なかるれはをし

異同資料句番号:00416

00417
朝康 文屋朝康 (037)

浪わけて見るよしもかなわたつみのそこのみるめももみちちるやと

なみわけて−みるよしもかな−わたつみの−そこのみるめも−もみちちるやと

異同資料句番号:00417

00418
興風 藤原興風 (034)

このはちる浦に浪たつ秋なれはもみちに花もさきまかひけり

このはちる−うらになみたつ−あきなれは−もみちにはなも−さきまかひけり

異同資料句番号:00418

00419
読人不知 よみ人しらす (000)

わたつみの神にたむくる山姫のぬさをそ人はもみちといひける

わたつみの−かみにたむくる−やまひめの−ぬさをそひとは−もみちといひける

異同資料句番号:00419

00420
貫之 つらゆき (035)

ひくらしの声もいとなくきこゆるは秋ゆふくれになれはなりけり

ひくらしの−こゑもいとなく−きこゆるは−あきゆふくれに−なれはなりけり

異同資料句番号:00420

00421
読人不知 よみ人しらす (000)

風のおとの限と秋やせめつらんふきくることに声のわひしき

かせのおとの−かきりとあきや−せめつらむ−ふきくることに−こゑのわひしき

異同資料句番号:00421

00422
読人不知 よみ人しらす (000)

もみちはにたまれるかりのなみたには月の影こそ移るへらなれ

もみちはに−たまれるかりの−なみたには−つきのかけこそ−うつるへらなれ

異同資料句番号:00422

00423
右近 (038)

おほかたの秋のそらたにわひしきに物思ひそふる君にもあるかな

おほかたの−あきのそらたに−わひしきに−ものおもひそふる−きみにもあるかな

異同資料句番号:00423

00424
読人不知 よみ人も (000)

わかことく物思ひけらししらつゆのよをいたつらにおきあかしつつ

わかことく−ものおもひけらし−しらつゆの−よをいたつらに−おきあかしつつ

異同資料句番号:00424

00425
番号外作者 平伊望朝臣女 (999)

秋ふかみよそにのみきくしらつゆのたかことのはにかかるなるらん

あきふかみ−よそにのみきく−しらつゆの−たかことのはに−かかるなるらむ

異同資料句番号:00425

00426
番号外作者 むかしの承香殿のあこき (999)

とふことの秋しもまれにきこゆるはかりにや我を人のたのめし

とふことの−あきしもまれに−きこゆるは−かりにやわれを−ひとのたのめし

異同資料句番号:00426

00427
番号外作者 みなもとのととのふ (999)

君こふと涙にぬるるわか袖と秋のもみちといつれまされり

きみこふと−なみたにぬるる−わかそてと−あきのもみちと−いつれまさけり

異同資料句番号:00427

00428
読人不知 よみ人も (000)

てる月の秋しもことにさやけきはちるもみちはをよるもみよとか

てるつきの−あきしもことに−さやけきは−ちるもみちはを−よるもみよとか

異同資料句番号:00428

00429
読人不知 よみ人も (000)

なとわか身したはもみちと成りにけんおなしなけきの枝にこそあれ

なとわかみ−したはもみちと−なりにけむ−おなしなけきの−えたにこそあれ

異同資料句番号:00429

00430
番号外作者 源わたす (999)

あかからは見るへきものをかりかねのいつこはかりになきてゆくらん

あかからは−みるへきものを−かりかねの−いつこはかりに−なきてゆくらむ

異同資料句番号:00430

00431
読人不知 よみ人しらす (000)

徒に露におかるる花かとて心もしらぬ人やをりけん

いたつらに−つゆにおかるる−はなかとて−こころもしらぬ−ひとやをりけむ

異同資料句番号:00431

00432
番号外作者 藤原忠行 (999)

枝も葉もうつろふ秋の花みれははてはかけなくなりぬへらなり

えたもはも−うつろふあきの−はなみれは−はてはかけなく−なりぬへらなり

異同資料句番号:00432

00433
友則 とものり (033)

しつくもてよはひのふてふ花なれはちよの秋にそ影はしけらん

しつくもて−よはひのふてふ−はななれは−ちよのあきにそ−かけはしけらむ

異同資料句番号:00433

00434
貫之 つらゆき (035)

秋の月ひかりさやけみもみちはのおつる影さへ見えわたるかな

あきのつき−ひかりさやけみ−もみちはの−おつるかけさへ−みえわたるかな

異同資料句番号:00434

00435
読人不知 よみ人も (000)

秋ことにつらをはなれぬかりかねは春帰るともかへらさらなん

あきことに−つらをはなれぬ−かりかねは−はるかへるとも−かへらさらなむ

異同資料句番号:00435

00436
読人不知 よみ人も (000)

みな人にをられにけりと菊の花君かためにそつゆはおきける

みなひとに−をられにけりと−きくのはな−きみかためにそ−つゆはおきける

異同資料句番号:00436

00437
読人不知 よみ人も (000)

吹く風にまかする舟や秋のよの月のうへよりけふはこくらん

ふくかせに−まかするふねや−あきのよの−つきのうへより−けふはこくらむ

異同資料句番号:00437

00438
読人不知 よみ人も (000)

もみちははちるこのもとにとまりけり過行く秋やいつちなるらむ

もみちはは−ちるこのもとに−とまりけり−すきゆくあきや−いつちなるらむ

異同資料句番号:00438

00439
読人不知 よみ人も (000)

思ひいてて問ふにはあらし秋はつる色の限を見するなるらん

おもひいてて−とふにはあらし−あきはつる−いろのかきりを−みするなるらむ

異同資料句番号:00439

00440
番号外作者 ちかぬかむすめ (999)

宇治山の紅葉を見すは長月のすきゆくひをもしらすそあらまし

うちやまの−もみちをみすは−なかつきの−すきゆくひをも−しらすそあらまし

異同資料句番号:00440

00441
貫之 つらゆき (035)

長月の在明の月はありなからはかなく秋はすきぬへらなり

なかつきの−ありあけのつきは−ありなから−はかなくあきは−すきぬへらなり

異同資料句番号:00441

00442
躬恒 みつね (029)

いつ方に夜はなりぬらんおほつかなあけぬかきりは秋そとおもはん

いつかたに−よはなりぬらむ−おほつかな−あけぬかきりは−あきそとおもはむ

異同資料句番号:00442


後撰集 巻八:冬

00443
読人不知 よみ人も (000)

はつ時雨ふれは山へそおもほゆるいつれの方かまつもみつらん

はつしくれ−ふれはやまへそ−おもほゆる−いつれのかたか−まつもみつらむ

異同資料句番号:00443

00444
読人不知 よみ人も (000)

はつしくれふるほともなくさほ山の梢あまねくうつろひにけり

はつしくれ−ふるほともなく−さほやまの−こすゑあまねく−うつろひにけり

異同資料句番号:00444

00445
読人不知 よみ人も (000)

神な月ふりみふらすみ定なき時雨そ冬の始なりける

かみなつき−ふりみふらすみ−さためなき−しくれそふゆの−はしめなりける

異同資料句番号:00445

00446
読人不知 よみ人も (000)

冬くれはさほの河せにゐるたつもひとりねかたきねをそなくなる

ふゆくれは−さほのかはせに−ゐるたつも−ひとりねかたき−ねをそなくなる

異同資料句番号:00446

00447
読人不知 よみ人も (000)

ひとりぬる人のきかくに神な月にはかにもふるはつ時雨かな

ひとりぬる−ひとのきかくに−かみなつき−にはかにもふる−はつしくれかな

異同資料句番号:00447

00448
読人不知 よみ人も (000)

秋はてて時雨ふりぬる我なれはちることのはをなにかうらみむ

あきはてて−しくれふりぬる−われなれは−ちることのはを−なにかうらみむ

異同資料句番号:00448

00449
読人不知 よみ人も (000)

吹く風は色も見えねと冬くれはひとりぬるよの身にそしみける

ふくかせは−いろもみえねと−ふゆくれは−ひとりぬるよの−みにそしみける

異同資料句番号:00449

00450
読人不知 よみ人も (000)

秋はててわか身しくれにふりぬれは事の葉さへにうつろひにけり

あきはてて−わかみしくれに−ふりぬれは−ことのはさへに−うつろひにけり

異同資料句番号:00450

00451
読人不知 よみ人も (000)

神な月時雨とともにかみなひのもりのこのははふりにこそふれ

かみなつき−しくれとともに−かみなひの−もりのこのはは−ふりにこそふれ

異同資料句番号:00452

00452
読人不知 よみ人も (000)

たのむ木もかれはてぬれは神な月時雨にのみもぬるるころかな

たのむきも−かれはてぬれは−かみなつき−しくれにのみも−ぬるるころかな

異同資料句番号:00453

00453
番号外作者 増基法師 (999)

神な月時雨はかりを身にそへてしらぬ山ちに入るそかなしき

かみなつき−しくれはかりを−みにそへて−しらぬやまちに−いるそかなしき

異同資料句番号:00454

00454
忠房 藤原忠房朝臣 (182)

もみちははをしき錦と見しかとも時雨とともにふりててそこし

もみちはは−をしきにしきと−みしかとも−しくれとともに−ふりててそこし

異同資料句番号:00455

00455
番号外作者 大江千古 (999)

もみちはも時雨もつらしまれにきてかへらん人をふりやととめぬ

もみちはも−しくれもつらし−まれにきて−かへらむひとを−ふりやととめぬ

異同資料句番号:00456

00456
読人不知 よみ人も (000)

神な月限とや思ふもみちはのやむ時もなくよるさへにふる

かみなつき−かきりとやおもふ−もみちはの−やむときもなく−よるさへにふる

異同資料句番号:00457

00457
読人不知 よみ人も (000)

ちはやふる神かき山のさか木はは時雨に色もかはらさりけり

ちはやふる−かみかきやまの−さかきはは−しくれにいろも−かはらさりけり

異同資料句番号:00458

00458
仲平 枇杷左大臣 (504)

人すますあれたるやとをきて見れは今そこのはは錦おりける

ひとすます−あれたるやとを−きてみれは−いまそこのはは−にしきおりける

異同資料句番号:00459

00459
伊勢 (019)

涙さへ時雨にそひてふるさとは紅葉の色もこさまさりけり

なみたさへ−しくれにそひて−ふるさとは−もみちのいろも−こさまさりけり

異同資料句番号:00460

00460
読人不知 よみ人も (000)

冬の池の鴨のうはけにおくしものきえて物思ふころにもあるかな

ふゆのいけの−かものうはけに−おくしもの−きえてものおもふ−ころにもあるかな

異同資料句番号:00461

00461
読人不知 人のむすめのやつなりける (000)

神な月時雨ふるにもくるる日を君まつほとはなかしとそ思ふ

かみなつき−しくれふるにも−くるるひを−きみまつほとは−なかしとそおもふ

異同資料句番号:00462

00462
読人不知 よみ人しらす (000)

身をわけて霜やおくらむあた人の事のはさへにかれもゆくかな

みをわけて−しもやおくらむ−あたひとの−ことのはさへに−かれもゆくかな

異同資料句番号:00463

00463
読人不知 よみ人しらす (000)

人しれす君につけてしわか袖のけさしもとけすこほるなるへし

ひとしれす−きみにつけてし−わかそての−けさしもとけす−こほるなるへし

異同資料句番号:00464

00464
読人不知 よみ人しらす (000)

かきくらし霰ふりしけ白玉をしける庭とも人のみるへく

かきくらし−あられふりしけ−しらたまを−しけるにはとも−ひとのみるへく

異同資料句番号:00465

00465
読人不知 よみ人しらす (000)

神な月しくるる時そみよしのの山のみゆきもふり始めける

かみなつき−しくるるときそ−みよしのの−やまのみゆきも−ふりはしめける

異同資料句番号:00466

00466
読人不知 よみ人しらす (000)

けさの嵐寒くもあるかな葦引の山かきくもり雪そふるらし

けさのあらし−さむくもあるかな−あしひきの−やまかきくもり−ゆきそふるらし

異同資料句番号:00467

00467
読人不知 よみ人しらす (000)

くろかみのしろくなりゆく身にしあれはまつはつ雪をあはれとそみる

くろかみの−しろくなりゆく−みにしあれは−まつはつゆきを−あはれとそみる

異同資料句番号:00468

00468
読人不知 よみ人しらす (000)

霰ふるみ山のさとのわひしきはきてたはやすくとふ人そなき

あられふる−みやまのさとの−わひしきは−きてたはやすく−とふひとそなき

異同資料句番号:00469

00469
読人不知 よみ人しらす (000)

ちはやふる神な月こそかなしけれわか身時雨にふりぬと思へは

ちはやふる−かみなつきこそ−かなしけれ−わかみしくれに−ふりぬとおもへは

異同資料句番号:00470

00470
読人不知 よみ人しらす (000)

しら山に雪ふりぬれはあとたえて今はこしちに人もかよはす

しらやまに−ゆきふりぬれは−あとたえて−いまはこしちに−ひともかよはす

異同資料句番号:00471

00471
貫之 つらゆき (035)

ふりそめて友まつゆきはむはたまのわかくろかみのかはるなりけり

ふりそめて−ともまつゆきは−うはたまの−わかくろかみの−かはるなりけり

異同資料句番号:00472

00472
兼輔 兼輔朝臣 (027)

くろかみの色ふりかふる白雪のまちいつる友はうとくそ有りける

くろかみの−いろふりかはる−しらゆきの−まちいつるともは−うとくそありける

異同資料句番号:00473

00473
貫之 つらゆき (035)

くろかみと雪とのなかのうきみれはともかかみをもつらしとそ思ふ

くろかみと−ゆきとのなかの−うきみれは−ともかかみをも−つらしとそおもふ

異同資料句番号:00474

00474
兼輔 兼輔朝臣 (027)

年ことにしらかのかすをますかかみ見るにそ雪の友はしりける

としことに−しらかのかすを−ますかかみ−みるにそゆきの−ともはしりける

異同資料句番号:00475

00475
読人不知 よみ人も (000)

年ふれと色もかはらぬ松かえにかかれる雪を花とこそ見れ

としふれと−いろもかはらぬ−まつかえに−かかれるゆきを−はなとこそみれ

異同資料句番号:00476

00476
読人不知 よみ人も (000)

霜かれの枝となわひそ白雪のきえぬ限は花とこそみれ

しもかれの−えたとなわひそ−しらゆきの−きえぬかきりは−はなとこそみれ

異同資料句番号:00477

00477
読人不知 よみ人も (000)

氷こそ今はすらしもみよしのの山のたきつせこゑもきこえす

こほりこそ−いまはすらしも−みよしのの−やまのたきつせ−こゑもきこえす

異同資料句番号:00478

00478
読人不知 よみ人も (000)

夜をさむみねさめてきけはをしそなく払ひもあへす霜やおくらん

よをさむみ−ねさめてきけは−をしそなく−はらひもあへす−しもやおくらむ

異同資料句番号:00479

00479
番号外作者 藤原かけもと (999)

かつきえてそらにみたるるあはゆきは物思ふ人の心なりけり

かつきえて−そらもみたるる−あはゆきは−ものおもふひとの−こころなりけり

異同資料句番号:00480

00480
読人不知 よみ人しらす (000)

白雪のふりはへてこそとはさらめとくるたよりをすくささらなん

しらゆきの−ふりはへてこそ−とはさらめ−とくるたよりを−すくささらなむ

異同資料句番号:00481

00481
読人不知 よみ人しらす (000)

思ひつつねなくにあくる冬の夜の袖の氷はとけすもあるかな

おもひつつ−ねなくにあくる−ふゆのよの−そてのこほりは−とけすもあるかな

異同資料句番号:00482

00482
読人不知 よみ人しらす (000)

荒玉の年を渡りてあるかうへにふりつむ雪のたえぬしら山

あらたまの−としをわたりて−あるかうへに−ふりつむゆきの−たえぬしらやま

異同資料句番号:00483

00483
読人不知 よみ人しらす (000)

まこもかるほり江にうきてぬるかもの今夜の霜にいかにわふらん

まこもかる−ほりえにうきて−ぬるかもの−こよひのしもに−いかにわふらむ

異同資料句番号:00484

00484
読人不知 よみ人しらす (000)

白雲のおりゐる山とみえつるはふりつむ雪のきえぬなりけり

しらくもの−おりゐるやまと−みえつるは−ふりつるゆきの−きえぬなりけり

異同資料句番号:00485

00485
読人不知 よみ人しらす (000)

ふるさとの雪は花とそふりつもるなかむる我も思ひきえつつ

ふるさとの−ゆきははなとそ−ふりつもる−なかむるわれも−おもひきえつつ

異同資料句番号:00486

00486
読人不知 よみ人しらす (000)

なかれゆく水こほりぬる冬さへや猶うき草のあとはととめぬ

なかれゆく−みつこほりぬる−ふゆさへや−なほうきくさの−あとはととめぬ

異同資料句番号:00487

00487
読人不知 よみ人しらす (000)

心あてに見はこそわかめ白雪のいつれか花のちるにたかへる

こころあてに−みはこそわかめ−しらゆきの−いつれかはなの−ちるにたかへる

異同資料句番号:00488

00488
読人不知 よみ人しらす (000)

天河冬は氷にとちたれやいしまにたきつおとたにもせぬ

あまのかは−ふゆはこほりに−とちたれや−いしまにたきつ−おとたにもせぬ

異同資料句番号:00489

00489
読人不知 よみ人しらす (000)

おしなへて雪のふれれはわかやとのすきを尋ねて問ふ人もなし

おしなへて−ゆきのふれれは−わかやとの−すきをたつねて−とふひともなし

異同資料句番号:00490

00490
読人不知 よみ人しらす (000)

冬の池の水になかるるあしかものうきねなからにいくよへぬらん

ふゆのいけの−みつになかるる−あしかもの−うきねなからに−いくよへぬらむ

異同資料句番号:00491

00491
読人不知 よみ人しらす (000)

山ちかみめつらしけなくふる雪のしろくやならん年つもりなは

やまちかみ−めつらしけなく−ふるゆきの−しろくやならむ−としつもりなは

異同資料句番号:00492

00492
読人不知 よみ人しらす (000)

松の葉にかかれる雪のそれをこそ冬の花とはいふへかりけれ

まつのはに−かかれるゆきの−それをこそ−ふゆのはなとは−いふへかりけれ

異同資料句番号:00493

00493
読人不知 よみ人しらす (000)

ふる雪はきえてもしはしとまらなん花ももみちも枝になきころ

ふるゆきは−きえてもしはし−とまらなむ−はなももみちも−えたになきころ

異同資料句番号:00494

00494
読人不知 よみ人しらす (000)

涙河身なくはかりのふちはあれと氷とけねはゆく方もなし

なみたかは−みなくはかりの−ふちはあれと−こほりとけねは−ゆくかたもなし

異同資料句番号:00495

00495
読人不知 よみ人しらす (000)

ふる雪に物思ふわか身おとらめやつもりつもりてきえぬはかりそ

ふるゆきに−ものおもふわかみ−おとらめや−つもりつもりて−きえぬはかりそ

異同資料句番号:00496

00496
読人不知 よみ人しらす (000)

よるならは月とそみましわかやとの庭白妙にふりつもる雪

よるならは−つきとそみまし−わかやとの−にはしろたへに−ふりつもるゆき

異同資料句番号:00497

00497
読人不知 よみ人しらす (000)

むめかえにふりおける雪を春ちかみめのうちつけに花かとそ見る

うめかえに−ふりおけるゆきを−はるちかみ−めのうちつけに−はなかとそみる

異同資料句番号:00498

00498
読人不知 よみ人しらす (000)

いつしかと山の桜もわかことく年のこなたにはるをまつらん

いつしかと−やまのさくらも−わかことく−としのこなたに−はるをまつらむ

異同資料句番号:00499

00499
読人不知 よみ人しらす (000)

年深くふりつむ雪を見る時そこしのしらねにすむ心ちする

としふかく−ふりつむゆきを−みるときそ−こしのしらねに−すむここちする

異同資料句番号:00500

00500
読人不知 よみ人しらす (000)

としくれて春あけかたになりぬれは花のためしにまかふ白雪

としくれて−はるあけかたに−なりぬれは−はなのためしに−まかふしらゆき

異同資料句番号:00501

00501
読人不知 よみ人しらす (000)

春ちかくふる白雪はをくら山峰にそ花のさかりなりける

はるちかく−ふるしらゆきは−をくらやま−みねにそはなの−さかりなりける

異同資料句番号:00502

00502
読人不知 よみ人しらす (000)

冬の池にすむにほ鳥のつれもなくしたにかよはん人にしらすな

ふゆのいけに−すむにほとりの−つれもなく−したにかよはむ−ひとにしらすな

異同資料句番号:00503

00503
読人不知 よみ人しらす (000)

むはたまのよるのみふれる白雪はてる月影のつもるなりけり

うはたまの−よるのみふれる−しらゆきは−てるつきかけの−つもるなりけり

異同資料句番号:00504

00504
読人不知 よみ人しらす (000)

この月の年のあまりにたらさらはうくひすははやなきそしなまし

このつきの−としのあまりに−たらさらは−うくひすははや−なきそしなまし

異同資料句番号:00505

00505
読人不知 よみ人しらす (000)

関こゆる道とはなしにちかなから年にさはりて春をまつかな

せきこゆる−みちとはなしに−ちかなから−としにさはりて−はるをまつかな

異同資料句番号:00506

00506
敦忠 藤原敦忠朝臣 (043)

物思ふとすくる月日もしらぬまにことしはけふにはてぬとかきく

ものおもふと−すくるつきひも−しらぬまに−ことしはけふに−はてぬとかきく

異同資料句番号:00507


後撰集 巻九:恋一

00507
宗于 源宗于朝臣 (028)

あつまちのさやの中山中中にあひ見てのちそわひしかりける

あつまちの−さやのなかやま−なかなかに−あひみてのちそ−わひしかりける

異同資料句番号:00508

00508
貫之 つらゆき (035)

暁と何かいひけんわかるれは夜ひもいとこそわひしかりけれ

あかつきと−なにかいひけむ−わかるれは−よひもいとこそ−わひしかりけれ

異同資料句番号:00509

00509
番号外作者 するか (999)

まとろまぬかへにも人を見つるかなまさしからなん春の夜の夢

まとろまぬ−かへにもひとを−みつるかな−まさしからなむ−はるのよのゆめ

異同資料句番号:00510

00510
元良親王 元良のみこ (020)

くやくやとまつゆふくれと今はとてかへる朝といつれまされり

くやくやと−まつゆふくれと−いまはとて−かへるあしたと−いつれまされり

異同資料句番号:00511

00511
番号外作者 藤原かつみ (999)

ゆふくれは松にもかかる白露のおくる朝やきえははつらむ

ゆふくれは−まつにもかかる−しらつゆの−おくるあしたや−きえははつらむ

異同資料句番号:00512

00512
読人不知 よみ人しらす (000)

うち返し君そこひしきやまとなるふるのわさ田の思ひいてつつ

うちかへし−きみそこひしき−やまとなる−ふるのわさたの−おもひいてつつ

異同資料句番号:00513

00513
読人不知 よみ人しらす (000)

秋の田のいねてふ事をかけしかは思ひいつるかうれしけもなし

あきのたの−いねてふことを−かけしかは−おもひいつるか−うれしけもなし

異同資料句番号:00514

00514
読人不知 よみ人しらす (000)

人こふる心はかりはそれなから我はわれにもあらぬなりけり

ひとこふる−こころはかりは−それなから−われはわれにも−あらぬなりけり

異同資料句番号:00515

00515
伊勢 (019)

おもひかはたえすなかるる水のあわのうたかた人にあはてきえめや

おもひかは−たえすなかるる−みつのあわの−うたかたひとに−あはてきえめや

異同資料句番号:00516

00516
読人不知 三統公忠 (000)

思ひやる心はつねにかよへとも相坂の関こえすもあるかな

おもひやる−こころはつねに−かよへとも−あふさかのせき−こえすもあるかな

異同資料句番号:00517

00517
読人不知 よみ人しらす (000)

きえはててやみぬはかりか年をへて君を思ひのしるしなけれは

きえはてて−やみぬはかりか−としをへて−きみをおもひの−しるしなけれは

異同資料句番号:00518

00518
読人不知 よみ人しらす (000)

おもひたにしるしなしてふわか身にそあはぬなけきのかすはもえける

おもひたに−しるしなしてふ−わかみにそ−あはぬなけきの−かすはもえける

異同資料句番号:00519

00519
読人不知 よみ人しらす (000)

ほしかてにぬれぬへきかな唐衣かわくたもとの世世になけれは

ほしかてに−ぬれぬへきかな−からころも−かわくたもとの−よよになけれは

異同資料句番号:00520

00520
読人不知 よみ人しらす (000)

世とともにあふくま河のとほけれはそこなる影をみぬそわひしき

よとともに−あふくまかはの−とほけれは−そこなるかけを−みぬそわひしき

異同資料句番号:00521

00521
読人不知 よみ人しらす (000)

わかことくあひ思ふ人のなき時は深き心もかひなかりけり

わかことく−あひおもふひとの−なきときは−ふかきこころも−かひなかりけり

異同資料句番号:00522

00522
読人不知 よみ人しらす (000)

いつしかとわか松山に今はとてこゆなる浪にぬるる袖かな

いつしかと−わかまつやまに−いまはとて−こゆなるなみに−ぬるるそてかな

異同資料句番号:00523

00523
読人不知 よみ人しらす (000)

ひとことはまことなりけりしたひものとけぬにしるき心と思へは

ひとことは−まことなりけり−したひもの−とけぬにしるき−こころとおもへは

異同資料句番号:00524

00524
読人不知 よみ人しらす (000)

結ひおきしわかしたひもの今まてにとけぬは人のこひぬなりけり

むすひおきし−わかしたひもの−いままてに−とけぬはひとの−こひぬなりけり

異同資料句番号:00525

00525
読人不知 よみ人しらす (000)

ほかのせはふかくなるらしあすかかは昨日のふちそわか身なりける

ほかのせは−ふかくなるらし−あすかかは−きのふのふちそ−わかみなりける

異同資料句番号:00526

00526
読人不知 よみ人しらす (000)

ふちせともいさやしら浪立ちさわくわか身ひとつはよる方もなし

ふちせとも−いさやしらなみ−たちさわく−わかみひとつは−よるかたもなし

異同資料句番号:00527

00527
読人不知 よみ人しらす (000)

ひかりまつつゆに心をおける身はきえかへりつつ世をそうらむる

ひかりまつ−つゆにこころを−おけるみは−きえかへりつつ−よをそうらむる

異同資料句番号:00528

00528
読人不知 よみ人しらす (000)

しほみたぬうみときけはや世とともにみるめなくして年のへぬらん

しほみたぬ−うみときけはや−よとともに−みるめなくして−としのへぬらむ

異同資料句番号:00529

00529
番号外作者 桂のみこ (999)

唐衣きて帰りにしさよすからあはれと思ふをうらむらんはた

からころも−きてかへりにし−さよすから−あはれとおもふを−うらむらむはた

異同資料句番号:00530

00530
番号外作者 きのめのと (999)

影たにも見えすなりゆく山の井はあさきより又水やたえにし

かけたにも−みえすなりゆく−やまのゐは−あさきよりまた−みつやたえにし

異同資料句番号:00531

00531
貞文 平定文 (161)

浅してふ事をゆゆしみ山の井はほりし濁に影は見えぬそ

あさしてふ−ことをゆゆしみ−やまのゐは−ほりしにこりに−かけはみえぬそ

異同資料句番号:00532

00532
読人不知 よみ人も (000)

いくたひかいくたの浦に立帰り浪にわか身を打ちぬらすらん

いくたひか−いくたのうらに−たちかへり−なみにわかみを−うちぬらすらむ

異同資料句番号:00533

00533
読人不知 よみ人も (000)

立帰りぬれてはひぬるしほなれはいくたの浦のさかとこそ見れ

たちかへり−ぬれてはひぬる−しほなれは−いくたのうらの−さかとこそみれ

異同資料句番号:00534

00534
読人不知 よみ人も (000)

逢ふ事はいとと雲井のおほそらにたつ名のみしてやみぬはかりか

あふことは−いととくもゐの−おほそらに−たつなのみして−やみぬはかりか

異同資料句番号:00535

00535
読人不知 よみ人も (000)

よそなからやまんともせす逢ふ事は今こそ雲のたえまなるらめ

よそなから−やまむともせす−あふことは−いまこそくもの−たえまなるらめ

異同資料句番号:00536

00536
読人不知 よみ人も (000)

今のみとたのむなれとも白雲のたえまはいつかあらんとすらん

いまのみと−たのむなれとも−しらくもの−たえまはいつか−あらむとすらむ

異同資料句番号:00537

00537
読人不知 よみ人も (000)

をやみせす雨さへふれは沢水のまさるらんともおもほゆるかな

をやみせす−あめさへふれは−さはみつの−まさるらむとも−おもほゆるかな

異同資料句番号:00538

00538
読人不知 よみ人も (000)

夢にたに見る事そなき年をへて心のとかにぬるよなけれは

ゆめにたに−みることそなき−としをへて−こころのとかに−ぬるよなけれは

異同資料句番号:00539

00539
読人不知 よみ人も (000)

見そめすてあらましものを唐衣たつ名のみしてきるよなきかな

みそめすて−あらましものを−からころも−たつなのみして−きるよなきかな

異同資料句番号:00540

00540
読人不知 よみ人も (000)

枯れはつる花の心はつらからて時すきにける身をそうらむる

かれはつる−はなのこころは−つらからて−ときすきにける−みをそうらむる

異同資料句番号:00541

00541
読人不知 よみ人も (000)

あたにこそちるとみるらめ君にみなうつろひにたる花の心を

あたにこそ−ちるとみるらめ−きみにみな−うつろひにたる−はなのこころを

異同資料句番号:00542

00542
読人不知 よみ人も (000)

こむといひし月日をすくすをはすての山のはつらき物にそ有りける

こむといひし−つきひをすくす−をはすての−やまのはつらき−ものにそありける

異同資料句番号:00543

00543
読人不知 よみ人も (000)

月日をもかそへけるかな君こふるかすをもしらぬわか身なになり

つきひをも−かそへけるかな−きみこふる−かすをもしらぬ−わかみなになり

異同資料句番号:00544

00544
読人不知 よみ人も (000)

このめはるはるの山田を打返し思ひやみにし人そこひしき

このめはる−はるのやまたを−うちかへし−おもひやみにし−ひとそこひしき

異同資料句番号:00545

00545
時平 贈太政大臣 (503)

ころをへてあひ見ぬ時は白玉の涙も春は色まさりけり

ころをへて−あひみぬときは−しらたまの−なみたもはるは−いろまさりけり

異同資料句番号:00546

00546
伊勢 (019)

人こふる涙は春そぬるみけるたえぬおもひのわかすなるへし

ひとこふる−なみたははるそ−ぬるみける−たえぬおもひの−わかすなるへし

異同資料句番号:00547

00547
番号外作者 源たのむかむすめ (999)

つらしともいかか怨みむ郭公わかやとちかくなく声はせて

つらしとも−いかかうらみむ−ほとときす−わかやとちかく−なくこゑはせて

異同資料句番号:00548

00548
番号外作者 あつよしのみこ (999)

里ことに鳴きこそ渡れ郭公すみか定めぬ君たつぬとて

さとことに−なきこそわたれ−ほとときす−すみかさためぬ−きみたつぬとて

異同資料句番号:00549

00549
列樹 春道のつらき (032)

かすならぬみ山かくれの郭公人しれぬねをなきつつそふる

かすならぬ−みやまかくれの−ほとときす−ひとしれぬねを−なきつつそふる

異同資料句番号:00550

00550
番号外作者 これたたのみこ (999)

逢ふ事のかた糸そとはしりなから玉のをはかり何によりけん

あふことの−かたいとそとは−しりなから−たまのをはかり−なにによりけむ

異同資料句番号:00551

00551
読人不知 よみ人しらす (000)

思ふとはいふものからにともすれはわするる草の花にやはあらぬ

おもふとは−いふものからに−ともすれは−わするるくさの−はなにやはあらぬ

異同資料句番号:00552

00552
番号外作者 たいふのこといふ人 (999)

うゑてみる我はわすれてあたひとにまつわすらるる花にそ有りける

うゑてみる−われはわすれて−あたひとに−まつわすらるる−はなにそありける

異同資料句番号:00553

00553
番号外作者 土左 (999)

浦わかすみるめかるてふあまの身は何かなにはの方へしもゆく

うらわかす−みるめかるてふ−あまのみは−なにかなにはの−かたへしもゆく

異同資料句番号:00554

00554
貞文 定文 (161)

君を思ふふかさくらへにつのくにのほり江見にゆく我にやはあらぬ

きみをおもふ−ふかさくらへに−つのくにの−ほりえみにゆく−われにやはあらぬ

異同資料句番号:00555

00555
伊勢 (019)

いかてかく心ひとつをふたしへにうくもつらくもなしてみすらん

いかてかく−こころひとつを−ふたしへに−うくもつらくも−なしてみすらむ

異同資料句番号:00556

00556
読人不知 よみ人も (000)

ともすれは玉にくらへしますかかみひとのたからと見るそ悲しき

ともすれは−たまにくらへし−ますかかみ−ひとのたからと−みるそかなしき

異同資料句番号:00557

00557
読人不知 よみ人も (000)

いはせ山谷のした水うちしのひ人のみぬまは流れてそふる

いはせやま−たにのしたみつ−うちしのひ−ひとのみぬまは−なかれてそふる

異同資料句番号:00558

00558
読人不知 よみ人も (000)

うれしけに君かたのめし事のははかたみにくめる水にそ有りける

うれしけに−きみかたのめし−ことのはは−かたみにくめる−みつにそありける

異同資料句番号:00559

00559
読人不知 よみ人も (000)

ゆきやらぬ夢ちにまとふたもとにはあまつそらなき露そおきける

ゆきやらぬ−ゆめちにまとふ−たもとには−あまつそらなき−つゆそおきける

異同資料句番号:00560

00560
読人不知 よみ人も (000)

身ははやくならの宮こと成りにしを恋しきことのまたもふりぬか

みははやく−ならのみやこと−なりにしを−こひしきことの−またもふりぬか

異同資料句番号:00561

00561
読人不知 よみ人も (000)

住吉の岸の白浪よるよるはあまのよそめに見るそ悲しき

すみよしの−きしのしらなみ−よるよるは−あまのよそめに−みるそかなしき

異同資料句番号:00562

00562
読人不知 よみ人も (000)

君こふとぬれにし袖のかわかぬは思ひの外にあれはなりけり

きみこふと−ぬれにしそての−かわかぬは−おもひのほかに−あれはなりけり

異同資料句番号:00563

00563
読人不知 よみ人も (000)

あはさりし時いかなりし物とてかたたいまのまも見ねは恋しき

あはさりし−ときいかなりし−ものとてか−たたいまのまも−みねはこひしき

異同資料句番号:00564

00564
読人不知 よみ人も (000)

世中にしのふるこひのわひしきはあひてののちのあはぬなりけり

よのなかに−しのふるこひの−わひしきは−あひてののちの−あはぬなりけり

異同資料句番号:00565

00565
読人不知 よみ人も (000)

恋をのみ常にするかの山なれはふしのねにのみなかぬ日はなし

こひをのみ−つねにするかの−やまなれは−ふしのねにのみ−なかぬひはなし

異同資料句番号:00566

00566
読人不知 よみ人も (000)

君によりわか身そつらき玉たれの見すは恋しとおもはましやは

きみにより−わかみそつらき−たまたれの−みすはこひしと−おもはましやは

異同資料句番号:00567

00567
読人不知 よみ人も (000)

今そしるあかぬ別の暁は君をこひちにぬるる物とは

いまそしる−あかぬわかれの−あかつきは−きみをこひちに−ぬるるものとは

異同資料句番号:00568

00568
読人不知 よみ人も (000)

よそにふる雨とこそきけおほつかな何をか人のこひちといふらん

よそにふる−あめとこそきけ−おほつかな−なにをかひとの−こひちといふらむ

異同資料句番号:00569

00569
読人不知 よみ人も (000)

たえはつる物とは見つつささかにのいとをたのめる心ほそさよ

たえはつる−ものとはみつつ−ささかにの−いとをたのめる−こころほそさよ

異同資料句番号:00570

00570
読人不知 よみ人も (000)

うちわたし長き心はやつはしのくもてに思ふ事はたえせし

うちわたし−なかきこころは−やつはしの−くもてにおもふ−ことはたえせし

異同資料句番号:00571

00571
読人不知 よみ人も (000)

思ふ人おもはぬ人の思ふ人おもはさらなん思ひしるへく

おもふひと−おもはぬひとの−おもふひと−おもはさらなむ−おもひしるへく

異同資料句番号:00572

00572
読人不知 よみ人も (000)

こからしのもりのした草風はやみ人のなけきはおひそひにけり

こからしの−もりのしたくさ−かせはやみ−ひとのなけきは−おひそひにけり

異同資料句番号:00573

00573
読人不知 よみ人も (000)

別をは悲しき物とききしかとうしろやすくもおもほゆるかな

わかれをは−かなしきものと−ききしかと−うしろやすくも−おもほゆるかな

異同資料句番号:00574

00574
読人不知 よみ人も (000)

なきたむるた本こほれるけさみれは心とけても君をおもはす

なきたむる−たもとこほれる−けさみれは−こころとけても−きみをおもはす

異同資料句番号:00575

00575
読人不知 よみ人も (000)

身をわけてあらまほしくそおもほゆる人はくるしといひけるものを

みをわけて−あらまほしくそ−おもほゆる−ひとはくるしと−いひけるものを

異同資料句番号:00576

00576
読人不知 よみ人も (000)

雲井にて人をこひしと思ふかな我は葦へのたつならなくに

くもゐにて−ひとをこひしと−おもふかな−われはあしへの−たつならなくに

異同資料句番号:00577

00577
等 源ひとしの朝臣 (039)

あさちふのをののしの原忍ふれとあまりてなとか人のこひしき

あさちふの−をののしのはら−しのふれと−あまりてなとか−ひとのこひしき

異同資料句番号:00578

00578
兼盛 かねもり (040)

雨やまぬのきの玉水かすしらす恋しき事のまさるころかな

あめやまぬ−のきのたまみつ−かすしらす−こひしきことの−まさるころかな

異同資料句番号:00579

00579
読人不知 よみ人しらす (000)

伊勢の海にはへてもあまるたくなはの長き心は我そまされる

いせのうみに−はへてもあまる−たくなはの−なかきこころは−われそまされる

異同資料句番号:00580

00580
読人不知 よみ人しらす (000)

色にいてて恋すてふ名そたちぬへき涙にそむる袖のこけれは

いろにいてて−こひすてふなそ−たちぬへき−なみたにそむる−そてのこけれは

異同資料句番号:00581

00581
読人不知 よみ人しらす (000)

かくこふる物としりせはよるはおきてあくれはきゆるつゆならましを

かくこふる−ものとしりせは−よるはおきて−あくれはきゆる−つゆならましを

異同資料句番号:00582

00582
読人不知 よみ人しらす (000)

あひも見す歎きもそめす有りし時思ふ事こそ身になかりしか

あひもみす−なけきもそめす−ありしとき−おもふことこそ−みになかりしか

異同資料句番号:00583

00583
読人不知 よみ人しらす (000)

こひのことわりなき物はなかりけりかつむつれつつかつそ恋しき

こひのこと−わりなきものは−なかりけり−かつむつれつつ−かつそこひしき

異同資料句番号:00584

00584
読人不知 よみ人しらす (000)

わたつ海に深き心のなかりせは何かは君を怨みしもせん

わたつうみに−ふかきこころの−なかりせは−なにかはきみを−うらみしもせむ

異同資料句番号:00585

00585
読人不知 よみ人しらす (000)

みな神にいのるかひなく涙河うきても人をよそに見るかな

みなかみに−いのるかひなく−なみたかは−うきてもひとを−よそにみるかな

異同資料句番号:00586

00586
読人不知 よみ人しらす (000)

いのりけるみな神さへそうらめしきけふより外に影の見えねは

いのりける−みなかみさへそ−うらめしき−けふよりほかに−かけのみえねは

異同資料句番号:00587

00587
師輔 右大臣 (513)

色深く染めした本のいととしくなみたにさへもこさまさるかな

いろふかく−そめしたもとの−いととしく−なみたにさへも−こさまさるかな

異同資料句番号:00588

00588
読人不知 よみ人も (000)

見る時は事そともなく見ぬ時はこと有りかほに恋しきやなそ

みるときは−ことそともなく−みぬときは−ことありかほに−こひしきやなそ

異同資料句番号:00589

00589
読人不知 よみ人も (000)

山さとのまきのいたともさささりきたのめし人をまちしよひより

やまさとの−まきのいたとも−さささりき−たのめしひとを−まちしよひより

異同資料句番号:00590

00590
読人不知 よみ人も (000)

ゆく方もなくせかれたる山水のいはまほしくもおもほゆるかな

ゆくかたも−なくせかれたる−やまみつの−いはまほしくも−おもほゆるかな

異同資料句番号:00591

00591
読人不知 よみ人も (000)

人のうへのこととしいへはしらぬかな君も恋する折もこそあれ

ひとのうへの−こととしいへは−しらぬかな−きみもこひする−をりもこそあれ

異同資料句番号:00592

00592
読人不知 よみ人も (000)

つらからはおなし心につらからんつれなき人をこひんともせす

つらからは−おなしこころに−つらからむ−つれなきひとを−こひむともせす

異同資料句番号:00593

00593
読人不知 よみ人も (000)

人しれす思ふ心はおほしまのなるとはなしになけくころかな

ひとしれす−おもふこころは−おほしまの−なるとはなしに−なけくころかな

異同資料句番号:00594

00594
中務 (136)

はかなくておなし心になりにしを思ふかことは思ふらんやそ

はかなくて−おなしこころに−なりにしを−おもふかことは−おもふらむやそ

異同資料句番号:00595

00595
信明 源信明 (124)

わひしさをおなし心ときくからにわか身をすてて君そかなしき

わひしさを−おなしこころと−きくからに−わかみをすてて−きみそかなしき

異同資料句番号:00596

00596
信明 源信明 (124)

定なくあたにちりぬる花よりはときはの松の色をやは見ぬ

さためなく−あたにちりぬる−はなよりは−ときはのまつの−いろをやはみぬ

異同資料句番号:00597

00597
読人不知 よみ人しらす (000)

住吉のわか身なりせは年ふとも松より外の色を見ましや

すみよしの−わかみなりせは−としふとも−まつよりほかの−いろをみましや

異同資料句番号:00598

00598
読人不知 よみ人しらす (000)

うつつにもはかなきことのあやしきはねなくにゆめの見ゆるなりけり

うつつにも−はかなきことの−あやしきは−ねなくにゆめの−みゆるなりけり

異同資料句番号:00599

00599
読人不知 よみ人しらす (000)

白浪のよるよる岸に立ちよりてねも見しものをすみよしの松

しらなみの−よるよるきしに−たちよりて−ねもみしものを−すみよしのまつ

異同資料句番号:00600

00600
読人不知 よみ人しらす (000)

なからへてあらぬまてにも事のはのふかきはいかにあはれなりけり

なからへて−あらぬまてにも−ことのはの−ふかきはいかに−あはれなりけり

異同資料句番号:00601


後撰集 巻十:恋二

00601
忠房 藤原忠房朝臣 (182)

人を見て思ふおもひもあるものをそらにこふるそはかなかりける

ひとをみて−おもふおもひも−あるものを−そらにこふるそ−はかなかりける

異同資料句番号:00602

00602
忠峯 壬生忠岑 (030)

ひとりのみおもへはくるし如何しておなし心に人ををしへむ

ひとりのみ−おもへはくるし−いかにして−おなしこころに−ひとををしへむ

異同資料句番号:00603

00603
友則 紀友則 (033)

わか心いつならひてか見ぬ人を思ひやりつつこひしかるらん

わかこころ−いつならひてか−みぬひとを−おもひやりつつ−こひしかるらむ

異同資料句番号:00604

00604
番号外作者 源中正 (999)

葉をわかみほにこそいてね花すすきしたの心にむすはさらめや

はをわかみ−ほにこそいてね−はなすすき−したのこころに−むすはさらめや

異同資料句番号:00605

00605
兼覧王 (179)

あしひきの山したしけくはふくすの尋ねてこふる我としらすや

あしひきの−やましたしけく−はふくすの−たつねてこふる−われとしらすや

異同資料句番号:00606

00606
忠房 忠房朝臣 (182)

かくれぬに忍ひわひぬるわか身かなゐてのかはつと成りやしなまし

かくれぬに−しのひわひぬる−わかみかな−ゐてのかはつと−なりやしなまし

異同資料句番号:00607

00607
番号外作者 藤原輔文 (999)

あふくまのきりとはなしに終夜立渡りつつ世をもふるかな

あふくまの−きりとはなしに−よもすから−たちわたりつつ−よをもふるかな

異同資料句番号:00608

00608
読人不知 よみ人しらす (000)

あやしくもいとふにはゆる心かないかにしてかは思ひやむへき

あやしくも−いとふにはゆる−こころかな−いかにしてかは−おもひやむへき

異同資料句番号:00609

00609
番号外作者 本院右京 (999)

ともかくもいふ事のはの見えぬかないつらはつゆのかかり所は

ともかくも−いふことのはの−みえぬかな−いつらはつゆの−かかりところは

異同資料句番号:00610

00610
番号外作者 橘敏仲 (999)

わひ人のそほつてふなる涙河おりたちてこそぬれ渡りけれ

わひひとの−そほつてふなる−なみたかは−おりたちてこそ−ぬれわたりけれ

異同資料句番号:00611

00611
大輔 (502)

ふちせとも心もしらす涙河おりやたつへきそてのぬるるに

ふちせとも−こころもしらす−なみたかは−おりやたつへき−そてのぬるるに

異同資料句番号:00612

00612
番号外作者 とし中 (999)

心みに猶おりたたむなみたかはうれしきせにも流れあふやと

こころみに−なほおりたたむ−なみたかは−うれしきせにも−なかれあふやと

異同資料句番号:00613

00613
敦忠 藤原敦忠朝臣 (043)

かかりける人の心をしらつゆのおける物ともたのみけるかな

かかりける−ひとのこころを−しらつゆの−おけるものとも−たのみけるかな

異同資料句番号:00614

00614
番号外作者 藤原顕忠朝臣 (999)

鴬の雲井にわひてなくこゑを春のさかとそ我はききつる

うくひすの−くもゐにわひて−なくこゑを−はるのさかとそ−われはききつる

異同資料句番号:00615

00615
番号外作者 平時望朝臣 (999)

かくはかり常なき世とはしりなから人をはるかに何たのみけん

かくはかり−つねなきよとは−しりなから−ひとをはるかに−なにたのみけむ

異同資料句番号:00616

00616
番号外作者 こまちかあね (999)

わかかとのひとむらすすきかりかはん君かてなれのこまもこぬかな

わかかとの−ひとむらすすき−かりかはむ−きみかてなれの−こまもこぬかな

異同資料句番号:00617

00617
仲平 枇杷左太臣 (504)

世を海のあわときえぬる身にしあれは怨むる事そかすなかりける

よをうみの−あわときえぬる−みにしあれは−うらむることそ−かすなかりける

異同資料句番号:00618

00618
伊勢 (019)

わたつみとたのめし事もあせぬれは我そわか身のうらはうらむる

わたつみと−たのめしことも−あせぬれは−われそわかみの−うらはうらむる

異同資料句番号:00619

00619
等 源ひとしの朝臣 (039)

あつまちのさののふな橋かけてのみ思渡るをしる人のなき

あつまちの−さののふなはし−かけてのみ−おもひわたるを−しるひとのなさ

異同資料句番号:00620

00620
番号外作者 紀良谷雄朝臣 (999)

ふしてぬる夢ちにたにもあはぬ身は猶あさましきうつつとそ思ふ

ふしてぬる−ゆめちにたにも−あはぬみは−なほあさましき−うつつとそおもふ

異同資料句番号:00621

00621
読人不知 よみ人しらす (000)

あまのとをあけぬあけぬといひなしてそらなきしつる鳥のこゑかな

あまのとを−あけぬあけぬと−いひなして−そらなきしつる−とりのこゑかな

異同資料句番号:00622

00622
読人不知 よみ人しらす (000)

終夜ぬれてわひつる唐衣相坂山にみちまとひして

よもすから−ぬれてわひつる−からころも−あふさかやまに−みちまとひして

異同資料句番号:00623

00623
読人不知 よみ人しらす (000)

おもへともあやなしとのみいはるれはよるの錦の心ちこそすれ

おもへとも−あやなしとのみ−いはるれは−よるのにしきの−ここちこそすれ

異同資料句番号:00624

00624
読人不知 よみ人しらす (000)

おとにのみききこしみわの山よりもすきのかすをは我そ見えにし

おとにのみ−ききこしみわの−やまよりも−すきのかすをは−われそみえにし

異同資料句番号:00625

00625
兼輔 兼輔朝臣 (027)

なにはかたかりつむあしのあしつつのひとへも君を我やへたつる

なにはかた−かりつむあしの−あしつつの−ひとへもきみを−われやへたつる

異同資料句番号:00626

00626
読人不知 よみ人しらす (000)

わかことや君もこふらん白露のおきてもねてもそてそかわかぬ

わかことや−きみもこふらむ−しらつゆの−おきてもねても−そてそかわかぬ

異同資料句番号:00627

00627
読人不知 よみ人しらす (000)

つらくともあらんとそ思ふよそにても人やけぬるときかまほしさに

つらくとも−あらむとそおもふ−よそにても−ひとやけぬると−きかまほしさに

異同資料句番号:00628

00628
業平 在原業平朝臣 (017)

くれぬとてねてゆくへくもあらなくにたとるたとるもかへるまされり

くれぬとて−ねてゆくへくも−あらなくに−たとるたとるも−かへるまされり

異同資料句番号:00629

00629
元良親王 元良のみこ (020)

わりなしといふこそかつはうれしけれおろかならすと見えぬとおもへは

わりなしと−いふこそかつは−うれしけれ−おろかならすと−みえぬとおもへは

異同資料句番号:00630

00630
興風 藤原興風 (034)

わかこひをしらんと思ははたこの浦に立つらん浪のかすをかそへよ

わかこひを−しらむとおもはは−たこのうらに−たつらむなみの−かすをかそへよ

異同資料句番号:00631

00631
貫之 つらゆき (035)

色ならは移るはかりも染めてまし思ふ心をえやは見せける

いろならは−うつるはかりも−そめてまし−おもふこころを−えやはみせける

異同資料句番号:00632

00632
番号外作者 大江朝綱朝臣 (999)

葦引の山ひはすともふみかよふあとをも見ぬはくるしきものを

あしひきの−やまひはすとも−ふみかよふ−あとをもみぬは−くるしきものを

異同資料句番号:00633

00633
番号外作者 貞元のみこ (999)

おほかたはなそやわかなのをしからん昔のつまと人にかたらむ

おほかたは−なそやわかなの−をしからむ−むかしのつまと−ひとにかたらむ

異同資料句番号:00634

00634
番号外作者 おほつふね (999)

人はいさ我はなきなのをしけれは昔も今もしらすとをいはん

ひとはいさ−われはなきなの−をしけれは−むかしもいまも−しらすとをいはむ

異同資料句番号:00635

00635
読人不知 よみ人しらす (000)

跡みれは心なくさのはまちとり今は声こそきかまほしけれ

あとみれは−こころなくさの−はまちとり−いまはこゑこそ−きかまほしけれ

異同資料句番号:00636

00636
読人不知 よみ人しらす (000)

河と見てわたらぬ中になかるるはいはて物思ふ涙なりけり

かはとみて−わたらぬなかに−なかるるは−いはてものおもふ−なみたなりけり

異同資料句番号:00637

00637
番号外作者 橘公頼朝臣 (999)

あまくもになきゆく雁のおとにのみきき渡りつつあふよしもなし

あまくもに−なきゆくかりの−おとにのみ−ききわたりつつ−あふよしもなし

異同資料句番号:00638

00638
貫之 つらゆき (035)

住の江の浪にはあらねとよとともに心を君によせわたるかな

すみのえの−なみにはあらねと−よとともに−こころをきみに−よせわたるかな

異同資料句番号:00639

00639
読人不知 よみ人しらす (000)

見ぬほとに年のかはれはあふことのいやはるはるにおもほゆるかな

みぬほとに−としのかはれは−あふことの−いやはるはるに−おもほゆるかな

異同資料句番号:00640

00640
番号外作者 中将更衣 (999)

けふすきはしなましものを夢にてもいつこをはかと君かとはまし

けふすきは−しなましものを−ゆめにても−いつこをはかと−きみかとはまし

異同資料句番号:00641

00641
番号外作者 延喜御製 (999)

うつつにそとふへかりける夢とのみ迷ひしほとやはるけかりけん

うつつにそ−とふへかりける−ゆめとのみ−まよひしほとや−はるけかりけむ

異同資料句番号:00642

00642
番号外作者 藤原千かぬ (999)

流れてはゆく方もなし涙河わか身のうらや限なるらむ

なかれては−ゆくかたもなし−なみたかは−わかみのうらや−かきりなるらむ

異同資料句番号:00643

00643
棟梁 在原棟梁 (180)

わか恋のかすにしとらは白妙のはまのまさこもつきぬへらなり

わかこひの−かすにしとらは−しろたへの−はまのまさこも−つきぬへらなり

異同資料句番号:00644

00644
貫之 つらゆき (035)

涙にも思ひのきゆる物ならせいとかくむねはこかささらまし

なみたにも−おもひのきゆる−ものならは−いとかくむねは−こかささらまし

異同資料句番号:00645

00645
是則 坂上是則 (031)

しるしなき思ひやなそとあしたつのねになくまてにあはすわひしき

しるしなき−おもひやなそと−あしたつの−ねになくまてに−あはすわひしき

異同資料句番号:00646

00646
貫之 つらゆき (035)

たまのをのたえてみしかきいのちもて年月なかきこひもするかな

たまのをの−たえてみしかき−いのちもて−としつきなかき−こひもするかな

異同資料句番号:00647

00647
貞文 平定文 (161)

我のみやもえてきえなんよとともに思ひもならぬふしのねのこと

われのみや−もえてきえなむ−よとともに−おもひもならぬ−ふしのねのこと

異同資料句番号:00648

00648
番号外作者 きのめのと (999)

ふしのねのもえわたるともいかかせむけちこそしらね水ならぬ身は

ふしのねの−もえわたるとも−いかかせむ−けちこそしらね−みつならぬみは

異同資料句番号:00649

00649
貫之 つらゆき (035)

わひわたるわか身はつゆをおなしくは君かかきねの草にきえなん

わひわたる−わかみはつゆを−おなしくは−きみかかきねの−くさにきえなむ

異同資料句番号:00650

00650
元方 在原元方 (169)

みるめかるなきさやいつこあふこなみ立ちよる方もしらぬわか身は

みるめかる−なきさやいつこ−あふこなみ−たちよるかたも−しらぬわかみは

異同資料句番号:00651

00651
番号外作者 藤原滋幹 (999)

なるとよりさしいたされし舟よりも我そよるへもなき心地せし

なるとより−さしいたされし−ふねよりも−われそよるへも−なきここちせし

異同資料句番号:00652

00652
読人不知 よみ人も (000)

高砂の峰の白雲かかりける人の心をたのみけるかな

たかさこの−みねのしらくも−かかりける−ひとのこころを−たのみけるかな

異同資料句番号:00653

00653
番号外作者 延喜御製 (999)

よそにのみ松ははかなき住の江のゆきてさへこそ見まくほしけれ

よそにのみ−まつははかなき−すみのえの−ゆきてさへこそ−みまくほしけれ

異同資料句番号:00654

00654
等 ひとしの朝臣 (039)

かけろふに見しはかりにやはまちとりゆくへもしらぬ恋にまとはん

かけろふに−みしはかりにや−はまちとり−ゆくへもしらぬ−こひにまとはむ

異同資料句番号:00655

00655
番号外作者 藤原兼茂朝臣 (999)

わたつみのそこのありかはしりなからかつきていらん浪のまそなき

わたつみの−そこのありかは−しりなから−かつきていらむ−なみのまそなき

異同資料句番号:00656

00656
番号外作者 橘実利朝臣 (999)

つらしとも思ひそはてぬ涙河流れて人をたのむ心は

つらしとも−おもひそはてぬ−なみたかは−なかれてひとを−たのむこころは

異同資料句番号:00657

00657
読人不知 よみ人しらす (000)

流れてと何たのむらん涙河影見ゆへくもおもほえなくに

なかれてと−なにたのむらむ−なみたかは−かけみゆへくも−おもほえなくに

異同資料句番号:00658

00658
貞文 平定文 (161)

何事を今はたのまんちはやふる神もたすけぬわか身なりけり

なにことを−いまはたのまむ−ちはやふる−かみもたすけぬ−わかみなりけり

異同資料句番号:00659

00659
番号外作者 おほつふね (999)

ちはやふる神もみみこそなれぬらしさまさまいのる年もへぬれは

ちはやふる−かみもみみこそ−なれぬらし−さまさまいのる−としもへぬれは

異同資料句番号:00660

00660
貫之 つらゆき (035)

怨みても身こそつらけれ唐衣きていたつらにかへすとおもへは

うらみても−みこそつらけれ−からころも−きていたつらに−かへすとおもへは

異同資料句番号:00661

00661
忠峯 壬生忠岑 (030)

住吉の松にたちよる白浪のかへるをりにやねはなかるらむ

すみよしの−まつにたちよる−しらなみの−かへるをりにや−ねはなかるらむ

異同資料句番号:00662

00662
読人不知 よみ人しらす (000)

おもはむとたのめし事もあるものをなきなをたててたたにわすれね

おもはむと−たのめしことも−あるものを−なきなをたてて−たたにわすれね

異同資料句番号:00663

00663
読人不知 よみ人しらす (000)

かすかののとふひののもり見しものをなきなといははつみもこそうれ

かすかのの−とふひののもり−みしものを−なきなといはは−つみもこそうれ

異同資料句番号:00664

00664
読人不知 よみ人しらす (000)

わすられて思ふなけきのしけるをや身をはつかしのもりといふらん

わすられて−おもふなけきの−しけるをや−みをはつかしの−もりといふらむ

異同資料句番号:00665

00665
右近 (038)

おもはんとたのめし人は有りときくいひし事のはいつちいにけん

おもはむと−たのめしひとは−ありときく−いひしことのは−いつちいにけむ

異同資料句番号:00666

00666
番号外作者 源清蔭朝臣 (999)

さても猶まかきの島の有りけれはたちよりぬへくおもほゆるかな

さてもなほ−まかきのしまの−ありけれは−たちよりぬへく−おもほゆるかな

異同資料句番号:00667

00667
読人不知 よみ人しらす (000)

これはかく怨み所もなきものをうしろめたくはおもはさらなん

これはかく−うらみところも−なきものを−うしろめたくは−おもはさらなむ

異同資料句番号:00668

00668
信明 源さねあきら (124)

思ひきやあひ見ぬことをいつよりとかそふはかりになさん物とは

おもひきや−あひみぬことを−いつよりと−かそふはかりに−なさむものとは

異同資料句番号:00669

00669
番号外作者 藤原治方 (999)

世のつねのねをしなかねは逢ふ事の涙の色もことにそありける

よのつねの−ねをしなかねは−あふことの−なみたのいろも−ことにそありける

異同資料句番号:00670

00670
黒主 大伴黒主 (501)

白浪のよするいそまをこく舟のかちとりあへぬ恋もするかな

しらなみの−よするいそまを−こくふねの−かちとりあへぬ−こひもするかな

異同資料句番号:00671

00671
番号外作者 源うかふ (999)

こひしさはねぬになくさむともなきにあやしくあはぬめをもみるかな

こひしさは−ねぬになくさむ−ともなきに−あやしくあはぬ−めをもみるかな

異同資料句番号:00672

00672
番号外作者 源すくる (999)

ひさしくも恋ひわたるかなすみのえの岸に年ふる松ならなくに

ひさしくも−こひわたるかな−すみのえの−きしにとしふる−まつならなくに

異同資料句番号:00673

00673
仲文 藤原清正 (125)

逢ふ事の世世をへたつるくれ竹のふしのかすなき恋もするかな

あふことの−よよをへたつる−くれたけの−ふしのかすなき−こひもするかな

異同資料句番号:00674

00674
読人不知 よみ人しらす (000)

今はてふ心つくはの山見れはこすゑよりこそ色かはりけれ

いまはてふ−こころつくはの−やまみれは−こすゑよりこそ−いろかはりけれ

異同資料句番号:00675

00675
番号外作者 源重光朝臣 (999)

かへりけんそらもしられすをはすての山よりいてし月を見しまに

かへりけむ−そらもしられす−をはすての−やまよりいてし−つきをみしまに

異同資料句番号:00676

00676
番号外作者 きよたたか母 (999)

ふりとけぬ君かゆきけのしつくゆゑたもとにとけぬ氷しにけり

ふりとけぬ−きみかゆきけの−しつくゆゑ−たもとにとけぬ−こほりしにけり

異同資料句番号:00677

00677
番号外作者 藤原有文朝臣 (999)

かた時も見ねはこひしき君をおきてあやしやいくよほかにねぬらん

かたときも−みねはこひしき−きみをおきて−あやしやいくよ−ほかにねぬらむ

異同資料句番号:00678

00678
番号外作者 大江千古 (999)

思ひやる心にたくふ身なりせはひとひにちたひ君はみてまし

おもひやる−こころにたくふ−みなりせは−ひとひにちたひ−きみはみてまし

異同資料句番号:00679

00679
元良親王 もとよしのみこ (020)

逢ふ事はとほ山とりのかり衣きてはかひなきねをのみそなく

あふことは−とほやまとりの−かりころも−きてはかひなき−ねをのみそなく

異同資料句番号:00680

00680
番号外作者 あつよしのみこ (999)

深くのみ思ふ心はあしのねのわけても人にあはんとそ思ふ

ふかくのみ−おもふこころは−あしのねの−わけてもひとに−あはむとそおもふ

異同資料句番号:00681

00681
番号外作者 藤原忠国 (999)

いさり火のよるはほのかにかくしつつ有りへはこひのしたにけぬへし

いさりひの−よるはほのかに−かくしつつ−ありへはこひの−したにけぬへし

異同資料句番号:00682

00682
番号外作者 小八条御息所 (999)

たちよらは影ふむはかりちかけれと誰かなこその関をすゑけん

たちよらは−かけふむはかり−ちかけれと−たれかなこその−せきをすゑけむ

異同資料句番号:00683

00683
番号外作者 土左 (999)

わか袖はなにたつすゑの松山かそらより浪のこえぬ日はなし

わかそては−なにたつすゑの−まつやまか−そらよりなみの−こえぬひはなし

異同資料句番号:00684

00684
読人不知 よみ人しらす (000)

ひとりねのわひしきままにおきゐつつ月をあはれといみそかねつる

ひとりねの−わひしきままに−おきゐつつ−つきをあはれと−いみそかねつる

異同資料句番号:00685

00685
読人不知 よみ人しらす (000)

唐錦をしきわかなはたちはてて如何せよとか今はつれなき

からにしき−をしきわかなは−たちはてて−いかにせよとか−いまはつれなき

異同資料句番号:00686

00686
読人不知 よみ人しらす (000)

人つてにいふ事のはの中よりそ思ひつくはの山は見えける

ひとつてに−いふことのはの−うちよりそ−おもひつくはの−やまはみえける

異同資料句番号:00687

00687
貫之 つらゆき (035)

たよりにもあらぬ思ひのあやしきは心を人につくるなりけり

たよりにも−あらぬおもひの−あやしきは−こころをひとに−つくるなりけり

異同資料句番号:00688

00688
読人不知 よみ人しらす (000)

人つまに心あやなくかけはしのあやふき道はこひにそ有りける

ひとつまに−こころあやなく−かけはしの−あやふきみちは−こひにそありける

異同資料句番号:00689

00689
読人不知 よみ人しらす (000)

いはて思ふ心ありそのはま風にたつしら浪のよるそわひしき

いはておもふ−こころありその−はまかせに−たつしらなみの−よるそわひしき

異同資料句番号:00690

00690
読人不知 よみ人しらす (000)

ひとりのみこふれはくるしよふことりこゑになきいてて君にきかせん

ひとりのみ−こふれはくるし−よふことり−こゑになきいてて−きみにきかせむ

異同資料句番号:00691

00691
読人不知 よみ人しらす (000)

ふしなくて君かたえにししらいとはよりつきかたき物にそ有りける

ふしなくて−きみかたえにし−しらいとは−よりつきかたき−ものにそありける

異同資料句番号:00692

00692
読人不知 よみ人しらす (000)

草枕このたひへつる年月のうきは帰りてうれしからなん

くさまくら−このたひへつる−としつきの−うきはかへりて−うれしからなむ

異同資料句番号:00693

00693
読人不知 よみ人しらす (000)

いてしより見えすなりにし月影は又山のはに入りやしにけん

いてしより−みえすなりにし−つきかけは−またやまのはに−いりやしにけむ

異同資料句番号:00694

00694
読人不知 よみ人しらす (000)

あしひきの山におふてふもろかつらもろともにこそいらまほしけれ

あしひきの−やまにおふてふ−もろかつら−もろともにこそ−いらまほしけれ

異同資料句番号:00695

00695
貞文 平定文 (161)

はま千鳥たのむをしれとふみそむるあとうちけつな我をこす浪

はまちとり−たのむをしれと−ふみそむる−あとうちけつな−われをこすなみ

異同資料句番号:00696

00696
番号外作者 おほつ舟 (999)

ゆく水のせことにふまんあとゆゑにたのむしるしをいつれとかみん

ゆくみつの−せことにふまむ−あとゆゑに−たのむしるしを−いつれとかみむ

異同資料句番号:00697

00697
番号外作者 源もろあきらの朝臣 (999)

つまにおふることなしくさを見るからにたのむ心そかすまさりける

つまにおふる−ことなしくさを−みるからに−たのむこころそ−かすまさりける

異同資料句番号:00698

00698
番号外作者 源もろあきらの朝臣 (999)

おくつゆのかかる物とはおもへともかれせぬ物はなてしこのはな

おくつゆの−かかるものとは−おもへとも−かれせぬものは−なてしこのはな

異同資料句番号:00699

00699
番号外作者 源もろあきらの朝臣 (999)

かれすともいかかたのまむなてしこの花はときはのいろにしあらねは

かれすとも−いかかたのまむ−なてしこの−はなはときはの−いろにしあらねは

異同資料句番号:00700


後撰集 巻十一:恋三

00700
定方 三条右大臣 (025)

名にしおはは相坂山のさねかつら人にしられてくるよしもかな

なにしおはは−あふさかやまの−さねかつら−ひとにしられて−くるよしもかな

異同資料句番号:00701

00701
元方 在原元方 (169)

こひしとは更にもいはししたひものとけむを人はそれとしらなん

こひしとは−さらにもいはし−したひもの−とけむをひとは−それとしらなむ

異同資料句番号:00702

00702
読人不知 よみ人しらす (000)

したひものしるしとするもとけなくにかたるかことはあらすもあるかな

したひもの−しるしとするも−とけなくに−かたるかことは−あらすもあるかな

異同資料句番号:00703

00703
読人不知 よみ人しらす (000)

うつつにもはかなき事のわひしきはねなくに夢と思ふなりけり

うつつにも−はかなきことの−わひしきは−ねなくにゆめと−おもふなりけり

異同資料句番号:00704

00704
貫之 つらゆき (035)

たむけせぬ別れする身のわひしきは人めを旅と思ふなりけり

たむけせぬ−わかれするみの−わひしきは−ひとめをたひと−おもふなりけり

異同資料句番号:00705

00705
読人不知 よみ人しらす (000)

やとかへてまつにも見えすなりぬれはつらき所のおほくもあるかな

やとかへて−まつにもみえす−なりぬれは−つらきところの−おほくもあるかな

異同資料句番号:00706

00706
読人不知 よみ人も (000)

おもはむとたのめし人はかはらしをとはれぬ我やあらぬなるらん

おもはむと−たのめしひとは−かはらしを−とはれぬわれや−あらぬなるらむ

異同資料句番号:00707

00707
中務 (136)

いたつらにたひたひしぬといふめれはあふには何をかへんとすらん

いたつらに−たひたひしぬと−いふめれは−あふにはなにを−かへむとすらむ

異同資料句番号:00708

00708
信明 源信明 (124)

しぬしぬときくきくたにもあひみねはいのちをいつのよにかのこさん

しぬしぬと−きくきくたにも−あひみねは−いのちをいつの−よにかのこさむ

異同資料句番号:00709

00709
番号外作者 本院侍従 (999)

ゑにかける鳥とも人を見てしかなおなし所をつねにとふへく

ゑにかける−とりともひとを−みてしかな−おなしところを−つねにとふへく

異同資料句番号:00710

00710
貞文 平定文 (161)

昔せしわかかね事の悲しきは如何ちきりしなこりなるらん

むかしせし−わかかねことの−かなしきは−いかにちきりし−なこりなるらむ

異同資料句番号:00711

00711
読人不知 よみ人しらす (000)

うつつにて誰契りけん定なき夢ちに迷ふ我はわれかは

うつつにて−たれちきりけむ−さためなき−ゆめちにまよふ−われはわれかは

異同資料句番号:00712

00712
番号外作者 清原諸実 (999)

くれはとりあやに恋しく有りしかはふたむら山もこえすなりにき

くれはとり−あやにこひしく−ありしかは−ふたむらやまも−こえすなりにき

異同資料句番号:00713

00713
読人不知 よみ人しらす (000)

唐衣たつををしみし心こそふたむら山のせきとなりけめ

からころも−たつををしみし−こころこそ−ふたむらやまの−せきとなりけめ

異同資料句番号:00714

00714
番号外作者 きよなりか女 (999)

夢かとも思ふへけれとおほつかなねぬにみしかはわきそかねつる

ゆめかとも−おもふへけれと−おほつかな−ねぬにみしかは−わきそかねつる

異同資料句番号:00715

00715
読人不知 よみ人しらす (000)

そらしらぬ雨にもぬるるわか身かなみかさの山をよそにききつつ

そらしらぬ−あめにもぬるる−わかみかな−みかさのやまを−よそにききつつ

異同資料句番号:00716

00716
読人不知 よみ人しらす (000)

もろともにをるともなしに打ちとけて見えにけるかなあさかほの花

もろともに−をるともなしに−うちとけて−みえにけるかな−あさかほのはな

異同資料句番号:00717

00717
読人不知 よみ人しらす (000)

ももしきはをののえくたす山なれや入りにし人のおとつれもせぬ

ももしきは−をののえくたす−やまなれや−いりにしひとの−おとつれもせぬ

異同資料句番号:00718

00718
伊尹 これまさの朝臣 (045)

すすか山いせをのあまのすて衣しほなれたりと人やみるらん

すすかやま−いせをのあまの−すてころも−しほなれたりと−ひとやみるらむ

異同資料句番号:00719

00719
貫之 つらゆき (035)

いかて我人にもとはん暁のあかぬ別やなにににたりと

いかてわれ−ひとにもとはむ−あかつきの−あかぬわかれや−なにににたりと

異同資料句番号:00720

00720
行平 在原行平朝臣 (016)

恋しきにきえかへりつつあさつゆのけさはおきゐん心地こそせね

こひしきに−きえかへりつつ−あさつゆの−けさはおきゐむ−ここちこそせね

異同資料句番号:00721

00721
読人不知 よみ人しらす (000)

しののめにあかて別れした本をそつゆやわけしと人はとかむる

しののめに−あかてわかれし−たもとをそ−つゆやわけしと−ひとはとかむる

異同資料句番号:00722

00722
番号外作者 平中興 (999)

こひしきも思ひこめつつあるものを人にしらるる涙なになり

こひしきも−おもひこめつつ−あるものを−ひとにしらるる−なみたなになり

異同資料句番号:00723

00723
兼輔 兼輔朝臣 (027)

相坂のこのしたつゆにぬれしよりわか衣手は今もかわかす

あふさかの−このしたつゆに−ぬれしより−わかころもては−いまもかわかす

異同資料句番号:00724

00724
躬恒 みつね (029)

君を思ふ心を人にこゆるきのいそのたまもやいまもからまし

きみをおもふ−こころをひとに−こゆるきの−いそのたまもや−いまもからまし

異同資料句番号:00725

00725
読人不知 よみ人しらす (000)

なき名そと人にはいひて有りぬへし心のとははいかかこたへん

なきなそと−ひとにはいひて−ありぬへし−こころのとはは−いかかこたへむ

異同資料句番号:00726

00726
伊勢 (019)

きよけれと玉ならぬ身のわひしきはみかける物にいはぬなりけり

きよけれと−たまならぬみの−わひしきは−みかけるものに−いはぬなりけり

異同資料句番号:00727

00727
敦忠 あつたたの朝臣 (043)

逢ふ事をいさほにいてなんしのすすき忍ひはつへき物ならなくに

あふことを−いさほにいてなむ−しのすすき−しのひはつへき−ものならなくに

異同資料句番号:00728

00728
読人不知 よみ人しらす (000)

あひみてもわかるる事のなかりせはかつかつ物はおもはさらまし

あひみても−わかるることの−なかりせは−かつかつものは−おもはさらまし

異同資料句番号:00729

00729
番号外作者 閑院左大臣 (999)

いつのまにこひしかるらん唐衣ぬれにし袖のひるまはかりに

いつのまに−こひしかるらむ−からころも−ぬれにしそての−ひるまはかりに

異同資料句番号:00730

00730
貫之 つらゆき (035)

別れつるほともへなくに白浪の立帰りても見まくほしきか

わかれつる−ほともへなくに−しらなみの−たちかへりても−みまくほしきか

異同資料句番号:00731

00731
伊尹 これまさの朝臣 (045)

人しれぬ身はいそけとも年をへてなとこえかたき相坂の関

ひとしれぬ−みはいそけとも−としをへて−なとこえかたき−あふさかのせき

異同資料句番号:00732

00732
番号外作者 小野好古朝臣女 (999)

あつまちにゆきかふ人にあらぬ身はいつかはこえむ相坂の関

あつまちに−ゆきかふひとに−あらぬみは−いつかはこえむ−あふさかのせき

異同資料句番号:00733

00733
仲文 藤原きよたた (125)

つれもなき人にまけしとせし程に我もあたなは立ちそしにける

つれもなき−ひとにまけしと−せしほとに−われもあたなは−たちそしにける

異同資料句番号:00734

00734
番号外作者 小野遠興かむすめ (999)

つらからぬ中にあるこそうとしといへ隔てはててしきぬにやはあらぬ

つらからぬ−なかにあるこそ−うとしといへ−へたてはててし−きぬにやはあらぬ

異同資料句番号:00735

00735
番号外作者 もろまさの朝臣 (999)

ときはなる日かけのかつらけふしこそ心の色にふかく見えけれ

ときはなる−ひかけのかつら−けふしこそ−こころのいろに−ふかくみえけれ

異同資料句番号:00736

00736
番号外作者 閑院のおほい君 (999)

誰となくかかるおほみにふかからん色をときはにいかかたのまん

たれとなく−かかるおほみに−ふかからむ−いろをときはに−いかかたのまむ

異同資料句番号:00737

00737
仲文 きよたた (125)

講となくおほろに見えし月影にわける心を思ひしらなん

たれとなく−おほろにみえし−つきかけに−わけるこころを−おもひしらなむ

異同資料句番号:00738

00738
番号外作者 本院兵衛 (999)

春をたにまたてなきぬる鴬はふるすはかりの心なりけり

はるをたに−またてなきぬる−うくひすは−ふるすはかりの−こころなりけり

異同資料句番号:00739

00739
番号外作者 かねもちの朝臣女 (999)

ゆふされはわか身のみこそかなしけれいつれの方に枕さためむ

ゆふされは−わかみのみこそ−かなしけれ−いつれのかたに−まくらさためむ

異同資料句番号:00740

00740
元方 在原元方 (169)

夢にたにまたみえなくにこひしきはいつにならへる心なるらん

ゆめにたに−またみえなくに−こひしきは−いつにならへる−こころなるらむ

異同資料句番号:00741

00741
忠峯 壬生忠岑 (030)

思ふてふ事をそねたくふるしける君にのみこそいふへかりけれ

おもふてふ−ことをそねたく−ふるしける−きみにのみこそ−いふへかりけれ

異同資料句番号:00742

00742
番号外作者 戒仙法師 (999)

あな恋しゆきてや見ましつのくにの今も有りてふ浦のはつ島

あなこひし−ゆきてやみまし−つのくにの−いまもありてふ−うらのはつしま

異同資料句番号:00743

00743
貫之 つらゆき (035)

月かへて君をは見むといひしかと日たにへたてすこひしきものを

つきかへて−きみをはみむと−いひしかと−ひたにへたてす−こひしきものを

異同資料句番号:00744

00744
躬恒 みつね (029)

伊勢の海にしほやくあまの藤衣なるとはすれとあはぬ君かな

いせのうみに−しほやくあまの−ふちころも−なるとはすれと−あはぬきみかな

異同資料句番号:00745

00745
是則 これのり (031)

わたのそこかつきてしらん君かため思ふ心のふかさくらへに

わたのそこ−かつきてしらむ−きみかため−おもふこころの−ふかさくらへに

異同資料句番号:00746

00746
右近 (038)

唐衣かけてたのまぬ時そなき人のつまとは思ふものから

からころも−かけてたのまぬ−ときそなき−ひとのつまとは−おもふものから

異同資料句番号:00747

00747
番号外作者 藤原守正 (999)

あらかりし浪の心はつらけれとすこしによせしこゑそこひしき

あらかりし−なみのこころは−つらけれと−すこしによせし−こゑそこひしき

異同資料句番号:00748

00748
番号外作者 藤原のちかけの朝臣 (999)

いつ方に立ちかくれつつ見よとてかおもひくまなく人のなりゆく

いつかたに−たちかくれつつ−みよとてか−おもひくまなく−ひとのなりゆく

異同資料句番号:00749

00749
番号外作者 土左 (999)

つらきをもうきをもよそに見しかともわか身にちかき世にこそ有りけれ

つらきをも−うきをもよそに−みしかとも−わかみにちかき−よにこそありけれ

異同資料句番号:00750

00750
元方 在原元方 (169)

ふちはせになりかはるてふあすかかは渡り見てこそしるへかりけれ

ふちはせに−なりかはるてふ−あすかかは−わたりみてこそ−しるへかりけれ

異同資料句番号:00751

00751
伊勢 (019)

いとはるる身をうれはしみいつしかとあすか河をもたのむへらなり

いとはるる−みをうれはしみ−いつしかと−あすかかはをも−たのむへらなり

異同資料句番号:00752

00752
時平 贈太政大臣 (503)

あすか河せきてととむる物ならはふちせになると何かいはせん

あすかかは−せきてととむる−ものならは−ふちせになると−なにかいはせむ

異同資料句番号:00753

00753
師輔 右大臣 (513)

葦たつの沢辺に年はへぬれとも心は雲のうへにのみこそ

あしたつの−さはへにとしは−へぬれとも−こころはくもの−うへにのみこそ

異同資料句番号:00754

00754
番号外作者 女四のみこ (999)

あしたつのくもゐにかかる心あらは世をへてさはにすますそあらまし

あしたつの−くもゐにかかる−こころあらは−よをへてさはに−すますそあらまし

異同資料句番号:00755

00755
時平 贈太政大臣 (503)

松山につらきなからも浪こさむ事はさすかに悲しきものを

まつやまに−つらきなからも−なみこさむ−ことはさすかに−かなしきものを

異同資料句番号:00756

00756
仲平 枇杷左大臣 (504)

夜ひのまにはやなくさめよいその神ふりにしとこもうちはらふへく

よひのまに−はやなくさめよ−いそのかみ−ふりにしとこも−うちはらふへく

異同資料句番号:00757

00757
伊勢 (019)

わたつみとあれにしとこを今更にはらはは袖やあわとうきなん

わたつみと−あれにしとこを−いまさらに−はらははそてや−あわとうきなむ

異同資料句番号:00758

00758
番号外作者 はせをの朝臣 (999)

しほのまにあさりするあまもおのか世世かひ有りとこそ思ふへらなれ

しほのまに−あさりするあまも−おのかよよ−かひありとこそ−おもふへらなれ

異同資料句番号:00759

00759
時平 贈太政大臣 (503)

あちきなくなとか松山浪こさむ事をはさらに思ひはなるる

あちきなく−なとかまつやま−なみこさむ−ことをはさらに−おもひはなるる

異同資料句番号:00760

00760
伊勢 (019)

岸もなくしほしみちなは松山をしたにて浪はこさんとそ思ふ

きしもなく−しほしみちなは−まつやまを−したにてなみは−こさむとそおもふ

異同資料句番号:00761

00761
番号外作者 これひらの朝臣のむすめいまき (999)

世とともになけきこりつむ身にしあれはなそやまもりのあるかひもなき

よとともに−なけきこりつむ−みにしあれは−なそやまもりの−あるかひもなき

異同資料句番号:00762

00762
読人不知 よみ人しらす (000)

ひとしれぬわか物思ひの涙をは袖につけてそ見すへかりける

ひとしれぬ−わかものおもひの−なみたをは−そてにつけてそ−みすへかりける

異同資料句番号:00763

00763
番号外作者 藤原真忠かいもうと (999)

山のはにかかる思ひのたえさらは雲井なからもあはれとおもはん

やまのはに−かかるおもひの−たえさらは−くもゐなからも−あはれとおもはむ

異同資料句番号:00764

00764
番号外作者 もろうちの朝臣 (999)

なきなかす涙のいととそひぬれははかなきみつも袖ぬらしけり

なきなかす−なみたのいとと−そひぬれは−はかなきみつも−そてぬらしけり

異同資料句番号:00765

00765
番号外作者 源たのむ (999)

夢のことはかなき物はなかりけりなにとて人にあふとみつらん

ゆめのこと−はかなきものは−なかりけり−なにとてひとに−あふとみつらむ

異同資料句番号:00766

00766
読人不知 よみ人しらす (000)

思ひねのよなよな夢に逢ふ事をたたかた時のうつつともかな

おもひねの−よなよなゆめに−あふことを−たたかたときの−うつつともかな

異同資料句番号:00767

00767
読人不知 よみ人しらす (000)

時のまのうつつをしのふ心こそはかなきゆめにまさらさりけれ

ときのまの−うつつをしのふ−こころこそ−はかなきゆめに−まさらさりけれ

異同資料句番号:00768

00768
黒主 くろぬし (501)

玉津島ふかき入江をこく舟のうきたるこひも我はするかな

たまつしま−ふかきいりえを−こくふねの−うきたるこひも−われはするかな

異同資料句番号:00769

00769
番号外作者 紀内親王 (999)

つのくにのなにはたたまくをしみこそすくもたくひのしたにこかるれ

つのくにの−なにはたたまく−をしみこそ−すくもたくひの−したにこかるれ

異同資料句番号:00770

00770
読人不知 よみ人しらす (000)

夢ちにもやとかす人のあらませはねさめにつゆははらはさらまし

ゆめちにも−やとかすひとの−あらませは−ねさめにつゆは−はらはさらまし

異同資料句番号:00771

00771
読人不知 よみ人しらす (000)

涙河なかすねさめもあるものをはらふはかりのつゆやなになり

なみたかは−なかすねさめも−あるものを−はらふはかりの−つゆやなになり

異同資料句番号:00772

00772
読人不知 よみ人しらす (000)

みるめかる方そあふみになしときく玉もをさへやあまはかつかぬ

みるめかる−かたそあふみに−なしときく−たまもをさへや−あまはかつかぬ

異同資料句番号:00773

00773
読人不知 よみ人しらす (000)

名のみして逢ふ事浪のしけきまにいつかたまもをあまはかつかん

なのみして−あふことなみの−しけきまに−いつかたまもを−あまはかつかむ

異同資料句番号:00774

00774
読人不知 よみ人しらす (000)

葛木やくめちのはしにあらはこそ思ふ心をなかそらにせめ

かつらきや−くめちのはしに−あらはこそ−おもふこころを−なかそらにせめ

異同資料句番号:00775

00775
師輔 右大臣 (513)

かくれぬにすむをしとりのこゑたえすなけとかひなき物にそ有りける

かくれぬに−すむをしとりの−こゑたえす−なけとかひなき−ものにそありける

異同資料句番号:00776

00776
陽成院 陽成院御製 (013)

つくはねの峰よりおつるみなの河恋そつもりて淵となりける

つくはねの−みねよりおつる−みなのかは−こひそつもりて−ふちとなりける

異同資料句番号:00777

00777
読人不知 よみ人しらす (000)

かりかねのくもゐはるかにきこえしは今は限のこゑにそありける

かりかねの−くもゐはるかに−きこえしは−いまはかきりの−こゑにそありける

異同資料句番号:00778

00778
兼覧王 かねみの王 (179)

今はとて行きかへりぬるこゑならはおひ風にてもきこえましやは

いまはとて−ゆきかへりぬる−こゑならは−おひかせにても−きこえましやは

異同資料句番号:00779

00779
小町 (009)

心からうきたる舟にのりそめてひと日も浪にぬれぬ日そなき

こころから−うきたるふねに−のりそめて−ひとひもなみに−ぬれぬひそなき

異同資料句番号:00780

00780
読人不知 よみ人しらす (000)

忘れなんと思ふ心のやすからはつれなき人をうらみましやは

わすれなむと−おもふこころの−やすからは−つれなきひとを−うらみましやは

異同資料句番号:00781

00781
番号外作者 藤原滋幹 (999)

ちはやふる神ひきかけてちかひてしこともゆゆしくあらかふなゆめ

ちはやふる−かみひきかけて−ちかひてし−こともゆゆしく−あらかふなゆめ

異同資料句番号:00782

00782
師輔 右大臣 (513)

おもひには我こそいりてまとはるれあやなく君や涼しかるへき

おもひには−われこそいりて−まとはるれ−あやなくきみや−すすしかるへき

異同資料句番号:00783

00783
番号外作者 元平のみこのむすめ (999)

あらたまの年もこえぬる松山の浪の心はいかかなるらむ

あらたまの−としもこえぬる−まつやまの−なみのこころは−いかかなるらむ

異同資料句番号:00784

00784
読人不知 よみ人しらす (000)

わかためはいととあさくやなりぬらん野中のし水ふかさまされは

わかためは−いととあさくや−なりぬらむ−のなかのしみつ−ふかさまされは

異同資料句番号:00785

00785
番号外作者 源中正 (999)

あふみちをしるへなくてもみてしかな関のこなたはわひしかりけり

あふみちを−しるへなくても−みてしかな−せきのこなたは−わひしかりけり

異同資料句番号:00786

00786
番号外作者 しもつけ (999)

道しらてやみやはしなぬ相坂の関のあなたは海といふなり

みちしらて−やみやはしなぬ−あふさかの−せきのあなたは−うみといふなり

異同資料句番号:00787

00787
読人不知 よみ人しらす (000)

つれなきを思ひしのふのさねかつらはてはくるをも厭ふなりけり

つれなきを−おもひしのふの−さねかつら−はてはくるをも−いとふなりけり

異同資料句番号:00788

00788
実頼 左大臣 (511)

今更に思ひいてしとしのふるをこひしきにこそわすれわひぬれ

いまさらに−おもひいてしと−しのふるを−こひしきにこそ−わすれわひぬれ

異同資料句番号:00789

00789
番号外作者 はせをの朝臣 (999)

わかためは見るかひもなし忘草わするはかりのこひにしあらねは

わかためは−みるかひもなし−わすれくさ−わするはかりの−こひにしあらねは

異同資料句番号:00790

00790
番号外作者 藤原ありよし (999)

あひ見てもつつむ思ひのわひしきは人まにのみそねはなかれける

あひみても−つつむおもひの−わひしきは−ひとまにのみそ−ねはなかれける

異同資料句番号:00791

00791
読人不知 よみ人しらす (000)

を山田のなはしろ水はたえぬとも心の池のいひははなたし

をやまたの−なはしろみつは−たえぬとも−こころのいけの−いひははなたし

異同資料句番号:00792

00792
読人不知 よみ人しらす (000)

千世へむと契りおきてし姫松のねさしそめてしやとはわすれし

ちよへむと−ちきりおきてし−ひめまつの−ねさしそめてし−やとはわすれし

異同資料句番号:00793

00793
番号外作者 源重光朝臣 (999)

これを見よ人もすさめぬ恋すとてねをなくむしのなれるすかたを

これをみよ−ひともすさへぬ−こひすとて−ねをなくむしの−なれるすかたを

異同資料句番号:00794

00794
是則 坂上これのり (031)

あひみてはなくさむやとそ思ひしになこりしもこそこひしかりけれ

あひみては−なくさむやとそ−おもひしに−なこりしもこそ−こひしかりけれ

異同資料句番号:00795


後撰集 巻十二:恋四

00795
敏行 敏行朝臣 (018)

わか恋のかすをかそへはあまの原くもりふたかりふる雨のこと

わかこひの−かすをかそへは−あまのはら−くもりふたかり−ふるあめのこと

異同資料句番号:00796

00796
読人不知 よみ人しらす (000)

打返し見まくそほしき故郷のやまとなてしこ色やかはれる

うちかへし−みまくそほしき−ふるさとの−やまとなてしこ−いろやかはれる

異同資料句番号:00797

00797
仲平 枇杷左大臣 (504)

やまひこのこゑにたてても年はへぬわか物思ひをしらぬ人きけ

やまひこの−こゑにたてても−としはへぬ−わかものおもひを−しらぬひときけ

異同資料句番号:00798

00798
友則 紀友則 (033)

玉もかるあまにはあらねとわたつみのそこひもしらす入る心かな

たまもかる−あまにはあらねと−わたつみの−そこひもしらす−いるこころかな

異同資料句番号:00799

00799
友則 紀友則 (033)

みるもなくめもなき海のいそにいててかへるかへるも怨みつるかな

みるもなく−めもなきうみの−いそにいてて−かへるかへるも−うらみつるかな

異同資料句番号:00800

00800
読人不知 よみ人しらす (000)

こりすまの浦の白浪立ちいててよるほともなくかへるはかりか

こりすまの−うらのしらなみ−たちいてて−よるほともなく−かへるはかりか

異同資料句番号:00801

00801
読人不知 よみ人しらす (000)

関こえてあはつのもりのあはすともし水にみえしかけをわするな

せきこえて−あはつのもりの−あはすとも−しみつにみえし−かけをわするな

異同資料句番号:00802

00802
読人不知 よみ人しらす (000)

ちかけれは何かはしるし相坂の関の外そと思ひたえなん

ちかけれは−なにかはしるし−あふさかの−せきのほかそと−おもひたえなむ

異同資料句番号:00803

00803
番号外作者 平なかきかむすめ (999)

今はとてこすゑにかかる空蝉のからを見むとは思はさりしを

いまはとて−こすゑにかかる−うつせみの−からをみむとは−おもはさりしを

異同資料句番号:00804

00804
番号外作者 源巨城 (999)

わすらるる身をうつせみの唐衣返すはつらき心なりけり

わすらるる−みをうつせみの−からころも−かへすはつらき−こころなりけり

異同資料句番号:00805

00805
読人不知 よみ人しらす (000)

影にたに見えもやするとたのみつるかひなくこひをます鏡かな

かけにたに−みえもやすると−たのみつる−かひなくこひを−ますかかみかな

異同資料句番号:00806

00806
読人不知 よみ人しらす (000)

葦引の山田のそほつうちわひてひとりかへるのねをそなきぬる

あしひきの−やまたのそほつ−うちわひて−ひとりかへるの−ねをそなきぬる

異同資料句番号:00807

00807
読人不知 よみ人しらす (000)

たねはあれと逢ふ事かたきいはのうへの松にて年をふるはかひなし

たねはあれと−あふことかたき−いはのうへの−まつにてとしを−ふるはかひなし

異同資料句番号:00808

00808
時平 贈太政大臣 (503)

ひたすらにいとひはてぬる物ならはよしのの山にゆくへしられし

ひたすらに−いとひはてぬる−ものならは−よしののやまに−ゆくへしられし

異同資料句番号:00809

00809
伊勢 (019)

わかやととたのむ吉野に君しいらはおなしかさしをさしこそはせめ

わかやとと−たのむよしのに−きみしいらは−おなしかさしを−さしこそはせめ

異同資料句番号:00810

00810
読人不知 よみ人も (000)

紅に袖をのみこそ染めてけれ君をうらむる涙かかりて

くれなゐに−そてをのみこそ−そめてけれ−きみをうらむる−なみたかかりて

異同資料句番号:00811

00811
読人不知 よみ人も (000)

紅に涙うつるとききしをはなといつはりとわか思ひけん

くれなゐに−なみたうつると−ききしをは−なといつはりと−われおもひけむ

異同資料句番号:00812

00812
読人不知 よみ人も (000)

くれなゐに涙しこくは緑なる袖も紅葉と見えましものを

くれなゐに−なみたしこくは−みとりなる−そてももみちと−みえましものを

異同資料句番号:00813

00813
読人不知 よみ人も (000)

いにしへの野中のし水見るからにさしくむ物は涙なりけり

いにしへの−のなかのしみつ−みるからに−さしくむものは−なみたなりけり

異同資料句番号:00814

00814
読人不知 よみ人も (000)

あまくものはるるよもなくふる物は袖のみぬるる涙なりけり

あまくもの−はるるよもなく−ふるものは−そてのみぬるる−なみたなりけり

異同資料句番号:00815

00815
読人不知 よみ人も (000)

逢ふ事のかたふたかりて君こすは思ふ心のたかふはかりそ

あふことの−かたふたかりて−きみこすは−おもふこころの−たかふはかりそ

異同資料句番号:00816

00816
読人不知 よみ人も (000)

ときはにとたのめし事は松ほとのひさしかるへき名にこそありけれ

ときはにと−たのめしことは−まつほとの−ひさしかるへき−なにこそありけれ

異同資料句番号:00817

00817
読人不知 よみ人も (000)

こさまさる涙の色もかひそなき見すへき人のこの世ならねは

こさまさる−なみたのいろも−かひそなき−みすへきひとの−このよならねは

異同資料句番号:00818

00818
読人不知 よみ人も (000)

住吉の岸にきよするおきつ浪まなくかけてもおもほゆるかな

すみよしの−きしにきよする−おきつなみ−まなくかけても−おもほゆるかな

異同資料句番号:00819

00819
伊勢 (019)

すみの江のめにちかからは岸にゐて浪のかすをもよむへきものを

すみのえの−めにちかからは−きしにゐて−なみのかすをも−よむへきものを

異同資料句番号:00820

00820
伊勢 (019)

こひてへむと思ふ心のわりなさはしにてもしれよわすれかたみに

こひてへむと−おもふこころの−わりなさは−しにてもしれよ−わすれかたみに

異同資料句番号:00821

00821
時平 贈太攻大臣 (503)

もしもやとあひ見む事をたのますはかくふるほとにまつそけなまし

もしもやと−あひみむことを−たのますは−かくふるほとに−まつそけなまし

異同資料句番号:00822

00822
読人不知 よみ人も (000)

あふとたにかたみにみゆる物ならはわするるほともあらましものを

あふとたに−かたみにみゆる−ものならは−わするるほとも−あらましものを

異同資料句番号:00823

00823
読人不知 よみ人も (000)

おとにのみ声をきくかなあしひきの山した水にあらぬものから

おとにのみ−こゑをきくかな−あしひきの−やましたみつに−あらぬものから

異同資料句番号:00824

00824
伊勢 (019)

秋とてや今は限の立ちぬらんおもひにあへぬ物ならなくに

あきとてや−いまはかきりの−たちぬらむ−おもひにあへぬ−ものならなくに

異同資料句番号:00825

00825
伊勢 (019)

見し夢の思ひいてらるるよひことにいはぬをしるは涙なりけり

みしゆめの−おもひいてらるる−よひことに−いはぬをしるは−なみたなりけり

異同資料句番号:00826

00826
読人不知 よみ人も (000)

白露のおきてあひ見ぬ事よりはきぬ返しつつねなんとそ思ふ

しらつゆの−おきてあひみぬ−ことよりは−きぬかへしつつ−ねなむとそおもふ

異同資料句番号:00827

00827
読人不知 よみ人も (000)

事のははなけなる物といひなからおもはぬためは君もしるらん

ことのはは−なけなるものと−いひなから−おもはぬためは−きみもしるらむ

異同資料句番号:00828

00828
朝忠 朝忠朝臣 (044)

白浪の打ちいつるはまのはまちとり跡やたつぬるしるへなるらん

しらなみの−うちいつるはまの−はまちとり−あとやたつぬる−しるへなるらむ

異同資料句番号:00829

00829
番号外作者 大江朝綱朝臣 (999)

おほしまに水をはこひしはや舟のはやくも人にあひみてしかな

おほしまに−みつをはこひし−はやふねの−はやくもひとに−あひみてしかな

異同資料句番号:00830

00830
時平 贈太政大臣 (503)

ひたふるに思ひなわひそふるさるる人の心はそれそよのつね

ひたふるに−おもひなわひそ−ふるさるる−ひとのこころは−それそよのつね

異同資料句番号:00831

00831
伊勢 (019)

世のつねの人の心をまたみねはなにかこのたひけぬへきものを

よのつねの−ひとのこころを−またみねは−なにかこのたひ−けぬへきものを

異同資料句番号:00832

00832
番号外作者 平なかきかむすめ (999)

すみそめのくらまの山にいる人はたとるたとるも帰りきななん

すみそめの−くらまのやまに−いるひとは−たとるたとるも−かへりきななむ

異同資料句番号:00833

00833
伊勢 (019)

日をへても影に見ゆるはたまかつらつらきなからもたえぬなりけり

ひをへても−かけにみゆるは−たまかつら−つらきなからも−たえぬなりけり

異同資料句番号:00834

00834
読人不知 よみ人しらす (000)

高砂の松を緑と見し事はしたのもみちをしらぬなりけり

たかさこの−まつをみとりと−みしことは−したのもみちを−しらぬなりけり

異同資料句番号:00835

00835
読人不知 よみ人しらす (000)

時わかね松の緑も限なきおもひには猶色やもゆらん

ときわかぬ−まつのみとりも−かきりなき−おもひにはなほ−いろやもゆらむ

異同資料句番号:00836

00836
読人不知 よみ人しらす (000)

水鳥のはかなきあとに年をへてかよふはかりのえにこそ有りけれ

みつとりの−はかなきあとに−としをへて−かよふはかりの−えにこそありけれ

異同資料句番号:00837

00837
読人不知 よみ人しらす (000)

浪のうへに跡やは見ゆる水鳥のうきてへぬらん年はかすかは

なみのうへに−あとやはみゆる−みつとりの−うきてへぬらむ−としはかすかは

異同資料句番号:00838

00838
読人不知 よみ人しらす (000)

流れよるせせの白浪あさけれはとまるいな舟かへるなるへし

なかれよる−せせのしらなみ−あさけれは−とまるいなふね−かへるなるへし

異同資料句番号:00839

00839
定方 三条右大臣 (025)

もかみ河ふかきにもあへすいな舟の心かるくも帰るなるかな

もかみかは−ふかきにもあへす−いなふねの−こころかろくも−かへるなるかな

異同資料句番号:00840

00840
読人不知 よみ人しらす (000)

花すすきほにいつる事もなきものをまたき吹きぬる秋の風かな

はなすすき−ほにいつることも−なきものを−またきふきぬる−あきのかせかな

異同資料句番号:00841

00841
番号外作者 なかきかむすめ (999)

またさりし秋はきぬれとみし人の心はよそになりもゆくかな

またさりし−あきはきぬれと−みしひとの−こころはよそに−なりもゆくかな

異同資料句番号:00842

00842
番号外作者 源是茂朝臣 (999)

君を思ふ心なかさは秋の夜にいつれまさるとそらにしらなん

きみをおもふ−こころなかさは−あきのよに−いつれまさると−そらにしらなむ

異同資料句番号:00843

00843
番号外作者 坂上つねかけ (999)

鏡山あけてきつれは秋きりのけさやたつらんあふみてふなは

かかみやま−あけてきつれは−あききりの−けさやたつらむ−あふみてふなは

異同資料句番号:00844

00844
番号外作者 平まれよの朝臣 (999)

枝もなく人にをらるる女郎花ねをたにのこせうゑしわかため

えたもなく−ひとにをらるる−をみなへし−ねをたにのこせ−うゑしわかため

異同資料句番号:00845

00845
番号外作者 藤原成国 (999)

秋の田のかりそめふしもしてけるかいたつらいねをなににつままし

あきのたの−かりそめふしも−してけるか−いたつらいねを−なににつままし

異同資料句番号:00846

00846
中務 (136)

秋風の吹くにつけてもとはぬかな荻の葉ならはおとはしてまし

あきかせの−ふくにつけても−とはぬかな−をきのはならは−おとはしてまし

異同資料句番号:00847

00847
読人不知 よみ人しらす (000)

君見すていく世へぬらん年月のふるとともにもおつるなみたか

きみみすて−いくよへぬらむ−としつきの−ふるとともにも−おつるなみたか

異同資料句番号:00848

00848
読人不知 よみ人しらす (000)

中中に思ひかけては唐衣身になれぬをそうらむへらなる

なかなかに−おもひかけては−からころも−みになれぬをそ−うらむへらなる

異同資料句番号:00849

00849
読人不知 よみ人しらす (000)

怨むともかけてこそみめ唐衣身になれぬれはふりぬとかきく

うらむとも−かけてこそみめ−からころも−みになれぬれは−ふりぬとかきく

異同資料句番号:00850

00850
読人不知 よみ人しらす (000)

なけけともかひなかりけり世中になににくやしく思ひそめけむ

なけけとも−かひなかりけり−よのなかに−なににくやしく−おもひそめけむ

異同資料句番号:00851

00851
番号外作者 承香殿中納言 (999)

こぬ人を松のえにふる白雪のきえこそかへれくゆる思ひに

こぬひとを−まつのえにふる−しらゆきの−きえこそかへれ−くゆるおもひに

異同資料句番号:00852

00852
読人不知 よみ人しらす (000)

菊の花うつる心をおくしもにかへりぬへくもおもほゆるかな

きくのはな−うつるこころを−おくしもに−かへりぬへくも−おもほゆるかな

異同資料句番号:00853

00853
読人不知 よみ人しらす (000)

今はとてうつりはてにし菊の花かへる色をはたれかみるへき

いまはとて−うつりはてにし−きくのはな−かへるいろをは−たれかみるへき

異同資料句番号:00854

00854
読人不知 よみ人しらす (000)

なかめしてもりもわひぬる人めかないつかくもまのあらんとすらん

なかめして−もりもわひぬる−ひとめかな−いつかくもまの−あらむとすらむ

異同資料句番号:00855

00855
読人不知 よみ人しらす (000)

おなしくは君とならひの池にこそ身をなけつとも人にきかせめ

おなしくは−きみとならひの−いけにこそ−みをなけつとも−ひとにきかせめ

異同資料句番号:00856

00856
読人不知 よみ人しらす (000)

かけろふのほのめきつれはゆふくれの夢かとのみそ身をたとりつる

かけろふの−ほのめきつれは−ゆふくれの−ゆめかとのみそ−みをたとりつる

異同資料句番号:00857

00857
読人不知 よみ人しらす (000)

ほのみてもめなれにけりときくからにふしかへりこそしなまほしけれ

ほのみても−めなれにけりと−きくからに−ふしかへりこそ−しなまほしけれ

異同資料句番号:00858

00858
番号外作者 源よしの朝臣 (999)

あふみてふ方のしるへもえてしかな見るめなきことゆきてうらみん

あふみてふ−かたのしるへも−えてしかな−みるめなきこと−ゆきてうらみむ

異同資料句番号:00859

00859
番号外作者 春澄善縄朝臣女 (999)

相坂の関ともらるる我なれは近江てふらん方もしられす

あふさかの−せきともらるる−われなれは−あふみてふらむ−かたもしられす

異同資料句番号:00860

00860
番号外作者 よしの朝臣 (999)

葦引の山した水のこかくれてたきつ心をせきそかねつる

あしひきの−やましたみつの−こかくれて−たきつこころを−せきそかねつる

異同資料句番号:00861

00861
読人不知 よみ人しらす (000)

こかくれてたきつ山水いつれかはめにしも見ゆるおとにこそきけ

こかくれて−たきつやまみつ−いつれかは−めにしもみゆる−おとにこそきけ

異同資料句番号:00862

00862
貫之 つらゆき (035)

暁のなからましかは白露のおきてわひしき別せましや

あかつきの−なからましかは−しらつゆの−おきてわひしき−わかれせましや

異同資料句番号:00863

00863
読人不知 よみ人しらす (000)

おきて行く人の心をしらつゆの我こそまつは思ひきえぬれ

おきてゆく−ひとのこころを−しらつゆの−われこそまつは−おもひきえぬれ

異同資料句番号:00864

00864
読人不知 よみ人しらす (000)

高砂の松といひつつ年をへてかはらぬ色ときかはたのまむ

たかさこの−まつといひつつ−としをへて−かはらぬいろと−きかはたのまむ

異同資料句番号:00865

00865
貫之 つらゆき (035)

風をいたみくゆる煙のたちいてても猶こりすまのうらそこひしき

かせをいたみ−くゆるけふりの−たちいてても−なほこりすまの−うらそこひしき

異同資料句番号:00866

00866
読人不知 よみ人しらす (000)

いはねともわか限なき心をは雲ゐにとほき人もしらなん

いはねとも−わかかきりなき−こころをは−くもゐにとほき−ひともしらなむ

異同資料句番号:00867

00867
読人不知 よみ人しらす (000)

君かねにくらふの山の郭公いつれあたなるこゑまさるらん

きみかねに−くらふのやまの−ほとときす−いつれあたなる−こゑまさるらむ

異同資料句番号:00868

00868
読人不知 よみ人しらす (000)

こひてぬる夢ちにかよふたましひのなるるかひなくうとききみかな

こひてぬる−ゆめちにかよふ−たましひの−なるるかひなく−うとききみかな

異同資料句番号:00869

00869
読人不知 よみ人しらす (000)

かかり火にあらぬおもひのいかなれは涙の河にうきてもゆらん

かかりひに−あらぬおもひの−いかなれは−なみたのかはに−うきてもゆらむ

異同資料句番号:00870

00870
読人不知 よみ人しらす (000)

まちくらす日はすかのねにおもほえてあふよしもなとたまのをならん

まちくらす−ひはすかのねに−おもほえて−あふよしもなと−たまのをならむ

異同資料句番号:00871

00871
番号外作者 よみ人しらす (999)

はかなかる夢のしるしにはかられてうつつにまくる身とやなりなん

はかなかる−ゆめのしるしに−はかられて−うつつにまくる−みとやなりなむ

異同資料句番号:00872

00872
番号外作者 よみ人しらす (999)

思ひねの夢といひてもやみなまし中中なにに有りとしりけん

おもひねの−ゆめといひても−やみなまし−なかなかなにに−ありとしりけむ

異同資料句番号:00873

00873
忠房 忠房朝臣 (182)

いつしかのねになきかへりこしかとものへのあさちは色つきにけり

いつしかの−ねになきかへり−こしかとも−のへのあさちは−いろつきにけり

異同資料句番号:00874

00874
忠房 忠房朝臣 (182)

ひきまゆのかくふたこもりせまほしみくはこきたれてなくを見せはや

ひきまゆの−かくふたこもり−せまほしみ−くはこきたれて−なくをみせはや

異同資料句番号:00875

00875
読人不知 よみ人しらす (000)

関山の峰のすきむらすきゆけと近江は猶そはるけかりける

せきやまの−みねのすきむら−すきゆけと−あふみはなほそ−はるけかりける

異同資料句番号:00876

00876
読人不知 よみ人しらす (000)

思ひいてておとつれしける山ひこのこたへにこりぬ心なになり

おもひいてて−おとつれしける−やまひこの−こたへにこりぬ−こころなになり

異同資料句番号:00877

00877
読人不知 よみ人しらす (000)

まとろまぬものからうたてしかすかにうつつにもあらぬ心地のみする

まとろまぬ−ものからうたて−しかすかに−うつつにもあらぬ−ここちのみする

異同資料句番号:00878

00878
読人不知 よみ人しらす (000)

うつつにもあらぬ心は夢なれや見てもはかなき物を思へは

うつつにも−あらぬこころは−ゆめなれや−みてもはかなき−ものをおもへは

異同資料句番号:00879

00879
番号外作者 小野道風朝臣 (999)

限なく思ひいり日のともにのみ西の山へをなかめやるかな

かきりなく−おもひいりひの−ともにのみ−にしのやまへを−なかめやるかな

異同資料句番号:00880

00880
忠房 忠房朝臣 (182)

君かなの立つにとかなき身なりせはおほよそ人になしてみましや

きみかなの−たつにとかなき−みなりせは−おほよそひとに−なしてみましや

異同資料句番号:00881

00881
番号外作者 女五のみこ (999)

たえぬると見れはあひぬる白雲のいとおほよそにおもはすもかな

たえぬると−みれはあひぬる−しらくもの−いとおほよそに−おもはすもかな

異同資料句番号:00882

00882
敦忠 あつたたの朝臣 (043)

けふそへにくれさらめやはとおもへともたへぬは人の心なりけり

けふそへに−くれさらめやはと−おもへとも−たへぬはひとの−こころなりけり

異同資料句番号:00883

00883
大輔 (502)

いとかくてやみぬるよりはいなつまのひかりのまにも君をみてしか

いとかくて−やみぬるよりは−いなつまの−ひかりのまにも−きみをみてしか

異同資料句番号:00884

00884
朝忠 朝忠朝臣 (044)

いたつらに立帰りにし白浪のなこりに袖のひる時もなし

いたつらに−たちかへりにし−しらなみの−なこりにそての−ひるときもなし

異同資料句番号:00885

00885
大輔 (502)

何にかは袖のぬるらん白浪のなこり有りけも見えぬ心を

なににかは−そてのぬるらむ−しらなみの−なこりありけも−みえぬこころを

異同資料句番号:00886

00886
番号外作者 蔵内侍 (999)

ちかひても猶思ふにはまけにけりたかためをしきいのちならねは

ちかひても−なほおもふには−まけにけり−たかためをしき−いのちならねは

異同資料句番号:00887

00887
番号外作者 道風 (999)

なにはめにみつとはなしにあしのねのよのみしかくてあくるわひしさ

なにはめに−みつとはなしに−あしのねの−よのみしかくて−あくるわひしさ

異同資料句番号:00888

00888
番号外作者 道風 (999)

かへるへき方もおほえす涙河いつれかわたるあさせなるらむ

かへるへき−かたもおほえす−なみたかは−いつれかわたる−あさせなるらむ

異同資料句番号:00889

00889
大輔 (502)

涙河いかなるせよりかへりけん見なるるみをもあやしかりしを

なみたかは−いかなるせより−かへりけむ−みなるるみをも−あやしかりしを

異同資料句番号:00890

00890
敦忠 敦忠朝臣 (043)

池水のいひいつる事のかたけれはみこもりなからとしそへにける

いけみつの−いひいつることの−かたけれは−みこもりなから−としそへにける

異同資料句番号:00891


後撰集 巻十三:恋五

00891
業平 在原業平朝臣 (017)

伊勢の海に遊ふあまともなりにしか浪かきわけてみるめかつかむ

いせのうみに−あそふあまとも−なりにしか−なみかきわけて−みるめかつかむ

異同資料句番号:00892

00892
伊勢 (019)

おほろけのあまやはかつくいせの海の浪高き浦におふるみるめは

おほろけの−あまやはかつく−いせのうみの−なみたかきうらに−おふるみるめは

異同資料句番号:00893

00893
読人不知 よみ人しらす (000)

つらしとやいひはててまし白露の人に心はおかしと思ふを

つらしとや−いひはててまし−しらつゆの−ひとにこころは−おかしとおもふを

異同資料句番号:00894

00894
読人不知 よみ人しらす (000)

なからへは人の心も見るへきに露の命そ悲しかりける

なからへは−ひとのこころも−みるへきに−つゆのいのちそ−かなしかりける

異同資料句番号:00895

00895
番号外作者 小野小町かあね (999)

ひとりぬる時はまたるる鳥のねもまれにあふよはわひしかりけり

ひとりぬる−ときはまたるる−とりのねも−まれにあふよは−わひしかりけり

異同資料句番号:00896

00896
深養父 ふかやふ (036)

空蝉のむなしくからになるまてもわすれんと思ふ我ならなくに

うつせみの−むなしきからに−なるまても−わすれむとおもふ−われならなくに

異同資料句番号:00897

00897
読人不知 よみ人しらす (000)

いつまてのはかなき人の事のはか心の秋の風をまつらむ

いつまての−はかなきひとの−ことのはか−こころのあきの−かせをまつらむ

異同資料句番号:00898

00898
読人不知 よみ人しらす (000)

うたたねの夢はかりなる逢ふ事を秋のよすから思ひつるかな

うたたねの−ゆめはかりなる−あふことを−あきのよすから−おもひつるかな

異同資料句番号:00899

00899
兼輔 兼輔朝臣 (027)

秋の夜の草のとさしのわひしきはあくれとあけぬ物にそ有りける

あきのよの−くさのとさしの−わひしきは−あくれとあけぬ−ものにそありける

異同資料句番号:00900

00900
読人不知 よみ人しらす (000)

いふからにつらさそまさる秋のよの草のとさしにさはるへしやは

いふからに−つらさそまさる−あきのよの−くさのとさしに−さはるへしやは

異同資料句番号:00901

00901
番号外作者 さたかすのみこ (999)

人しれす物思ふころのわか袖は秋の草はにおとらさりけり

ひとしれす−ものおもふころの−わかそては−あきのくさはに−おとらさりけり

異同資料句番号:00902

00902
時平 贈太政大臣 (503)

しつはたに思ひみたれて秋の夜のあくるもしらすなけきつるかな

しつはたに−おもひみたれて−あきのよの−あくるもしらす−なけきつるかな

異同資料句番号:00903

00903
読人不知 よみ人しらす (000)

はちすはのうへはつれなきうらにこそ物あらかひはつくといふなれ

はちすはの−うへはつれなき−うらにこそ−ものあらかひは−つくといふなれ

異同資料句番号:00904

00904
読人不知 よみ人しらす (000)

ふりやめはあとたに見えぬうたかたのきえてはかなきよをたのむかな

ふりやめは−あとたにみえぬ−うたかたの−きえてはかなき−よをたのむかな

異同資料句番号:00905

00905
読人不知 よみ人しらす (000)

あはてのみあまたのよをもかへるかな人めのしけき相坂にきて

あはてのみ−あまたのよをも−かへるかな−ひとめのしけき−あふさかにきて

異同資料句番号:00906

00906
読人不知 よみ人しらす (000)

なひく方有りけるものをなよ竹の世にへぬ物と思ひけるかな

なひくかた−ありけるものを−なよたけの−よにへぬものと−おもひけるかな

異同資料句番号:00907

00907
読人不知 よみ人しらす (000)

ねになけは人わらへなりくれ竹の世にへぬをたにかちぬとおもはん

ねになけは−ひとわらへなり−くれたけの−よにへぬをたに−かちぬとおもはむ

異同資料句番号:00908

00908
読人不知 よみ人しらす (000)

伊勢のあまと君しなりなはおなしくは恋しきほとにみるめからせよ

いせのあまと−きみしなりなは−おなしくは−こひしきほとに−みるめからせよ

異同資料句番号:00909

00909
番号外作者 一条 (999)

こひしくは影をたに見てなくさめよわかうちとけてしのふかほなり

こひしくは−かけをたにみて−なくさめよ−わかうちとけて−しのふかほなり

異同資料句番号:00910

00910
伊勢 (019)

影見れはいとと心そまとはるるちかからぬけのうときなりけり

かけみれは−いととこころそ−まとはるる−ちかからぬけの−うときなりけり

異同資料句番号:00911

00911
読人不知 よみ人しらす (000)

人ことのうきをもしらすありかせし昔なからのわか身ともかな

ひとことの−うきをもしらす−ありかせし−むかしなからの−わかみともかな

異同資料句番号:00912

00912
読人不知 よみ人しらす (000)

郭公なつきそめてしかひもなくこゑをよそにもききわたるかな

ほとときす−なつきそめてし−かひもなく−こゑをよそにも−ききわたるかな

異同資料句番号:00913

00913
読人不知 よみ人しらす (000)

つねよりもおきうかりつる暁はつゆさへかかる物にそ有りける

つねよりも−おきうかりつる−あかつきは−つゆさへかかる−ものにそありける

異同資料句番号:00914

00914
読人不知 よみ人しらす (000)

おく霜の暁おきをおもはすは君かよとのによかれせましや

おくしもの−あかつきおきを−おもはすは−きみかよとのに−よかれせましや

異同資料句番号:00915

00915
読人不知 よみ人しらす (000)

霜おかぬ春よりのちのなかめにもいつかは君かよかれせさりし

しもおかぬ−はるよりのちの−なかめにも−いつかはきみか−よかれせさりし

異同資料句番号:00916

00916
番号外作者 源英明朝臣 (999)

伊勢の海のあまのまてかたいとまなみなからへにける身をそうらむる

いせのうみの−あまのまてかた−いとまなみ−なからへにける−みをそうらむる

異同資料句番号:00917

00917
番号外作者 藤原ためよ (999)

逢ふ事のかたのへとてそ我はゆく身をおなしなに思ひなしつつ

あふことの−かたのへとてそ−われはゆく−みをおなしなに−おもひなしつつ

異同資料句番号:00918

00918
読人不知 よみ人も (000)

君かあたり雲井に見つつ宮ち山うちこえゆかん道もしらなく

きみかあたり−くもゐにみつつ−みやちやま−うちこえゆかむ−みちもしらなく

異同資料句番号:00919

00919
番号外作者 俊子 (999)

思ふてふ事のはいかになつかしなのちうき物とおもはすもかな

おもふてふ−ことのはいかに−なつかしな−のちうきものと−おもはすもかな

異同資料句番号:00920

00920
番号外作者 兼茂る朝臣のむすめ (999)

思ふてふ事こそうけれくれ竹のよにふる人のいはぬなけれは

おもふてふ−ことこそうけれ−くれたけの−よにふるひとの−いはぬなけれは

異同資料句番号:00921

00921
読人不知 よみ人しらす (000)

おもはむと我をたのめし事のはは忘草とそ今はなるらし

おもはむと−われをたのめし−ことのはは−わすれくさとそ−いまはなるらし

異同資料句番号:00922

00922
読人不知 よみ人しらす (000)

今まてもきえて有りつるつゆの身はおくへきやとのあれはなりけり

いままても−きえてありつる−つゆのみは−おくへきやとの−あれはなりけり

異同資料句番号:00923

00923
読人不知 よみ人しらす (000)

事のはもみな霜かれに成りゆくはつゆのやとりもあらしとそ思ふ

ことのはも−みなしもかれに−なりゆくは−つゆのやとりも−あらしとそおもふ

異同資料句番号:00924

00924
読人不知 よみ人しらす (000)

忘れむといひし事にもあらなくに今は限と思ふものかは

わすれむと−いひしことにも−あらなくに−いまはかきりと−おもふものかは

異同資料句番号:00925

00925
読人不知 よみ人しらす (000)

うつつにはふせとねられすおきかへり昨日の夢をいつかわすれん

うつつには−ふせとねられす−おきかへり−きのふのゆめを−いつかわすれむ

異同資料句番号:00926

00926
読人不知 よみ人しらす (000)

ささらなみまなくたつめる浦をこそ世にあさしともみつつわすれめ

ささらなみ−まなくたつめる−うらをこそ−よにあさしとも−みつつわすれめ

異同資料句番号:00927

00927
敦忠 あつたたの朝臣 (043)

伊勢の海のちひろのはまにひろふとも今は何てふかひかあるへき

いせのうみの−ちひろのはまに−ひろふとも−いまはなにてふ−かひかあるへき

異同資料句番号:00928

00928
番号外作者 本院のくら (999)

わすれねといひしにかなふ君なれととはぬはつらき物にそ有りける

わすれねと−いひしにかなふ−きみなれと−とはぬはつらき−ものにそありける

異同資料句番号:00929

00929
読人不知 よみ人も (000)

春霞はかなくたちてわかるとも風より外に誰かとふへき

はるかすみ−はかなくたちて−わかるとも−かせよりほかに−たれかとふへき

異同資料句番号:00930

00930
伊勢 (019)

めにみえぬ風に心をたくへつつやらは霞のわかれこそせめ

めにみえぬ−かせにこころを−たくへつつ−やらはかすみの−わかれこそせめ

異同資料句番号:00931

00931
番号外作者 さたもとのみこ (999)

ふか緑染めけん松のえにしあらはうすき袖にも浪はよせてん

ふかみとり−そめけむまつの−えにしあらは−うすきそてにも−なみはよせてむ

異同資料句番号:00932

00932
番号外作者 土左 (999)

松山のすゑこす浪のえにしあらは君か袖にはあともとまらし

まつやまの−すゑこすなみの−えにしあらは−きみかそてには−あともとまらし

異同資料句番号:00933

00933
時平 贈太政大臣 (503)

深く思ひそめつといひし事のははいつか秋風ふきてちりぬる

ふかくおもひ−そめつといひし−ことのはは−いつかあきかせ−ふきてちりぬる

異同資料句番号:00934

00934
読人不知 よみ人しらす (000)

人をのみうらむるよりは心からこれいまさりしつみとおもはん

ひとをのみ−うらむるよりは−こころから−これいまさりし−つみとおもはむ

異同資料句番号:00935

00935
読人不知 よみ人しらす (000)

葦引の山したしけくゆく水の流れてかくしとははたのまん

あしひきの−やましたしけく−ゆくみつの−なかれてかくし−とははたのまむ

異同資料句番号:00936

00936
伊勢 (019)

わひはつる時さへ物のかなしきはいつこを忍ふ心なるらん

わひはつる−ときさへものの−かなしきは−いつこをしのふ−こころなるらむ

異同資料句番号:00937

00937
伊勢 (019)

いなせともいひはなたれすうき物は身を心ともせぬ世なりけり

いなせとも−いひはなたれす−うきものは−みをこころとも−せぬよなりけり

異同資料句番号:00938

00938
読人不知 よみ人しらす (000)

こすやあらんきやせんとのみ河岸の松の心を思ひやらなん

こすやあらむ−きやせむとのみ−かはきしの−まつのこころを−おもひやらなむ

異同資料句番号:00939

00939
読人不知 よみ人しらす (000)

しひてゆくこまのあしをるはしをたになとわかやとにわたささりけん

しひてゆく−こまのあしをる−はしをたに−なとわかやとに−わたささりけむ

異同資料句番号:00940

00940
読人不知 よみ人しらす (000)

年をへていけるかひなきわか身をは何かは人に有りとしられん

としをへて−いけるかひなき−わかみをは−なにかはひとに−ありとしられむ

異同資料句番号:00941

00941
読人不知 よみ人しらす (000)

あさりする時そわひしき人しれすなにはの浦にすまふわか身は

あさりする−ときそわひしき−ひとしれす−なにはのうらに−すまふわかみは

異同資料句番号:00942

00942
番号外作者 寛湛法師母 (999)

なかめつつ人まつよひのよふことりいつ方へとか行きかへるらむ

なかめつつ−ひとまつよひの−よふことり−いつかたへとか−ゆきかへるらむ

異同資料句番号:00943

00943
読人不知 よみ人しらす (000)

人ことのたのみかたさはなにはなるあしのうらはのうらみつへしな

ひとことの−たのみかたさは−なにはなる−あしのうらはの−うらみつへしな

異同資料句番号:00944

00944
番号外作者 少将内侍 (999)

人はかる心のくまはきたなくてきよきなきさをいかてすきけん

ひとはかる−こころのくまは−きたなくて−きよきなきさを−いかてすきけむ

異同資料句番号:00945

00945
兼輔 兼輔朝臣 (027)

たかためにわれかいのちを長浜の浦にやとりをしつつかはこし

たかために−われかいのちを−なかはまの−うらにやとりを−しつつかはこし

異同資料句番号:00946

00946
読人不知 よみ人しらす (000)

せきもあへす淵にそ迷ふ涙河わたるてふせをしるよしもかな

せきもあへす−ふちにそまよふ−なみたかは−わたるてふせを−しるよしもかな

異同資料句番号:00947

00947
読人不知 よみ人しらす (000)

淵なから人かよはさし涙河わたらはあさきせをもこそ見れ

ふちなから−ひとかよはさし−なみたかは−わたらはあさき−せをもこそみれ

異同資料句番号:00948

00948
読人不知 よみ人しらす (000)

きて帰る名をのみそ立つ唐衣したゆふひもの心とけねは

きてかへる−なをのみそたつ−からころも−したゆふひもの−こころとけねは

異同資料句番号:00949

00949
番号外作者 内侍たひらけい子 (999)

たえぬとも何思ひけん涙河流れあふせも有りけるものを

たえぬとも−なにおもひけむ−なみたかは−なかれあふせも−ありけるものを

異同資料句番号:00950

00950
実頼 左大臣 (511)

今ははやみ山をいてて郭公けちかきこゑを我にきかせよ

いまははや−みやまをいてて−ほとときす−けちかきこゑを−われにきかせよ

異同資料句番号:00951

00951
大輔 (502)

人はいさみ山かくれの郭公ならはぬさとはすみうかるへし

ひとはいさ−みやまかくれの−ほとときす−ならはぬさとは−すみうかるへし

異同資料句番号:00952

00952
中務 (136)

有りしたにうかりしものをあかすとていつこにそふるつらさなるらん

ありしたに−うかりしものを−あかすとて−いつこにそふる−つらさなるらむ

異同資料句番号:00953

00953
実頼 左大臣 (511)

思ひわひ君かつらきにたちよらは雨も人めももらささらなん

おもひわひ−きみかつらきに−たちよらは−あめもひとめも−もらささらなむ

異同資料句番号:00954

00954
読人不知 よみ人しらす (000)

ふえ竹の本のふるねはかはるともおのかよよにはならすもあらなん

ふえたけの−もとのふるねは−かはるとも−おのかよよには−ならすもあらなむ

異同資料句番号:00955

00955
番号外作者 よしふるの朝臣 (999)

めも見えす涙の雨のしくるれは身のぬれきぬはひるよしもなし

めもみえす−なみたのあめの−しくるれは−みのぬれきぬは−ひるよしもなし

異同資料句番号:00956

00956
番号外作者 中将内侍 (999)

にくからぬ人のきせけんぬれきぬは思ひにあへす今かわきなん

にくからぬ−ひとのきせけむ−ぬれきぬは−おもひにあへす−いまかわきなむ

異同資料句番号:00957

00957
番号外作者 小野道風 (999)

おほかたはせとたにかけしあまの河ふかき心をふちとたのまん

おほかたは−せとたにかけし−あまのかは−ふかきこころを−ふちとたのまむ

異同資料句番号:00958

00958
読人不知 よみ人しらす (000)

淵とてもたのみやはする天河年にひとたひわたるてふせを

ふちとても−たのみやはする−あまのかは−としにひとたひ−わたるてふせを

異同資料句番号:00959

00959
番号外作者 きよかけの朝臣 (999)

身のならん事をもしらすこく舟は浪の心もつつまさりけり

みのならむ−ことをもしらす−こくふねは−なみのこころも−つつまさりけり

異同資料句番号:00960

00960
元良親王 もとよしのみこ (020)

わひぬれは今はたおなしなにはなる身をつくしてもあはんとそ思ふ

わひぬれは−いまはたおなし−なにはなる−みをつくしても−あはむとそおもふ

異同資料句番号:00961

00961
敦忠 あつたたの朝臣 (043)

如何してかく思ふてふ事をたに人つてならて君にかたらん

いかにして−かくおもふてふ−ことをたに−ひとつてならて−きみにかたらむ

異同資料句番号:00962

00962
朝忠 朝忠朝臣 (044)

もろともにいさといはすはしての山こゆともこさむ物ならなくに

もろともに−いさといはすは−してのやま−こゆともこさむ−ものならなくに

異同資料句番号:00963

00963
番号外作者 きよかけの朝臣 (999)

かくはかりふかき色にもうつろふを猶きみきくの花といはなん

かくはかり−ふかきいろにも−うつろふを−なほきみきくの−はなといはなむ

異同資料句番号:00964

00964
読人不知 よみ人しらす (000)

いさやまた人の心も白露のおくにもとにも袖のみそひつ

いさやまた−ひとのこころも−しらつゆの−おくにもとにも−そてのみそひつ

異同資料句番号:00965

00965
読人不知 よみ人しらす (000)

よるしほのみちくるそらもおもほえすあふこと浪に帰ると思へは

よるしほの−みちくるそらも−おもほえす−あふことなみに−かへるとおもへは

異同資料句番号:00966

00966
読人不知 よみ人しらす (000)

かすならぬ身は山のはにあらねともおほくの月をすくしつるかな

かすならぬ−みはやまのはに−あらねとも−おほくのつきを−すくしつるかな

異同資料句番号:00967

00967
業平 業平朝臣 (017)

たのめつつあはて年ふるいつはりにこりぬ心を人はしらなん

たのめつつ−あはてとしふる−いつはりに−こりぬこころを−ひとはしらなむ

異同資料句番号:00968

00968
伊勢 (019)

夏虫のしるしる迷ふおもひをはこりぬかなしとたれかみさらん

なつむしの−しるしるまよふ−おもひをは−こりぬかなしと−たれかみさらむ

異同資料句番号:00969

00969
読人不知 よみ人しらす (000)

打ちわひてよははむ声に山ひこのこたへぬそらはあらしとそ思ふ

うちわひて−よははむこゑに−やまひこの−こたへぬやまは−あらしとそおもふ

異同資料句番号:00970

00970
読人不知 よみ人しらす (000)

山ひこのこゑのまにまにとひゆかはむなしきそらにゆきやかへらん

やまひこの−こゑのまにまに−とひゆかは−むなしきそらに−ゆきやかへらむ

異同資料句番号:00971

00971
読人不知 よみ人しらす (000)

荒玉の年の三とせはうつせみのむなしきねをやなきてくらさむ

あらたまの−としのみとせは−うつせみの−むなしきねをや−なきてくらさむ

異同資料句番号:00972

00972
読人不知 よみ人しらす (000)

流れいつる涙の河のゆくすゑはつひに近江のうみとたのまん

なかれいつる−なみたのかはの−ゆくすゑは−つひにあふみの−うみとたのまむ

異同資料句番号:00973

00973
読人不知 よみ人しらす (000)

雨ふれとふらねとぬるるわか袖のかかるおもひにかわかぬやなそ

あめふれと−ふらねとぬるる−わかそての−かかるおもひに−かわかぬやなそ

異同資料句番号:00974

00974
読人不知 よみ人しらす (000)

露はかりぬるらん袖のかわかぬは君か思ひのほとやすくなき

つゆはかり−ぬるらむそての−かわかぬは−きみかおもひの−ほとやすくなき

異同資料句番号:00975

00975
読人不知 よみ人しらす (000)

常よりもまとふまとふそ帰りつるあふ道もなきやとにゆきつつ

つねよりも−まとふまとふそ−かへりつる−あふみちもなき−やとにゆきつつ

異同資料句番号:00976

00976
読人不知 よみ人しらす (000)

ぬれつつもくると見えしは夏引のてひきにたえぬいとにや有りけん

ぬれつつも−くるとみえしは−なつひきの−てひきにたえぬ−いとにやありけむ

異同資料句番号:00977

00977
読人不知 よみ人しらす (000)

かすならぬ身はうき草となりななんつれなき人によるへしられし

かすならぬ−みはうきくさと−なりななむ−つれなきひとに−よるへしられし

異同資料句番号:00978

00978
読人不知 よみ人しらす (000)

ゆふやみは道も見えねと旧里は本こし駒にまかせてそくる

ゆふやみは−みちもみえねと−ふるさとは−もとこしこまに−まかせてそくる

異同資料句番号:00979

00979
読人不知 よみ人しらす (000)

駒にこそまかせたりけれあやなくも心のくると思ひけるかな

こまにこそ−まかせたりけれ−あやなくも−こころのくると−おもひけるかな

異同資料句番号:00980

00980
読人不知 よみ人しらす (000)

いつ方に事つてやりてかりかねのあふことまれに今はなるらん

いつかたに−ことつてやりて−かりかねの−あふことまれに−いまはなるらむ

異同資料句番号:00981

00981
読人不知 よみ人しらす (000)

有りとたにきくへきものを相坂の関のあなたそはるけかりける

ありとたに−きくへきものを−あふさかの−せきのあなたそ−はるけかりける

異同資料句番号:00982

00982
読人不知 よみ人しらす (000)

関もりかあらたまるてふ相坂のゆふつけ鳥はなきつつそゆく

せきもりか−あらたまるてふ−あふさかの−ゆふつけとりは−なきつつそゆく

異同資料句番号:00983

00983
読人不知 よみ人しらす (000)

ゆき帰りきてもきかなん相坂の関にかはれる人も有りやと

ゆきかへり−きてもきなかむ−あふさかの−せきにかはれる−ひともありやと

異同資料句番号:00984

00984
読人不知 よみ人しらす (000)

もる人のあるとはきけと相坂のせきもととめぬわかなみたかな

もるひとの−あるとはきけと−あふさかの−せきもととめぬ−わかなみたかな

異同資料句番号:00985

00985
読人不知 よみ人しらす (000)

葛木やくめちにわたすいははしの中中にても帰りぬるかな

かつらきや−くめちにわたす−いははしの−なかなかにても−かへりぬるかな

異同資料句番号:00986

00986
読人不知 よみ人しらす (000)

中たえてくる人もなきかつらきのくめちのはしはいまもあやふし

なかたえて−くるひともなき−かつらきの−くめちのはしは−いまもあやふし

異同資料句番号:00987

00987
番号外作者 藤原有好 (999)

白雲のみなひとむらに見えしかとたちいてて君を思ひそめてき

しらくもの−みなひとむらに−みえしかと−たちいててきみを−おもひそめてき

異同資料句番号:00988

00988
読人不知 よみ人しらす (000)

よそなれと心はかりはかけたるをなとかおもひにかわかさるらん

よそなれと−こころはかりは−かけたるを−なとかおもひに−かわかさるらむ

異同資料句番号:00989

00989
読人不知 よみ人しらす (000)

わかこひのきゆるまもなくくるしきはあはぬ歎やもえわたるらん

わかこひの−きゆるまもなく−くるしきは−あはぬなけきや−もえわたるらむ

異同資料句番号:00990

00990
読人不知 よみ人しらす (000)

きえすのみもゆる思ひはとほけれと身もこかれぬる物にそ有りける

きえすのみ−もゆるおもひは−とほけれと−みもこかれぬる−ものにそありける

異同資料句番号:00991

00991
読人不知 よみ人しらす (000)

うへにのみおろかにもゆるかやり火のよにもそこには思ひこかれし

うへにのみ−おろかにもゆる−かやりひの−よにもそこには−おもひこかれし

異同資料句番号:00992

00992
読人不知 よみ人しらす (000)

河とのみわたるを見るになくさまてくるしきことそいやまさりなる

かはとのみ−わたるをみるに−なくさまて−くるしきことそ−いやまさりなる

異同資料句番号:00993

00993
読人不知 よみ人しらす (000)

水まさる心地のみしてわかためにうれしきせをは見せしとやする

みつまさる−ここちのみして−わかために−うれしきせをは−みせしとやする

異同資料句番号:00994


後撰集 巻十四:恋六

00994
読人不知 よみ人しらす (000)

逢ふ事をよとに有りてふみつのもりつらしと君を見つるころかな

あふことを−よとにありてふ−みつのもり−つらしときみを−みつるころかな

異同資料句番号:00995

00995
読人不知 よみ人しらす (000)

みつのもりもるこのころのなかめには怨みもあへすよとの河浪

みつのもり−もるこのころの−なかめには−うらみもあへす−よとのかはなみ

異同資料句番号:00996

00996
読人不知 よみ人しらす (000)

うき世とは思ふものからあまのとのあくるはつらき物にそ有りける

うきよとは−おもふものから−あまのとの−あくるはつらき−ものにそありける

異同資料句番号:00997

00997
読人不知 よみ人しらす (000)

うらむれとこふれと君かよとともにしらすかほにてつれなかるらん

うらむれと−こふれときみか−よとともに−しらすかほにて−つれなかるらむ

異同資料句番号:00998

00998
読人不知 よみ人しらす (000)

怨むともこふともいかか雲井よりはるけき人をそらにしるへき

うらむとも−こふともいかか−くもゐより−はるけきひとを−そらにしるへき

異同資料句番号:00999

00999
読人不知 よみ人しらす (000)

しつはたにへつるほとなり白糸のたえぬる身とはおもはさらなん

しつはたに−へつるほとなり−しらいとの−たえぬるみとは−おもはさらなむ

異同資料句番号:01000

01000
読人不知 よみ人しらす (000)

へつるよりうすくなりにししつはたのいとはたえてもかひやなからん

へつるより−うすくなりにし−しつはたの−いとはたえても−かひやなからむ

異同資料句番号:01001

01001
読人不知 よみ人しらす (000)

くる事は常ならすともたまかつらたのみはたえしと思ふ心あり

くることは−つねならすとも−たまかつら−たのみはたえしと−おもふこころあり

異同資料句番号:01002

01002
読人不知 よみ人しらす (000)

玉鬘たのめくる日のかすはあれとたえたえにてはかひなかりけり

たまかつら−たのめくるひの−かすはあれと−たえたえにては−かひなかりけり

異同資料句番号:01003

01003
読人不知 よみ人しらす (000)

いにしへの心はなくや成りにけんたのめしことのたえてとしふる

いにしへの−こころはなくや−なりにけむ−たのめしことの−たえてとしふる

異同資料句番号:01004

01004
読人不知 よみ人しらす (000)

いにしへも今も心のなけれはそうきをもしらて年をのみふる

いにしへも−いまもこころの−なけれはそ−うきをもしらて−としをのみふる

異同資料句番号:01005

01005
読人不知 よみ人しらす (000)

たえたりし昔たに見しうちはしを今はわたるとおとにのみきく

たえたりし−むかしたにみし−うちはしを−いまはわたると−おとにのみきく

異同資料句番号:01006

01006
読人不知 よみ人しらす (000)

わすられて年ふるさとの郭公なににひとこゑなきてゆくらん

わすられて−としふるさとの−ほとときす−なににひとこゑ−なきてゆくらむ

異同資料句番号:01007

01007
読人不知 よみ人しらす (000)

とふやとてすきなきやとにきにけれとこひしきことそしるへなりける

とふやとて−すきなきやとに−きにけれと−こひしきことそ−しるへなりける

異同資料句番号:01008

01008
読人不知 よみ人しらす (000)

露のいのちいつともしらぬ世中になとかつらしと思ひおかるる

つゆのいのち−いつともしらぬ−よのなかに−なとかつらしと−おもひおかるる

異同資料句番号:01009

01009
読人不知 よみ人しらす (000)

かり人のたつぬるしかはいなひのにあはてのみこそあらまほしけれ

かりひとの−たつぬるしかは−いなみのに−あはてのみこそ−あらまほしけれ

異同資料句番号:01010

01010
師輔 右大臣 (513)

を山田の水ならなくにかくはかり流れそめてはたえんものかは

をやまたの−みつならなくに−かくはかり−なかれそめては−たえむものかは

異同資料句番号:01011

01011
番号外作者 これひらの朝臣のむすめいまき (999)

月にたにまつほとおほくすきぬれは雨もよにこしとおもほゆるかな

つきにたに−まつほとおほく−すきぬれは−あめもよにこしと−おもほゆるかな

異同資料句番号:01012

01012
読人不知 よみ人しらす (000)

思ひつつまたいひそめぬわかこひをおなし心にしらせてしかな

おもひつつ−またいひそめぬ−わかこひを−おなしこころに−しらせてしかな

異同資料句番号:01013

01013
読人不知 よみ人しらす (000)

あすか河心の内になかるれはそこのしからみいつかよとまん

あすかかは−こころのうちに−なかるれは−そこのしからみ−いつかよとまむ

異同資料句番号:01014

01014
番号外作者 あさよりの朝臣 (999)

ふしのねをよそにそききし今はわか思ひにもゆる煙なりけり

ふしのねを−よそにそききし−いまはわか−おもひにもゆる−けふりなりけり

異同資料句番号:01015

01015
読人不知 よみ人しらす (000)

しるしなき思ひとそきくふしのねもかことはかりの煙なるらん

しるしなき−おもひとそきく−ふしのねも−かことはかりの−けふりなるらむ

異同資料句番号:01016

01016
読人不知 よみ人しらす (000)

いひさしてととめらるなる池水の波いつかたに思ひよるらん

いひさして−ととめらるなる−いけみつの−なみいつかたに−おもひよるらむ

異同資料句番号:01017

01017
読人不知 よみ人しらす (000)

しられしなわかひとしれぬ心もて君を思ひのなかにもゆとは

しられしな−わかひとしれぬ−こころもて−きみをおもひの−なかにもゆとは

異同資料句番号:01018

01018
読人不知 よみ人しらす (000)

あふはかりなくてのみふるわかこひを人めにかくる事のわひしさ

あふはかり−なくてのみふる−わかこひを−ひとめにかくる−ことのわひしさ

異同資料句番号:01019

01019
読人不知 よみ人しらす (000)

夏衣身にはなるともわかためにうすき心はかけすもあらなん

なつころも−みにはなるとも−わかために−うすきこころは−かけすもあらなむ

異同資料句番号:01020

01020
読人不知 よみ人しらす (000)

いかにして事かたらはん郭公歎のしたになけはかひなし

いかにして−ことかたらはむ−ほとときす−なけきのしたに−なけはかひなし

異同資料句番号:01021

01021
読人不知 よみ人しらす (000)

思ひつつへにける年をしるへにてなれぬる物は心なりけり

おもひつつ−へにけるとしを−しるへにて−なれぬるものは−こころなりけり

異同資料句番号:01022

01022
番号外作者 源ととのふ (999)

我ならぬ人住の江の岸にいててなにはの方を怨みつるかな

われならぬ−ひとすみのえの−きしにいてて−なにはのかたを−うらみつるかな

異同資料句番号:01023

01023
読人不知 よみ人しらす (000)

にこりゆく水には影の見えはこそあしまよふえをととめても見め

にこりゆく−みつにはかけの−みえはこそ−あしまよふえを−ととめてもみめ

異同資料句番号:01024

01024
読人不知 よみ人しらす (000)

菅原や伏見の里のあれしよりかよひし人の跡もたえにき

すかはらや−ふしみのさとの−あれしより−かよひしひとの−あともたえにき

異同資料句番号:01025

01025
読人不知 よみ人しらす (000)

ちはやふる神にもあらぬわかなかの雲井遥に成りもゆくかな

ちはやふる−かみにもあらぬ−わかなかの−くもゐはるかに−なりもゆくかな

異同資料句番号:01026

01026
読人不知 よみ人しらす (000)

千早振神にも何にたとふらんおのれくもゐに人をなしつつ

ちはやふる−かみにもなにに−たとふらむ−おのれくもゐに−ひとをなしつつ

異同資料句番号:01027

01027
番号外作者 あつよしのみこ (999)

うきしつみふちせにさわくにほとりはそこものとかにあらしとそ思ふ

うきしつみ−ふちせにさわく−にほとりは−そこものとかに−あらしとそおもふ

異同資料句番号:01028

01028
番号外作者 藤原守文 (999)

松山に浪たかきおとそきこゆなる我よりこゆる人はあらしを

まつやまに−なみたかきおとそ−きこゆなる−われよりこゆる−ひとはあらしを

異同資料句番号:01029

01029
読人不知 よみ人しらす (000)

さしてこと思ひしものをみかさ山かひなく雨のもりにけるかな

さしてこと−おもひしものを−みかさやま−かひなくあめの−もりにけるかな

異同資料句番号:01030

01030
読人不知 よみ人しらす (000)

もるめのみあまたみゆれはみかさ山しるしるいかかさしてゆくへき

もるめのみ−あまたみゆれは−みかさやま−しるしるいかか−さしてゆくへき

異同資料句番号:01031

01031
読人不知 よみ人しらす (000)

なくさむることのはにたにかからすは今もけぬへき露の命を

なくさむる−ことのはにたに−かからすは−いまもけぬへき−つゆのいのちを

異同資料句番号:01032

01032
番号外作者 兵衛 (999)

ひとしれすまつにねられぬ晨明の月にさへこそあさむかれけれ

ひとしれす−まつにねられぬ−ありあけの−つきにさへこそ−あさむかれけれ

異同資料句番号:01033

01033
元方 もとかた (169)

竜田河たちなは君か名ををしみいはせのもりのいはしとそ思ふ

たつたかは−たちなはきみか−なををしみ−いはせのもりの−いはしとそおもふ

異同資料句番号:01034

01034
読人不知 よみ人しらす (000)

うたののはみみなし山かよふこ鳥よふこゑにたにこたへさるらん

うたののは−みみなしやまか−よふことり−よふこゑにたに−こたへさるらむ

異同資料句番号:01035

01035
番号外作者 女五のみこ (999)

耳なしの山ならすともよふことり何かはきかん時ならぬねを

みみなしの−やまならすとも−よふことり−なにかはきかむ−ときならぬねを

異同資料句番号:01036

01036
忠峯 たたみね (030)

こひわひてしぬてふことはまたなきを世のためしにもなりぬへきかな

こひわひて−しぬてふことは−またなきを−よのためしにも−なりぬへきかな

異同資料句番号:01037

01037
読人不知 よみ人しらす (000)

影見れはおくへいりける君によりなとか涙のとへはいつらむ

かけみれは−おくへいりける−きみにより−なとかなみたの−とへはいつらむ

異同資料句番号:01038

01038
読人不知 よみ人しらす (000)

しらさりし時たにこえし相坂をなと今更にわれ迷ふらん

しらさりし−ときたにこえし−あふさかを−なといまさらに−われまよふらむ

異同資料句番号:01039

01039
番号外作者 藤原かけもと (999)

あかすして枕のうへに別れにしゆめちを又もたつねてしかな

あかすして−まくらのうへに−わかれにし−ゆめちをまたも−たつねてしかな

異同資料句番号:01040

01040
読人不知 よみ人しらす (000)

おともせすなりもゆくかなすすか山こゆてふなのみたかくたちつつ

おともせす−なりもゆくかな−すすかやま−こゆてふなのみ−たかくたちつつ

異同資料句番号:01041

01041
読人不知 よみ人しらす (000)

こえぬてふ名をなうらみそすすか山いととまちかくならんと思ふを

こえぬてふ−なをなうらみそ−すすかやま−いととまちかく−ならむとおもふを

異同資料句番号:01042

01042
読人不知 よみ人しらす (000)

わかためにかつはつらしと見山木のこりともこりぬかかるこひせし

わかために−かつはつらしと−みやまきの−こりともこりぬ−かかるこひせし

異同資料句番号:01043

01043
読人不知 よみ人しらす (000)

あふこなき身とはしるしる恋すとて歎こりつむ人はよきかは

あふこなき−みとはしるしる−こひすとて−なけきこりつむ−ひとはよきかは

異同資料句番号:01044

01044
番号外作者 戒仙法師 (999)

あさことに露はおけとも人こふるわか事のはは色もかはらす

あさことに−つゆはおけとも−ひとこふる−わかことのはは−いろもかはらす

異同資料句番号:01045

01045
読人不知 よみ人しらす (000)

まちかくてつらきを見るはうけれともうきはものかはこひしきよりは

まちかくて−つらきをみるは−うけれとも−うきはものかは−こひしきよりは

異同資料句番号:01046

01046
番号外作者 藤原さねたた (999)

つくしなる思ひそめ河わたりなは水やまさらんよとむ時なく

つくしなる−おもひそめかは−わたりなは−みつやまさらむ−よとむときなく

異同資料句番号:01047

01047
読人不知 よみ人しらす (000)

渡りてはあたになるてふ染河の心つくしになりもこそすれ

わたりては−あたになるてふ−そめかはの−こころつくしに−なりもこそすれ

異同資料句番号:01048

01048
読人不知 よみ人しらす (000)

花さかりすくしし人はつらけれと事のはをさへかくしやはせん

はなさかり−すくししひとは−つらけれと−ことのはをさへ−かくしやはせむ

異同資料句番号:01049

01049
右近 (038)

とふことをまつに月日はこゆるきのいそにやいてて今はうらみん

とふことを−まつにつきひは−こゆるきの−いそにやいてて−いまはうらみむ

異同資料句番号:01050

01050
読人不知 よみ人しらす (000)

忘草名をもゆゆしみかりにてもおふてふやとはゆきてたに見し

わすれくさ−なをもゆゆしみ−かりにても−おふてふやとは−ゆきてたにみし

異同資料句番号:01051

01051
読人不知 よみ人しらす (000)

うきことのしけきやとには忘草うゑてたにみし秋そわひしき

うきことの−しけきやとには−わすれくさ−うゑてたにみし−あきそわひしき

異同資料句番号:01052

01052
読人不知 よみ人しらす (000)

かすしらぬ思ひは君にあるものをおき所なき心地こそすれ

かすしらぬ−おもひはきみに−あるものを−おきところなき−ここちこそすれ

異同資料句番号:01053

01053
読人不知 よみ人しらす (000)

おき所なき思ひとしききつれは我にいくらもあらしとそ思ふ

おきところ−なきおもひとし−ききつれは−われにいくらも−あらしとそおもふ

異同資料句番号:01054

01054
番号外作者 南院式部卿のみこのむすめ (999)

わかたちてきるこそうけれ夏衣おほかたとのみ見へきうすさを

わかたちて−きるこそうけれ−なつころも−おほかたとのみ−みへきうすさを

異同資料句番号:01055

01055
読人不知 よみ人しらす (000)

やへむくらさしてし門を今更に何にくやしくあけてまちけん

やへむくら−さしてしかとを−いまさらに−なににくやしく−あけてまちけむ

異同資料句番号:01056

01056
番号外作者 源庶明朝臣 (999)

さをしかのつまなきこひを高砂のをのへのこ松ききもいれなん

さをしかの−つまなきこひを−たかさこの−をのへのこまつ−ききもいれなむ

異同資料句番号:01057

01057
読人不知 よみ人しらす (000)

さをしかの声高砂にきこえしはつまなき時のねにこそ有りけれ

さをしかの−こゑたかさこに−きこえしは−つまなきときの−ねにこそありけれ

異同資料句番号:01058

01058
読人不知 よみ人しらす (000)

せきもあへす涙の河のせをはやみかからん物と思ひやはせし

せきもあへす−なみたのかはの−せをはやみ−かからむものと−おもひやはせし

異同資料句番号:01059

01059
読人不知 よみ人しらす (000)

せをはやみたえすなかるる水よりもたえせぬ物はこひにそ有りける

せをはやみ−たえすなかるる−みつよりも−たえせぬものは−こひにそありける

異同資料句番号:01060

01060
読人不知 よみ人しらす (000)

こふれともあふよなき身は忘草夢ちにさへやおひしけるらん

こふれとも−あふよなきみは−わすれくさ−ゆめちにさへや−おひしけるらむ

異同資料句番号:01061

01061
読人不知 よみ人しらす (000)

世中のうきはなへてもなかりけりたのむ限そ怨みられける

よのなかの−うきはなへても−なかりけり−たのむかきりそ−うらみられける

異同資料句番号:01062

01062
読人不知 よみ人しらす (000)

ゆふされは思ひそしけきまつ人のこむやこしやの定なけれは

ゆふされは−おもひそしけき−まつひとの−こむやこしやの−さためなけれは

異同資料句番号:01063

01063
番号外作者 源よしの朝臣 (999)

いとはれてかへりこしちのしら山はいらぬに迷ふ物にそ有りける

いとはれて−かへりこしちの−しらやまは−いらぬにまよふ−ものにそありける

異同資料句番号:01064

01064
読人不知 よみ人も (000)

人浪にあらぬわか身はなにはなるあしのねのみそしたになかるる

ひとなみに−あらぬわかみは−なにはなる−あしのねのみそ−したになかるる

異同資料句番号:01065

01065
読人不知 よみ人も (000)

白雲のゆくへき山はさたまらす思ふ方にも風はよせなん

しらくもの−ゆくへきやまは−さたまらす−おもふかたにも−かせはよせなむ

異同資料句番号:01066

01066
読人不知 よみ人も (000)

世中に猶有あけの月なくてやみに迷ふをとはぬつらしな

よのなかに−なほありあけの−つきなくて−やみにまよふを−とはぬつらしな

異同資料句番号:01067

01067
時平 贈太政大臣 (503)

あすか河せきてととむる物ならはふちせになるとなとかいはれん

あすかかは−せきてととむる−ものならは−ふちせになると−なとかいはれむ

異同資料句番号:01068

01068
右近 (038)

身をつめはあはれとそ思ふはつ雪のふりぬることもたれにいはまし

みをつめは−あはれとそおもふ−はつゆきの−ふりぬることも−たれにいはまし

異同資料句番号:01069

01069
読人不知 よみ人しらす (000)

冬なれと君かかきほにさきけれはむへとこ夏にこひしかりけり

ふゆなれと−きみかかきほに−さきけれは−うへとこなつに−こひしかりけり

異同資料句番号:01070

01070
兼輔 かねすけの朝臣 (027)

白雪のけさはつもれる思ひかなあはてふる夜のほともへなくに

しらゆきの−けさはつもれる−おもひかな−あはてふるよの−ほともへなくに

異同資料句番号:01071

01071
読人不知 よみ人しらす (000)

しらゆきのつもる思ひもたのまれす春よりのちはあらしとおもへは

しらゆきの−つもるおもひも−たのまれす−はるよりのちは−あらしとおもへは

異同資料句番号:01072

01072
読人不知 よみ人しらす (000)

わかこひし君かあたりをはなれねはふる白雪もそらにきゆらん

わかこひし−きみかあたりを−はなれねは−ふるしらゆきも−そらにきゆらむ

異同資料句番号:01073

01073
読人不知 よみ人しらす (000)

山かくれきえせぬ雪のわひしきは君まつのはにかかりてそふる

やまかくれ−きえせぬゆきの−わひしきは−きみまつのはに−かかりてそふる

異同資料句番号:01074

01074
番号外作者 藤原ときふる (999)

あらたまの年はけふあすこえぬへし相坂山を我やおくれん

あらたまの−としはけふあす−こえぬへし−あふさかやまを−われやおくれむ

異同資料句番号:01075


後撰集 巻十五:雑一

01075
行平 在原行平朝臣 (016)

嵯峨の山みゆきたえにしせり河の千世のふるみちあとは有りけり

さかのやま−みゆきたえにし−せりかはの−ちよのふるみち−あとはありけり

異同資料句番号:01076

01076
行平 在原行平朝臣 (016)

おきなさひ人なとかめそ狩衣けふはかりとそたつもなくなる

おきなさひ−ひとなとかめそ−かりころも−けふはかりとそ−たつもなくなる

異同資料句番号:01077

01077
時平 贈太政大臣 (503)

今まてになとかは花のさかすしてよそとせあまり年きりはする

いままてに−なとかははなの−さかすして−よそとせあまり−としきりはする

異同資料句番号:01078

01078
友則 とものり (033)

はるはるのかすはわすれす有りなから花さかぬ木をなににうゑけん

はるはるの−かすはわすれす−ありなから−はなさかぬきを−なににうゑけむ

異同資料句番号:01079

01079
番号外作者 平中興 (999)

世とともに峰へふもとへおりのほりゆく雲の身は我にそ有りける

よとともに−みねへふもとへ−おりのほり−ゆくくものみは−われにそありける

異同資料句番号:01080

01080
番号外作者 嵯峨后 (999)

事しけししはしはたてれよひのまにおけらんつゆはいててはらはん

ことしけし−しはしはたてれ−よひのまに−おけらむつゆは−いててはらはむ

異同資料句番号:01081

01081
融 河原左大臣 (014)

てる月をまさ木のつなによりかけてあかすわかるる人をつなかん

てるつきを−まさきのつなに−よりかけて−あかすわかるる−ひとをつなかむ

異同資料句番号:01082

01082
行平 行平朝臣 (016)

限なきおもひのつなのなくはこそまさきのかつらよりもなやまめ

かきりなき−おもひのつなの−なくはこそ−まさきのかつら−よりもなやまめ

異同資料句番号:01083

01083
業平 業平朝臣 (017)

すみわひぬ今は限と山さとにつまきこるへきやともとめてむ

すみわひぬ−いまはかきりと−やまさとに−つまきこるへき−やともとめてむ

異同資料句番号:01084

01084
躬恒 みつね (029)

葦引の山におひたるしらかしのしらしな人をくち木なりとも

あしひきの−やまにおひたる−しらかしの−しらしなひとを−くちきなりとも

異同資料句番号:01085

01085
躬恒 みつね (029)

伊勢の海のつりのうけなるさまなれとふかき心はそこにしつめり

いせのうみの−つりのうけなる−さまなれと−ふかきこころは−そこにしつめり

異同資料句番号:01086

01086
中務 (136)

白河のたきのいと見まほしけれとみたりに人はよせしものをや

しらかはの−たきのいとみま−ほしけれと−みたりにひとは−よせしものをや

異同資料句番号:01087

01087
忠平 おほきおほいまうちきみ (026)

しらかはのたきのいとなみみたれつつよるをそ人はまつといふなる

しらかはの−たきのいとなみ−みたれつつ−よるをそひとは−まつといふなる

異同資料句番号:01088

01088
読人不知 よみ人しらす (000)

はちすはのはひにそ人は思ふらん世にはこひちの中におひつつ

はちすはの−はひにそひとは−おもふらむ−よにはこひちの−なかにおひつつ

異同資料句番号:01089

01089
蝉丸 (010)

これやこのゆくも帰るも別れつつしるもしらぬもあふさかの関

これやこの−ゆくもかへるも−わかれつつ−しるもしらぬも−あふさかのせき

異同資料句番号:01090

01090
小町 小野小町 (009)

あまのすむ浦こく舟のかちをなみ世を海わたる我そ悲しき

あまのすむ−うらこくふねの−かちをなみ−よをうみわたる−われそかなしき

異同資料句番号:01091

01091
読人不知 よみ人しらす (000)

浜千鳥かひなかりけりつれもなきひとのあたりはなきわたれとも

はまちとり−かひなかりけり−つれもなき−ひとのあたりは−なきわたれとも

異同資料句番号:01092

01092
素性 素性法師 (021)

このみゆきちとせかへても見てしかなかかる山ふし時にあふへく

このみゆき−ちとせかへても−みてしかな−かかるやまふし−ときにあふへく

異同資料句番号:01093

01093
素性 素性法師 (021)

おとにきく松かうらしまけふそ見るむへも心あるあまはすみけり

おとにきく−まつかうらしま−けふそみる−うへもこころある−あまはすみけり

異同資料句番号:01094

01094
番号外作者 右衛門 (999)

我のみは立ちもかへらぬ暁にわきてもおける袖のつゆかな

われのみは−たちもかへらぬ−あかつきに−わきてもおける−そてのつゆかな

異同資料句番号:01095

01095
忠見 たたみ (041)

しほといへはなくてもからき世中にいかてあへたるたたみなるらん

しほといへは−なくてもからき−よのなかに−いかてあへたる−たたみなるらむ

異同資料句番号:01096

01096
元輔 藤原元輔 (042)

住吉の岸ともいはしおきつ浪猶うちかけようらはなくとも

すみよしの−きしともいはし−おきつなみ−なほうちかけよ−うらはなくとも

異同資料句番号:01097

01097
番号外作者 七条のきさき (999)

事のはにたえせぬつゆはおくらんや昔おほゆるまとゐしたれは

ことのはに−たえせぬつゆは−おくらむや−むかしおほゆる−まとゐしたれは

異同資料句番号:01098

01098
伊勢 (019)

海とのみまとゐの中はなりぬめりそなからあらぬかけのみゆれは

うみとのみ−まとゐのなかは−なりぬめり−そなからあらぬ−かけのみゆれは

異同資料句番号:01099

01099
黒主 くろぬし (501)

何せんにへたのみるめを思ひけんおきつたまもをかつく身にして

なにせむに−へたのみるめを−おもひけむ−おきつたまもを−かつくみにして

異同資料句番号:01100

01100
躬恒 みつね (029)

ひるなれや見そまかへつる月影をけふとやいはむきのふとやいはん

ひるなれや−みそまかへつる−つきかけを−けふとやいはむ−きのふとやいはむ

異同資料句番号:01101

01101
番号外作者 藤原滋包かむすめ (999)

くやしくそあまつをとめとなりにける雲ちたつぬる人もなきよに

くやしくそ−あまつをとめと−なりにける−くもちたつぬる−ひともなきよに

異同資料句番号:01102

01102
兼輔 兼輔朝臣 (027)

人のおやの心はやみにあらねとも子を思ふ道にまとひぬるかな

ひとのおやの−こころはやみに−あらねとも−こをおもふみちに−まとひぬるかな

異同資料句番号:01103

01103
番号外作者 大江玉淵朝臣女 (999)

なにはかた何にもあらすみをつくしふかき心のしるしはかりそ

なにはかた−なににもあらす−みをつくし−ふかきこころの−しるしはかりそ

異同資料句番号:01104

01104
中務 (136)

あけてたに何にかは見むみつのえのうらしまのこを思ひやりつつ

あけてたに−なににかはみむ−みつのえの−うらしまのこを−おもひやりつつ

異同資料句番号:01105

01105
忠峯 たたみね (030)

年をへてにこりたにせぬさひえには玉も帰りて今そすむへき

としをへて−にこりたにせぬ−さひえには−たまもかへりて−いまそすむへき

異同資料句番号:01106

01106
兼輔 兼輔朝臣 (027)

旧里のみかさの山はとほけれと声は昔のうとからぬかな

ふるさとの−みかさのやまは−とほけれと−こゑはむかしの−うとからぬかな

異同資料句番号:01107

01107
躬恒 みつね (029)

ひきてうゑし人はむへこそ老いにけれ松のこたかく成りにけるかな

ひきうゑし−ひとはうへこそ−おいにけれ−まつのこたかく−なりにけるかな

異同資料句番号:01108

01108
読人不知 女のはは (000)

を山田のおとろかしにもこさりしをいとひたふるににけしきみかな

をやまたの−おとろかしにも−こさりしを−いとひたふるに−にけしきみかな

異同資料句番号:01109

01109
番号外作者 むすめの女御 (999)

いかてかの年きりもせぬたねもかなあれたるやとにうゑて見るへく

いかてかの−としきりもせぬ−たねもかな−あれたるやとに−うゑてみるへく

異同資料句番号:01110

01110
番号外作者 斎宮のみこ (999)

春ことに行きてのみみむ年きりもせすといふたねはおひぬとかきく

はることに−ゆきてのみみむ−としきりも−せすといふたねは−おひぬとかきく

異同資料句番号:01111

01111
師輔 右大臣 (513)

思ひきや君か衣をぬきかへてこき紫の色をきむとは

おもひきや−きみかころもを−ぬきかへて−こきむらさきの−いろをきむとは

異同資料句番号:01112

01112
番号外作者 庶明朝臣 (999)

いにしへも契りてけりなうちはふきとひ立ちぬへしあまのは衣

いにしへも−ちきりてけりな−うちはふき−とひたちぬへし−あまのはころも

異同資料句番号:01113

01113
大輔 (502)

ふるさとのならの宮この始よりなれにけりともみゆる衣か

ふるさとの−ならのみやこの−はしめより−なれにけりとも−みゆるころもか

異同資料句番号:01114

01114
番号外作者 雅正 (999)

ふりぬとて思ひもすてし唐衣よそへてあやな怨みもそする

ふりぬとて−おもひもすてし−からころも−よそへてあやな−うらみもそする

異同資料句番号:01115

01115
千里 大江千里 (023)

流れての世をもたのます水のうへのあわにきえぬるうき身とおもへは

なかれての−よをもたのます−みつのうへの−あわにきえぬる−うきみとおもへは

異同資料句番号:01116

01116
兼輔 兼輔朝臣 (027)

むはたまのこよひはかりそあけ衣あけなは人をよそにこそ見め

うはたまの−こよひはかりそ−あけころも−あけなはひとを−よそにこそみめ

異同資料句番号:01117

01117
番号外作者 七条后 (999)

人わたす事たになきをなにしかもなからのはしと身のなりぬらん

ひとわたす−ことたになきを−なにしかも−なからのはしと−みのなりぬらむ

異同資料句番号:01118

01118
伊勢 (019)

ふるる身は涙の中にみゆれはやなからのはしにあやまたるらん

ふるるみは−なみたのうちに−みゆれはや−なからのはしに−あやまたるらむ

異同資料句番号:01119

01119
番号外作者 あつみのみこ (999)

ひとりのみなかめてとしをふるさとのあれたるさまをいかに見るらむ

ひとりのみ−なかめてとしを−ふるさとの−あれたるさまを−いかにみるらむ

異同資料句番号:01120

01120
番号外作者 あさつなの朝臣 (999)

まめなれとあたなはたちぬたはれしまよる白浪をぬれきぬにきて

まめなれと−あたなはたちぬ−たはれしま−よるしらなみを−ぬれきぬにきて

異同資料句番号:01121

01121
読人不知 よみ人しらす (000)

年をへてたのむかひなしときはなる松のこすゑも色かはりゆく

としをへて−たのむかひなし−ときはなる−まつのこすゑも−いろかはりゆく

異同資料句番号:01122

01122
番号外作者 四条御息所女 (999)

へたてける人の心のうきはしをあやふきまてもふみみつるかな

へたてける−ひとのこころの−うきはしを−あやふきまても−ふみみつるかな

異同資料句番号:01123

01123
公忠 源公忠朝臣 (117)

玉匣ふたとせあはぬ君かみをあけなからやはあらむと思ひし

たまくしけ−ふたとせあはぬ−きみかみを−あけなからやは−あらむとおもひし

異同資料句番号:01124

01124
番号外作者 小野好古朝臣 (999)

あけなから年ふることは玉匣身のいたつらになれはなりけり

あけなから−としふることは−たまくしけ−みのいたつらに−なれはなりけり

異同資料句番号:01125


後撰集 巻十六:雑二

01125
業平 在原業平朝臣 (017)

たのまれぬうき世中を歎きつつ日かけにおふる身を如何せん

たのまれぬ−うきよのなかを−なけきつつ−ひかけにおふる−みをいかにせむ

異同資料句番号:01126

01126
敏行 としゆきの朝臣 (018)

相坂のゆふつけになく鳥のねをききとかめすそ行きすきにける

あふさかの−ゆふつけになく−とりのねを−ききとかめすそ−ゆきすきにける

異同資料句番号:01127

01127
番号外作者 宣旨 (999)

み山よりひひききこゆるひくらしの声をこひしみ今もけぬへし

みやまより−ひひききこゆる−ひくらしの−こゑをこひしみ−いまもけぬへし

異同資料句番号:01128

01128
時平 贈太政大臣 (503)

ひくらしの声を恋しみけぬへくはみ山とほりにはやもきねかし

ひくらしの−こゑをこひしみ−けぬへくは−みやまとほりに−はやもきねかし

異同資料句番号:01129

01129
番号外作者 あつたたの朝臣の母 (999)

ちかはれしかもの河原に駒とめてしはし水かへ影をたに見む

ちかはれし−かものかはらに−こまとめて−しはしみつかへ−かけをたにみむ

異同資料句番号:01130

01130
番号外作者 閑院のこ (999)

わかのりし事をうしとやきえにけん草はにかかる露の命は

わかのりし−ことをうしとや−きえにけむ−くさはにかかる−つゆのいのちは

異同資料句番号:01131

01131
定方 三条右大臣 (025)

かくてのみやむへきものかちはやふるかもの社のよろつ世を見む

かくてのみ−やむへきものか−ちはやふる−かものやしろの−よろつよをみむ

異同資料句番号:01132

01132
仲平 枇杷左大臣 (504)

みこしをかいくその世世に年をへてけふのみ行をまちてみつらん

みこしをか−いくそのよよに−としをへて−けふのみゆきを−まちてみつらむ

異同資料句番号:01133

01133
読人不知 よみ人しらす (000)

いつれをか雨ともわかむ山ふしのおつる涙もふりにこそふれ

いつれをか−あめともわかむ−やまふしの−おつるなみたも−ふりにこそふれ

異同資料句番号:01134

01134
興風 藤原おきかせ (034)

思ひにはきゆる物そとしりなからけさしもおきてなににきつらん

おもひには−きゆるものそと−しりなから−けさしもおきて−なににきつらむ

異同資料句番号:01135

01135
読人不知 よみ人しらす (000)

めつらしや昔なからの山の井はしつめる影そくちはてにける

めつらしや−むかしなからの−やまのゐは−しつめるかけそ−くちはてにける

異同資料句番号:01136

01136
番号外作者 大江興俊 (999)

うち河の浪にみなれし君ませは我もあしろによりぬへきかな

うちかはの−なみにみなれし−きみませは−われもあしろに−よりぬへきかな

異同資料句番号:01137

01137
番号外作者 小弐のめのと (999)

吹きいつるね所たかくきこゆなりはつ秋風はいさてならさし

ふきいつる−ねところたかく−きこゆなり−はつあきかせは−いさてならさし

異同資料句番号:01138

01138
大輔 (502)

心してまれに吹きつる秋風を山おろしにはなさしとそ思ふ

こころして−まれにふきつる−あきかせを−やまおろしには−なさしとそおもふ

異同資料句番号:01139

01139
読人不知 よみ人しらす (000)

はかなくてたえなんくものいとゆゑに何にかおほくかかんとそ思ふ

はかなくて−たえなむくもの−いとゆゑに−なににかおほく−かかむとそおもふ

異同資料句番号:01140

01140
番号外作者 亭子院にいまあことめしける人 (999)

昔よりくらまの山といひけるはわかこと人もよるやこえけん

むかしより−くらまのやまと−いひけるは−わかことひとも−よるやこえけむ

異同資料句番号:01141

01141
読人不知 よみ人しらす (000)

雲井ちのはるけきほとのそら事はいかなる風の吹きてつけけん

くもゐちの−はるけきほとの−そらことは−いかなるかせの−ふきてつけけむ

異同資料句番号:01142

01142
読人不知 よみ人しらす (000)

あま雲のうきたることとききしかと猶そ心はそらになりにし

あまくもの−うきたることと−ききしかと−なほそこころは−そらになりにし

異同資料句番号:01143

01143
元良親王 もとよしのみこ (020)

やれはをしやらねは人に見えぬへしなくなくも猶かへすまされり

やれはをし−やらねはひとに−みえぬへし−なくなくもなほ−かへすまされり

異同資料句番号:01144

01144
素性 素性法師 (021)

もち月のこまよりおそくいてつれはたとるたとるそ山はこえつる

もちつきの−こまよりおそく−いてつれは−たとるたとるそ−やまはこえつる

異同資料句番号:01145

01145
番号外作者 藤原敦敏 (999)

よろつ世を契りし事のいたつらに人わらへにもなりぬへきかな

よろつよを−ちきりしことの−いたつらに−ひとわらへにも−なりぬへきかな

異同資料句番号:01146

01146
大輔 (502)

かけていへはゆゆしきものを万代と契りし事やかなはさるへき

かけていへは−ゆゆしきものを−よろつよと−ちきりしことや−かなはさるへき

異同資料句番号:01147

01147
読人不知 よみ人しらす (000)

ちると見てそてにうくれとたまらぬはあれたる浪の花にそ有りける

ちるとみて−そてにうくれと−たまらぬは−あれたるなみの−はなにそありける

異同資料句番号:01148

01148
読人不知 よみ人しらす (000)

たちさわく浪まをわけてかつきてしおきのもくつをいつかわすれん

たちさわく−なみまをわけて−かつきてし−おきのもくつを−いつかわすれむ

異同資料句番号:01149

01149
番号外作者 輔臣朝臣 (999)

かつきいてしおきのもくつをわすれすはそこのみるめを我にからせよ

かつきいてし−おきのもくつを−わすれすは−そこのみるめを−われにからせよ

異同資料句番号:01150

01150
読人不知 よみ人しらす (000)

限なく思ふ心はつくはねのこのもやいかかあらんとすらん

かきりなく−おもふこころは−つくはねの−このもやいかか−あらむとすらむ

異同資料句番号:01151

01151
読人不知 よみ人しらす (000)

思ひいててとふ事のはをたれみまし身の白雲と成りなましかは

おもひいてて−とふことのはを−たれみまし−みのしらくもと−なりなましかは

異同資料句番号:01152

01152
読人不知 よみ人しらす (000)

わすれなんと思ふ心のつくからに事のはさへやいへはゆゆしき

わすれなむと−おもふこころの−つくからに−ことのはさへや−いへはゆゆしき

異同資料句番号:01153

01153
読人不知 よみ人しらす (000)

かくれゐてわかうきさまを水のうへのあわともはやく思ひきえなん

かくれゐて−わかうきさまを−みつのうへの−あわともはやく−おもひきえなむ

異同資料句番号:01154

01154
読人不知 よみ人しらす (000)

人心いさやしら浪たかけれはよらむなきさそかねてかなしき

ひとこころ−いさやしらなみ−たかけれは−よらむなきさそ−かねてかなしき

異同資料句番号:01155

01155
番号外作者 高津内親王 (999)

なほき木にまかれる枝もあるものをけをふききすをいふかわりなさ

なほききに−まかれるえたも−あるものを−けをふききすを−いふかわりなさ

異同資料句番号:01156

01156
番号外作者 嵯峨后 (999)

うつろはぬ心のふかく有りけれはここらちる花春にあへること

うつろはぬ−こころのふかく−ありけれは−ここらちるはな−はるにあへること

異同資料句番号:01157

01157
読人不知 よみ人しらす (000)

玉たれのあみめのまよりふく風のさむくはそへていれん思ひを

たまたれの−あみめのまより−ふくかせの−さむくはそへて−いれむおもひを

異同資料句番号:01158

01158
読人不知 よみ人しらす (000)

白浪のうちさわかれてたちしかは身をうしほにそ袖はぬれにし

しらなみの−うちさわかれて−たちしかは−みをうしほにそ−そてはぬれにし

異同資料句番号:01159

01159
読人不知 よみ人しらす (000)

とりもあへすたちさわかれしあた浪にあやなく何に袖のぬれけん

とりもあへす−たちさわかれし−あたなみに−あやなくなにに−そてのぬれけむ

異同資料句番号:01160

01160
読人不知 よみ人しらす (000)

たたちともたのまさらなん身にちかき衣の関もありといふなり

たたちとも−たのまさらなむ−みにちかき−ころものせきも−ありといふなり

異同資料句番号:01161

01161
読人不知 よみ人しらす (000)

あはぬまに恋しき道もしりにしをなとうれしきに迷ふ心そ

あはぬまに−こひしきみちも−しりにしを−なとうれしきに−まよふこころそ

異同資料句番号:01162

01162
読人不知 よみ人しらす (000)

いかなりしふしにかいとのみたれけんしひてくれともとけすみゆるは

いかなりし−ふしにかいとの−みたれけむ−しひてくれとも−とけすみゆるは

異同資料句番号:01163

01163
番号外作者 賀朝法師 (999)

身なくとも人にしられし世中にしられぬ山をしるよしもかな

みなくとも−ひとにしられし−よのなかに−しられぬやまを−しるよしもかな

異同資料句番号:01164

01164
読人不知 賀朝法師 (000)

世中にしられぬ山に身なくとも谷の心やいはておもはむ

よのなかに−しられぬやまに−みなくとも−たにのこころや−いはておもはむ

異同資料句番号:01165

01165
読人不知 よみ人しらす (000)

おとにのみききてはやましあさくともいさくみみてん山の井の水

おとにのみ−ききてはやまし−あさくとも−いさくみみてむ−やまのゐのみつ

異同資料句番号:01166

01166
読人不知 よみ人しらす (000)

しての山たとるたとるもこえななてうき世中になにかへりけん

してのやま−たとるたとるも−こえななて−うきよのなかに−なにかへりけむ

異同資料句番号:01167

01167
読人不知 よみ人しらす (000)

かすならぬ身をもちににて吉野山高き歎を思ひこりぬる

かすならぬ−みをもちににて−よしのやま−たかきなけきを−おもひこりぬる

異同資料句番号:01168

01168
読人不知 よみ人しらす (000)

吉野山こえん事こそかたからめこらむ歎のかすはしりなん

よしのやま−こえむことこそ−かたからめ−こらむなけきの−かすはしりなむ

異同資料句番号:01169

01169
番号外作者 武蔵 (999)

かすならぬ身におくよひの白玉は光見えさす物にそ有りける

かすならぬ−みにおくよひの−しらたまは−ひかりみえさす−ものにそありける

異同資料句番号:01170

01170
読人不知 よみ人しらす (000)

なにはかたみきはのあしのおいかよに怨みてそふる人の心を

なにはかた−みきはのあしの−おいかよに−うらみてそふる−ひとのこころを

異同資料句番号:01171

01171
読人不知 よみ人しらす (000)

わするとは怨みさらなんはしたかのとかへる山のしひはもみちす

わするとは−うらみさらなむ−はしたかの−とかへるやまの−しひはもみちす

異同資料句番号:01172

01172
読人不知 よみ人しらす (000)

をちこちの人めまれなる山里に家ゐせんとは思ひきや君

をちこちの−ひとめまれなる−やまさとに−いへゐせむとは−おもひきやきみ

異同資料句番号:01173

01173
読人不知 よみ人しらす (000)

身をうしと人しれぬ世を尋ねこし雲のやへ立つ山にやはあらぬ

みをうしと−ひとしれぬよを−たつねこし−くものやへたつ−やまにやはあらぬ

異同資料句番号:01174

01174
番号外作者 土左 (999)

あさなけに世のうきことをしのひつつなかめせしまに年はへにけり

あさなけに−よのうきことを−しのひつつ−なかめせしまに−としはへにけり

異同資料句番号:01175

01175
番号外作者 閑院 (999)

春やこし秋やゆきけんおほつかな影の朽木と世をすくす身は

はるやこし−あきやゆきけむ−おほつかな−かけのくちきと−よをすくすみは

異同資料句番号:01176

01176
貫之 つらゆき (035)

世中はうき物なれや人ことのとにもかくにもきこえくるしき

よのなかは−うきものなれや−ひとことの−とにもかくにも−きこえくるしき

異同資料句番号:01177

01177
読人不知 よみ人しらす (000)

武蔵野は袖ひつはかりわけしかとわか紫はたつねわひにき

むさしのは−そてひつはかり−わけしかと−わかむらさきは−たつねわひにき

異同資料句番号:01178

01178
忠峯 壬生忠岑 (030)

おほあらきのもりの草とやなりにけむかりにたにきてとふ人のなき

おほあらきの−もりのくさとや−なりにけむ−かりにたにきて−とふひとのなき

異同資料句番号:01179

01179
読人不知 よみ人しらす (000)

あはれてふ事こそつねのくちのはにかかるや人を思ふなるらん

あはれてふ−ことこそつねの−くちのはに−かかるやひとを−おもふなるらむ

異同資料句番号:01180

01180
伊勢 (019)

吹く風のしたのちりにもあらなくにさもたちやすきわかなきなかな

ふくかせの−したのちりにも−あらなくに−さもたちやすき−わかなきなかな

異同資料句番号:01181

01181
番号外作者 閑院左大臣 (999)

ふるさとのさほの河水けふも猶かくてあふせはうれしかりけり

ふるさとの−さほのかはみつ−けふもなほ−かくてあふせは−うれしかりけり

異同資料句番号:01182

01182
番号外作者 俊子 (999)

わかやとをいつならしてかならのはをならしかほにはをりにおこする

わかやとを−いつならしてか−ならのはを−ならしかほには−をりにおこする

異同資料句番号:01183

01183
仲平 枇杷左大臣 (504)

ならの葉のはもりの神のましけるをしらてそをりしたたりなさるな

ならのはの−はもりのかみの−ましけるを−しらてそをりし−たたりなさるな

異同資料句番号:01184

01184
読人不知 よみ人しらす (000)

帰りては声やたかはむふえ竹のつらきひとよのかたみと思へは

かへりては−こゑやたかはむ−ふえたけの−つらきひとよの−かたみとおもへは

異同資料句番号:01185

01185
読人不知 よみ人しらす (000)

ひとふしに怨みなはてそ笛竹のこゑの内にも思ふ心あり

ひとふしに−うらみなはてそ−ふえたけの−こゑのうちにも−おもふこころあり

異同資料句番号:01186

01186
躬恒 みつね (029)

人につくたよりたになしおほあらきのもりのしたなる草の身なれは

ひとにつく−たよりたになし−おほあらきの−もりのしたなる−くさのみなれは

異同資料句番号:01187

01187
番号外作者 兼忠朝臣母のめのと (999)

結ひおきしかたみのこたになかりせは何に忍の草をつままし

むすひおきし−かたみのこたに−なかりせは−なににしのふの−くさをつままし

異同資料句番号:01188

01188
読人不知 よみ人しらす (000)

うれしきもうきも心はひとつにてわかれぬ物は涙なりけり

うれしきも−うきもこころは−ひとつにて−わかれぬものは−なみたなりけり

異同資料句番号:01189

01189
貫之 つらゆき (035)

をしからてかなしき物は身なりけりうき世そむかん方をしらねは

をしからて−かなしきものは−みなりけり−うきよそむかむ−かたをしらねは

異同資料句番号:01190

01190
読人不知 よみひとしらす (000)

思ひいつる時そかなしき世中はそら行く雲のはてをしらねは

おもひいつる−ときそかなしき−よのなかは−そらゆくくもの−はてをしらねは

異同資料句番号:01191

01191
読人不知 よみひとしらす (000)

あはれともうしともいはしかけろふのあるかなきかにけぬるよなれは

あはれとも−うしともいはし−かけろふの−あるかなきかに−けぬるよなれは

異同資料句番号:01192

01192
読人不知 よみひとしらす (000)

あはれてふ事になくさむ世中をなとか昔といひてすくらん

あはれてふ−ことになくさむ−よのなかを−なとかむかしと−いひてすくらむ

異同資料句番号:01193

01193
読人不知 よみひとしらす (000)

物思ふと行きても見ねはたかかたのあまのとまやはくちやしぬらん

ものおもふと−ゆきてもみねは−たかかたの−あまのとまやは−くちやしぬらむ

異同資料句番号:01194

01194
躬恒 みつね (029)

夢にたにうれしとも見はうつつにてわひしきよりは猶まさりなん

ゆめにたに−うれしともみは−うつつにて−わひしきよりは−なほまさりなむ

異同資料句番号:01195


後撰集 巻十七:雑三

01195
小町 小野小町 (009)

いはのうへに旅ねをすれはいとさむし音の衣を我にかさなん

いはのうへに−たひねをすれは−いとさむし−こけのころもを−われにかさなむ

異同資料句番号:01196

01196
遍昭 (012)

世をそむく苔の衣はたたひとへかさねはうとしいさふたりねん

よをそむく−こけのころもは−たたひとへ−かさねはうとし−いさふたりねむ

異同資料句番号:01197

01197
番号外作者 せかゐのきみ (999)

逢ふ事の年きりしぬるなけきには身のかすならぬ物にそ有りける

あふことの−としきりしぬる−なけきには−みのかすならぬ−ものにそありける

異同資料句番号:01198

01198
実頼 左大臣 (511)

あた人もなきにはあらす有りなからわか身にはまたききそならはぬ

あたひとも−なきにはあらす−ありなから−わかみにはまた−ききそならはぬ

異同資料句番号:01199

01199
読人不知 よみ人も (000)

宮人とならまほしきを女郎花のへよりきりのたちいててそくる

みやひとと−ならまほしきを−をみなへし−のへよりきりの−たちいててそくる

異同資料句番号:01200

01200
大輔 (502)

わか身にもあらぬわか身の悲しきに心もことに成りやしにけん

わかみにも−あらぬわかみの−かなしきに−こころもことに−なりやしにけむ

異同資料句番号:01201

01201
読人不知 よみ人しらす (000)

世中をしらすなからもつのくにのなには立ちぬる物にそ有りける

よのなかを−しらすなからも−つのくにの−なにはたちぬる−ものにそありける

異同資料句番号:01202

01202
読人不知 よみ人しらす (000)

よとともにわかぬれきぬとなる物はわふる涙のきするなりけり

よとともに−わかぬれきぬと−なるものは−わふるなみたの−きするなりけり

異同資料句番号:01203

01203
大輔 (502)

うけれとも悲しきものをひたふるに我をや人の思ひすつらん

うけれとも−かなしきものを−ひたふるに−われをやひとの−おもひすつらむ

異同資料句番号:01204

01204
読人不知 よみ人しらす (000)

悲しきもうきもしりにしひとつ名をたれをわくとか思ひすつへき

かなしきも−うきもしりにし−ひとつなを−たれをわくとか−おもひすつへき

異同資料句番号:01205

01205
大輔 (502)

道しらぬ物ならなくにあしひきの山ふみ迷ふ人もありけり

みちしらぬ−ものならなくに−あしひきの−やまふみまよふ−ひともありけり

異同資料句番号:01206

01206
敦忠 敦忠朝臣 (043)

しらかしの雪もきえにし葦引の山ちを誰かふみ迷ふへき

しらかしの−ゆきもきえにし−あしひきの−やまちをたれか−ふみまよふへき

異同資料句番号:01207

01207
読人不知 よみ人しらす (000)

いふ事のたかはぬ物にあらませは後うき事ときこえさらまし

いふことの−たかはぬものに−あらませは−のちうきことと−きこえさらまし

異同資料句番号:01208

01208
伊勢 (019)

おも影をあひ見しかすになす時は心のみこそしつめられけれ

おもかけを−あひみしかすに−なすときは−こころのみこそ−しつめられけれ

異同資料句番号:01209

01209
伊勢 (019)

ぬきとめぬかみのすちもてあやしくもへにける年のかすをしるかな

ぬきとめぬ−かみのすちもて−あやしくも−へにけるとしの−かすをしるかな

異同資料句番号:01210

01210
読人不知 よみ人も (000)

浪かすにあらぬ身なれは住吉の岸にもよらすなりやはてなん

なみかすに−あらぬみなれは−すみよしの−きしにもよらす−なりやはてなむ

異同資料句番号:01211

01211
読人不知 よみ人も (000)

つきもせすうき事のはのおほかるをはやく嵐の風もふかなむ

つきもせす−うきことのはの−おほかるを−はやくあらしの−かせもふかなむ

異同資料句番号:01212

01212
読人不知 よみ人も (000)

島かくれ有そにかよふあしたつのふみおく跡は浪もけたなん

しまかくれ−ありそにかよふ−あしたつの−ふみおくあとは−なみもけたなむ

異同資料句番号:01213

01213
伊勢 (019)

身ははやくなき物のこと成りにしをきえせぬ物は心なりけり

みははやく−なきもののこと−なりにしを−きえせぬものは−こころなりけり

異同資料句番号:01214

01214
読人不知 よみ人しらす (000)

むつましきいもせの山の中にさへへたつる雲のはれすもあるかな

むつましき−いもせのやまの−なかにさへ−へたつるくもの−はれすもあるかな

異同資料句番号:01215

01215
読人不知 よみ人しらす (000)

わかためにおきにくかりしはしたかの人のてに有りときくはまことか

わかために−おきにくかりし−はしたかの−ひとのてにありと−きくはまことか

異同資料句番号:01216

01216
読人不知 よみ人しらす (000)

声にたてていはねとしるしくちなしの色はわかためうすきなりけり

こゑにたてて−いはねとしるし−くちなしの−いろはわかため−うすきなりけり

異同資料句番号:01217

01217
読人不知 よみ人しらす (000)

たきつせのはやからぬをそ怨みつる見すともおとにきかんとおもへは

たきつせの−はやからぬをそ−うらみつる−みすともおとに−きかむとおもへは

異同資料句番号:01218

01218
読人不知 よみ人しらす (000)

みな人にふみみせけりなみなせ河その渡こそまつはあさけれ

みなひとに−ふみみせけりな−みなせかは−そのわたりこそ−まつはあさけれ

異同資料句番号:01219

01219
番号外作者 ひかきの嫗 (999)

年ふれはわかくろかみもしら河のみつはくむまて老いにけるかな

としふれは−わかくろかみも−しらかはの−みつはくむまて−おいにけるかな

異同資料句番号:01220

01220
貫之 つらゆき (035)

かさすともたちとたちなんなきなをは事なし草のかひやなからん

かさすとも−たちとたちなむ−なきなをは−ことなしくさの−かひやなからむ

異同資料句番号:01221

01221
貫之 つらゆき (035)

帰りくる道にそけさは迷ふらんこれになすらふ花なきものを

かへりくる−みちにそけさは−まよふらむ−これになすらふ−はななきものを

異同資料句番号:01222

01222
読人不知 よみ人しらす (000)

おほそらに行きかふ鳥の雲ちをそ人のふみみぬ物といふなる

おほそらに−ゆきかふとりの−くもちをそ−ひとのふみみぬ−ものといふなる

異同資料句番号:01223

01223
読人不知 よみ人しらす (000)

きのくにのなくさのはまは君なれや事のいふかひ有りとききつる

きのくにの−なくさのはまは−きみなれや−ことのいふかひ−ありとききつる

異同資料句番号:01224

01224
貫之 つらゆき (035)

浪にのみぬれつるものを吹く風のたよりうれしきあまのつり舟

なみにのみ−ぬれつるものを−ふくかせの−たよりうれしき−あまのつりふね

異同資料句番号:01225

01225
読人不知 よみ人しらす (000)

緑なる松ほとすきはいかてかはしたははかりももみちせさらん

みとりなる−まつほとすきは−いかてかは−したははかりも−もみちせさらむ

異同資料句番号:01226

01226
番号外作者 真延法師 (999)

思いての煙やまさんなき人のほとけになれるこのみみは君

おもひいての−けふりやまさむ−なきひとの−ほとけになれる−このみみはきみ

異同資料句番号:01227

01227
師輔 右大臣 (513)

道なれるこの身尋ねて心さし有りと見るにそねをはましける

みちなれる−このみたつねて−こころさし−ありとみるにそ−ねをはましける

異同資料句番号:01228

01228
読人不知 よみ人しらす (000)

いつこにも身をははなれぬ影しあれはふすとこことにひとりやはぬる

いつこにも−みをははなれぬ−かけしあれは−ふすとこことに−ひとりやはぬる

異同資料句番号:01229

01229
番号外作者 真延法師 (999)

風霜に色も心もかはらねはあるしににたるうゑ木なりけり

かせしもに−いろもこころも−かはらねは−あるしににたる−うゑきなりけり

異同資料句番号:01230

01230
番号外作者 行明のみこ (999)

山深みあるしににたるうゑ木をは見えぬ色とそいふへかりける

やまふかみ−あるしににたる−うゑきをは−みえぬいろとそ−いふへかりける

異同資料句番号:01231

01231
業平 なりひらの朝臣 (017)

大井河うかへる舟のかかり火にをくらの山も名のみなりけり

おほゐかは−うかへるふねの−かかりひに−をくらのやまも−なのみなりけり

異同資料句番号:01232

01232
読人不知 よみ人も (000)

明日香河わか身ひとつのふちせゆゑなへての世をも怨みつるかな

あすかかは−わかみひとつの−ふちせゆゑ−なへてのよをも−うらみつるかな

異同資料句番号:01233

01233
読人不知 よみ人も (000)

世中をいとひかてらにこしかともうき身なからの山にそ有りける

よのなかを−いとひかてらに−こしかとも−うきみなからの−やまにそありける

異同資料句番号:01234

01234
読人不知 よみ人も (000)

したにのみはひ渡りつるあしのねのうれしき雨にあらはるるかな

したにのみ−はひわたりつる−あしのねの−うれしきあめに−あらはるるかな

異同資料句番号:01235

01235
読人不知 よみ人も (000)

たきつせに誰白玉をみたりけんひろふとせしに袖はひちにき

たきつせに−たれしらたまを−みたりけむ−ひろふとせしに−そてはひちにき

異同資料句番号:01236

01236
番号外作者 源昇朝臣 (999)

いつのまにふりつもるらんみよしのの山のかひよりくつれおつる雪

いつのまに−ふりつもるらむ−みよしのの−やまのかひより−くつれおつるゆき

異同資料句番号:01237

01237
番号外作者 法皇御製 (999)

宮のたきむへも名におひてきこえけりおつるしらあわの玉とひひけは

みやのたき−うへもなにおひて−きこえけり−おつるしらあわの−たまとひひけは

異同資料句番号:01238

01238
遍昭 僧正遍昭 (012)

今更に我はかへらしたき見つつよへときかすととははこたへよ

いまさらに−われはかへらし−たきみつつ−よへときかすと−とははこたへよ

異同資料句番号:01239

01239
読人不知 よみ人も (000)

滝つせのうつまきことにとめくれと猶尋ねくる世のうきめかな

たきつせの−うつまきことに−とめくれと−なほたつねくる−よのうきめかな

異同資料句番号:01240

01240
遍昭 (012)

たらちめはかかれとてしもむはたまのわかくろかみをなてすや有りけん

たらちめは−かかれとてしも−うはたまの−わかくろかみを−なてすやありけむ

異同資料句番号:01241

01241
番号外作者 藤原もとよしの朝臣 (999)

栽ゑし時契りやしけんたけくまの松をふたたひあひみつるかな

うゑしとき−ちきりやしけむ−たけくまの−まつをふたたひ−あひみつるかな

異同資料句番号:01242

01242
読人不知 よみ人しらす (000)

菅原や伏見のくれに見わたせは霞にまかふをはつせの山

すかはらや−ふしみのくれに−みわたせは−かすみにまかふ−をはつせのやま

異同資料句番号:01243

01243
読人不知 よみ人しらす (000)

事のはもなくてへにける年月にこの春たにも花はさかなん

ことのはも−なくてへにける−としつきに−このはるたにも−はなはさかなむ

異同資料句番号:01244

01244
業平 業平朝臣 (017)

なにはつをけふこそみつの浦ことにこれやこの世をうみわたる舟

なにはつを−けふこそみつの−うらことに−これやこのよを−うみわたるふね

異同資料句番号:01245

01245
康秀 文屋康秀 (022)

白雲のきやとる峰のこ松原枝しけけれや日のひかりみぬ

しらくもの−きやとるみねの−こまつはら−えたしけけれや−ひのひかりみぬ

異同資料句番号:01246

01246
番号外作者 土左 (999)

身にさむくあらぬものからわひしきは人の心の嵐なりけり

みにさむく−あらぬものから−わひしきは−ひとのこころの−あらしなりけり

異同資料句番号:01247

01247
番号外作者 土左 (999)

なからへは人の心も見るへきをつゆのいのちそかなしかりける

なからへは−ひとのこころも−みるへきを−つゆのいのちそ−かなしかりける

異同資料句番号:01248

01248
番号外作者 閑院大君 (999)

もろともにいさとはいはてしての山いかてかひとりこえんとはせし

もろともに−いさとはいはて−してのやま−いかてかひとり−こえむとはせし

異同資料句番号:01249

01249
番号外作者 かむつけのみねを (999)

おしなへて峰もたひらになりななん山のはなくは月もかくれし

おしなへて−みねもたひらに−なりななむ−やまのはなくは−つきもかくれし

異同資料句番号:01250


後撰集 巻十八:雑四

01250
読人不知 よみ人しらす (000)

わかやとにあひやとりしてすむかはつよるになれはや物は悲しき

わかやとに−あひやとりして−すむかはつ−よるになれはや−ものはかなしき

異同資料句番号:01251

01251
読人不知 よみ人しらす (000)

玉江こくあしかりを舟さしわけて誰をたれとか我は定めん

たまえこく−あしかりをふね−さしわけて−たれをたれとか−われはさためむ

異同資料句番号:01252

01252
読人不知 よみ人しらす (000)

みちのくのをふちのこまものかふにはあれこそまされなつくものかは

みちのくの−をふちのこまも−のかふには−あれこそまされ−なつくものかは

異同資料句番号:01253

01253
番号外作者 源善朝臣 (999)

いつくとて尋ねきつらん玉かつら我は昔の我ならなくに

いつくとて−たつねきつらむ−たまかつら−われはむかしの−われならなくに

異同資料句番号:01254

01254
読人不知 よみ人しらす (000)

あさことに見し宮こちのたえぬれは事あやまりにとふ人もなし

あさことに−みしみやこちの−たえぬれは−ことあやまりに−とふひともなし

異同資料句番号:01255

01255
読人不知 よみ人しらす (000)

いつしかとまつちの山の桜花まちてもよそにきくかかなしさ

いつしかと−まつちのやまの−さくらはな−まちてもよそに−きくかかなしさ

異同資料句番号:01256

01256
伊勢 (019)

いせわたる河は袖よりなかるれととふにとはれぬ身はうせぬめり

いせわたる−かははそてより−なかるれと−とふにとはれぬ−みはうきぬめり

異同資料句番号:01257

01257
番号外作者 北辺左大臣 (999)

人めたに見えぬ山ちに立つ雲をたれすみかまの煙といふらん

ひとめたに−みえぬやまちに−たつくもを−たれすみかまの−けふりといふらむ

異同資料句番号:01258

01258
伊勢 (019)

あすか河淵せにかはる心とはみなかみしもの人もいふめり

あすかかは−ふちせにかはる−こころとは−みなかみしもの−ひともいふめり

異同資料句番号:01259

01259
読人不知 女のはは (000)

今こむといひしはかりをいのちにてまつにけぬへしさくさめのとし

いまこむと−いひしはかりを−いのちにて−まつにけぬへし−さくさめのとし

異同資料句番号:01260

01260
読人不知 むこ (000)

かすならぬ身のみ物うくおもほえてまたるるまてもなりにけるかな

かすならぬ−みのみものうく−おもほえて−またるるまても−なりにけるかな

異同資料句番号:01261

01261
読人不知 よみ人しらす (000)

有りと聞くおとはの山の郭公何かくるらんなくこゑはして

ありときく−おとはのやまの−ほとときす−なにかくるらむ−なくこゑはして

異同資料句番号:01262

01262
読人不知 よみ人しらす (000)

あしのうらのいときたなくも見ゆるかな浪はよりてもあらはさりけり

あしのうらの−いときたなくも−みゆるかな−なみはよりても−あらはさりけり

異同資料句番号:01263

01263
読人不知 よみ人しらす (000)

人心たとへて見れは白露のきゆるまもなほひさしかりけり

ひとこころ−たとへてみれは−しらつゆの−きゆるまもなほ−ひさしかりけり

異同資料句番号:01264

01264
読人不知 よみ人しらす (000)

世中といひつるものかかけろふのあるかなきかのほとにそ有りける

よのなかと−いひつるものか−かけろふの−あるかなきかの−ほとにそありける

異同資料句番号:01265

01265
読人不知 よみ人しらす (000)

かくはかり別のやすき世中につねとたのめる我そはかなき

かくはかり−わかれのやすき−よのなかに−つねとたのめる−われそはかなき

異同資料句番号:01266

01266
伊勢 (019)

ちりに立つわかなきよめんももしきの人の心をまくらともかな

ちりにたつ−わかなきよめむ−ももしきの−ひとのこころを−まくらともかな

異同資料句番号:01267

01267
番号外作者 こまちかむまこ (999)

うき事をしのふる雨のしたにしてわかぬれきぬはほせとかわかす

うきことを−しのふるあめの−したにして−わかぬれきぬは−ほせとかわかす

異同資料句番号:01268

01268
読人不知 よみ人しらす (000)

逢ふ事のかたみのこゑのたかけれはわかなくねとも人はきかなん

あふことの−かたみのこゑの−たかけれは−わかなくねとも−ひとはきかなむ

異同資料句番号:01269

01269
読人不知 よみ人しらす (000)

涙のみしる身のうさもかたるへくなけく心をまくらにもかな

なみたのみ−しるみのうさも−かたるへく−なけくこころを−まくらにもかな

異同資料句番号:01270

01270
伊勢 (019)

あひにあひて物思ふころのわか袖はやとる月さへぬるるかほなる

あひにあひて−ものおもふころの−わかそては−やとるつきさへ−ぬるるかほなる

異同資料句番号:01271

01271
貫之 つらゆき (035)

あはれてふ事にしるしはなけれともいはてはえこそあらぬ物なれ

あはれてふ−ことにしるしは−なけれとも−いはてはえこそ−あらぬものなれ

異同資料句番号:01272

01272
読人不知 よみ人しらす (000)

うつろはぬなになかれたるかは竹のいつれの世にか秋をしるへき

うつろはぬ−なになかれたる−かはたけの−いつれのよにか−あきをしるへき

異同資料句番号:01273

01273
時平 贈太政大臣 (503)

ふかき思ひそめつといひし事のははいつか秋風ふきてちりぬる

ふかきおもひ−そめつといひし−ことのはは−いつかあきかせ−ふきてちりぬる

異同資料句番号:01274

01274
伊勢 (019)

心なき身は草木にもあらなくに秋くる風にうたかはるらむ

こころなき−みはくさきにも−あらなくに−あきくるかせに−うたかはるらむ

異同資料句番号:01275

01275
伊勢 (019)

身のうきをしれははしたになりぬへみおもひはむねのこかれのみする

みのうきを−しれははしたに−なりぬへみ−おもひはむねの−こかれのみする

異同資料句番号:01276

01276
読人不知 よみ人しらす (000)

雲ちをもしらぬ我さへもろこゑにけふはかりとそなきかへりぬる

くもちをも−しらぬわれさへ−もろこゑに−けふはかりとそ−なきかへりぬる

異同資料句番号:01277

01277
読人不知 よみ人しらす (000)

またきからおもひこきいろにそめむとやわか紫のねをたつぬらん

またきから−おもひこきいろに−そめむとや−わかむらさきの−ねをたつぬらむ

異同資料句番号:01278

01278
伊勢 (019)

見えもせぬ深き心をかたりては人にかちぬと思ふものかは

みえもせぬ−ふかきこころを−かたりては−ひとにかちぬと−おもふものかは

異同資料句番号:01279

01279
伊勢 (019)

伊勢の海に年へてすみしあまなれとかかるみるめはかつかさりしを

いせのうみに−としへてすみし−あまなれと−かかるみるめは−かつかさりしを

異同資料句番号:01280

01280
兼輔 かねすけの朝臣 (027)

あしひきの山の山鳥かひもなし峰の白雲たちしよらねは

あしひきの−やまのやまとり−かひもなし−みねのしらくも−たちしよらねは

異同資料句番号:01281

01281
番号外作者 ふちはらのたたくに (999)

我ならぬ草葉もものは思ひけり袖より外におけるしらつゆ

われならぬ−くさはもものは−おもひけり−そてよりほかに−おけるしらつゆ

異同資料句番号:01282

01282
伊勢 (019)

人心嵐の風のさむけれはこのめも見えす枝そしをるる

ひとこころ−あらしのかせの−さむけれは−このめもみえす−えたそしをるる

異同資料句番号:01283

01283
読人不知 よみ人しらす (000)

うきなから人をわすれん事かたみわか心こそかはらさりけれ

うきなから−ひとをわすれむ−ことかたみ−わかこころこそ−かはらさりけれ

異同資料句番号:01284

01284
等 源のひとしの朝臣 (039)

うたたねのとこにとまれる白玉は君かおきけるつゆにやあるらん

うたたねの−とこにとまれる−しらたまは−きみかおきける−つゆにやあるらむ

異同資料句番号:01285

01285
読人不知 ある法師 (000)

かひもなき草の枕におくつゆの何にきえなておちとまりけん

かひもなき−くさのまくらに−おくつゆの−なににきえなて−おちとまりけむ

異同資料句番号:01286

01286
読人不知 よみ人しらす (000)

思ひやる方もしられすくるしきは心まとひのつねにやあるらむ

おもひやる−かたもしられす−くるしきは−こころまとひの−つねにやあるらむ

異同資料句番号:01287

01287
実頼 左大臣 (511)

鈴虫におとらぬねこそなかれけれ昔の秋を思ひやりつつ

すすむしに−おとらぬねこそ−なかれけれ−むかしのあきを−おもひやりつつ

異同資料句番号:01288

01288
読人不知 よみ人しらす (000)

ゆふくれのさひしき物は槿の花をたのめるやとにそ有りける

ゆふくれの−さひしきものは−あさかほの−はなをたのめる−やとにそありける

異同資料句番号:01289

01289
貫之 つらゆき (035)

ははそ山峰の嵐の風をいたみふることのはをかきそあつむる

ははそやま−みねのあらしの−かせをいたみ−ふることのはを−かきそあつむる

異同資料句番号:01290

01290
番号外作者 こまちかあね (999)

世中をいとひてあまのすむ方もうきめのみこそ見えわたりけれ

よのなかを−いとひてあまの−すむかたも−うきめのみこそ−みえわたりけれ

異同資料句番号:01291

01291
伊勢 (019)

山河のおとにのみきくももしきを身をはやなから見るよしもかな

やまかはの−おとにのみきく−ももしきを−みをはやなから−みるよしもかな

異同資料句番号:01292

01292
読人不知 よみ人しらす (000)

世中はいかにやいかに風のおとをきくにも今は物やかなしき

よのなかは−いかにやいかに−かせのおとを−きくにもいまは−ものやかなしき

異同資料句番号:01293

01293
伊勢 (019)

よのなかはいさともいさや風のおとは秋に秋そふ心地こそすれ

よのなかは−いさともいさや−かせのおとは−あきにあきそふ−ここちこそすれ

異同資料句番号:01294

01294
読人不知 よみ人も (000)

たとへくるつゆとひとしき身にしあらはわか思ひにもきえんとやする

たとへくる−つゆとひとしき−みにしあらは−わかおもひにも−きえむとやする

異同資料句番号:01295

01295
読人不知 よみ人も (000)

ささかにのそらにすかけるいとよりも心ほそしやたえぬとおもへは

ささかにの−そらにすかける−いとよりも−こころほそしや−たえぬとおもへは

異同資料句番号:01296

01296
読人不知 よみ人も (000)

風ふけはたえぬと見ゆるくものいも又かきつかてやむとやはきく

かせふけは−たえぬとみゆる−くものいも−またかきつかて−やむとやはきく

異同資料句番号:01297

01297
読人不知 よみ人も (000)

名にたちてふしみのさとといふ事はもみちをとこにしけはなりけり

なにたちて−ふしみのさとと−いふことは−もみちをとこに−しけはなりけり

異同資料句番号:01298

01298
番号外作者 ひとしきこのみこ (999)

我も思ふ人もわするなありそ海の浦吹く風のやむ時もなく

われもおもふ−ひともわするな−ありそうみの−うらふくかせの−やむときもなく

異同資料句番号:01299

01299
番号外作者 山田法師 (999)

あしひきの山したとよみなくとりもわかことたえす物思ふらめや

あしひきの−やましたとよみ−なくとりも−わかことたえす−ものおもふらめや

異同資料句番号:01300

01300
読人不知 よみ人しらす (000)

今はとて秋はてられし身なれともきりたち人をえやはわするる

いまはとて−あきはてられし−みなれとも−きりたちひとを−えやはわするる

異同資料句番号:01301

01301
兼輔 兼輔朝臣 (027)

思ひいててきつるもしるくもみちはの色は昔にかはらさりけり

おもひいてて−きつるもしるく−もみちはの−いろはむかしに−かはらさりけり

異同資料句番号:01302

01302
是則 坂上是則 (031)

峰高み行きても見へきもみちはをわかゐなからもかさしつるかな

みねたかみ−ゆきてもみへき−もみちはを−わかゐなからも−かさしつるかな

異同資料句番号:01303

01303
読人不知 よみ人しらす (000)

まつ人はきぬときけともあらたまのとしのみこゆるあふさかのせき

まつひとは−きぬときけとも−あらたまの−としのみこゆる−あふさかのせき

異同資料句番号:01304


後撰集 巻十九:離別羈旅

01304
貫之 (035)

をりをりに打ちてたく火の煙あらは心さすかをしのへとそ思ふ

をりをりに−うちてたくひの−けふりあらは−こころさすかを−しのへとそおもふ

異同資料句番号:01305

01305
読人不知 よみ人しらす (000)

あた人のたむけにをれるさくら花相坂まてはちらすもあらなん

あたひとの−たむけにをれる−さくらはな−あふさかまては−ちらすもあらなむ

異同資料句番号:01306

01306
番号外作者 橘直幹 (999)

思ひやる心はかりはさはらしを何へたつらん峰の白雲

おもひやる−こころはかりは−さはらしを−なにへたつらむ−みねのしらくも

異同資料句番号:01307

01307
読人不知 よみ人しらす (000)

ふたみ山ともにこえねとますかかみそこなる影をたくへてそやる

ふたみやま−ともにこえねと−ますかかみ−そこなるかけを−たくへてそやる

異同資料句番号:01308

01308
読人不知 するか (000)

しなのなるあさまの山ももゆなれはふしのけふりのかひやなからん

しなのなる−あさまのやまも−もゆなれは−ふしのけふりの−かひやなからむ

異同資料句番号:01309

01309
読人不知 よみ人しらす (000)

このたひも我をわすれぬ物ならはうち見むたひに思ひいてなん

このたひも−われをわすれぬ−ものならは−うちみむたひに−おもひいてなむ

異同資料句番号:01310

01310
読人不知 よみ人しらす (000)

打ちすてて君しいなはのつゆの身はきえぬはかりそ有りとたのむな

うちすてて−きみしいなはの−つゆのみは−きえぬはかりそ−ありとたのむな

異同資料句番号:01311

01311
読人不知 よみ人しらす (000)

をしと思ふ心はなくてこのたひはゆく馬にむちをおほせつるかな

をしとおもふ−こころはなくて−このたひは−ゆくうまにむちを−おほせつるかな

異同資料句番号:01312

01312
番号外作者 むま (999)

君か手をかれゆく秋のすゑにしものかひにはなつむまそかなしき

きみかてを−かれゆくあきの−すゑにしも−のかひにはなつ−うまそかなしき

異同資料句番号:01313

01313
仲文 藤原きよたた (125)

今はとて立帰りゆくふるさとのふはのせきちにみやこわするな

いまはとて−たちかへりゆく−ふるさとの−ふはのせきちに−みやこわするな

異同資料句番号:01314

01314
番号外作者 おほくほののりよし (999)

身をわくる事のかたさにます鏡影はかりをそ君にそへつる

みをわくる−ことのかたさに−ますかかみ−かけはかりをそ−きみにそへつる

異同資料句番号:01315

01315
読人不知 よみ人しらす (000)

はつかりの我もそらなるほとなれは君も物うきたひにやあるらん

はつかりの−われもそらなる−ほとなれは−きみもものうき−たひにやあるらむ

異同資料句番号:01316

01316
公忠 公忠朝臣 (117)

いとせめてこひしきたひの唐衣ほとなくかへす人もあらなん

いとせめて−こひしきたひの−からころも−ほとなくかへす−ひともあらなむ

異同資料句番号:01317

01317
読人不知 よみ人しらす (000)

唐衣たつ日をよそにきく人はかへすはかりのほともこひしを

からころも−たつひをよそに−きくひとは−かへすはかりの−ほともこひしを

異同資料句番号:01318

01318
読人不知 よみ人しらす (000)

こひしくは事つてもせむかへるさのかりかねはまつわかやとになけ

こひしくは−ことつてもせむ−かへるさの−かりかねはまつ−わかやとになけ

異同資料句番号:01319

01319
伊勢 (019)

別れてはいつあひみんと思ふらん限あるよのいのちともなし

わかれては−いつあひみむと−おもふらむ−かきりあるよの−いのちともなし

異同資料句番号:01320

01320
読人不知 よみ人も (000)

そむかれぬ松のちとせのほとよりもともともとたにしたはれそせし

そむかれぬ−まつのちとせの−ほとよりも−ともともとたに−したはれそせし

異同資料句番号:01321

01321
読人不知 よみ人も (000)

ともともとしたふ涙のそふ水はいかなる色に見えてゆくらん

ともともと−したふなみたの−そふみつは−いかなるいろに−みえてゆくらむ

異同資料句番号:01322

01322
伊勢 (019)

わかるれとあひもをしまぬももしきを見さらん事やなにかかなしき

わかるれと−あひもをしまぬ−ももしきを−みさらむことや−なにかかなしき

異同資料句番号:01323

01323
番号外作者 亭子のみかと (999)

身ひとつにあらぬはかりをおしなへてゆきめくりてもなとかみさらん

みひとつに−あらぬはかりを−おしなへて−ゆきめくりても−なとかみさらむ

異同資料句番号:01324

01324
読人不知 よみ人しらす (000)

別れゆく道のくもゐになりゆけはとまる心もそらにこそなれ

わかれゆく−みちのくもゐに−なりゆけは−とまるこころも−そらにこそなれ

異同資料句番号:01325

01325
読人不知 よみ人しらす (000)

いかて猶かさとり山に身をなしてつゆけきたひにそはんとそ思ふ

いかてなほ−かさとりやまに−みをなして−つゆけきたひに−そはむとそおもふ

異同資料句番号:01326

01326
番号外作者 宗于朝臣のむすめ (999)

かさとりの山とたのみし君をおきて涙の雨にぬれつつそゆく

かさとりの−やまとたのみし−きみをおきて−なみたのあめに−ぬれつつそゆく

異同資料句番号:01327

01327
読人不知 よみ人しらす (000)

君かゆく方に有りてふ涙河まつは袖にそ流るへらなる

きみかゆく−かたにありてふ−なみたかは−まつはそてにそ−なかるへらなる

異同資料句番号:01328

01328
読人不知 よみ人しらす (000)

袖ぬれて別はすとも唐衣ゆくとないひそきたりとを見む

そてぬれて−わかれはすとも−からころも−ゆくとないひそ−きたりとをみむ

異同資料句番号:01329

01329
読人不知 よみ人しらす (000)

別ちは心もゆかす唐衣きれは涙そさきにたちける

わかれちは−こころもゆかす−からころも−きれはなみたそ−さきにたちける

異同資料句番号:01330

01330
読人不知 よみ人しらす (000)

そへてやる扇の風し心あらはわか思ふ人の手をなはなれそ

そへてやる−あふきのかせし−こころあらは−わかおもふひとの−てをなはなれそ

異同資料句番号:01331

01331
番号外作者 藤原滋幹かむすめ (999)

君をのみしのふのさとへゆくものをあひつの山のはるけきやなそ

きみをのみ−しのふのさとへ−ゆくものを−あひつのやまの−はるけきやなそ

異同資料句番号:01332

01332
番号外作者 小野好古朝臣 (999)

年をへてあひみる人の別にはをしき物こそいのちなりけれ

としをへて−あひみるひとの−わかれには−をしきものこそ−いのちなりけれ

異同資料句番号:01333

01333
番号外作者 源のわたる (999)

ゆくさきをしらぬ涙の悲しきはたためのまへにおつるなりけり

ゆくさきを−しらぬなみたの−かなしきは−たためのまへに−おつるなりけり

異同資料句番号:01334

01334
番号外作者 たかとほかめ (999)

わするなといふになかるる涙河うきなをすすくせともならなん

わするなと−いふになかるる−なみたかは−うきなをすすく−せともならなむ

異同資料句番号:01335

01335
読人不知 よみ人しらす (000)

我をのみ思ひつるかの浦ならはかへるの山はまとはさらまし

われをのみ−おもひつるかの−うらならは−かへるのやまは−まとはさらまし

異同資料句番号:01336

01336
読人不知 よみ人しらす (000)

君をのみいつはたと思ひこしなれはゆききの道ははるけからしを

きみをのみ−いつはたとおもひ−こしなれは−ゆききのみちは−はるけからしを

異同資料句番号:01337

01337
読人不知 よみ人しらす (000)

秋ふかくたひゆく人のたむけにはもみちにまさるぬさなかりけり

あきふかく−たひゆくひとの−たむけには−もみちにまさる−ぬさなかりけり

異同資料句番号:01338

01338
大輔 (502)

もみちはをぬさとたむけてちらしつつ秋とともにやゆかんとすらん

もみちはを−ぬさとたむけて−ちらしつつ−あきとともにや−ゆかむとすらむ

異同資料句番号:01339

01339
伊勢 (019)

まちわひてこひしくならはたつぬへくあとなき水のうへならてゆけ

まちわひて−こひしくならは−たつぬへく−あとなきみつの−うへならてゆけ

異同資料句番号:01340

01340
時平 贈太政大臣 (503)

こむといひてわかるるたにもあるものをしられぬけさのましてわひしさ

こむといひて−わかるるたにも−あるものを−しられぬけさの−ましてわひしき

異同資料句番号:01341

01341
伊勢 (019)

さらはよと別れし時にいはませは我も涙におほほれなまし

さらはよと−わかれしときに−いはませは−われもなみたに−おほほれなまし

異同資料句番号:01342

01342
読人不知 よみ人しらす (000)

春霞はかなくたちてわかるとも風より外にたれかとふへき

はるかすみ−はかなくたちて−わかるとも−かせよりほかに−たれかとふへき

異同資料句番号:01343

01343
伊勢 (019)

めにみえぬ風に心をたくへつつやらはかすみのわかれこそせめ

めにみえぬ−かせにこころを−たくへつつ−やらはかすみの−わかれこそせめ

異同資料句番号:01344

01344
伊勢 (019)

君か世はつるのこほりにあえてきね定なきよのうたかひもなく

きみかよは−つるのこほりに−あえてきね−さためなきよの−うたかひもなく

異同資料句番号:01345

01345
伊勢 (019)

おくれすそ心にのりてこかるへき浪にもとめよ舟みえすとも

おくれすそ−こころにのりて−こかるへき−なみにもとめよ−ふねみえすとも

異同資料句番号:01346

01346
読人不知 よみ人しらす (000)

舟なくはあまのかはまてもとめてむこきつつしほのなかにきえすは

ふねなくは−あまのかはまて−もとめてむ−こきつつしほの−なかにきえすは

異同資料句番号:01347

01347
読人不知 よみ人しらす (000)

かねてより涙そ袖をうちぬらすうかへる舟にのらむと思へは

かねてより−なみたそそてを−うちぬらす−うかへるふねに−のらむとおもへは

異同資料句番号:01348

01348
伊勢 (019)

おさへつつ我は袖にそせきとむる舟こすしほになさしとおもへは

おさへつつ−われはそてにそ−せきとむる−ふねこすしほに−なさしとおもへは

異同資料句番号:01349

01349
貫之 (035)

わすれしとことにむすひてわかるれはあひ見むまては思ひみたるな

わすれしと−ことにむすひて−わかるれは−あひみむまては−おもひみたるな

異同資料句番号:01350

01350
読人不知 よみ人しらす (000)

はつせ河わたるせさへやにこるらん世にすみかたきわか身と思へは

はつせかは−わたるせさへや−にこるらむ−よにすみかたき−わかみとおもへは

異同資料句番号:01351

01351
読人不知 よみ人しらす (000)

名にしおははあたにそ思ふたはれしま浪のぬれきぬいくよきつらん

なにしおはは−あたにそおもふ−たはれしま−なみのぬれきぬ−いくよきつらむ

異同資料句番号:01352

01352
業平 業平朝臣 (017)

いととしくすきゆく方のこひしきにうら山しくも帰る浪かな

いととしく−すきゆくかたの−こひしきに−うらやましくも−かへるなみかな

異同資料句番号:01353

01353
読人不知 よみ人しらす (000)

宮こまておとにふりくる白山はゆきつきかたき所なりけり

みやこまて−おとにふりくる−しらやまは−ゆきつきかたき−ところなりけり

異同資料句番号:01354

01354
番号外作者 中原宗興 (999)

山さとの草はのつゆもしけからんみのしろ衣ぬはすともきよ

やまさとの−くさはのつゆも−しけからむ−みのしろころも−ぬはすともきよ

異同資料句番号:01355

01355
貫之 つらゆき (035)

宮こにて山のはに見し月なれと海よりいてて海にこそいれ

みやこにて−やまのはにみし−つきなれと−うみよりいてて−うみにこそいれ

異同資料句番号:01356

01356
道真 菅原右大臣 (024)

水ひきのしらいとはへておるはたは旅の衣にたちやかさねん

みつひきの−しらいとはへて−おるはたは−たひのころもに−たちやかさねむ

異同資料句番号:01357

01357
道真 菅原右大臣 (024)

ひくらしの山ちをくらみさよふけてこのすゑことにもみちてらせる

ひくらしの−やまちをくらみ−さよふけて−このすゑことに−もみちてらせる

異同資料句番号:01358

01358
伊勢 (019)

草枕たひとなりなは山のへにしらくもならぬ我ややとらむ

くさまくら−たひとなりなは−やまのへに−しらくもならぬ−われややとらむ

異同資料句番号:01359

01359
伊勢 (019)

水もせにうきぬる時はしからみのうちのとのとも見えぬもみちは

みつもせに−うきたるときは−しからみの−うちのとのとも−みえぬもみちは

異同資料句番号:01360

01360
小町 こまち (009)

花さきてみならぬ物はわたつうみのかさしにさせるおきつ白浪

はなさきて−みならぬものは−わたつうみの−かさしにさせる−おきつしらなみ

異同資料句番号:01361

01361
番号外作者 真静法師 (999)

あしからのせきの山ちをゆく人はしるもしらぬもうとからぬかな

あしからの−せきのやまちを−ゆくひとは−しるもしらぬも−うとからぬかな

異同資料句番号:01362

01362
番号外作者 僧正聖宝 (999)

人ことにけふけふとのみこひらるる宮こちかくも成りにけるかな

ひとことに−けふけふとのみ−こひらるる−みやこちかくも−なりにけるかな

異同資料句番号:01363

01363
貫之 つらゆき (035)

てる月のなかるる見れはあまのかはいつるみなとは海にそ有りける

てるつきの−なかるるみれは−あまのかは−いつるみなとは−うみにそありける

異同資料句番号:01364

01364
番号外作者 亭子院御製 (999)

草枕紅葉むしろにかへたらは心をくたく物ならましや

くさまくら−もみちむしろに−かへたらは−こころをくたく−ものならましや

異同資料句番号:01365

01365
読人不知 よみ人しらす (000)

思ふ人ありてかへれはいつしかのつままつよひのこゑそかなしき

おもふひと−ありてかへれは−いつしかの−つままつよひの−こゑそかなしき

異同資料句番号:01366

01366
読人不知 よみ人しらす (000)

草枕ゆふてはかりはなになれやつゆもなみたもおきかへりつつ

くさまくら−ゆふてはかりは−なになれや−つゆもなみたも−おきかへりつつ

異同資料句番号:01367

01367
素性 素性法師 (021)

秋山にまとふ心をみやたきのたきのしらあわにけちやはててむ

あきやまに−まとふこころを−みやたきの−たきのしらあわに−けちやはててむ

異同資料句番号:01368


後撰集 巻二十:慶賀哀傷

01368
番号外作者 藤原伊衡朝臣 (999)

よろつ世の霜にもかれぬ白菊をうしろやすくもかさしつるかな

よろつよの−しもにもかれぬ−しらきくを−うしろやすくも−かさしつるかな

異同資料句番号:01369

01369
番号外作者 典侍あきらけい子 (999)

雲わくるあまの羽衣うちきては君かちとせにあはさらめやは

くもわくる−あまのはころも−うちきては−きみかちとせに−あはさらめやは

異同資料句番号:01370

01370
忠平 太政大臣 (026)

ことしよりわかなにそへておいのよにうれしき事をつまむとそ思ふ

ことしより−わかなにそへて−おいのよに−うれしきことを−つまむとそおもふ

異同資料句番号:01371

01371
貫之 つらゆき (035)

ことのねも竹もちとせのこゑするは人の思ひにかよふなりけり

ことのねも−たけもちとせの−こゑするは−ひとのおもひに−かよふなりけり

異同資料句番号:01372

01372
読人不知 よみ人しらす (000)

ももとせといはふを我はききなから思ふかためはあかすそ有りける

ももとせと−いはふをわれは−ききなから−おもふかためは−あかすそありける

異同資料句番号:01373

01373
貫之 つらゆき (035)

おほはらやをしほの山のこ松原はやこたかかれちよの影みん

おほはらや−をしほのやまの−こまつはら−はやこたかかれ−ちよのかけみむ

異同資料句番号:01374

01374
読人不知 よみ人しらす (000)

打ちよする浪の花こそさきにけれちよ松風やはるになるらん

うちよする−なみのはなこそ−さきにけれ−ちよまつかせや−はるになるらむ

異同資料句番号:01375

01375
読人不知 よみ人しらす (000)

君かため松のちとせもつきぬへしこれよりまさん神の世もかな

きみかため−まつのちとせも−つきぬへし−これよりまさむ−かみのよもかな

異同資料句番号:01376

01376
番号外作者 ゆいせい法師 (999)

ももとせにやそとせそへていのりくる玉のしるしを君みさらめや

ももとせに−やそとせそへて−いのりくる−たまのしるしを−きみみさらめや

異同資料句番号:01377

01377
番号外作者 僧都仁教 (999)

けふそくをおさへてまさへよろつよに花のさかりを心しつかに

けふそくを−おさへてまさへ−よろつよに−はなのさかりを−こころしつかに

異同資料句番号:01378

01378
忠平 太政大臣 (026)

君かためいはふ心のふかけれはひしりのみよのあとならへとそ

きみかため−いはふこころの−ふかけれは−ひしりのみよの−あとならへとそ

異同資料句番号:01379

01379
村上院 今上御製 (512)

をしへおくことたかはすはゆくすゑの道とほくともあとはまとはし

をしへおく−ことたかはすは−ゆくすゑの−みちとほくとも−あとはまとはし

異同資料句番号:01380

01380
忠平 太政大臣 (026)

山人のこれるたききは君かためおほくの年をつまんとそ思ふ

やまひとの−これるたききは−きみかため−おほくのとしを−つまむとそおもふ

異同資料句番号:01381

01381
村上院 御製 (512)

年のかすつまんとすなるおもににはいととこつけをこりもそへなん

としのかす−つまむとすなる−おもにには−いととこつけを−こりもそへなむ

異同資料句番号:01382

01382
仲文 きよたた (125)

君かためうつしてううるくれ竹にちよもこもれる心地こそすれ

きみかため−うつしてううる−くれたけに−ちよもこもれる−ここちこそすれ

異同資料句番号:01383

01383
番号外作者 命婦いさきよき子 (999)

をののえのくちむもしらす君か世のつきんかきりはうちこころみよ

をののえの−くちむもしらす−きみかよの−つきむかきりは−うちこころみよ

異同資料句番号:01384

01384
師輔 右大臣 (513)

なみたてる松の緑の枝わかすをりつつちよを誰とかは見む

なみたてる−まつのみとりの−えたわかす−をりつつちよを−たれとかはみむ

異同資料句番号:01385

01385
貫之 つらゆき (035)

いはふこと有りとなるへしけふなれと年のこなたにはるもきにけり

いはふこと−ありとなるへし−けふなれと−としのこなたに−はるもきにけり

異同資料句番号:01386

01386
実頼 左大臣 (511)

またしらぬ人も有りけるあつまちに我も行きてそすむへかりける

またしらぬ−ひともありけり−あつまちに−われもゆきてそ−すむへかりける

異同資料句番号:01387

01387
忠平 太政大臣 (026)

春の夜の夢のなかにも思ひきや君なきやとをゆきてみんとは

はるのよの−ゆめのなかにも−おもひきや−きみなきやとを−ゆきてみむとは

異同資料句番号:01388

01388
番号外作者 よみ人しらす (999)

やと見れはねてもさめてもこひしくて夢うつつともわかれさりけり

やとみれは−ねてもさめても−こひしくて−ゆめうつつとも−わかれさりけり

異同資料句番号:01389

01389
定方 三条右大臣 (025)

はかなくて世にふるよりは山しなの宮の草木とならましものを

はかなくて−よにふるよりは−やましなの−みやのくさきと−ならましものを

異同資料句番号:01390

01390
兼輔 兼輔朝臣 (027)

山しなの宮の草木と君ならは我はしつくにぬるはかりなり

やましなの−みやのくさきと−きみならは−われはしつくに−ぬるはかりなり

異同資料句番号:01391

01391
番号外作者 時望朝臣妻 (999)

わかれにしほとをはてともおもほえすこひしきことの限なけれは

わかれにし−ほとをはてとも−おもほえす−こひしきことの−かきりなけれは

異同資料句番号:01392

01392
師輔 右大臣 (513)

たねもなき花たにちらぬやともあるをなとかかたみのこたになからん

たねもなき−はなたにちらぬ−やともあるを−なとかかたみの−こたになからむ

異同資料句番号:01393

01393
番号外作者 内侍のかみ (999)

結ひおきしたねならねともみるからにいとと忍の草をつむかな

むすひおきし−たねならねとも−みるからに−いととしのふの−くさをつむかな

異同資料句番号:01394

01394
伊勢 (019)

ここらよをきくか中にもかなしきは人の涙もつきやしぬらん

ここらよを−きくかうちにも−かなしきは−ひとのなみたも−つきやしぬらむ

異同資料句番号:01395

01395
読人不知 よみ人しらす (000)

聞く人もあはれてふなる別にはいとと涙そつきせさりける

きくひとも−あはれてふなる−わかれには−いととなみたそ−つきせさりける

異同資料句番号:01396

01396
定方 三条右大臣 (025)

いたつらにけふやくれなんあたらしき春の始は昔なからに

いたつらに−けふやくれなむ−あたらしき−はるのはしめは−むかしなからに

異同資料句番号:01397

01397
兼輔 兼輔朝臣 (027)

なく涙ふりにし年の衣手はあたらしきにもかはらさりけり

なくなみた−ふりにしとしの−ころもては−あたらしきにも−かはらさりけり

異同資料句番号:01398

01398
定方 三条右大臣 (025)

人の世の思ひにかなふ物ならはわか身は君におくれましやは

ひとのよの−おもひにかなふ−ものならは−わかみはきみに−おくれましやは

異同資料句番号:01399

01399
兼輔 兼輔朝臣 (027)

ねぬ夢に昔のかへを見つるよりうつつに物そかなしかりける

ねぬゆめに−むかしのかへを−みつるより−うつつにものそ−かなしかりける

異同資料句番号:01400

01400
番号外作者 閑院左大臣 (999)

ゆふされはねにゆくをしのひとりしてつまこひすなるこゑのかなしさ

ゆふされは−ねになくをしの−ひとりして−つまこひすなる−こゑのかなしさ

異同資料句番号:01401

01401
忠平 太政大臣 (026)

をみなへしかれにしのへにすむ人はまつさく花をまたてとも見す

をみなへし−かれにしのへに−すむひとは−まつさくはなを−またてともみす

異同資料句番号:01402

01402
伊勢 (019)

なき人の影たに見えぬやり水のそこは涙になかしてそこし

なきひとの−かけたにみえぬ−やりみつの−そこはなみたに−なかしてそこし

異同資料句番号:01403

01403
伊勢 (019)

ひとりゆく事こそうけれふるさとのならのならひてみし人もなみ

ひとりゆく−ことこそうけれ−ふるさとの−ならのならひて−みしひともなみ

異同資料句番号:01404

01404
番号外作者 京極御息所 (999)

すみそめのこきもうすきも見る時はかさねて物そかなしかりける

すみそめの−こきもうすきも−みるときは−かさねてものそ−かなしかりける

異同資料句番号:01405

01405
師輔 右大臣 (513)

昨日まてちよとちきりし君をわかしての山ちにたつぬへきかな

きのふまて−ちよとちきりし−きみをわか−してのやまちに−たつぬへきかな

異同資料句番号:01406

01406
番号外作者 はるかみの朝臣のむすめ (999)

あらたまの年こえくらしつねもなきはつ鴬のねにそなかるる

あらたまの−としこえくらし−つねもなき−はつうくひすの−ねにそなかるる

異同資料句番号:01407

01407
大輔 (502)

ねにたててなかぬ日はなし鴬の昔の春を思ひやりつつ

ねにたてて−なかぬひはなし−うくひすの−むかしのはるを−おもひやりつつ

異同資料句番号:01408

01408
番号外作者 玄上朝臣女 (999)

もろともにおきゐし秋のつゆはかりかからん物と思ひかけきや

もろともに−おきゐしあきの−つゆはかり−かからむものと−おもひかけきや

異同資料句番号:01409

01409
番号外作者 藤原守文 (999)

世中のかなしき事を菊のうへにおく白露そ涙なりける

よのなかの−かなしきことを−きくのうへに−おくしらつゆそ−なみたなりける

異同資料句番号:01410

01410
仲文 きよたた (125)

きくにたにつゆけかるらん人のよをめにみし袖を思ひやらなん

きくにたに−つゆけかるらむ−ひとのよを−めにみしそてを−おもひやらなむ

異同資料句番号:01411

01411
貫之 つらゆき (035)

ひきうゑしふたはの松は有りなから君かちとせのなきそ悲しき

ひきうゑし−ふたはのまつは−ありなから−きみかちとせの−なきそかなしき

異同資料句番号:01412

01412
読人不知 よみ人しらす (000)

君まさて年はへぬれとふるさとにつきせぬ物は涙なりけり

きみまさて−としはへぬれと−ふるさとに−つきせぬものは−なみたなりけり

異同資料句番号:01413

01413
番号外作者 戒仙法師 (999)

すきにける人を秋しも問ふからに袖はもみちの色にこそなれ

すきにける−ひとをあきしも−とふからに−そてはもみちの−いろにこそなれ

異同資料句番号:01414

01414
読人不知 よみ人しらす (000)

袖かわく時なかりつるわか身にはふるを雨ともおもはさりけり

そてかわく−ときなかりつる−わかみには−ふるをあめとも−おもはさりけり

異同資料句番号:01415

01415
読人不知 よみ人しらす (000)

ふるさとに君はいつらとまちとははいつれのそらの霞といはまし

ふるさとに−きみはいつらと−まちとはは−いつれのそらの−かすみといはまし

異同資料句番号:01416

01416
仲文 清正 (125)

君かいにし方やいつれそ白雲のぬしなきやとと見るかかなしさ

きみかいにし−かたやいつれそ−しらくもの−ぬしなきやとと−みるかかなしさ

異同資料句番号:01417

01417
読人不知 よみ人しらす (000)

わひ人のたもとに君かうつりせは藤の花とそ色は見えまし

わひひとの−たもとにきみか−うつりせは−ふちのはなとそ−いろはみえまし

異同資料句番号:01418

01418
読人不知 よみ人しらす (000)

よそにをる袖たにひちし藤衣涙に花も見えすそあらまし

よそにをる−そてたにひちし−ふちころも−なみたにはなも−みえすそあらまし

異同資料句番号:01419

01419
伊勢 (019)

ほともなく誰もおくれぬ世なれともとまるはゆくをかなしとそみる

ほともなく−たれもおくれぬ−よなれとも−とまるはゆくを−かなしとそみる

異同資料句番号:01420

01420
番号外作者 玄上朝臣女 (999)

時のまもなくさめつらんさめぬまは夢にたに見ぬわれそかなしき

ときのまも−なくさめつらむ−さめぬまは−ゆめにたにみぬ−われそかなしき

異同資料句番号:01421

01421
大輔 (502)

かなしさのなくさむへくもあらさりつゆめのうちにも夢とみゆれは

かなしさの−なくさむへくも−あらさりつ−ゆめのうちにも−ゆめとみゆれは

異同資料句番号:01422

01422
伊勢 (019)

かけてたにわか身のうへと思ひきやこむ年春の花をみしとは

かけてたに−わかみのうへと−おもひきや−こむとしはるの−はなをみしとは

異同資料句番号:01423

01423
伊勢 (019)

なくこゑにそひて涙はのほらねと雲のうへよりあめとふるらん

なくこゑに−そひてなみたは−のほらねと−くものうへより−あめとふるらむ

異同資料句番号:01424

01424
兼輔 兼輔朝臣 (027)

なき人のともにし帰る年ならはくれゆくけふはうれしからまし

なきひとの−ともにしかへる−としならは−くれゆくけふは−うれしからまし

異同資料句番号:01425

01425
貫之 つらゆき (035)

こふるまに年のくれなはなき人の別やいとととほくなりなん

こふるまに−としのくれなは−なきひとの−わかれやいとと−とほくなりなむ

異同資料句番号:01426