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百首歌合


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作品集名百首歌合 
作品集名読みひゃくしゅうたあわせ 
作成年月日建長八年九月十三日(1256年10月2日)
場所 

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おしなへて霞かかれる海山をみな我か国と春や来ぬらむ

おしなへて−かすみかかれる−うみやまを−みなわかくにと−はるやきぬらむ


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秋風のいかに吹けはか白妙の袖も今朝よりすすしかるらん

あきかせの−いかにふけはか−しろたへの−そてもけさより−すすしかるらむ


00003
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一年をこそとことしといふことはかすみはかりのへたてなりけり

ひととせを−こそとことしと−いふことは−かすみはかりの−へたてなりけり


00004
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吹きわたす草葉も浪もすすしきは野島かさきの秋の初風

ふきわたす−くさはもなみも−すすしきは−のしまかさきの−あきのはつかせ


00005
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あらたまの年も月日も行きかへりみつの初の春は来にけり

あらたまの−としもつきひも−ゆきかへり−みつのはしめの−はるはきにけり


00006
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今朝かはる扇の風もしろたへの袖にしらせて秋を告くなり

けさかはる−あふきのかせも−しろたへの−そてにしらせて−あきをつくなり


00007
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春たつとおもひもあへぬしののめにいつしかかすむ天のかく山

はるたつと−おもひもあへぬ−しののめに−いつしかかすむ−あまのかくやま


00008
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秋くれは露やいかにとおきそめて夜はにかたしく袖ぬらすらん

あきくれは−つゆやいかにと−おきそめて−よはにかたしく−そてぬらすらむ


00009
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つもりこし月日ははやく暮れはてて又も一夜に春は来にけり

つもりこし−つきひははやく−くれはてて−またもひとよに−はるはきにけり


00010
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あしの屋のすたれうこかし吹く風のめにさへみえて秋は来にけり

あしのやの−すたれうこかし−ふくかせの−めにさへみえて−あきはきにけり


00011
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いつのまに春は来ぬらん野も山も道のしるへと霞みそめつつ

いつのまに−はるはきぬらむ−のもやまも−みちのしるへと−かすみそめつつ


00012
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さしもやは身にもしみける秋の立つ気色はかりの荻のうは風

さしもやは−みにもしみける−あきのたつ−けしきはかりの−をきのうはかせ


00013
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けさはまつ立つをあはれとみよとてや空にかすみて春の来ぬらん

けさはまつ−たつをあはれと−みよとてや−そらにかすみて−はるのきぬらむ


00014
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ひとりねもよさむに成りぬとこの浦の浪ふきかへす秋の初風

ひとりねも−よさむになりぬ−とこのうらの−なみふきかへす−あきのはつかせ


00015
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正月よりさきに立ちにし春なれは年をわたりてかすむなりけり

むつきより−さきにたちにし−はるなれは−としをわたりて−かすむなりけり


00016
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立田姫いかなる色のはつしほに秋のあはれを染めてみすらん

たつたひめ−いかなるいろの−はつしほに−あきのあはれを−そめてみすらむ


00017
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けふよりは都の空のあさ霞おもひ立ちてや春も来ぬらん

けふよりは−みやこのそらの−あさかすみ−おもひたちてや−はるもきぬらむ


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露むすふこささか原をみわたせはきそのみさかに秋はきにけり

つゆむすふ−こささかはらを−みわたせは−きそのみさかに−あきはきにけり


00019
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あたらしさ春やくるともわかぬまに空にしらせて立つ霞かな

あたらしさ−はるやくるとも−わかぬまに−そらにしらせて−たつかすみかな


00020
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行く蛍おのかもよほす雲路とて星のやとりに秋や来ぬらん

ゆくほたる−おのかもよほす−くもちとて−ほしのやとりに−あきやきぬらむ


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春のくるそなたときけは朝日影出つる山こそまつかすむらめ

はるのくる−そなたときけは−あさひかけ−いつるやまこそ−まつかすむらめ


00022
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夜の程にはや吹きたちぬ夏衣うたたね山の秋のはつ風

よのほとに−はやふきたちぬ−なつころも−うたたねやまの−あきのはつかせ


00023
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さしていま春やきつらんかすかなるみかさと申して山のかすめる

さしていま−はるやきつらむ−かすかなる−みかさとまうして−やまのかすめる


00024
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おしなへて木木の一葉もおちぬらん今日たちそむる秋の初かせ

おしなへて−ききのひとはも−おちぬらむ−けふたちそむる−あきのはつかせ


00025
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昨日まてさえし雲ゐに飛ふ鳥のあすかと待ちし春はきにけり

きのふまて−さえしくもゐに−とふとりの−あすかとまちし−はるはきにけり


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荻の葉に風音つれて暮れかかる夕そ秋のはしめなりける

をきのはに−かせおとつれて−くれかかる−ゆふへそあきの−はしめなりける


00027
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春立ちてかすむもしらす降る雪に猶あとたゆるみよしのの山

はるたちて−かすむもしらす−ふるゆきに−なほあとたゆる−みよしののやま


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なにとふく風の音にてけさきけは秋きにけりと身にはしむらん

なにとふく−かせのおとにて−けさきけは−あききにけりと−みにはしむらむ


00029
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うちかすみ春そきにける高砂のをのへの松は雪もけなくに

うちかすみ−はるそきにける−たかさこの−をのへのまつは−ゆきもけなくに


00030
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いつとても露けき袖をおほかたの秋くるからといかかかこたむ

いつとても−つゆけきそてを−おほかたの−あきくるからと−いかかかこたむ


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音羽河氷の関もうちとけて春たちにけり瀬瀬の岩浪

おとはかは−こほりのせきも−うちとけて−はるたちにけり−せせのいはなみ


00032
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なにをかはおもひのこさむ今夜猶身をせめてふく秋の初風

なにをかは−おもひのこさむ−こよひなほ−みをせめてふく−あきのはつかせ


00033
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いつしかも春し来ぬれは芳野河氷もこととはやとけにけり

いつしかも−はるしきぬれは−よしのかは−こほりもことと−はやとけにけり


00034
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けさはしもおもひそあへぬ時鳥こゑきくをのの秋の初風

けさはしも−おもひそあへぬ−ほとときす−こゑきくをのの−あきのはつかせ


00035
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今朝みれはいはまにつたふ山水の氷うすれて春はきにけり

けさみれは−いはまにつたふ−やまみつの−こほりうすれて−はるはきにけり


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秋来ぬといふはかりにや吹く風も荻のうははに音かはるらん

あききぬと−いふはかりにや−ふくかせも−をきのうははに−おとかはるらむ


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あなし河氷とけ行く水上のさためてけれは春はきにけり

あなしかは−こほりとけゆく−みなかみの−さためてけれは−はるはきにけり


00038
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さしもやは身にもしむへきされは又いかなる色そ秋の初風

さしもやは−みにもしむへき−されはまた−いかなるいろそ−あきのはつかせ


00039
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うちむれて知るもしらぬも里人の子日にいそくかすかのの原

うちむれて−しるもしらぬも−さとひとの−ねのひにいそく−かすかののはら


00040
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あまの川川音すみてひこ星の妻むかへ舟待つやひさしき

あまのかは−かはおとすみて−ひこほしの−つまむかへふね−まつやひさしき


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時わかぬ野辺のこ松も春はまつ人にひかれて今日や知るらん

ときわかぬ−のへのこまつも−はるはまつ−ひとにひかれて−けふやしるらむ


00042
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銀河くらしかねたるともし妻わたりをいそくぬさたむくなり

あまのかは−くらしかねたる−ともしつま−わたりをいそく−ぬさたむくなり


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いつる日の影そのとけきかた山の滝のこほりも今やとくらん

いつるひの−かけそのとけき−かたやまの−たきのこほりも−いまやとくらむ


00044
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今夜こそうれしきせには立ちぬらめ人をへたてぬ天の川霧

こよひこそ−うれしきせには−たちぬらめ−ひとをへたてぬ−あまのかはきり


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春は今霞みそわたるもかみ河滝の氷もとけやそむらん

はるはいま−かすみそわたる−もかみかは−たきのこほりも−とけやそむらむ


00046
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なれしとや契りおきけん玉さかにみてもみまくのほし合の空

なれしとや−ちきりおきけむ−たまさかに−みてもみまくの−ほしあひのそら


00047
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春くれはとくる氷のうすらひに音たてそむる谷川の水

はるくれは−とくるこほりの−うすらひに−おとたてそむる−たにかはのみつ


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織女のよとてのすかた立ちかくすきりのとはりに秋風そ吹く

たなはたの−よとてのすかた−たちかくす−きりのとはりに−あきかせそふく


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梅か枝の花のたるみも岩そそくしつくの山に消ゆる白雪

うめかえの−はなのたるみも−いはそそく−しつくのやまに−きゆるしらゆき


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今夜あはむときのむかへにこく舟のわたせおほめく天の川霧

こよひあはむ−ときのむかへに−こくふねの−わたせおほめく−あまのかはきり


00051
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春来ても猶雪つもる梅かえのしたにかよひてうくひすそ鳴く

はるきても−なほゆきつもる−うめかえの−したにかよひて−うくひすそなく


00052
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こよひとてあささをいのる星合のかなふとみるそ光なりける

こよひとて−あささをいのる−ほしあひの−かなふとみるそ−ひかりなりける


00053
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雪きゆる籬の竹の春風にこほりておつる庭の朝露

ゆききゆる−まかきのたけの−はるかせに−こほりておつる−にはのあさつゆ


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織女のあふせをはやみくる秋の風にさきたつ天の川なみ

たなはたの−あふせをはやみ−くるあきの−かせにさきたつ−あまのかはなみ


00055
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風をたに待つほともなきあた花は枝にかかれる春のあは雪

かせをたに−まつほともなき−あたはなは−えたにかかれる−はるのあはゆき


00056
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またなれとたへぬなりとて七夕のちきるその夜もめくりきにけり

またなれと−たへぬなりとて−たなはたの−ちきるそのよも−めくりきにけり


00057
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いにしとし降りつむ雪のきえやらてうゑおく梅の花とみゆらん

いにしとし−ふりつむゆきの−きえやらて−うゑおくうめの−はなとみゆらむ


00058
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たなはたの恨はつきし水無瀬かはつらき契のなかのへたてに

たなはたの−うらみはつきし−みなせかは−つらきちきりの−なかのへたてに


00059
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嶺出つる朝日はよきててらさなむ花の友まつ雪の梢に

みねいつる−あさひはよきて−てらさなむ−はなのともまつ−ゆきのこすゑに


00060
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よそにてもあはれとそみる七夕の忘れぬなかの心なかさは

よそにても−あはれとそみる−たなはたの−わすれぬなかの−こころなかさは


00061
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年の内にふりおくれたる白雪や春ともいはす猶つもるらむ

としのうちに−ふりおくれたる−しらゆきや−はるともいはす−なほつもるらむ


00062
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風の音の秋の気色になるままにあまの川浪夜そすすしき

かせのおとの−あきのけしきに−なるままに−あまのかはなみ−よるそすすしき


00063
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たかまとの野山おなしく春は来ていかにや嶺に雪の降るらん

たかまとの−のやまおなしく−はるはきて−いかにやみねに−ゆきのふるらむ


00064
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袖かはす今夜のためや七夕のおるあさ布のころもたつらん

そてかはす−こよひのためや−たなはたの−おるあさぬのの−ころもたつらむ


00065
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きえのこるためしもかなしかすか山春の光にもるるしら雪

きえのこる−ためしもかなし−かすかやま−はるのひかりに−もるるしらゆき


00066
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又もこむ秋をやちきる七夕のあまの川とのあけかたの空

またもこむ−あきをやちきる−たなはたの−あまのかはとの−あけかたのそら


00067
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きえやらぬ岩根かくれのしら雪は春まつ程そつれなかりける

きえやらぬ−いはねかくれの−しらゆきは−はるまつほとそ−つれなかりける


00068
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たなはたも扇やあけてたとふらんあまのかはらの月のいりかた

たなはたも−あふきやあけて−たとふらむ−あまのかはらの−つきのいりかた


00069
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是をみてあはれといはむ人もかな空にみたるる春のあは雪

これをみて−あはれといはむ−ひともかな−そらにみたるる−はるのあはゆき


00070
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いかはかり露のおくらん織女の雲の衣のあくる別に

いかはかり−つゆのおくらむ−たなはたの−くものころもの−あくるわかれに


00071
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雲は猶あさきりあひて風ませにいとさえてふる春のあは雪

くもはなほ−あさきりあひて−かせませに−いとさえてふる−はるのあはゆき


00072
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まれにけふ待ちえても又銀河あふ瀬をはやみこのよあけ行く

まれにけふ−まちえてもまた−あまのかは−あふせをはやみ−このよあけゆく


00073
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若菜つむ袖こそかすめとほつ人かりちのをのの雪はけぬらし

わかなつむ−そてこそかすめ−とほつひと−かりちのをのの−ゆきはけぬらし


00074
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織女のあくる別のあまつほし道もやとりもさそまよふらん

たなはたの−あくるわかれの−あまつほし−みちもやとりも−さそまよふらむ


00075
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あは雪のみのしろ衣春きても猶山かつの袖やさゆらむ

あはゆきの−みのしろころも−はるきても−なほやまかつの−そてやさゆらむ


00076
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秋の夜をことそともなく明けぬとは織女つめやおもひしるらん

あきのよを−ことそともなく−あけぬとは−たなはたつめや−おもひしるらむ


00077
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つくつくとなかむるままに恋しきはかすめるかたやむかしなるらん

つくつくと−なかむるままに−こひしきは−かすめるかたや−むかしなるらむ


00078
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みれはけにおもひつきせぬ世のうさのためしもつらき嶺の朝霧

みれはけに−おもひつきせぬ−よのうさの−ためしもつらき−みねのあさきり


00079
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春されは霞なかるる水鳥のかもの羽色に山はみえつつ

はるされは−かすみなかるる−みつとりの−かものはいろに−やまはみえつつ


00080
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なにとなく秋の気色のさひしきは霧立ちわたるしののめの空

なにとなく−あきのけしきの−さひしきは−きりたちわたる−しののめのそら


00081
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春のくる霞をみれはかひかねのねわたしにこそたなひきにけれ

はるのくる−かすみをみれは−かひかねの−ねわたしにこそ−たなひきにけれ


00082
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もみつとも人はしらしな秋霧のはるる時なき遠の山さと

もみつとも−ひとはしらしな−あききりの−はるるときなき−をちのやまさと


00083
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きえあへぬと山の雪をへたてたる霞や春のさかひなるらん

きえあへぬ−とやまのゆきを−へたてたる−かすみやはるの−さかひなるらむ


00084
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瀬をはやみ浮きてなかるる川霧のたえまみえ行く朝ほらけかな

せをはやみ−うきてなかるる−かはきりの−たえまみえゆく−あさほらけかな


00085
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おしこめてみなきき山の朝霞やたけもみえす立ちにけらしな

おしこめて−みなききやまの−あさかすみ−やたけもみえす−たちにけらしな


00086
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朝霧のはるるまそ待つさらてたに行来もしらぬ山のかけちは

あさきりの−はるるまそまつ−さらてたに−ゆききもしらぬ−やまのかけちは


00087
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明けわたる空はみとりの春の色にかすみてしるき山の遠方

あけわたる−そらはみとりの−はるのいろに−かすみてしるき−やまのをちかた


00088
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さひしさに煙たたしとせしよりも猶霧ふかし秋のしは山

さひしさに−けふりたたしと−せしよりも−なほきりふかし−あきのしはやま


00089
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梓弓はるにしなれはまとかたのうらわをかけて霞たなひく

あつさゆみ−はるにしなれは−まとかたの−うらわをかけて−かすみたなひく


00090
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舟よはふこゑはかりして河霧のたえまもみえぬよとのあけほの

ふねよはふ−こゑはかりして−かはきりの−たえまもみえぬ−よとのあけほの


00091
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信濃なるあさまのたけの遠近に人もとかめぬ霞たつらし

しなのなる−あさまのたけの−をちこちに−ひともとかめぬ−かすみたつらし


00092
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朝日さすかたのむらきり晴れやらて山つたつたにみゆる秋かな

あさひさす−かたのむらきり−はれやらて−やまつたつたに−みゆるあきかな


00093
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吹きはらふ空にあらしのたゆむまは霞とともに浮しまの松

ふきはらふ−そらにあらしの−たゆむまは−かすみとともに−うきしまのまつ


00094
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晴れやらぬおもひの程をしれとてや空に浮きたる秋の夕霧

はれやらぬ−おもひのほとを−しれとてや−そらにうきたる−あきのゆふきり


00095
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重ねてもたちきにけらし唐衣袖しの浦の春の霞は

かさねても−たちきにけらし−からころも−そてしのうらの−はるのかすみは


00096
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みそちまて志賀の山辺の秋きりにぬれにし衣いまたほされす

みそちまて−しかのやまへの−あききりに−ぬれにしころも−いまたほされす


00097
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しほかまの煙吹きしく浦風に霞をくくるおきつ白浪

しほかまの−けふりふきしく−うらかせに−かすみをくくる−おきつしらなみ


00098
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みちのくのをののあさちふ行く人の露を衣にはらはぬはなし

みちのくの−をののあさちふ−ゆくひとの−つゆをころもに−はらはぬはなし


00099
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わかのうらに春立ちくれは塩干かたあしへもとほく霞こめつつ

わかのうらに−はるたちくれは−しほひかた−あしへもとほく−かすみこめつつ


00100
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あた人のわれふるすてふうきなより秋を恨みて露やおくらん

あたひとの−われふるすてふ−うきなより−あきをうらみて−つゆやおくらむ


00101
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あまのすむ浦のもしほの煙さへ春は霞の猶そ立ちくる

あまのすむ−うらのもしほの−けふりさへ−はるはかすみの−なほそたちくる


00102
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花薄すそこのいとをよりかけて玉をしけぬく秋の白露

はなすすき−すそこのいとを−よりかけて−たまをしけぬく−あきのしらつゆ


00103
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春くれほ恨むへきまそなかりける難波のみつも霞へたてて

はるくれほ−うらむへきまそ−なかりける−なにはのみつも−かすみへたてて


00104
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時のまもいかてか露のたまるらんゆるきのはらの草のは末は

ときのまも−いかてかつゆの−たまるらむ−ゆるきのはらの−くさのはすゑは


00105
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照りもせすくもりもはてぬいさり火や霞の浦のとまやなるらん

てりもせす−くもりもはてぬ−いさりひや−かすみのうらの−とまやなるらむ


00106
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いかにして我か衣手の秋くれは露のあなつる物となりけむ

いかにして−わかころもての−あきくれは−つゆのあなつる−ものとなりけむ


00107
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暮れかかるまきのを山やかすむらんそなたの麓みえす成行く

くれかかる−まきのをやまや−かすむらむ−そなたのふもと−みえすなりゆく


00108
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山のはも涼しくくもる秋の日のかけろふ野へにのこる朝露

やまのはも−すすしくくもる−あきのひの−かけろふのへに−のこるあさつゆ


00109
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玉くしけあけてしみれは鏡山あさくもりせす霞たつらし

たまくしけ−あけてしみれは−かかみやま−あさくもりせす−かすみたつらし


00110
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秋の夜は雲ゐにはるる月草のうつろひやすくおける露かな

あきのよは−くもゐにはるる−つきくさの−うつろひやすく−おけるつゆかな


00111
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さほ姫の衣をうすみ久堅の空にみたれてたつ霞かな

さほひめの−ころもをうすみ−ひさかたの−そらにみたれて−たつかすみかな


00112
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秋風にととめかねたるしら露をいそひておつる我か涙かな

あきかせに−ととめかねたる−しらつゆを−いそひておつる−わかなみたかな


00113
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春霞たつ野とはやく成りにけり今やし水の氷とくらん

はるかすみ−たつのとはやく−なりにけり−いまやしみつの−こほりとくらむ


00114
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うき身ゆゑしほる涙そあはれ又秋さへ袖に露そへんとは

うきみゆゑ−しほるなみたそ−あはれまた−あきさへそてに−つゆそへむとは


00115
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春雨はふらても暮れぬあまつ空くもるとみるそ霞なりける

はるさめは−ふらてもくれぬ−あまつそら−くもるとみるそ−かすみなりける


00116
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露しけき秋の木すゑに風過きて時雨ふらする杜の下陰

つゆしけき−あきのこすゑに−かせすきて−しくれふらする−もりのしたかけ


00117
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ひさかたのあまちはとほし春霞何をへたてのきはめなるらん

ひさかたの−あまちはとほし−はるかすみ−なにをへたての−きはめなるらむ


00118
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いつまてか袖のほかにも思ひけん草葉にしけき秋の白露

いつまてか−そてのほかにも−おもひけむ−くさはにしけき−あきのしらつゆ


00119
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おしなへて野なる草木も春の日の霞の時そ浅緑なる

おしなへて−のなるくさきも−はるのひの−かすみのときそ−あさみとりなる


00120
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かりなきて朝の原のあさち原色つくはかりおける露かな

かりなきて−あしたのはらの−あさちはら−いろつくはかり−おけるつゆかな


00121
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春来ぬといひしはかりの鴬のなくねも□□□待ちいつるかな

はるきぬと−いひしはかりの−うくひすの−なくねも□□□−まちいつるかな


00122
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こゑたててめつらしけなく鳴く鹿はみまれみすまれ妻や恋ふらし

こゑたてて−めつらしけなく−なくしかは−みまれみすまれ−つまやこふらし


00123
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鴬もいまたすたたぬやま里の人はおそくや春を知るらん

うくひすも−いまたすたたぬ−やまさとの−ひとはおそくや−はるをしるらむ


00124
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秋萩の花さき時に成りぬとや野辺のをしかも鳴きまさるらん

あきはきの−はなさきときに−なりぬとや−のへのをしかも−なきまさるらむ


00125
未入力 (xxx)

なく涙それかあらぬか氷とく此川かみの谷のうくひす

なくなみた−それかあらぬか−こほりとく−このかはかみの−たにのうくひす


00126
未入力 (xxx)

たかさこのをのへの萩のさきぬれは色に出ててそ鹿もなくなる

たかさこの−をのへのはきの−さきぬれは−いろにいててそ−しかもなくなる


00127
未入力 (xxx)

今朝は猶おもひあへぬを春来ぬとなきあらはせる鴬のこゑ

けさはなほ−おもひあへぬを−はるきぬと−なきあらはせる−うくひすのこゑ


00128
未入力 (xxx)

秋をしもいかに契りてこ萩さく野をなつかしみ鹿のなくらん

あきをしも−いかにちきりて−こはきさく−のをなつかしみ−しかのなくらむ


00129
未入力 (xxx)

雪は猶ふるすを出てぬうくひすも物うかるねに春やしるらん

ゆきはなほ−ふるすをいてぬ−うくひすも−ものうかるねに−はるやしるらむ


00130
未入力 (xxx)

なにとしてうつろひぬらんさをしかのころあひおもふ秋萩の花

なにとして−うつろひぬらむ−さをしかの−ころあひおもふ−あきはきのはな


00131
未入力 (xxx)

野辺みれは雪まにもゆる若草のつままち出てて鴬そなく

のへみれは−ゆきまにもゆる−わかくさの−つままちいてて−うくひすそなく


00132
未入力 (xxx)

さをしかのなく日よりこそさきにけれころあひおもふ秋萩の花

さをしかの−なくひよりこそ−さきにけれ−ころあひおもふ−あきはきのはな


00133
未入力 (xxx)

春来ぬと今そなくなるまたれこしすたちのをのの鴬のこゑ

はるきぬと−いまそなくなる−またれこし−すたちのをのの−うくひすのこゑ


00134
未入力 (xxx)

女郎花一本たてる野原ともしらてや鹿のむれてきつらん

をみなへし−ひともとたてる−のはらとも−しらてやしかの−むれてきつらむ


00135
未入力 (xxx)

春来ぬと萩のふる枝の鴬のはやこゑたてて野へを出つらし

はるきぬと−はきのふるえの−うくひすの−はやこゑたてて−のへをいつらし


00136
未入力 (xxx)

おのか妻いかかとやおもふ秋萩のうつろふみてそ鹿のなくなる

おのかつま−いかかとやおもふ−あきはきの−うつろふみてそ−しかのなくなる


00137
未入力 (xxx)

春のくるゆかりなるらしむらさきのねはふよこ野に鴬のなく

はるのくる−ゆかりなるらし−むらさきの−ねはふよこのに−うくひすのなく


00138
未入力 (xxx)

秋の野にゆくへもしらす鳴く鹿はあふを限と妻やこふらむ

あきののに−ゆくへもしらす−なくしかは−あふをかきりと−つまやこふらむ


00139
未入力 (xxx)

鴬のぬれつつなけは春雨の降るをなみたにかるかとそみる

うくひすの−ぬれつつなけは−はるさめの−ふるをなみたに−かるかとそみる


00140
未入力 (xxx)

あはれなるねをなく野へのさをしかのよその袂の涙をやかる

あはれなる−ねをなくのへの−さをしかの−よそのたもとの−なみたをやかる


00141
未入力 (xxx)

暮れぬるかとまり求めて山風のこぬれにつたふ鴬のこゑ

くれぬるか−とまりもとめて−やまかせの−こぬれにつたふ−うくひすのこゑ


00142
未入力 (xxx)

あらし吹く太山のおくのさひしさに友よひかはすさをしかのこゑ

あらしふく−みやまのおくの−さひしさに−ともよひかはす−さをしかのこゑ


00143
未入力 (xxx)

谷の戸にあくるやおそき鴬のうち出つるこゑは春めきにけり

たにのとに−あくるやおそき−うくひすの−うちいつるこゑは−はるめきにけり


00144
未入力 (xxx)

妻恋の涙や色に出てぬらん鹿なく山の嶺の紅葉葉

つまこひの−なみたやいろに−いてぬらむ−しかなくやまの−みねのもみちは


00145
未入力 (xxx)

あけわたる谷の戸ちかくきこゆなり出ておくれたる鴬のこゑ

あけわたる−たにのとちかく−きこゆなり−いておくれたる−うくひすのこゑ


00146
未入力 (xxx)

定なく萩の露ふく秋風におくれささたつさをしかのこゑ

さためなく−はきのつゆふく−あきかせに−おくれささたつ−さをしかのこゑ


00147
未入力 (xxx)

春たては谷の鴬なかねのみきくわさにして年はへにけり

はるたては−たにのうくひす−なかねのみ−きくわさにして−としはへにけり


00148
未入力 (xxx)

ますらをか朝かりいそけさをしかのふすや野原を霧こむるまに

ますらをか−あさかりいそけ−さをしかの−ふすやのはらを−きりこむるまに


00149
未入力 (xxx)

山里は人も音せぬ夕暮につれつれとなくうくひすのこゑ

やまさとは−ひともおとせぬ−ゆふくれに−つれつれとなく−うくひすのこゑ


00150
未入力 (xxx)

恋ひつつも鹿そなくなる秋の田のいなとやおのか妻はつれなき

こひつつも−しかそなくなる−あきのたの−いなとやおのか−つまはつれなき


00151
未入力 (xxx)

春の日はいなおほせ鳥にすみかへてけさ我か門にうくひすのなく

はるのひは−いなおほせとりに−すみかへて−けさわかかとに−うくひすのなく


00152
未入力 (xxx)

鹿のねはちかくすれとも山田守おとろかさぬはいねにけらしも

しかのねは−ちかくすれとも−やまたもり−おとろかさぬは−いねにけらしも


00153
未入力 (xxx)

つれなくもふりぬる身かなももちとりさへつる春も又めくりきて

つれなくも−ふりぬるみかな−ももちとり−さへつるはるも−まためくりきて


00154
未入力 (xxx)

うからてはなかれぬ物と身にしれはきくもかなしきさをしかのこゑ

うからては−なかれぬものと−みにしれは−きくもかなしき−さをしかのこゑ


00155
未入力 (xxx)

春風のをちこちにほふ梅か枝にありかさためぬ鴬のこゑ

はるかせの−をちこちにほふ−うめかえに−ありかさためぬ−うくひすのこゑ


00156
未入力 (xxx)

身にしみて荻の葉つらき夕暮は心のおくに秋風そ吹く

みにしみて−をきのはつらき−ゆふくれは−こころのおくに−あきかせそふく


00157
未入力 (xxx)

梅花今いくかあらはさかりとかたのめし人につけもやらまし

うめのはな−いまいくかあらは−さかりとか−たのめしひとに−つけもやらまし


00158
未入力 (xxx)

つれもなき人をたのまはいかかせむくるる夜ことの荻の上風

つれもなき−ひとをたのまは−いかかせむ−くるるよことの−をきのうはかせ


00159
未入力 (xxx)

冬かけて花さく梅はこそのうへにことしもつもる雪かとそみる

ふゆかけて−はなさくうめは−こそのうへに−ことしもつもる−ゆきかとそみる


00160
未入力 (xxx)

あはれしる秋の涙ももろ友に軒はの荻の露そこほるる

あはれしる−あきのなみたも−もろともに−のきはのをきの−つゆそこほるる


00161
未入力 (xxx)

降る雪のしたにやつるる花なれとにほひ忘れぬ軒の梅か枝

ふるゆきの−したにやつるる−はななれと−にほひわすれぬ−のきのうめかえ


00162
未入力 (xxx)

秋の夜におもひかほして音つるる荻のは風は涙こほれぬ

あきのよに−おもひかほして−おとつるる−をきのはかせは−なみたこほれぬ


00163
未入力 (xxx)

さきそむる軒はの梅の花かたみめならふ色もみえぬころかな

さきそむる−のきはのうめの−はなかたみ−めならふいろも−みえぬころかな


00164
未入力 (xxx)

秋風のふかはと兼ておもふ事末とほりける荻の音かな

あきかせの−ふかはとかねて−おもふこと−すゑとほりける−をきのおとかな


00165
未入力 (xxx)

さきぬれとかひなきものか梅か枝の花のうへとふ人もみえねは

さきぬれと−かひなきものか−うめかえの−はなのうへとふ−ひともみえねは


00166
未入力 (xxx)

秋来てはとふへき物とまたれつる庭のをきふに風そよくなり

あききては−とふへきものと−またれつる−にはのをきふに−かせそよくなり


00167
未入力 (xxx)

梅花老はかくれすなりぬともかさしてたにも春に逢ひみん

うめのはな−おいはかくれす−なりぬとも−かさしてたにも−はるにあひみむ


00168
未入力 (xxx)

いさめよと我かたらちねやをしへけんうたたねちかき荻のはかせに

いさめよと−わかたらちねや−をしへけむ−うたたねちかき−をきのはかせに


00169
未入力 (xxx)

老か身にかさなる春も有るものをまれにさきなる宿の梅かな

おいかみに−かさなるはるも−あるものを−まれにさきなる−やとのうめかな


00170
未入力 (xxx)

秋といへはよろつにつけてかなしきに又身にそふや荻の上風

あきといへは−よろつにつけて−かなしきに−またみにそふや−をきのうはかせ


00171
未入力 (xxx)

へたつとも猶みにゆかむ梅花身をいとふへき霞ならねは

へたつとも−なほみにゆかむ−うめのはな−みをいとふへき−かすみならねは


00172
未入力 (xxx)

をりてまし後みむ人をおもはすはしめゆはぬ野の秋萩の花

をりてまし−のちみむひとを−おもはすは−しめゆはぬのの−あきはきのはな


00173
未入力 (xxx)

まかふともいかかいふへき梅花月にはかかるにほひなけれは

まかふとも−いかかいふへき−うめのはな−つきにはかかる−にほひなけれは


00174
未入力 (xxx)

野へは今秋のさかりの色みえて萩をみなへしさきにけらしも

のへはいま−あきのさかりの−いろみえて−はきをみなへし−さきにけらしも


00175
未入力 (xxx)

かすむ夜はそれともわかぬ梅か枝の花ゆゑくもる春の月影

かすむよは−それともわかぬ−うめかえの−はなゆゑくもる−はるのつきかけ


00176
未入力 (xxx)

露霜となにしかいはむ秋の野に枝もておれる萩の錦は

つゆしもと−なにしかいはむ−あきののに−えたもておれる−はきのにしきは


00177
未入力 (xxx)

ともし火を月になそへて春のよのやみにも見つるやとの梅か枝

ともしひを−つきになそへて−はるのよの−やみにもみつる−やとのうめかえ


00178
未入力 (xxx)

たかまとの野辺行く人の袖ことにしはしみたるる萩か花すり

たかまとの−のへゆくひとの−そてことに−しはしみたるる−はきかはなすり


00179
未入力 (xxx)

誰をかも今よりまたん我かやとの梅のそのふに花さきにけり

たれをかも−いまよりまたむ−わかやとの−うめのそのふに−はなさきにけり


00180
未入力 (xxx)

今よりはうつしもうゑし秋萩の花のさかりも誰かとひける

いまよりは−うつしもうゑし−あきはきの−はなのさかりも−たれかとひける


00181
未入力 (xxx)

雪消えし我か家のそのの梅か枝は又白妙に花さきにけり

ゆききえし−わかいへのそのの−うめかえは−またしろたへに−はなさきにけり


00182
未入力 (xxx)

秋萩のはつ花すりのから衣すそ野の原をきつつみるかな

あきはきの−はつはなすりの−からころも−すそののはらを−きつつみるかな


00183
未入力 (xxx)

あはれしる人もなしとて我か宿ににほひおとるな軒の梅か枝

あはれしる−ひともなしとて−わかやとに−にほひおとるな−のきのうめかえ


00184
未入力 (xxx)

時しらぬ身の類こそなかりけれ萩のふる枝も花はさきつつ

ときしらぬ−みのたくひこそ−なかりけれ−はきのふるえも−はなはさきつつ


00185
未入力 (xxx)

梅花さくやかきねのいやしきもよきも盛を尋ねてそとふ

うめのはな−さくやかきねの−いやしきも−よきもさかりを−たつねてそとふ


00186
未入力 (xxx)

朝ことにいかにむすへは萩か枝の花の色ます秋の白露

あさことに−いかにむすへは−はきかえの−はなのいろます−あきのしらつゆ


00187
未入力 (xxx)

我か宿を誰かとめこむ梅か枝の花は名たかきにほひなれとも

わかやとを−たれかとめこむ−うめかえの−はなはなたかき−にほひなれとも


00188
未入力 (xxx)

うつろふをうしと思はてをみなへし心つからや秋にあふらむ

うつろふを−うしとおもはて−をみなへし−こころつからや−あきにあふらむ


00189
未入力 (xxx)

いたつらに色をもかをも知るしらす春はとはるるやとの梅か枝

いたつらに−いろをもかをも−しるしらす−はるはとはるる−やとのうめかえ


00190
未入力 (xxx)

おく露に下葉うつろふ秋はきの本の心や色にみゆらん

おくつゆに−したはうつろふ−あきはきの−もとのこころや−いろにみゆらむ


00191
未入力 (xxx)

色も香も我か宿からの梅花みる人もなししる人もなし

いろもかも−わかやとからの−うめのはな−みるひともなし−しるひともなし


00192
未入力 (xxx)

女郎花おほかる野へにさをしかの猶妻こふる声そあやしき

をみなへし−おほかるのへに−さをしかの−なほつまこふる−こゑそあやしき


00193
未入力 (xxx)

梅花われのとみるはうきものをなと人しれぬやとにうゑけん

うめのはな−われのとみるは−うきものを−なとひとしれぬ−やとにうゑけむ


00194
未入力 (xxx)

おひましる野沢のかたの花かつみかつ見てあかぬ女郎花かな

おひましる−のさはのかたの−はなかつみ−かつみてあかぬ−をみなへしかな


00195
未入力 (xxx)

やすらはてねなましものを梅花こぬ人の香ににほはさりせは

やすらはて−ねなましものを−うめのはな−こぬひとのかに−にほはさりせは


00196
未入力 (xxx)

栽ゑおきし誰かならはしに女郎花色なる花とうつりそめけん

うゑおきし−たかならはしに−をみなへし−いろなるはなと−うつりそめけむ


00197
未入力 (xxx)

風ふけは今散りぬへき梅か枝はしつ心しておかれやはする

かせふけは−いまちりぬへき−うめかえは−しつこころして−おかれやはする


00198
未入力 (xxx)

名にめててたをりやせまし女郎花伏見の里の夜はのかりねに

なにめてて−たをりやせまし−をみなへし−ふしみのさとの−よはのかりねに


00199
未入力 (xxx)

梅花風にさきたつにほひこそぬししらぬかとおとろかれけれ

うめのはな−かせにさきたつ−にほひこそ−ぬししらぬかと−おとろかれけれ


00200
未入力 (xxx)

若草の妻とは春もみしものを秋はさかりのをみなへしかな

わかくさの−つまとははるも−みしものを−あきはさかりの−をみなへしかな


00201
未入力 (xxx)

宮人のいとま有りとやまかり出てて梅をりかさしけふをくらせる

みやひとの−いとまありとや−まかりいてて−うめをりかさし−けふをくらせる


00202
未入力 (xxx)

何事か心になけく女郎花いはぬ涙の露こほれつつ

なにことか−こころになけく−をみなへし−いはぬなみたの−つゆこほれつつ


00203
未入力 (xxx)

うつろはて有るにもまさる梅か香はつらさしられぬよはの春風

うつろはて−あるにもまさる−うめかかは−つらさしられぬ−よはのはるかせ


00204
未入力 (xxx)

時しもあれ秋を契りてをみなへし心つからや露しほるらん

ときしもあれ−あきをちきりて−をみなへし−こころつからや−つゆしをるらむ


00205
未入力 (xxx)

梅か枝のさかすはいかにさくら花またしきほとのさひしからまし

うめかえの−さかすはいかに−さくらはな−またしきほとの−さひしからまし


00206
未入力 (xxx)

あさかほは名にこそたてれ夕露にさきそふ花の色も有りけり

あさかほは−なにこそたてれ−ゆふつゆに−さきそふはなの−いろもありけり


00207
未入力 (xxx)

空はたたそこはかとなく霞みつつ梅かをるなり春の夕暮

そらはたた−そこはかとなく−かすみつつ−うめかをるなり−はるのゆふくれ


00208
未入力 (xxx)

さためなき世のならひとやあさかほの花は夕をまたすさくらん

さためなき−よのならひとや−あさかほの−はなはゆふへを−またすさくらむ


00209
未入力 (xxx)

春は又もえ出てぬらん時過きてかれぬとみえしをののしのはら

はるはまた−もえいてぬらむ−ときすきて−かれぬとみえし−をののしのはら


00210
未入力 (xxx)

あさかほの夕かけまたぬ時のまに思ひあれはや露けかるらん

あさかほの−ゆふかけまたぬ−ときのまに−おもひあれはや−つゆけかるらむ


00211
未入力 (xxx)

春雨は霜のあたとそふりにけるおきからす草のもえし出つれは

はるさめは−しものあたとそ−ふりにける−おきからすくさの−もえしいつれは


00212
未入力 (xxx)

しはし猶しをれなはてそ夕日影かくれのをののあさかほの花

しはしなほ−しをれなはてそ−ゆふひかけ−かくれのをのの−あさかほのはな


00213
未入力 (xxx)

見渡せは春はなにはのうらわかみ蘆のにひ葉のあさ緑なる

みわたせは−はるはなにはの−うらわかみ−あしのにひはの−あさみとりなる


00214
未入力 (xxx)

山里の草のとさしのあけぬまをたよりにさけるあさかほの花

やまさとの−くさのとさしの−あけぬまを−たよりにさける−あさかほのはな


00215
未入力 (xxx)

春雨のふる野の草のいくたひかおなしみとりに又かはるらん

はるさめの−ふるののくさの−いくたひか−おなしみとりに−またかはるらむ


00216
未入力 (xxx)

はかなさの類やなにそおく露のきえぬにかるるあさかほの花

はかなさの−たくひやなにそ−おくつゆの−きえぬにかるる−あさかほのはな


00217
未入力 (xxx)

袖ぬらす沢辺の若菜さりとては玉たすきにやいれてつままし

そてぬらす−さはへのわかな−さりとては−たまたすきにや−いれてつままし


00218
未入力 (xxx)

誰にけさ袂かへして花薄いたくも野へは露けかるらん

たれにけさ−たもとかへして−はなすすき−いたくものへは−つゆけかるらむ


00219
未入力 (xxx)

解けやらぬ野沢の氷ふみ分けてつむやわかなに袖もぬれつつ

とけやらぬ−のさはのこほり−ふみわけて−つむやわかなに−そてもぬれつつ


00220
未入力 (xxx)

まくすはふおなし籬の花薄うらみぬ袖もしけき露かな

まくすはふ−おなしまかきの−はなすすき−うらみぬそても−しけきつゆかな


00221
未入力 (xxx)

誰かためか春のさはたのうす氷われてもけふのわかなつむらん

たかためか−はるのさはたの−うすこほり−われてもけふの−わかなつむらむ


00222
未入力 (xxx)

ほに出つる野辺のを花も有りしよりみたれまさりて秋風そふく

ほにいつる−のへのをはなも−ありしより−みたれまさりて−あきかせそふく


00223
未入力 (xxx)

いつまてか降りにし雪のきえやらて野へのわかなも下もえにせむ

いつまてか−ふりにしゆきの−きえやらて−のへのわかなも−したもえにせむ


00224
未入力 (xxx)

さらはたた心とまねけ花すすき風のたよりは誰かたのまむ

さらはたた−こころとまねけ−はなすすき−かせのたよりは−たれかたのまむ


00225
未入力 (xxx)

里人は草のはつかに袖みえて野への雪まにわかなつむなり

さとひとは−くさのはつかに−そてみえて−のへのゆきまに−わかなつむなり


00226
未入力 (xxx)

秋風に吹きかへさるる花すすき思はぬかたの人まねくらし

あきかせに−ふきかへさるる−はなすすき−おもはぬかたの−ひとまねくらし


00227
未入力 (xxx)

里人はけふそのはらに出てにける雪まのわかなもえやしぬらん

さとひとは−けふそのはらに−いてにける−ゆきまのわかな−もえやしぬらむ


00228
未入力 (xxx)

野辺みれはほに出てにけり花薄しのふることや秋にまくらん

のへみれは−ほにいてにけり−はなすすき−しのふることや−あきにまくらむ


00229
未入力 (xxx)

けふたにもいかかわかなをつまさらんきえすはきえす野への白雪

けふたにも−いかかわかなを−つまさらむ−きえすはきえす−のへのしらゆき


00230
未入力 (xxx)

ほにいててまねくを花のなかりせは誰我か宿の秋をとはまし

ほにいてて−まねくをはなの−なかりせは−たれわかやとの−あきをとはまし


00231
未入力 (xxx)

むらきゆる野への雪まをしるへにてけふ諸人はわかなつむなり

むらきゆる−のへのゆきまを−しるへにて−けふもろひとは−わかなつむなり


00232
未入力 (xxx)

我かいほを秋とはいはむにはのののを花か末に風わたるなり

わかいほを−あきとはいはむ−にはののの−をはなかすゑに−かせわたるなり


00233
未入力 (xxx)

鷺のゐるあれ田のくろに雪きえてねせりもしろくつむわかなかな

さきのゐる−あれたのくろに−ゆききえて−ねせりもしろく−つむわかなかな


00234
未入力 (xxx)

薄ちるあはつの野への秋風にみきはの外もささ浪そたつ

すすきちる−あはつののへの−あきかせに−みきはのほかも−ささなみそたつ


00235
未入力 (xxx)

したきえの雪まあれはや古郷のかすかのつつきわかなつむらん

したきえの−ゆきまあれはや−ふるさとの−かすかのつつき−わかなつむらむ


00236
未入力 (xxx)

秋萩にましる花野の花薄まねく袂そ錦なりける

あきはきに−ましるはなのの−はなすすき−まねくたもとそ−にしきなりける


00237
未入力 (xxx)

あたの名は春やたつへき女郎花わかなと成りて人につまれは

あたのなは−はるやたつへき−をみなへし−わかなとなりて−ひとにつまれは


00238
未入力 (xxx)

おのつからまねかぬもなとなかるらんさのみを花のおなし心に

おのつから−まねかぬもなと−なかるらむ−さのみをはなの−おなしこころに


00239
未入力 (xxx)

おしなへてわかなつむなり古郷の野へみにゆくと誰を待ちけん

おしなへて−わかなつむなり−ふるさとの−のへみにゆくと−たれをまちけむ


00240
未入力 (xxx)

花薄なれこそ野へのあるしとや行きかふ人をまねきとむらむ

はなすすき−なれこそのへの−あるしとや−ゆきかふひとを−まねきとむらむ


00241
未入力 (xxx)

此里ははるかに野への遠けれはたた我かそののわかなをそつむ

このさとは−はるかにのへの−とほけれは−たたわかそのの−わかなをそつむ


00242
未入力 (xxx)

秋風のかつ吹きむすふ露のまにぬれてほしえぬふちはかまかな

あきかせの−かつふきむすふ−つゆのまに−ぬれてほしえぬ−ふちはかまかな


00243
未入力 (xxx)

山里はあたりの野へに雪消えてほかにもとめぬわかなつむなり

やまさとは−あたりののへに−ゆききえて−ほかにもとめぬ−わかなつむなり


00244
未入力 (xxx)

旅人のあさたつ野へのふちはかま誰しのへとて香をととむらん

たひひとの−あさたつのへの−ふちはかま−たれしのへとて−かをととむらむ


00245
未入力 (xxx)

里人のわかなむれつむかすか野に空はかすみて春風そ吹く

さとひとの−わかなむれつむ−かすかのに−そらはかすみて−はるかせそふく


00246
未入力 (xxx)

初秋もあきのさかりとみゆるかな野へのちくさの花を尋ねて

はつあきも−あきのさかりと−みゆるかな−のへのちくさの−はなをたつねて


00247
未入力 (xxx)

かすめとも都は春そ猶さむきいつくの野へに若菜つままし

かすめとも−みやこははるそ−なほさむき−いつくののへに−わかなつままし


00248
未入力 (xxx)

秋の野の花のさかりは過きかてにみ草かりふき宿やからまし

あきののの−はなのさかりは−すきかてに−みくさかりふき−やとやからまし


00249
未入力 (xxx)

鴬の物うかるねになく野へはさこそわらひも下にもゆらめ

うくひすの−ものうかるねに−なくのへは−さこそわらひも−したにもゆらめ


00250
未入力 (xxx)

なにゆゑに思ひみたるとしらねともよそにくるしきかやかしたをれ

なにゆゑに−おもひみたると−しらねとも−よそにくるしき−かやかしたをれ


00251
未入力 (xxx)

けふも猶行きて又みむ雲雀たつをかたの原の春の気色を

けふもなほ−ゆきてまたみむ−ひはりたつ−をかたのはらの−はるのけしきを


00252
未入力 (xxx)

ふりまさる谷のかけ道苔たえてかよふをしかの跡あれにけり

ふりまさる−たにのかけみち−こけたえて−かよふをしかの−あとあれにけり


00253
未入力 (xxx)

霞たつ山のすそのの夕かけにうらかなしくもなく雉かな

かすみたつ−やまのすそのの−ゆふかけに−うらかなしくも−なくききすかな


00254
未入力 (xxx)

鹿のなく夜さむの嶺の秋風にいかにせよとか妻はつれなき

しかのなく−よさむのみねの−あきかせに−いかにせよとか−つまはつれなき


00255
未入力 (xxx)

心からかへるをいそく雲井路に空なきしてや雁の行くらん

こころから−かへるをいそく−くもゐちに−そらなきしてや−かりのゆくらむ


00256
未入力 (xxx)

さのみ又雁の涙といひなさは萩には秋の露やなからむ

さのみまた−かりのなみたと−いひなさは−はきにはあきの−つゆやなからむ


00257
未入力 (xxx)

玉つさの跡たにとめは行く雁のわかれの空やかたみなるらん

たまつさの−あとたにとめは−ゆくかりの−わかれのそらや−かたみなるらむ


00258
未入力 (xxx)

こしちより誰かことつての玉章をかりのつかひのかけてきつらん

こしちより−たかことつての−たまつさを−かりのつかひの−かけてきつらむ


00259
未入力 (xxx)

わかるとてなにしたふらん年年のつらさ知りにし春のかりかね

わかるとて−なにしたふらむ−としとしの−つらさしりにし−はるのかりかね


00260
未入力 (xxx)

とほさかる雁のこゑこそあはれなれ秋はいかなるねさめなるらん

とほさかる−かりのこゑこそ−あはれなれ−あきはいかなる−ねさめなるらむ


00261
未入力 (xxx)

軒にとふつはめはちかく□□□きて雲かくれぬる春の雁かね

のきにとふ−つはめはちかく−□□□きて−くもかくれぬる−はるのかりかね


00262
未入力 (xxx)

ねにたててかりそなくなる秋風やしらぬ雲路にさそひきぬらん

ねにたてて−かりそなくなる−あきかせや−しらぬくもちに−さそひきぬらむ


00263
未入力 (xxx)

いかなれは春は都に立ちわかれこしちにかりのかへるなるらむ

いかなれは−はるはみやこに−たちわかれ−こしちにかりの−かへるなるらむ


00264
未入力 (xxx)

そともなるを田のおしねは色つきてさむきあさけに雁はきにけり

そともなる−をたのおしねは−いろつきて−さむきあさけに−かりはきにけり


00265
未入力 (xxx)

つれなしや花のしら雲飛分けては風もつらくかへる雁金

つれなしや−はなのしらくも−とひわけて−はかせもつらく−かへるかりかね


00266
未入力 (xxx)

世をわたる我も雲井のかりならは誰をたのむの沢になかまし

よをわたる−われもくもゐの−かりならは−たれをたのむの−さはになかまし


00267
未入力 (xxx)

かすめともまよはてかへる雁かねはこそのこしちや空にしるらん

かすめとも−まよはてかへる−かりかねは−こそのこしちや−そらにしるらむ


00268
未入力 (xxx)

わきて又誰をたのむのかりなれはけさは都の空に来ぬらん

わきてまた−たれをたのむの−かりなれは−けさはみやこの−そらにきぬらむ


00269
未入力 (xxx)

こしちにもつひにとまらぬ雁かねのかへるてふ名を誰かさためし

こしちにも−つひにとまらぬ−かりかねの−かへるてふなを−たれかさためし


00270
未入力 (xxx)

さかしらに初雁なきて過きぬなりおのかうゑたるたのもならぬを

さかしらに−はつかりなきて−すきぬなり−おのかうゑたる−たのもならぬを


00271
未入力 (xxx)

帰る雁霞をわけてゆくゆくとかくるるまてにしたひつるかな

かへるかり−かすみをわけて−ゆくゆくと−かくるるまてに−したひつるかな


00272
未入力 (xxx)

露さむき長月の空の秋風に分きて時とや雁のきぬらん

つゆさむき−なかつきのそらの−あきかせに−わきてときとや−かりのきぬらむ


00273
未入力 (xxx)

つらなれるつはさをかけて玉つさのもしくさりして帰るかりかね

つらなれる−つはさをかけて−たまつさの−もしくさりして−かへるかりかね


00274
未入力 (xxx)

玉章やかけても秋を忘れぬはかりのつかひのまことなりけり

たまつさや−かけてもあきを−わすれぬは−かりのつかひの−まことなりけり


00275
未入力 (xxx)

ねにたててかすめる空を行く雁はわかると人にきかるはかりそ

ねにたてて−かすめるそらを−ゆくかりは−わかるとひとに−きかるはかりそ


00276
未入力 (xxx)

物おもふ我か宿にしもなく雁のこゑうらめしき秋の空かな

ものおもふ−わかやとにしも−なくかりの−こゑうらめしき−あきのそらかな


00277
未入力 (xxx)

時しもあれかへるならひを契りけん心そつらき春のかりかね

ときしもあれ−かへるならひを−ちきりけむ−こころそつらき−はるのかりかね


00278
未入力 (xxx)

風はやみ心ならすや行きかへり空にのみして雁のなくらむ

かせはやみ−こころならすや−ゆきかへり−そらにのみして−かりのなくらむ


00279
未入力 (xxx)

あかしかたかへる浪路やかすむらん島かくれ行く春のかりかね

あかしかた−かへるなみちや−かすむらむ−しまかくれゆく−はるのかりかね


00280
未入力 (xxx)

おほゐ河くたすいかたし心せよむれゐる雁も立ちさわくなり

おほゐかは−くたすいかたし−こころせよ−むれゐるかりも−たちさわくなり


00281
未入力 (xxx)

かへるかり北をさしゆく浪のうへにあまもつるかのおきの友舟

かへるかり−きたをさしゆく−なみのうへに−あまもつるかの−おきのともふね


00282
未入力 (xxx)

浪のうへにこきならひたるあまを舟はつかりかねのくるにそ有りける

なみのうへに−こきならひたる−あまをふね−はつかりかねの−くるにそありける


00283
未入力 (xxx)

ふるさとはいつくなれはかさくらさくよしのの宮をかへる雁金

ふるさとは−いつくなれはか−さくらさく−よしののみやを−かへるかりかね


00284
未入力 (xxx)

初雁のこゑをほにあけてなきわたるをかへのわさ田露そこほるる

はつかりの−こゑをほにあけて−なきわたる−をかへのわさた−つゆそこほるる


00285
未入力 (xxx)

さく程をまたてのみ行く雁かねのうきをいくたひ花もみるらん

さくほとを−またてのみゆく−かりかねの−うきをいくたひ−はなもみるらむ


00286
未入力 (xxx)

嶺こえの山のこなたにくるかりはこしはなれたるこゑそきこゆる

みねこえの−やまのこなたに−くるかりは−こしはなれたる−こゑそきこゆる


00287
未入力 (xxx)

花もなき里にならははしはしまてときはの杜に帰るかりかね

はなもなき−さとにならはは−しはしまて−ときはのもりに−かへるかりかね


00288
未入力 (xxx)

野辺の萩山の木の葉の色つくは雁の涙やわけておくらん

のへのはき−やまのこのはの−いろつくは−かりのなみたや−わけておくらむ


00289
未入力 (xxx)

帰るかり別はさこそしたへとも秋なたのめそさためなき身に

かへるかり−わかれはさこそ−したへとも−あきなたのめそ−さためなきみに


00290
未入力 (xxx)

いかになく雁の涙そ紅葉葉にたまるはかりの露とおくらん

いかになく−かりのなみたそ−もみちはに−たまるはかりの−つゆとおくらむ


00291
未入力 (xxx)

なからへて秋はあひみるならひともたのまれぬ世に帰るかりかね

なからへて−あきはあひみる−ならひとも−たのまれぬよに−かへるかりかね


00292
未入力 (xxx)

秋風の吹きたつことにくるかりは都はいまと誰さそふらん

あきかせの−ふきたつことに−くるかりは−みやこはいまと−たれさそふらむ


00293
未入力 (xxx)

かすみ行く空たのめとは思はねと秋まちとほにかへる雁金

かすみゆく−そらたのめとは−おもはねと−あきまちとほに−かへるかりかね


00294
未入力 (xxx)

つくはねや秋風さむみ旅衣すそわのたゐにかりそなくなる

つくはねや−あきかせさむみ−たひころも−すそわのたゐに−かりそなくなる


00295
未入力 (xxx)

山里の春のなかめの晴れぬまをむもれたりやととふ人もなし

やまさとの−はるのなかめの−はれぬまを−むもれたりやと−とふひともなし


00296
未入力 (xxx)

しくるれとこれや秋なき常盤山なへて木のはの色しみえねは

しくるれと−これやあきなき−ときはやま−なへてこのはの−いろしみえねは


00297
未入力 (xxx)

かすむ夜のあはれしらする月影におほろけにやは袖もぬれける

かすむよの−あはれしらする−つきかけに−おほろけにやは−そてもぬれける


00298
未入力 (xxx)

つの国の生田のもりの秋も猶すむ人からや人はとふらん

つのくにの−いくたのもりの−あきもなほ−すむひとからや−ひとはとふらむ


00299
未入力 (xxx)

あけわたるやよひの空の雲まよりはつかにあまる月のすくなさ

あけわたる−やよひのそらの−くもまより−はつかにあまる−つきのすくなさ


00300
未入力 (xxx)

いまさらに歎くとならは身のうさをつねはしらぬに秋やおもはむ

いまさらに−なけくとならは−みのうさを−つねはしらぬに−あきやおもはむ


00301
未入力 (xxx)

袖ぬらす涙とみえてふる物はたた此ころの春雨のそら

そてぬらす−なみたとみえて−ふるものは−たたこのころの−はるさめのそら


00302
未入力 (xxx)

今は我か涙のひまもあらはこそ袖をもかさめ秋の時雨に

いまはわか−なみたのひまも−あらはこそ−そてをもかさめ−あきのしくれに


00303
未入力 (xxx)

いとまあるやとのなかめも閑にてくるれはつらき春の雨かな

いとまある−やとのなかめも−しつかにて−くるれはつらき−はるのあめかな


00304
未入力 (xxx)

さひしさはさらてもたえぬ山里の夕かなしき秋の雨かな

さひしさは−さらてもたえぬ−やまさとの−ゆふへかなしき−あきのあめかな


00305
未入力 (xxx)

秋さかむ花□□□□やいそくらし萩の焼野に春雨そふる

あきさかむ−はな□□□□や−いそくらし−はきのやけのに−はるさめそふる


00306
未入力 (xxx)

秋ふくる風のさむさにふるさとの草したかくれうつらなくなり

あきふくる−かせのさむさに−ふるさとの−くさしたかくれ−うつらなくなり


00307
未入力 (xxx)

今も猶めくみはしらて春雨のふりにのみふる身こそつらけれ

いまもなほ−めくみはしらて−はるさめの−ふりにのみふる−みこそつらけれ


00308
未入力 (xxx)

秋の色におもひそめぬる心からたえすなみたのしくれかほなる

あきのいろに−おもひそめぬる−こころから−たえすなみたの−しくれかほなる


00309
未入力 (xxx)

うき身をはおもひしのふるはる雨にたかこはぬらす苔の袂そ

うきみをは−おもひしのふる−はるさめに−たかこはぬらす−こけのたもとそ


00310
未入力 (xxx)

年ふれは涙のもろくなりけるを秋のゆゑともなに払ふらん

としふれは−なみたのもろく−なりけるを−あきのゆゑとも−なにはらふらむ


00311
未入力 (xxx)

とにかくに袖のみぬるるなかめかな我か身世にふる春雨の空

とにかくに−そてのみぬるる−なかめかな−わかみよにふる−はるさめのそら


00312
未入力 (xxx)

あはれともいふにあまりてかなしきは秋のなか夜のねさめなりけり

あはれとも−いふにあまりて−かなしきは−あきのなかよの−ねさめなりけり


00313
未入力 (xxx)

いつとなき松のみとりも春雨のふる日となれは色まさりけり

いつとなき−まつのみとりも−はるさめの−ふるひとなれは−いろまさりけり


00314
未入力 (xxx)

我か身にはなにをか待たん暁のなからましかは秋のねさめに

わかみには−なにをかまたむ−あかつきの−なからましかは−あきのねさめに


00315
未入力 (xxx)

みかさとるおほ宮人も行きかへりいくかになりぬ春雨の空

みかさとる−おほみやひとも−ゆきかへり−いくかになりぬ−はるさめのそら


00316
未入力 (xxx)

秋くるをかなしき時といひおきておもひなしにや袖のぬるらん

あきくるを−かなしきときと−いひおきて−おもひなしにや−そてのぬるらむ


00317
未入力 (xxx)

時にあふ色そみせける春雨は冬こもりせし木にも草にも

ときにあふ−いろそみせける−はるさめは−ふゆこもりせし−きにもくさにも


00318
未入力 (xxx)

今はまたなれぬる老のねさめとて心もおかすしかもなくなり

いまはまた−なれぬるおいの−ねさめとて−こころもおかす−しかもなくなり


00319
未入力 (xxx)

春雨のふるの山田も此程やあらすき返すたよりなるらん

はるさめの−ふるのやまたも−このほとや−あらすきかへす−たよりなるらむ


00320
未入力 (xxx)

秋の空霧のまきれに日は暮れて田中の里に鶉なくなり

あきのそら−きりのまきれに−ひはくれて−たなかのさとに−うつらなくなり


00321
未入力 (xxx)

あはれをはいつくにそふるかけならんつらさかすめる春のよの月

あはれをは−いつくにそふる−かけならむ−つらさかすめる−はるのよのつき


00322
未入力 (xxx)

猶さりのなかめまてこそうかりけれいつよりかかる秋と成りけん

なほさりの−なかめまてこそ−うかりけれ−いつよりかかる−あきとなりけむ


00323
未入力 (xxx)

かすめたたおほろなれはに春の月しく影なしと名にもふりけん

かすめたた−おほろなれはに−はるのつき−しくかけなしと−なにもふりけむ


00324
未入力 (xxx)

花さそふ春こそあらめ身にしみて秋さへつらき風の音かな

はなさそふ−はるこそあらめ−みにしみて−あきさへつらき−かせのおとかな


00325
未入力 (xxx)

月のいるかたやいつくそあしひきの山のはみえすかすむ空かな

つきのいる−かたやいつくそ−あしひきの−やまのはみえす−かすむそらかな


00326
未入力 (xxx)

さらぬたにねさめせらるる長き夜になくさめかねつ荻のうは風

さらぬたに−ねさめせらるる−なかきよに−なくさめかねつ−をきのうはかせ


00327
未入力 (xxx)

やまさとに我こそ独なかめつれ朧月夜のふかきあはれを

やまさとに−われこそひとり−なかめつれ−おほろつきよの−ふかきあはれを


00328
未入力 (xxx)

吹過きてよそにゆかまし秋風を音つれよする軒の荻原

ふきすきて−よそにゆかまし−あきかせを−おとつれよする−のきのをきはら


00329
未入力 (xxx)

かかれとはたかならはして春くれはおほろに月の影をみすらん

かかれとは−たかならはして−はるくれは−おほろにつきの−かけをみすらむ


00330
未入力 (xxx)

秋風に涙はおちぬしかりとて思ひありやととふ人はなし

あきかせに−なみたはおちぬ−しかりとて−おもひありやと−とふひとはなし


00331
未入力 (xxx)

春の夜の霞もりくる月影の心つくしにふくる空かな

はるのよの−かすみもりくる−つきかけの−こころつくしに−ふくるそらかな


00332
未入力 (xxx)

あはれわか軒はの荻を栽ゑてけに心と歎く風の音かな

あはれわか−のきはのをきを−うゑてけに−こころとなけく−かせのおとかな


00333
未入力 (xxx)

わひつつもねぬへきほとはくもりなてかすめる月そ人またせける

わひつつも−ねぬへきほとは−くもりなて−かすめるつきそ−ひとまたせける


00334
未入力 (xxx)

物おもふつまとしいへはよしやたたき□ともきかし荻のうは風

ものおもふ−つまとしいへは−よしやたた−き□ともきかし−をきのうはかせ


00335
未入力 (xxx)

夕暮のまさ木のつなて春かけて月のみ舟や外山出つらん

ゆふくれの−まさきのつなて−はるかけて−つきのみふねや−とやまいつらむ


00336
未入力 (xxx)

谷の戸は夕しほさしてあま衣すそまの山に秋風そふく

たにのとは−ゆふしほさして−あまころも−すそまのやまに−あきかせそふく


00337
未入力 (xxx)

かすむとも□□□□□□□あはれてふ事たになくは春のよの月

かすむとも−□□□□□□□−あはれてふ−ことたになくは−はるのよのつき


00338
未入力 (xxx)

つまこめの霧いふかしみをくら山うらふれてなくさをしかのこゑ

つまこめの−きりいふかしみ−をくらやま−うらふれてなく−さをしかのこゑ


00339
未入力 (xxx)

さても猶影やくもると我かおもひはれても□□□春の夜の月

さてもなほ−かけやくもると−わかおもひ−はれても□□□−はるのよのつき


00340
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いつもうき身をは思はす妻こふる鹿のなくねに秋そかなしき

いつもうき−みをはおもはす−つまこふる−しかのなくねに−あきそかなしき


00341
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月も今おほろなりとは老いらくの耳にそ人のいひきかせける

つきもいま−おほろなりとは−おいらくの−みみにそひとの−いひきかせける


00342
未入力 (xxx)

朝霧のうへ□□鹿の空にのみうきてや富士のねをは鳴くらん

あさきりの−うへ□□しかの−そらにのみ−うきてやふしの−ねをはなくらむ


00343
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墨染の袖にそ月はくもらまし春もかすまぬならひなりせは

すみそめの−そてにそつきは−くもらまし−はるもかすまぬ−ならひなりせは


00344
未入力 (xxx)

我こそは涙はつくせかすか山なにをうれへて鹿のなくらん

われこそは−なみたはつくせ−かすかやま−なにをうれへて−しかのなくらむ


00345
未入力 (xxx)

春雨ははやもりにけり河辺なるいくひの柳さはえするまて

はるさめは−はやもりにけり−かはへなる−いくひのやなき−さはえするまて


00346
未入力 (xxx)

かすか山ふもとの鹿のわれならはおもふ心をねにやたてまし

かすかやま−ふもとのしかの−われならは−おもふこころを−ねにやたてまし


00347
未入力 (xxx)

みたひこそおきもふしけれ玉柳ひまなく枝のなになひくらん

みたひこそ−おきもふしけれ−たまやなき−ひまなくえたの−なになひくらむ


00348
未入力 (xxx)

きりきりす老のねさめをあはれとや枕の下になきよわるらん

きりきりす−おいのねさめを−あはれとや−まくらのしたに−なきよわるらむ


00349
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きしによる浪を吹きまく春風のくる方しるし青柳の糸

きしによる−なみをふきまく−はるかせの−くるかたしるし−あをやきのいと


00350
未入力 (xxx)

草のはら誰か霜かれをつらしとてうらみたるねに松虫のなく

くさのはら−たかしもかれを−つらしとて−うらみたるねに−まつむしのなく


00351
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心にもあらてやいたくみたるらん風のなひかすあをやきのいと

こころにも−あらてやいたく−みたるらむ−かせのなひかす−あをやきのいと


00352
未入力 (xxx)

あさちふのをののしるしもいたつらにとはれぬ物とまつ虫そなく

あさちふの−をののしるしも−いたつらに−とはれぬものと−まつむしそなく


00353
未入力 (xxx)

さほひめのてそめのいとやみたるらん風にかたよる野への青柳

さほひめの−てそめのいとや−みたるらむ−かせにかたよる−のへのあをやき


00354
未入力 (xxx)

人くへきやとならなくに松虫のなくこそうたて心やりなれ

ひとくへき−やとならなくに−まつむしの−なくこそうたて−こころやりなれ


00355
未入力 (xxx)

あをやきのいとはかりこそなひきけれ木ことに春の風はふけとも

あをやきの−いとはかりこそ−なひきけれ−きことにはるの−かせはふけとも


00356
未入力 (xxx)

人ことになくさめかたき秋の夜を身に□□せたるきりきりすかな

ひとことに−なくさめかたき−あきのよを−みに□□せたる−きりきりすかな


00357
未入力 (xxx)

道のへの柳のいとのみたれつつこなたかなたに春風そ吹く

みちのへの−やなきのいとの−みたれつつ−こなたかなたに−はるかせそふく


00358
未入力 (xxx)

霜むすふ我かもとゆひや知りぬらん枕にうとききりきりすかな

しもむすふ−わかもとゆひや−しりぬらむ−まくらにうとき−きりきりすかな


00359
未入力 (xxx)

春雨の色をはふかく染めはてて風のよるてふあをやきの糸

はるさめの−いろをはふかく−そめはてて−かせのよるてふ−あをやきのいと


00360
未入力 (xxx)

枕よりつたふか夜はのきりきりす苔のころもの露になくなり

まくらより−つたふかよはの−きりきりす−こけのころもの−つゆになくなり


00361
未入力 (xxx)

あをやきのは山の霞うちなひき空もみとりに春風そ吹く

あをやきの−はやまのかすみ−うちなひき−そらもみとりに−はるかせそふく


00362
未入力 (xxx)

すす虫のこゑのかきりにさそはれてふり捨てかたき野へにきにけり

すすむしの−こゑのかきりに−さそはれて−ふりすてかたき−のへにきにけり


00363
未入力 (xxx)

吹きくれはかつ乱れゆくあをやきのいとゆゑつらき春の山かせ

ふきくれは−かつみたれゆく−あをやきの−いとゆゑつらき−はるのやまかせ


00364
未入力 (xxx)

秋草のうつる野沢を行く水のそこよりもなく虫のこゑかな

あきくさの−うつるのさはを−ゆくみつの−そこよりもなく−むしのこゑかな


00365
未入力 (xxx)

さほ河のいはきしとほく吹く風にみたれてかかる青柳のいと

さほかはの−いはきしとほく−ふくかせに−みたれてかかる−あをやきのいと


00366
未入力 (xxx)

夕暮はおとらしとせし虫のねのよわるにまさるわか涙かな

ゆふくれは−おとらしとせし−むしのねの−よわるにまさる−わかなみたかな


00367
未入力 (xxx)

あをやきのいとにかかれる白露の玉のを山に春雨そふる

あをやきの−いとにかかれる−しらつゆの−たまのをやまに−はるさめそふる


00368
未入力 (xxx)

なく虫の涙はみえぬ秋の野にこれこそそれと露やおくらん

なくむしの−なみたはみえぬ−あきののに−これこそそれと−つゆやおくらむ


00369
未入力 (xxx)

春雨のたなひくいとのあをやきにかけてみたるる露のしら玉

はるさめの−たなひくいとの−あをやきに−かけてみたるる−つゆのしらたま


00370
未入力 (xxx)

終夜月をかこちてなく虫は我か身ひとつの秋やかなしき

よもすから−つきをかこちて−なくむしは−わかみひとつの−あきやかなしき


00371
未入力 (xxx)

あをやきの□□□□□□□しら露をたれいと□□□□□□みるらん

あをやきの−□□□□□□□−しらつゆを−たれいと□□□−□□□みるらむ


00372
未入力 (xxx)

うらかるるおとろかしたの虫のねもあるかなきかに鳴きよわるなり

うらかるる−おとろかしたの−むしのねも−あるかなきかに−なきよわるなり


00373
未入力 (xxx)

浪のよるほとをもまたす吹く風にきしの柳のいとそみたるる

なみのよる−ほとをもまたす−ふくかせに−きしのやなきの−いとそみたるる


00374
未入力 (xxx)

秋草の□□□□とこの露けきに枕□□□□□□□なくなり

あきくさの−□□□□とこの−つゆけきに−まくら□□□□−□□□なくなり


00375
未入力 (xxx)

つくはねの柳のいとのまゆこもりいふせくもあるか春の霞に

つくはねの−やなきのいとの−まゆこもり−いふせくもあるか−はるのかすみに


00376
未入力 (xxx)

何事をおもひみたれてかるかやの下葉の露に虫のなくらん

なにことを−おもひみたれて−かるかやの−したはのつゆに−むしのなくらむ


00377
未入力 (xxx)

春をへて□□□□あかすみとりなる色そめかへぬあをやきのいと

はるをへて−□□□□あかす−みとりなる−いろそめかへぬ−あをやきのいと


00378
未入力 (xxx)

きく度にあはれなるかな虫のねの露をかなしふ心ことはは

きくたひに−あはれなるかな−むしのねの−つゆをかなしふ−こころことはは


00379
未入力 (xxx)

河浪の□□□□なかき春の日にいと染めほせるきしの青柳

かはなみの−□□□□なかき−はるのひに−いとそめほせる−きしのあをやき


00380
未入力 (xxx)

秋の夜のなかきは誰もしるものを我のみとなく虫のこゑかな

あきのよの−なかきはたれも−しるものを−われのみとなく−むしのこゑかな


00381
未入力 (xxx)

またさかぬ軒はの桜吹きしをりうき兼ことにゆくあらしかな

またさかぬ−のきはのさくら−ふきしをり−うきかねことに−ゆくあらしかな


00382
未入力 (xxx)

山のはの月待出てぬ雲ゐたに夕は秋の色そしらるる

やまのはの−つきまちいてぬ−くもゐたに−ゆふへはあきの−いろそしらるる


00383
未入力 (xxx)

さきなはと人もたのめき春は又花をのみまつ山のおくかは

さきなはと−ひともたのめき−はるはまた−はなをのみまつ−やまのおくかは


00384
未入力 (xxx)

おしなへて山のはなくは秋の夜の月をいつくに待ちててかみん

おしなへて−やまのはなくは−あきのよの−つきをいつくに−まちててかみむ


00385
未入力 (xxx)

都にはまたみぬ花のはつせ山我よりささに春はきにけり

みやこには−またみぬはなの−はつせやま−われよりささに−はるはきにけり


00386
未入力 (xxx)

かけつくる嶺のいほりのたかけれは籬をいつる山のはの月

かけつくる−みねのいほりの−たかけれは−まかきをいつる−やまのはのつき


00387
未入力 (xxx)

うつし植ゑてみるへき事はしらねとも若木のさくら花そまたるる

うつしうゑて−みるへきことは−しらねとも−わかきのさくら−はなそまたるる


00388
未入力 (xxx)

あさちふにさひしくもあるか月影をひとりゐまちの秋の夕暮

あさちふに−さひしくもあるか−つきかけを−ひとりゐまちの−あきのゆふくれ


00389
未入力 (xxx)

さきやらぬ花のためとやそそくらん水はまさらて春雨そふる

さきやらぬ−はなのためとや−そそくらむ−みつはまさらて−はるさめそふる


00390
未入力 (xxx)

物おもふとうちもねななてみつるかなよひよひことにいつる月影

ものおもふと−うちもねななて−みつるかな−よひよひことに−いつるつきかけ


00391
未入力 (xxx)

またさかぬ花をたつぬとかねてよりいとまを春の山にいれぬる

またさかぬ−はなをたつぬと−かねてより−いとまをはるの−やまにいれぬる


00392
未入力 (xxx)

我のみや月に心のあくかれてふきすやすまぬよをかきぬらん

われのみや−つきにこころの−あくかれて−ふきすやすまぬ−よをかきぬらむ


00393
未入力 (xxx)

いつしかとおもひし春は後も又まつほとおほき山さくらかな

いつしかと−おもひしはるは−のちもまた−まつほとおほき−やまさくらかな


00394
未入力 (xxx)

永き夜もいねすみよとや秋山の月はふけ行くままにさやけき

なかきよも−いねすみよとや−あきやまの−つきはふけゆく−ままにさやけき


00395
未入力 (xxx)

わきてしもまたぬ雲ゐの花ゆゑになにか心の空になるらん

わきてしも−またぬくもゐの−はなゆゑに−なにかこころの−そらになるらむ


00396
未入力 (xxx)

月にのみむかへるかたの定なくめくれはさ夜のふけにけるかな

つきにのみ−むかへるかたの−さためなく−めくれはさよの−ふけにけるかな


00397
未入力 (xxx)

今年さくわかきの桜葉かくれにたまたまみゆる色もめつらし

ことしさく−わかきのさくら−はかくれに−たまたまみゆる−いろもめつらし


00398
未入力 (xxx)

おく露を光にみかく月影に玉しきわたす庭のささはら

おくつゆを−ひかりにみかく−つきかけに−たましきわたす−にはのささはら


00399
未入力 (xxx)

さほ姫の春の袂は雲なれや花とはみえぬあさほらけかな

さほひめの−はるのたもとは−くもなれや−はなとはみえぬ−あさほらけかな


00400
未入力 (xxx)

雲の浪あとなきかたの月の舟かつらかちかけこきわたるみゆ

くものなみ−あとなきかたの−つきのふね−かつらかちかけ−こきわたるみゆ


00401
未入力 (xxx)

花の色はためしもなきをいかにしておよひかかれる嶺の白雲

はなのいろは−ためしもなきを−いかにして−およひかかれる−みねのしらくも


00402
未入力 (xxx)

さのみやはいとひつくさむ行く月の跡にはかかれ嶺のしら雲

さのみやは−いとひつくさむ−ゆくつきの−あとにはかかれ−みねのしらくも


00403
未入力 (xxx)

山たかみあを葉の桜花さけはみとりの空にまかふしら雲

やまたかみ−あをはのさくら−はなさけは−みとりのそらに−まかふしらくも


00404
未入力 (xxx)

秋霧のむらきえわたる山のはにてり行く月のきよきよはかな

あききりの−むらきえわたる−やまのはに−てりゆくつきの−きよきよはかな


00405
未入力 (xxx)

みるままに雲立ちさらぬあしひきのと山は花のさかりなるらし

みるままに−くもたちさらぬ−あしひきの−とやまははなの−さかりなるらし


00406
未入力 (xxx)

しのひにもたつる煙やなかるらんこやに夜ふけて月のさやけさ

しのひにも−たつるけふりや−なかるらむ−こやによふけて−つきのさやけさ


00407
未入力 (xxx)

まかふへき色こそみえね山桜雲とないひそ花のなたてに

まかふへき−いろこそみえね−やまさくら−くもとないひそ−はなのなたてに


00408
未入力 (xxx)

おほかたの空に雲なき夜はも猶月にはなれぬ秋の山風

おほかたの−そらにくもなき−よはもなほ−つきにはなれぬ−あきのやまかせ


00409
未入力 (xxx)

よそめにはそれともわかて桜さく雲のまかきをとふ人やなき

よそめには−それともわかて−さくらさく−くものまかきを−とふひとやなき


00410
未入力 (xxx)

月すめはこほらぬしほもこほりけり秋こそ冬にさえまさるらめ

つきすめは−こほらぬしほも−こほりけり−あきこそふゆに−さえまさるらめ


00411
未入力 (xxx)

まかへたた霞は春にもかきらねはちらぬ桜の色かともみむ

まかへたた−かすみははるにも−かきらねは−ちらぬさくらの−いろかともみむ


00412
未入力 (xxx)

みれはまつ涙きりたつ秋のよに我こそやつせ山のはの月

みれはまつ−なみたきりたつ−あきのよに−われこそやつせ−やまのはのつき


00413
未入力 (xxx)

色も香も猶身にしむとしらせはやおなしむかしの花ならすとも

いろもかも−なほみにしむと−しらせはや−おなしむかしの−はなならすとも


00414
未入力 (xxx)

あはれにもなれぬる秋をかそふれは六十にちかき山のはの月

あはれにも−なれぬるあきを−かそふれは−むそちにちかき−やまのはのつき


00415
未入力 (xxx)

ちらぬまもうつろふ事のなかりせはかつかつ花はをしまさらまし

ちらぬまも−うつろふことの−なかりせは−かつかつはなは−をしまさらまし


00416
未入力 (xxx)

待ちいてて又みむ夜はをたのめとも猶したはるる山のはの月

まちいてて−またみむよはを−たのめとも−なほしたはるる−やまのはのつき


00417
未入力 (xxx)

さくら花いかなるむかしさきそめて心うかるるつまと成りけむ

さくらはな−いかなるむかし−さきそめて−こころうかるる−つまとなりけむ


00418
未入力 (xxx)

秋の夜の月は猶こそあはれなれつらきゆくての影とみれとも

あきのよの−つきはなほこそ−あはれなれ−つらきゆくての−かけとみれとも


00419
未入力 (xxx)

待つもうく散るもかなしき山桜物おもひなき花とやはみる

まつもうく−ちるもかなしき−やまさくら−ものおもひなき−はなとやはみる


00420
未入力 (xxx)

月みての朝の床はなかきよをおそくねぬるにおきうかりけり

つきみての−あしたのとこは−なかきよを−おそくねぬるに−おきうかりけり


00421
未入力 (xxx)

花さそふあらしや空にかよふらんにほひにくもる春の夜の月

はなさそふ−あらしやそらに−かよふらむ−にほひにくもる−はるのよのつき


00422
未入力 (xxx)

風そよくあしのうらまの夜はの月鏡をかけし舟かとそみる

かせそよく−あしのうらまの−よはのつき−かかみをかけし−ふねかとそみる


00423
未入力 (xxx)

たちいててほかの春をもみるペさにやとの花こそうしろめたけれ

たちいてて−ほかのはるをも−みるペさに−やとのはなこそ−うしろめたけれ


00424
未入力 (xxx)

友とてやこゑをほにあけて初雁の月のみ舟をさそひきぬらん

ともとてや−こゑをほにあけて−はつかりの−つきのみふねを−さそひきぬらむ


00425
未入力 (xxx)

絵にかける花ともつねにみてしかなおなしさかりのかはらさるへく

ゑにかける−はなともつねに−みてしかな−おなしさかりの−かはらさるへく


00426
未入力 (xxx)

秋風は吹きにけらしなあしひきの山のかひよりはるる月かけ

あきかせは−ふきにけらしな−あしひきの−やまのかひより−はるるつきかけ


00427
未入力 (xxx)

行く人の手ことにかさす色みえてよもの花花今さきにけり

ゆくひとの−てことにかさす−いろみえて−よものはなはな−いまさきにけり


00428
未入力 (xxx)

あたに猶きえあへぬ露の玉ささに夜さむの月の影そやとれる

あたになほ−きえあへぬつゆの−たまささに−よさむのつきの−かけそやとれる


00429
未入力 (xxx)

ちらぬまのあはれをしるそさくら花うつろふよりもかつははかなき

ちらぬまの−あはれをしるそ−さくらはな−うつろふよりも−かつははかなき


00430
未入力 (xxx)

なかむとてなれはなるともおもふ事なくさまめやは秋のよの月

なかむとて−なれはなるとも−おもふこと−なくさまめやは−あきのよのつき


00431
未入力 (xxx)

あはれてふことたにしらぬ身なれとも月と花とのさかりをそみる

あはれてふ−ことたにしらぬ−みなれとも−つきとはなとの−さかりをそみる


00432
未入力 (xxx)

あはれさの忍ひかたくもみゆるかないかにすめはか秋のよの月

あはれさの−しのひかたくも−みゆるかな−いかにすめはか−あきのよのつき


00433
未入力 (xxx)

うつろはむ花のつらさはしのふれとあかぬ色にそ思ひわひぬる

うつろはむ−はなのつらさは−しのふれと−あかぬいろにそ−おもひわひぬる


00434
未入力 (xxx)

をしむとてしはしもとまる光かはおもひくまなき秋の夜の月

をしむとて−しはしもとまる−ひかりかは−おもひくまなき−あきのよのつき


00435
未入力 (xxx)

山桜いかに契りて椎柴のかはらぬ色に枝かはすらん

やまさくら−いかにちきりて−しひしはの−かはらぬいろに−えたかはすらむ


00436
未入力 (xxx)

やまかけにまきのとささてみる人のありこそしけれ秋のよの月

やまかけに−まきのとささて−みるひとの−ありこそしけれ−あきのよのつき


00437
未入力 (xxx)

春とても花よりほかにしる人のあらはや我か身誰をまつらん

はるとても−はなよりほかに−しるひとの−あらはやわかみ−たれをまつらむ


00438
未入力 (xxx)

いとかくやおもはさらましおもふ事なき身なりせは秋のよの月

いとかくや−おもはさらまし−おもふこと−なきみなりせは−あきのよのつき


00439
未入力 (xxx)

さくら花いかにさけはか春ことに有りてあたなる名にはたつらん

さくらはな−いかにさけはか−はることに−ありてあたなる−なにはたつらむ


00440
未入力 (xxx)

さならても玉はつかしくおく露のみかさそへたる月の影かな

さならても−たまはつかしく−おくつゆの−みかさそへたる−つきのかけかな


00441
未入力 (xxx)

あたにさく花のつらさになしはてんさそはてちらせ春の山風

あたにさく−はなのつらさに−なしはてむ−さそはてちらせ−はるのやまかせ


00442
未入力 (xxx)

永き夜のあくるもしらす待つ人のこぬものゆゑに月をみるかな

なかきよの−あくるもしらす−まつひとの−こぬものゆゑに−つきをみるかな


00443
未入力 (xxx)

ひとさかりさてもあるかと桜花あたなる色に身をもなさはや

ひとさかり−さてもあるかと−さくらはな−あたなるいろに−みをもなさはや


00444
未入力 (xxx)

草の原かれゆく庭の月影にたかいつはりをまつむしのこゑ

くさのはら−かれゆくにはの−つきかけに−たかいつはりを−まつむしのこゑ


00445
未入力 (xxx)

山里にきてみるまてはあらすとも花はいかにととふ人もかな

やまさとに−きてみるまては−あらすとも−はなはいかにと−とふひともかな


00446
未入力 (xxx)

くるるよの月をしみれはひさかたの空にわたりて秋かせそ吹く

くるるよの−つきをしみれは−ひさかたの−そらにわたりて−あきかせそふく


00447
未入力 (xxx)

ちらぬまは花の所に日数へていさ我かやとをかへりみもせし

ちらぬまは−はなのところに−ひかすへて−いさわかやとを−かへりみもせし


00448
未入力 (xxx)

長月の月の今夜の空晴れて名にあらはるる影そくまなき

なかつきの−つきのこよひの−そらはれて−なにあらはるる−かけそくまなき


00449
未入力 (xxx)

桜花さきぬときけは嶺ふかき松のとほそもまれにあくなり

さくらはな−さきぬときけは−みねふかき−まつのとほそも−まれにあくなり


00450
未入力 (xxx)

松のはに月はやとりぬ時雨れつつつれなき色に秋やみゆらん

まつのはに−つきはやとりぬ−しくれつつ−つれなきいろに−あきやみゆらむ


00451
未入力 (xxx)

ふるさとはさひしかるらし花さかりよもの木陰を我かすみかにて

ふるさとは−さひしかるらし−はなさかり−よものこかけを−わかすみかにて


00452
未入力 (xxx)

人めみぬみ山のおくのさひしさに月はいかてかたへてすむらむ

ひとめみぬ−みやまのおくの−さひしさに−つきはいかてか−たへてすむらむ


00453
未入力 (xxx)

都なるいつれのやとの花をみてこの山さくらとふ人のなき

みやこなる−いつれのやとの−はなをみて−このやまさくら−とふひとのなき


00454
未入力 (xxx)

ふけ行けは露のよすかやかはるらん月も葉のほる庭の荻原

ふけゆけは−つゆのよすかや−かはるらむ−つきもはのほる−にはのをきはら


00455
未入力 (xxx)

白雲のまたいつはりとみしほとにやかてもさきぬみよしのの花

しらくもの−またいつはりと−みしほとに−やかてもさきぬ−みよしののはな


00456
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雲晴れて山のはとほき月影はなかむる人の心にそいる

くもはれて−やまのはとほき−つきかけは−なかむるひとの−こころにそいる


00457
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滝つ瀬の波にはさてそまかふらん音にききおくみよしのの花

たきつせの−なみにはさてそ−まかふらむ−おとにききおく−みよしののはな


00458
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紅葉せしむかしの秋としのひてや朽木の杣にやとる月かけ

もみちせし−むかしのあきと−しのひてや−くちきのそまに−やとるつきかけ


00459
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花もいまふりてむかしにとほ山とみゆるこすゑや芳野なるらん

はなもいま−ふりてむかしに−とほやまと−みゆるこすゑや−よしのなるらむ


00460
未入力 (xxx)

よしやみしちらぬ木かけのくらけれはときはの山の秋のよの月

よしやみし−ちらぬこかけの−くらけれは−ときはのやまの−あきのよのつき


00461
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芳野山岩のかけちはとほけれと心は花にゆかぬ日もなし

よしのやま−いはのかけちは−とほけれと−こころははなに−ゆかぬひもなし


00462
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かさこしの山より出つる月なれはさそくもりなき光なるらむ

かさこしの−やまよりいつる−つきなれは−さそくもりなき−ひかりなるらむ


00463
未入力 (xxx)

音にきくこれやよしのの花さかり山たにみえすかかるしら雲

おとにきく−これやよしのの−はなさかり−やまたにみえす−かかるしらくも


00464
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とまる名はきよみか関とききしにも猶越えてすむ秋のよの月

とまるなは−きよみかせきと−ききしにも−なほこえてすむ−あきのよのつき


00465
未入力 (xxx)

芳野山花にうつろふ心こそ世をいとふにもなりはしめけれ

よしのやま−はなにうつろふ−こころこそ−よをいとふにも−なりはしめけれ


00466
未入力 (xxx)

さ夜ふけて行く舟もなきまののうらのおきつ浪まに月渡るみゆ

さよふけて−ゆくふねもなき−まののうらの−おきつなみまに−つきわたるみゆ


00467
未入力 (xxx)

桜花にほふやいつこみよしののきさ山きはに霞たつらし

さくらはな−にほふやいつこ−みよしのの−きさやまきはに−かすみたつらし


00468
未入力 (xxx)

もののふのやそうち河にさ夜ふけて月に行きかふまきのしま舟

もののふの−やそうちかはに−さよふけて−つきにゆきかふ−まきのしまふね


00469
未入力 (xxx)

よし野山ありとしあるは花なれや木すゑに雲のかからぬはなし

よしのやま−ありとしあるは−はななれや−こすゑにくもの−かからぬはなし


00470
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ふけぬるかふりさけみれはあまの河とわたる月の影のすめるは

ふけぬるか−ふりさけみれは−あまのかは−とわたるつきの−かけのすめるは


00471
未入力 (xxx)

花さかり昨日もけふも木の本にたれ日くらしの山ちなるらん

はなさかり−きのふもけふも−このもとに−たれひくらしの−やまちなるらむ


00472
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いくとせかすみなれぬらんはりまなるいほの湊の秋の月影

いくとせか−すみなれぬらむ−はりまなる−いほのみなとの−あきのつきかけ


00473
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いつのまに花さきぬらんをくらなる音羽のかひにみゆる白雲

いつのまに−はなさきぬらむ−をくらなる−おとはのかひに−みゆるしらくも


00474
未入力 (xxx)

吹きはらふいく田のもりのした風に川霧晴れて月やすむらん

ふきはらふ−いくたのもりの−したかせに−かはきりはれて−つきやすむらむ


00475
未入力 (xxx)

あさかほのさきし籬の山桜これは夕にあはぬ日もなし

あさかほの−さきしまかきの−やまさくら−これはゆふへに−あはぬひもなし


00476
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見わたせは浪もてみかく秋のよの月をかさしのあはちしま山

みわたせは−なみもてみかく−あきのよの−つきをかさしの−あはちしまやま


00477
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青柳のなひくいとかの山さくらこやこきまする錦なるらし

あをやきの−なひくいとかの−やまさくら−こやこきまする−にしきなるらし


00478
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あかしかた山のはしらぬ浪のうへにのこる雲なくすめる月かな

あかしかた−やまのはしらぬ−なみのうへに−のこるくもなく−すめるつきかな


00479
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あふさかや行来の人のとまらすと花をちらさぬ関守もかな

あふさかや−ゆききのひとの−とまらすと−はなをちらさぬ−せきもりもかな


00480
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入るまてになかむる身こそあはれなれ跡くらからむ山のはの月

いるまてに−なかむるみこそ−あはれなれ−あとくらからむ−やまのはのつき


00481
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嶺たかきひらの外山は霞みつつ空なる雲やさくらなるらん

みねたかき−ひらのとやまは−かすみつつ−そらなるくもや−さくらなるらむ


00482
未入力 (xxx)

物をおもふ袖はひとつをとにかくになきぬらしても月をみるかな

ものをおもふ−そてはひとつを−とにかくに−なきぬらしても−つきをみるかな


00483
未入力 (xxx)

うき世にはつねとたのまぬ花なれはさかりの色もけにそかなしき

うきよには−つねとたのまぬ−はななれは−さかりのいろも−けにそかなしき


00484
未入力 (xxx)

たゆみせぬ清見か関のせきもりも月にはあくるよをやをしまん

たゆみせぬ−きよみかせきの−せきもりも−つきにはあくる−よをやをしまむ


00485
未入力 (xxx)

年ことに後の春ともしらさりし花にいくたひなれてみつらむ

としことに−のちのはるとも−しらさりし−はなにいくたひ−なれてみつらむ


00486
未入力 (xxx)

つらき身のなにのいはれにけふまては我か物にして月をみるらん

つらきみの−なにのいはれに−けふまては−わかものにして−つきをみるらむ


00487
未入力 (xxx)

むかしより心に染めし花の香は苔の袖まてかはらさりけり

むかしより−こころにそめし−はなのかは−こけのそてまて−かはらさりけり


00488
未入力 (xxx)

秋の夜に月をはなれて行く雲のをしからぬ身とおもふかなしさ

あきのよに−つきをはなれて−ゆくくもの−をしからぬみと−おもふかなしさ


00489
未入力 (xxx)

みるたひにあはれ心のなくさみてうきにまきれぬ花の色かな

みるたひに−あはれこころの−なくさみて−うきにまきれぬ−はなのいろかな


00490
未入力 (xxx)

数ならぬ我か袖まてもやとりにてうき世そ月のすみかなりける

かすならぬ−わかそてまても−やとりにて−うきよそつきの−すみかなりける


00491
未入力 (xxx)

おもはすにことしも花をみつれともされはと後の春はたのます

おもはすに−ことしもはなを−みつれとも−されはとのちの−はるはたのます


00492
未入力 (xxx)

中空に光なき身はいかかする月はしはしの夜はの浮雲

なかそらに−ひかりなきみは−いかかする−つきはしはしの−よはのうきくも


00493
未入力 (xxx)

あはれともいふへき花はなきものを身もいたつらにをしむころかな

あはれとも−いふへきはなは−なきものを−みもいたつらに−をしむころかな


00494
未入力 (xxx)

なかむれはねそなかれける我かためにかなしき月の光ならしを

なかむれは−ねそなかれける−わかために−かなしきつきの−ひかりならしを


00495
未入力 (xxx)

花にさへ物おもはする名やたたんうきやとからに人しとはねは

はなにさへ−ものおもはする−なやたたむ−うきやとからに−ひとしとはねは


00496
未入力 (xxx)

いつまてかうきかたもとにやとるへきなみたやすめよ秋の夜の月

いつまてか−うきかたもとに−やとるへき−なみたやすめよ−あきのよのつき


00497
未入力 (xxx)

又みむといまいつまてか山さくら花にうれふる老のなくさめ

またみむと−いまいつまてか−やまさくら−はなにうれふる−おいのなくさめ


00498
未入力 (xxx)

涙たにせくにせかるる秋ならはすむらん月のほとはみえまし

なみたたに−せくにせかるる−あきならは−すむらむつきの−ほとはみえまし


00499
未入力 (xxx)

我もまてさかり過きなはいかかせむみそちの春の花をかさして

われもまて−さかりすきなは−いかかせむ−みそちのはるの−はなをかさして


00500
未入力 (xxx)

人をみはおもひあはせよ袖の月さもそ涙は露けかりしを

ひとをみは−おもひあはせよ−そてのつき−さもそなみたは−つゆけかりしを


00501
未入力 (xxx)

いかなれはあたし心とみゆる花を身にかふはかりおもひそめけん

いかなれは−あたしこころと−みゆるはなを−みにかふはかり−おもひそめけむ


00502
未入力 (xxx)

なくさめの月にも袖そぬれにける秋のよとたにたのみなき身は

なくさめの−つきにもそてそ−ぬれにける−あきのよとたに−たのみなきみは


00503
未入力 (xxx)

うゑおさてみる度ことにおもふかなうきやとわかぬ花のなさけは

うゑおさて−みるたひことに−おもふかな−うきやとわかぬ−はなのなさけは


00504
未入力 (xxx)

いたつらに身をなしてこそけふまてもまきれぬよはの月はなかむれ

いたつらに−みをなしてこそ−けふまても−まきれぬよはの−つきはなかむれ


00505
未入力 (xxx)

うきなから猶さすらひてのこる身をさそもとかしく花のちるらん

うきなから−なほさすらひて−のこるみを−さそもとかしく−はなのちるらむ


00506
未入力 (xxx)

なそもかく浮世をあきの空にしも月をあはれとなかめそめけむ

なそもかく−うきよをあきの−そらにしも−つきをあはれと−なかめそめけむ


00507
未入力 (xxx)

ありて世にかかるうき身のをしむをはもとかしとみて花や散るらん

ありてよに−かかるうきみの−をしむをは−もとかしとみて−はなやちるらむ


00508
未入力 (xxx)

なかめつつつもらん老の末まても月に心のあかれやはせむ

なかめつつ−つもらむおいの−すゑまても−つきにこころの−あかれやはせむ


00509
未入力 (xxx)

せめてうき命なりけり春をへて花にわかるる物おもふ身は

せめてうき−いのちなりけり−はるをへて−はなにわかるる−ものおもふみは


00510
未入力 (xxx)

ことさらになにとぬれそふ袖ならん今はしめたる秋の月かは

ことさらに−なにとぬれそふ−そてならむ−いまはしめたる−あきのつきかは


00511
未入力 (xxx)

なかめこし身そ老いらくの雪とのみふりてもふりぬ花桜かな

なかめこし−みそおいらくの−ゆきとのみ−ふりてもふりぬ−はなさくらかな


00512
未入力 (xxx)

なくさめにいつをせよとか秋のよの月みるほともなみたおつらん

なくさめに−いつをせよとか−あきのよの−つきみるほとも−なみたおつらむ


00513
未入力 (xxx)

みな人のをしむ心をうれしともおもはねはこそ花はちるらめ

みなひとの−をしむこころを−うれしとも−おもはねはこそ−はなはちるらめ


00514
未入力 (xxx)

つれなくて涙おとさぬ人もあらし心見かほにすめる月かな

つれなくて−なみたおとさぬ−ひともあらし−こころみかほに−すめるつきかな


00515
未入力 (xxx)

身にそはてとまる物とそ成りにける花みてかへる春の心は

みにそはて−とまるものとそ−なりにける−はなみてかへる−はるのこころは


00516
未入力 (xxx)

老いて後おもへはくやしおのつから秋の月みぬよはやありけん

おいてのち−おもへはくやし−おのつから−あきのつきみぬ−よはやありけむ


00517
未入力 (xxx)

身にかふるためしなけれは山桜あはれあなうとちるをみるかな

みにかふる−ためしなけれは−やまさくら−あはれあなうと−ちるをみるかな


00518
未入力 (xxx)

やとるとて月をやさらにかこつへきいつともわかぬ袖のなみたを

やとるとて−つきをやさらに−かこつへき−いつともわかぬ−そてのなみたを


00519
未入力 (xxx)

年をへてをしむかひなき花ゆゑにいくたひ風を恨来ぬらん

としをへて−をしむかひなき−はなゆゑに−いくたひかせを−うらみきぬらむ


00520
未入力 (xxx)

たのもしな契あれはそあなかちに月は心のうちにすむらん

たのもしな−ちきりあれはそ−あなかちに−つきはこころの−うちにすむらむ


00521
未入力 (xxx)

ちらぬまも心やすくはおもはれす風ふきかかる山のさくらは

ちらぬまも−こころやすくは−おもはれす−かせふきかかる−やまのさくらは


00522
未入力 (xxx)

かくはかりひるにかはらぬ月をみてあくらんわきも誰かさためん

かくはかり−ひるにかはらぬ−つきをみて−あくらむわきも−たれかさためむ


00523
未入力 (xxx)

さくら花うき物なりなみな人のをしむとすれはかつうつり行く

さくらはな−うきものなりな−みなひとの−をしむとすれは−かつうつりゆく


00524
未入力 (xxx)

いはさりきかかる涙にやとれとはてらせとそみし秋の夜の月

いはさりき−かかるなみたに−やとれとは−てらせとそみし−あきのよのつき


00525
未入力 (xxx)

山桜ちるをはみしとおもひしにことしもつらき花の色かな

やまさくら−ちるをはみしと−おもひしに−ことしもつらき−はなのいろかな


00526
未入力 (xxx)

物おもひの心を月にうれへつついくよの秋かなかめきぬらん

ものおもひの−こころをつきに−うれへつつ−いくよのあきか−なかめきぬらむ


00527
未入力 (xxx)

月のすむ秋にならひて花さかり雲なはらひそ春の山風

つきのすむ−あきにならひて−はなさかり−くもなはらひそ−はるのやまかせ


00528
未入力 (xxx)

入るまても我そなかむる秋の月それになくさむおもひならねと

いるまても−われそなかむる−あきのつき−それになくさむ−おもひならねと


00529
未入力 (xxx)

風ふけはにほふ心ちの身にそひてあはれねられぬ花のころかな

かせふけは−にほふここちの−みにそひて−あはれねられぬ−はなのころかな


00530
未入力 (xxx)

我も又をしまはとまれ浮雲にさそはれわたる有明の月

われもまた−をしまはとまれ−うきくもに−さそはれわたる−ありあけのつき


00531
未入力 (xxx)

花のうへの霞をふくか春風のちらぬさくらに朝きよめして

はなのうへの−かすみをふくか−はるかせの−ちらぬさくらに−あさきよめして


00532
未入力 (xxx)

岩のうへの苔うちはらひいく秋か詞のみねの月をみるらん

いはのうへの−こけうちはらひ−いくあきか−ことはのみねの−つきをみるらむ


00533
未入力 (xxx)

ちる花をうらむるよりはなくなくもかへるやまさる春の雁かね

ちるはなを−うらむるよりは−なくなくも−かへるやまさる−はるのかりかね


00534
未入力 (xxx)

おもひしれ花に恨みし雁かねのとこよの月の秋の別を

おもひしれ−はなにうらみし−かりかねの−とこよのつきの−あきのわかれを


00535
未入力 (xxx)

はなちらす風ふきたちぬ心さへかたもさためす成りやはてなん

はなちらす−かせふきたちぬ−こころさへ−かたもさためす−なりやはてなむ


00536
未入力 (xxx)

身を歎く涙やたえすしくるらんわきて色こきやとの紅葉葉

みをなけく−なみたやたえす−しくるらむ−わきていろこき−やとのもみちは


00537
未入力 (xxx)

花の香を吹きこす風にさそはれよ山のあなたのをちの里人

はなのかを−ふきこすかせに−さそはれよ−やまのあなたの−をちのさとひと


00538
未入力 (xxx)

紅葉せぬ心のうちもしくれけりちしほこかるる我かおもひかな

もみちせぬ−こころのうちも−しくれけり−ちしほこかるる−わかおもひかな


00539
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山たかみ霞を分けてにほひくる花のありかを風にとははや

やまたかみ−かすみをわけて−にほひくる−はなのありかを−かせにとははや


00540
未入力 (xxx)

紅葉みにくる人もかな山里はさこそなへての秋はうくとも

もみちみに−くるひともかな−やまさとは−さこそなへての−あきはうくとも


00541
未入力 (xxx)

にほひつつ吹きこす山の春風におもひやるさへをしき花かな

にほひつつ−ふきこすやまの−はるかせに−おもひやるさへ−をしきはなかな


00542
未入力 (xxx)

風をいたみ雲にわかるるむら時雨思はぬかたの山や染むらん

かせをいたみ−くもにわかるる−むらしくれ−おもはぬかたの−やまやそむらむ


00543
未入力 (xxx)

春風やかたもさためすさそふらん花の行きかふみよしのの山

はるかせや−かたもさためす−さそふらむ−はなのゆきかふ−みよしののやま


00544
未入力 (xxx)

竜田姫おなし時雨のいかなれはわきて紅葉の色を染むらん

たつたひめ−おなししくれの−いかなれは−わきてもみちの−いろをそむらむ


00545
未入力 (xxx)

みよし野は花のしら雪降りつみて霞のしたも冬こもりせり

みよしのは−はなのしらゆき−ふりつみて−かすみのしたも−ふゆこもりせり


00546
未入力 (xxx)

露にぬれ時雨にそほち立田山紅葉は更にかわくまもなし

つゆにぬれ−しくれにそほち−たつたやま−もみちはさらに−かわくまもなし


00547
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かつらきやあすかの河の春風に花の岩こす浪のまもなし

かつらきや−あすかのかはの−はるかせに−はなのいはこす−なみのまもなし


00548
未入力 (xxx)

たつた河紅葉なかれて行く秋のつひによる瀬やいつくなるらん

たつたかは−もみちなかれて−ゆくあきの−つひによるせや−いつくなるらむ


00549
未入力 (xxx)

花ちれはあたりの木すゑ浪越えてよしのも春の末の松山

はなちれは−あたりのこすゑ−なみこえて−よしのもはるの−すゑのまつやま


00550
未入力 (xxx)

我か門の田つらの岡のはし紅葉きりたちわたり色つきにけり

わかかとの−たつらのをかの−はしもみち−きりたちわたり−いろつきにけり


00551
未入力 (xxx)

しま山のをのへのさくらちるころは風におちそふ滝のしらいと

しまやまの−をのへのさくら−ちるころは−かせにおちそふ−たきのしらいと


00552
未入力 (xxx)

まきもくのみむろの山もうつろひぬわか時とふる秋の時雨に

まきもくの−みむろのやまも−うつろひぬ−わかときとふる−あきのしくれに


00553
未入力 (xxx)

あまくたる雪かとはかりみゆるまて神のかこ山さくらちるなり

あまくたる−ゆきかとはかり−みゆるまて−かみのかこやま−さくらちるなり


00554
未入力 (xxx)

都にもうすもみちせりいはさかの山のこすゑはいまかそむらし

みやこにも−うすもみちせり−いはさかの−やまのこすゑは−いまかそむらし


00555
未入力 (xxx)

いはつたふ花のあた浪いくかへりこえてたかしの春のやま風

いはつたふ−はなのあたなみ−いくかへり−こえてたかしの−はるのやまかせ


00556
未入力 (xxx)

しらま弓いし辺の山の秋風にたなひく雨や木のは染むらん

しらまゆみ−いしへのやまの−あきかせに−たなひくあめや−このはそむらむ


00557
未入力 (xxx)

せきかへす河瀬によとむ花さくら春をととむる道も有りけり

せきかへす−かはせによとむ−はなさくら−はるをととむる−みちもありけり


00558
未入力 (xxx)

秋のきる紅葉きさぬのつまかくすやのの神山あらしふくなり

あきのきる−もみちきさぬの−つまかくす−やののかみやま−あらしふくなり


00559
未入力 (xxx)

ちる花の浪のさわきのあやにくにいとふとすれは風そしくめる

ちるはなの−なみのさわきの−あやにくに−いとふとすれは−かせそしくめる


00560
未入力 (xxx)

やましなのいはたのをのは露さむみははその紅葉色や染むらん

やましなの−いはたのをのは−つゆさむみ−ははそのもみち−いろやそむらむ


00561
未入力 (xxx)

いかにせむせめては花のなこりとて木すゑにかかる雲たにもかな

いかにせむ−せめてははなの−なこりとて−こすゑにかかる−くもたにもかな


00562
未入力 (xxx)

尋ねつついさみの山の紅葉葉の時雨にあへる色のてこらさ

たつねつつ−いさみのやまの−もみちはの−しくれにあへる−いろのてこらさ


00563
未入力 (xxx)

嶺は雲ふもとは雪とちる花にかをるはなにのにほひなるらん

みねはくも−ふもとはゆきと−ちるはなに−かをるはなにの−にほひなるらむ


00564
未入力 (xxx)

音にきくたかきの山は名もしるし雲ゐにみゆる嶺の紅葉葉

おとにきく−たかきのやまは−なもしるし−くもゐにみゆる−みねのもみちは


00565
未入力 (xxx)

さそはるる風のやとりをいつくともしらせぬ花をなにしたふらん

さそはるる−かせのやとりを−いつくとも−しらせぬはなを−なにしたふらむ


00566
未入力 (xxx)

身ひとつか涙にそめて下紅葉おもひのもりは色つきにけり

みひとつか−なみたにそめて−したもみち−おもひのもりは−いろつきにけり


00567
未入力 (xxx)

山桜にほひをおくる春風の心あるにも花そちりける

やまさくら−にほひをおくる−はるかせの−こころあるにも−はなそちりける


00568
未入力 (xxx)

あらさかはもみちの秋のころよりやにしきのうらと名をはかへけん

あらさかは−もみちのあきの−ころよりや−にしきのうらと−なをはかへけむ


00569
未入力 (xxx)

とはれぬもやとからならは桜花ほかのちるとも誰かきてみむ

とはれぬも−やとからならは−さくらはな−ほかのちるとも−たれかきてみむ


00570
未入力 (xxx)

雁なきてはたれ霜ふる此夕ゐなのは山は紅葉しにけり

かりなきて−はたれしもふる−このゆふへ−ゐなのはやまは−もみちしにけり


00571
未入力 (xxx)

はてのうき世はさなれとも残なくちるを桜のなさけとはみす

はてのうき−よはさなれとも−のこりなく−ちるをさくらの−なさけとはみす


00572
未入力 (xxx)

旅人の往来にしのへやまとなるとよ初瀬路の山の紅葉葉

たひひとの−ゆききにしのへ−やまとなる−とよはつせちの−やまのもみちは


00573
未入力 (xxx)

吹く風のめにみぬからにうつろふやしのひに花をさそふなるらん

ふくかせの−めにみぬからに−うつろふや−しのひにはなを−さそふなるらむ


00574
未入力 (xxx)

今よりの朝の原の秋風はいかにふけはかもみちそむらん

いまよりの−あしたのはらの−あきかせは−いかにふけはか−もみちそむらむ


00575
未入力 (xxx)

まかひこし雲井のよそに散りはててにほひもあへぬ花の下風

まかひこし−くもゐのよそに−ちりはてて−にほひもあへぬ−はなのしたかせ


00576
未入力 (xxx)

しなのなるすかのあら野はうらかれてさそのみさかは紅葉しにけり

しなのなる−すかのあらのは−うらかれて−さそのみさかは−もみちしにけり


00577
未入力 (xxx)

さきつつく梢を分きて吹く風にみたれかはしく花はちるめり

さきつつく−こすゑをわきて−ふくかせに−みたれかはしく−はなはちるめり


00578
未入力 (xxx)

木木にはふつたもみちせりこかの杜よとのわたりや時雨れしつらん

ききにはふ−つたもみちせり−こかのもり−よとのわたりや−しくれしつらむ


00579
未入力 (xxx)

吹く風のをさまる春のよその身になれてかひなくちる桜かな

ふくかせの−をさまるはるの−よそのみに−なれてかひなく−ちるさくらかな


00580
未入力 (xxx)

神なひの杜の木の葉もうち時雨れ色なるさまにみゆる比かな

かみなひの−もりのこのはも−うちしくれ−いろなるさまに−みゆるころかな


00581
未入力 (xxx)

うつろふは心つからのつらさとや風も花をはもてさわくらん

うつろふは−こころつからの−つらさとや−かせもはなをは−もてさわくらむ


00582
未入力 (xxx)

むら時雨跡とむへくもなきものをなにに木の葉の色かはるらん

むらしくれ−あととむへくも−なきものを−なににこのはの−いろかはるらむ


00583
未入力 (xxx)

うくひすはいたくななきそ散る花のをしき別は我そまされる

うくひすは−いたくななきそ−ちるはなの−をしきわかれは−われそまされる


00584
未入力 (xxx)

山姫の紅葉のにしきをりからやよもの時雨もまなく降るらん

やまひめの−もみちのにしき−をりからや−よものしくれも−まなくふるらむ


00585
未入力 (xxx)

さくら花とくちれはこそ人ことにあかぬおもひにいととそふらめ

さくらはな−とくちれはこそ−ひとことに−あかぬおもひに−いととそふらめ


00586
未入力 (xxx)

むら時雨ちしほの色を染めあけて紅葉は山とみゆる秋かな

むらしくれ−ちしほのいろを−そめあけて−もみちはやまと−みゆるあきかな


00587
未入力 (xxx)

ひとさかり有りて過きぬる春なれは今はと花やねにかへるらむ

ひとさかり−ありてすきぬる−はるなれは−いまはとはなや−ねにかへるらむ


00588
未入力 (xxx)

しくるれはよもの梢はもみちしてひとりあきなの山やのこれる

しくるれは−よものこすゑは−もみちして−ひとりあきなの−やまやのこれる


00589
未入力 (xxx)

ちる花もあるにつけてはうらむれとなくはしのはん物とこそみれ

ちるはなも−あるにつけては−うらむれと−なくはしのはむ−ものとこそみれ


00590
未入力 (xxx)

時雨ふりふりなはいかにかねてたにうつろふ木木の色のまさらん

しくれふり−ふりなはいかに−かねてたに−うつろふききの−いろのまさらむ


00591
未入力 (xxx)

なにかいとふ風をさまれるみよとても山のさくらはちらすしもなし

なにかいとふ−かせをさまれる−みよとても−やまのさくらは−ちらすしもなし


00592
未入力 (xxx)

はるはると山にいる人山こえてゆけともつきぬ嶺の紅葉葉

はるはると−やまにいるひと−やまこえて−ゆけともつきぬ−みねのもみちは


00593
未入力 (xxx)

人やりの春の風かはさくら花ちりうしといひてなとかとまらぬ

ひとやりの−はるのかせかは−さくらはな−ちりうしといひて−なとかとまらぬ


00594
未入力 (xxx)

跡たゆる山のおくより猶ふかさ紅葉の色は人や見さらむ

あとたゆる−やまのおくより−なほふかさ−もみちのいろは−ひとやみさらむ


00595
未入力 (xxx)

あたにちる事たにつらき花のなと風にもまるる契ありけん

あたにちる−ことたにつらき−はなのなと−かせにもまるる−ちきりありけむ


00596
未入力 (xxx)

雲かかる山のたかねのうす紅葉しくるるたひに色やそふらん

くもかかる−やまのたかねの−うすもみち−しくるるたひに−いろやそふらむ


00597
未入力 (xxx)

昨日みしとをちの桜散りにけりあたりの松の色そまかへる

きのふみし−とをちのさくら−ちりにけり−あたりのまつの−いろそまかへる


00598
未入力 (xxx)

時雨ふる外山をみれは秋くれて松より外はもみちしにけり

しくれふる−とやまをみれは−あきくれて−まつよりほかは−もみちしにけり


00599
未入力 (xxx)

あたら夜のおのかたくひとみし花は散りぬる跡にのこる月かけ

あたらよの−おのかたくひと−みしはなは−ちりぬるあとに−のこるつきかけ


00600
未入力 (xxx)

入日さす嶺をのこしてたつ霧にはなれてうかふ秋の紅葉葉

いりひさす−みねをのこして−たつきりに−はなれてうかふ−あきのもみちは


00601
未入力 (xxx)

いまよりは夢のうちにやのこるへきあかて別れし花のおも影

いまよりは−ゆめのうちにや−のこるへき−あかてわかれし−はなのおもかけ


00602
未入力 (xxx)

山もいまたしくれぬささのうす紅葉染むるや雁の涙なるらん

やまもいまた−しくれぬささの−うすもみち−そむるやかりの−なみたなるらむ


00603
未入力 (xxx)

ちる花ををしまぬものか山あらしのたつを見すてて春の暮行く

ちるはなを−をしまぬものか−やまあらしの−たつをみすてて−はるのくれゆく


00604
未入力 (xxx)

み山より紅葉おちくる滝河のよとむせもなくくるる秋かな

みやまより−もみちおちくる−たきかはの−よとむせもなく−くるるあきかな


00605
未入力 (xxx)

行く春の日数もしるくうつろひぬみつのを河の山吹の花

ゆくはるの−ひかすもしるく−うつろひぬ−みつのをかはの−やまふきのはな


00606
未入力 (xxx)

初時雨たたひとしほの下染もあさくはみえぬ嶺のもみち葉

はつしくれ−たたひとしほの−したそめも−あさくはみえぬ−みねのもみちは


00607
未入力 (xxx)

ゆく春の色とはいはしかはつなくいつみの里の山ふきのはな

ゆくはるの−いろとはいはし−かはつなく−いつみのさとの−やまふきのはな


00608
未入力 (xxx)

夕日影させはもみちし夏山もおのれ色こく秋ふけにけり

ゆふひかけ−させはもみちし−なつやまも−おのれいろこく−あきふけにけり


00609
未入力 (xxx)

いはておもふ心はさそないととしく恋ひまさるてふやま吹の花

いはておもふ−こころはさそな−いととしく−こひまさるてふ−やまふきのはな


00610
未入力 (xxx)

山ははや木すゑむらむら色つきて物かなしくもなれる秋かな

やまははや−こすゑむらむら−いろつきて−ものかなしくも−なれるあきかな


00611
未入力 (xxx)

いはぬ色もつつみやあまるかきほよりもれこほれたる山吹の花

いはぬいろも−つつみやあまる−かきほより−もれこほれたる−やまふきのはな


00612
未入力 (xxx)

木すゑなる紅葉の錦つきたらはきてみる人もあらしこの山

こすゑなる−もみちのにしき−つきたらは−きてみるひとも−あらしこのやま


00613
未入力 (xxx)

款冬はいふにまされる色みせて暮行く春をうしとさくなり

やまふきは−いふにまされる−いろみせて−くれゆくはるを−うしとさくなり


00614
未入力 (xxx)

あやなくてまたきも風のさそふかなちらてしとまる木のはならぬに

あやなくて−またきもかせの−さそふかな−ちらてしとまる−このはならぬに


00615
未入力 (xxx)

これも又誰によそへん百敷の人めかきほのやまふきの花

これもまた−たれによそへむ−ももしきの−ひとめかきほの−やまふきのはな


00616
未入力 (xxx)

いつはりを色に染めける時雨かな山の木のはは錦ならめや

いつはりを−いろにそめける−しくれかな−やまのこのはは−にしきならめや


00617
未入力 (xxx)

類なき花より後のめうつりもなくさむほとにさける山ふき

たくひなき−はなよりのちの−めうつりも−なくさむほとに−さけるやまふき


00618
未入力 (xxx)

なにとこの花をみすてし心もて紅葉のころは雁のなくらん

なにとこの−はなをみすてし−こころもて−もみちのころは−かりのなくらむ


00619
未入力 (xxx)

我か宿にひきうゑてみむしけ山の露ににほへる山ふきの花

わかやとに−ひきうゑてみむ−しけやまの−つゆににほへる−やまふきのはな


00620
未入力 (xxx)

あかねさす日影にほへる紅葉葉は時雨ならても色まさりけり

あかねさす−ひかけにほへる−もみちはは−しくれならても−いろまさりけり


00621
未入力 (xxx)

此里に人すめとてややましろのゐての山吹うゑはしめけん

このさとに−ひとすめとてや−やましろの−ゐてのやまふき−うゑはしめけむ


00622
未入力 (xxx)

いかにせむまた色うすき紅葉葉にとくも吹きぬる風のつらさを

いかにせむ−またいろうすき−もみちはに−とくもふきぬる−かせのつらさを


00623
未入力 (xxx)

人とはは春のゆくへをこたへつつ鴬やとれ山ふきの花

ひととはは−はるのゆくへを−こたへつつ−うくひすやとれ−やまふきのはな


00624
未入力 (xxx)

時雨にはぬれしとおもへと秋山の紅葉をみれは袖もかつかす

しくれには−ぬれしとおもへと−あきやまの−もみちをみれは−そてもかつかす


00625
未入力 (xxx)

何事のつらきをしのふ色そともいはてうつろふ山ふきのはな

なにことの−つらきをしのふ−いろそとも−いはてうつろふ−やまふきのはな


00626
未入力 (xxx)

おもふことありてもぬれぬ我か袖の秋の夕にならひぬるかな

おもふこと−ありてもぬれぬ−わかそての−あきのゆふへに−ならひぬるかな


00627
未入力 (xxx)

春くるる時しもおのかさかりにてなとくちをしきやまふきの花

はるくるる−ときしもおのか−さかりにて−なとくちをしき−やまふきのはな


00628
未入力 (xxx)

ともかくもことのはそなき老いらくの年にかさなる秋の夕は

ともかくも−ことのはそなき−おいらくの−としにかさなる−あきのゆふへは


00629
未入力 (xxx)

やまふきのさけは今はの春そとてなといひしらぬ別なるらん

やまふきの−さけはいまはの−はるそとて−なといひしらぬ−わかれなるらむ


00630
未入力 (xxx)

なかめてもおほえぬ程の涙かなことしのみかはあきの夕くれ

なかめても−おほえぬほとの−なみたかな−ことしのみかは−あきのゆふくれ


00631
未入力 (xxx)

なにそとは遠かた人のいはぬ色にさけともしるき山ふきの花

なにそとは−をちかたひとの−いはぬいろに−さけともしるき−やまふきのはな


00632
未入力 (xxx)

昨日こそ夏はくれしかたつた山梢色つく夕つくひかな

きのふこそ−なつはくれしか−たつたやま−こすゑいろつく−ゆふつくひかな


00633
未入力 (xxx)

さきぬともいはてこそみめ尋ぬやと里をはかれぬゐてのやま吹

さきぬとも−いはてこそみめ−たつぬやと−さとをはかれぬ−ゐてのやまふき


00634
未入力 (xxx)

誰か袖の涙も露もかかれはや秋のあはれは夕なるらん

たかそての−なみたもつゆも−かかれはや−あきのあはれは−ゆふへなるらむ


00635
未入力 (xxx)

おもふ事今はこと葉の道たえて心にたくふやまふきの花

おもふこと−いまはことはの−みちたえて−こころにたくふ−やまふきのはな


00636
未入力 (xxx)

露霜にぬるともをらんきくの花衣にほはせ秋のかたみに

つゆしもに−ぬるともをらむ−きくのはな−ころもにほはせ−あきのかたみに


00637
未入力 (xxx)

かはつなくゐての河浪立ちかへり重ねてもみむやまふきの花

かはつなく−ゐてのかはなみ−たちかへり−かさねてもみむ−やまふきのはな


00638
未入力 (xxx)

しら菊のおのかきぬきぬたれそめてまたきうつろふ色をみすらん

しらきくの−おのかきぬきぬ−たれそめて−またきうつろふ−いろをみすらむ


00639
未入力 (xxx)

を山田によるなくかはつなはしろの水のしたにもめやさますらん

をやまたに−よるなくかはつ−なはしろの−みつのしたにも−めやさますらむ


00640
未入力 (xxx)

色色に菊のわたきぬ染めかけてまたきうつろふ花とこそみれ

いろいろに−きくのわたきぬ−そめかけて−またきうつろふ−はなとこそみれ


00641
未入力 (xxx)

春の日をかはつなくまてくらせともえこそみすてねゐての山吹

はるのひを−かはつなくまて−くらせとも−えこそみすてね−ゐてのやまふき


00642
未入力 (xxx)

露かかるあさちかくれになく虫も夕はさこそ身にあまるらめ

つゆかかる−あさちかくれに−なくむしも−ゆふへはさこそ−みにあまるらめ


00643
未入力 (xxx)

みても又猶あかすとややまふきの花さく里にかはつなくらん

みてもまた−なほあかすとや−やまふきの−はなさくさとに−かはつなくらむ


00644
未入力 (xxx)

身のうさに時をもわかぬ涙かな秋のあはれにむしはなくなり

みのうさに−ときをもわかぬ−なみたかな−あきのあはれに−むしはなくなり


00645
未入力 (xxx)

あたら夜を誰にたのめて月影のもる山になくよふこ鳥かな

あたらよを−たれにたのめて−つきかけの−もるやまになく−よふことりかな


00646
未入力 (xxx)

かきねなる草むらことにこゑたてておとらしとなくきりきりすかな

かきねなる−くさむらことに−こゑたてて−おとらしとなく−きりきりすかな


00647
未入力 (xxx)

我かかとや行きてとはまし山里になくこゑしけきよふこ鳥かな

わかかとや−ゆきてとはまし−やまさとに−なくこゑしけき−よふことりかな


00648
未入力 (xxx)

雲路飛ふかりの羽風やさえぬらん月に夜さむの衣うつなり

くもちとふ−かりのはかせや−さえぬらむ−つきによさむの−ころもうつなり


00649
未入力 (xxx)

霞さへたなひきにけり春駒のみまきの浦のあまの網なは

かすみさへ−たなひきにけり−はるこまの−みまきのうらの−あまのたくなは


00650
未入力 (xxx)

待つ人も来てみぬさきのさ夜衣うつより袖や露けかるらん

まつひとも−きてみぬさきの−さよころも−うつよりそてや−つゆけかるらむ


00651
未入力 (xxx)

あらを田にみえたるくろを春駒の我か友とてやいはへきつらん

あらをたに−みえたるくろを−はるこまの−わかともとてや−いはへきつらむ


00652
未入力 (xxx)

あすかには衣うつなりたをやめの袖の秋風夜さむなるらし

あすかには−ころもうつなり−たをやめの−そてのあきかせ−よさむなるらし


00653
未入力 (xxx)

霜かるる草とみしかと春駒のつなひくまてに野は成りにけり

しもかるる−くさとみしかと−はるこまの−つなひくまてに−のはなりにけり


00654
未入力 (xxx)

あまひとのおとはの里の秋風にちたひ砧のうちもたゆます

あまひとの−おとはのさとの−あきかせに−ちたひきぬたの−うちもたゆます


00655
未入力 (xxx)

あせみさく野にかふ駒のつなよわみ心ゆるふる時のまもなし

あせみさく−のにかふこまの−つなよわみ−こころゆるふる−ときのまもなし


00656
未入力 (xxx)

身にしめとふけはやいたく秋風のおとはの里も衣うつらん

みにしめと−ふけはやいたく−あきかせの−おとはのさとも−ころもうつらむ


00657
未入力 (xxx)

浪こゆるいはかき沼のかきつはたあらぬ色なる花もさきけり

なみこゆる−いはかきぬまの−かきつはた−あらぬいろなる−はなもさきけり


00658
未入力 (xxx)

秋風にいはとこかしは夜をさむみはつせをとめ子衣うつなり

あきかせに−いはとこかしは−よをさむみ−はつせをとめ子−ころもうつなり


00659
未入力 (xxx)

かそふれはけふは廿日に成りにけり山たち花の散りはつるまて

かそふれは−けふははつかに−なりにけり−やまたちはなの−ちりはつるまて


00660
未入力 (xxx)

秋風の身にしみそむる里人やまつ音つれて衣うつらむ

あきかせの−みにしみそむる−さとひとや−まつおとつれて−ころもうつらむ


00661
未入力 (xxx)

あはれなりかきねの跡のつほすみれすみあらせとも花はさきけり

あはれなり−かきねのあとの−つほすみれ−すみあらせとも−はなはさきけり


00662
未入力 (xxx)

長月のふけゆく夜はの風よりも衣うつ音そ身にはしみける

なかつきの−ふけゆくよはの−かせよりも−ころもうつおとそ−みにはしみける


00663
未入力 (xxx)

むらさきの色こき野へのつほすみれ心をそめぬ人やなからむ

むらさきの−いろこきのへの−つほすみれ−こころをそめぬ−ひとやなからむ


00664
未入力 (xxx)

浦風は猶夜やさむき難波人あし火たく屋に衣うつなり

うらかせは−なほよやさむき−なにはひと−あしひたくやに−ころもうつなり


00665
未入力 (xxx)

谷ふかきいはかたかけのひめつつし人もすさめぬ春にさきつつ

たにふかき−いはかたかけの−ひめつつし−ひともすさめぬ−はるにさきつつ


00666
未入力 (xxx)

やまちかく月やみゆらんから衣うつこゑきけは夜のふけにける

やまちかく−つきやみゆらむ−からころも−うつこゑきけは−よのふけにける


00667
未入力 (xxx)

やまかけに心はかりは春の色のつつしのけたみ花さきにけり

やまかけに−こころはかりは−はるのいろの−つつしのけたみ−はなさきにけり


00668
未入力 (xxx)

しつのめかね屋もる月もさゆる夜は思ひわひてそ衣うつなる

しつのめか−ねやもるつきも−さゆるよは−おもひわひてそ−ころもうつなる


00669
未入力 (xxx)

いそのうへにおふるつつしの色よりやうつろふ春もほとはみゆらん

いそのうへに−おふるつつしの−いろよりや−うつろふはるも−ほとはみゆらむ


00670
未入力 (xxx)

ふけぬとやうちすさむらん遠さとの霜夜の衣音そきえ行く

ふけぬとや−うちすさむらむ−とほさとの−しもよのころも−おとそきえゆく


00671
未入力 (xxx)

今朝こそはさかりなるらめ山もせにさけるつつしの色のてこらさ

けさこそは−さかりなるらめ−やまもせに−さけるつつしの−いろのてこらさ


00672
未入力 (xxx)

秋風もさむく吹きぬと今さらにさ夜ふけてのちうつ衣かな

あきかせも−さむくふきぬと−いまさらに−さよふけてのち−うつころもかな


00673
未入力 (xxx)

行く春ををしむ涙とふる雨にかすみのころも袖やぬるらん

ゆくはるを−をしむなみたと−ふるあめに−かすみのころも−そてやぬるらむ


00674
未入力 (xxx)

待つ月は廿日の里のよひのまをたれあらましに衣うつらん

まつつきは−はつかのさとの−よひのまを−たれあらましに−ころもうつらむ


00675
未入力 (xxx)

いかさまにおもひたゆまむ散る花の恨にそへる春の別は

いかさまに−おもひたゆまむ−ちるはなの−うらみにそへる−はるのわかれは


00676
未入力 (xxx)

衣うつつちのひひきの山ひこは梢そやかてきぬたなりける

ころもうつ−つちのひひきの−やまひこは−こすゑそやかて−きぬたなりける


00677
未入力 (xxx)

けふたにも春のなこりをとひこかし藤の色こきたそかれの空

けふたにも−はるのなこりを−とひこかし−ふちのいろこき−たそかれのそら


00678
未入力 (xxx)

夜をさむみ物おもふ人やいねかてにうらみても又ころもうつらん

よをさむみ−ものおもふひとや−いねかてに−うらみてもまた−ころもうつらむ


00679
未入力 (xxx)

音つるる松の雨さへかをるなり藤さくころの庭の夕かせ

おとつるる−まつのあめさへ−かをるなり−ふちさくころの−にはのゆふかせ


00680
未入力 (xxx)

松にふく浦のしほかせ夜さむにて遠里をのは衣うつなり

まつにふく−うらのしほかせ−よさむにて−とほさとをのは−ころもうつなり


00681
未入力 (xxx)

あたならぬ色にや花もならふらん松にとのみもかかる藤なみ

あたならぬ−いろにやはなも−ならふらむ−まつにとのみも−かかるふちなみ


00682
未入力 (xxx)

相坂の関の山のは霧たちて音羽の里は衣うつなり

あふさかの−せきのやまのは−きりたちて−おとはのさとは−ころもうつなり


00683
未入力 (xxx)

心をやおよはぬ枝にかけつらん木たかくさける松の藤なみ

こころをや−およはぬえたに−かけつらむ−こたかくさける−まつのふちなみ


00684
未入力 (xxx)

いまは又秋はてかたの色みえてうつりもゆくか庭の白菊

いまはまた−あきはてかたの−いろみえて−うつりもゆくか−にはのしらきく


00685
未入力 (xxx)

みれはたた藤とはかりの名をかけて松にさくてふ花にそ有りける

みれはたた−ふちとはかりの−なをかけて−まつにさくてふ−はなにそありける


00686
未入力 (xxx)

うつろへる色なき花とみゆるまて霜おきかへす庭の白菊

うつろへる−いろなきはなと−みゆるまて−しもおきかへす−にはのしらきく


00687
未入力 (xxx)

立ちよりてをらるはかりはなかりけりなにそは松にさかる藤浪

たちよりて−をらるはかりは−なかりけり−なにそはまつに−さかるふちなみ


00688
未入力 (xxx)

うすくこくうつろふ花の数数におきて色つく菊の夕霜

うすくこく−うつろふはなの−かすかすに−おきていろつく−きくのゆふしも


00689
未入力 (xxx)

むらさきのなたかの浦の藤の花春の色にや浪も立つらん

むらさきの−なたかのうらの−ふちのはな−はるのいろにや−なみもたつらむ


00690
未入力 (xxx)

なかれての末はるかなり菊の花しつくおちそふ山川の水

なかれての−すゑはるかなり−きくのはな−しつくおちそふ−やまかはのみつ


00691
未入力 (xxx)

すむあまもいかかみるらんたこの浦のとま屋にかかる春の藤なみ

すむあまも−いかかみるらむ−たこのうらの−とまやにかかる−はるのふちなみ


00692
未入力 (xxx)

かきねなる菊のしら露よるよりもおきて朝の花をこそみめ

かきねなる−きくのしらつゆ−よるよりも−おきてあしたの−はなをこそみめ


00693
未入力 (xxx)

藤なみのしたなる海に波たてはしつくかけこそ花は散りけれ

ふちなみの−したなるうみに−なみたては−しつくかけこそ−はなはちりけれ


00694
未入力 (xxx)

長月の菊の下行く谷水をくみてや千代の秋にあはまし

なかつきの−きくのしたゆく−たにみつを−くみてやちよの−あきにあはまし


00695
未入力 (xxx)

ととまらぬならひそつらき暮れて行く春の湊の藤なみの花

ととまらぬ−ならひそつらき−くれてゆく−はるのみなとの−ふちなみのはな


00696
未入力 (xxx)

花さかは人もとふやとうゑし菊うつろふ秋をひとりみるかな

はなさかは−ひともとふやと−うゑしきく−うつろふあきを−ひとりみるかな


00697
未入力 (xxx)

みかさ山春暮れゆけはのとかはのみなそこかけてにほふ藤なみ

みかさやま−はるくれゆけは−のとかはの−みなそこかけて−にほふふちなみ


00698
未入力 (xxx)

今朝みれはかきねの菊もうつろひぬ花まちとほにいつ思ひけん

けさみれは−かきねのきくも−うつろひぬ−はなまちとほに−いつおもひけむ


00699
未入力 (xxx)

故郷のみかさの野へのみかり人かさしの藤も今さかりなり

ふるさとの−みかさののへの−みかりひと−かさしのふちも−いまさかりなり


00700
未入力 (xxx)

昨日かも花はさきしにこのねぬるあさけの菊はうつろひにけり

きのふかも−はなはさきしに−このねぬる−あさけのきくは−うつろひにけり


00701
未入力 (xxx)

おもひしるあはれもいへは限なし老曾の杜の春のあけほの

おもひしる−あはれもいへは−かきりなし−おいそのもりの−はるのあけほの


00702
未入力 (xxx)

さのみよもあはれならしをうきもたた心からなる秋の夕くれ

さのみよも−あはれならしを−うきもたた−こころからなる−あきのゆふくれ


00703
未入力 (xxx)

心なき身にたにうれし思ひいれてみむ人いかに春のあけほの

こころなき−みにたにうれし−おもひいれて−みむひといかに−はるのあけほの


00704
未入力 (xxx)

あはれさをなににたとへん思ふにもいふにもあまる秋の夕暮

あはれさを−なににたとへむ−おもふにも−いふにもあまる−あきのゆふくれ


00705
未入力 (xxx)

わすれてもなかめふるかな我か心なくさめかねつ春のあけほの

わすれても−なかめふるかな−わかこころ−なくさめかねつ−はるのあけほの


00706
未入力 (xxx)

さならてもおちぬ涙かあはれとも思ひもいれし秋の夕暮

さならても−おちぬなみたか−あはれとも−おもひもいれし−あきのゆふくれ


00707
未入力 (xxx)

そことなくあはれなりけりたよりにもあらぬ思ひや春のあけほの

そことなく−あはれなりけり−たよりにも−あらぬおもひや−はるのあけほの


00708
未入力 (xxx)

荻の葉に露おきまよふ夕暮はとふへき物と秋風そ吹く

をきのはに−つゆおきまよふ−ゆふくれは−とふへきものと−あきかせそふく


00709
未入力 (xxx)

なかむとて後のさはりに成りもせはいかにかすへき春のあけほの

なかむとて−のちのさはりに−なりもせは−いかにかすへき−はるのあけほの


00710
未入力 (xxx)

いつかたへやらは心のなくさまんなへて浮世の秋の夕暮

いつかたへ−やらはこころの−なくさまむ−なへてうきよの−あきのゆふくれ


00711
未入力 (xxx)

あはれさはかすめる空のならひそとおもふもあかぬ春の明ほの

あはれさは−かすめるそらの−ならひそと−おもふもあかぬ−はるのあけほの


00712
未入力 (xxx)

涙さへ秋の物とはいつなりてくるれは人の袖ぬらすらむ

なみたさへ−あきのものとは−いつなりて−くるれはひとの−そてぬらすらむ


00713
未入力 (xxx)

浮世にはうかれたちぬる心かな春のあけほの独なかめて

うきよには−うかれたちぬる−こころかな−はるのあけほの−ひとりなかめて


00714
未入力 (xxx)

かくはかりうきにならはぬ人はよもなかめもはてし秋の夕暮

かくはかり−うきにならはぬ−ひとはよも−なかめもはてし−あきのゆふくれ


00715
未入力 (xxx)

花鳥のあかぬなこりもそれなからいく世の春の身につもるらむ

はなとりの−あかぬなこりも−それなから−いくよのはるの−みにつもるらむ


00716
未入力 (xxx)

なははへてすこかもるてふ磯神ふるのわさ田に秋風そ吹く

なははへて−すこかもるてふ−いそのかみ−ふるのわさたに−あきかせそふく


00717
未入力 (xxx)

やまかつの門田のおもにしめさしてたねまく比もいとなかりけり

やまかつの−かとたのおもに−しめさして−たねまくころも−いとなかりけり


00718
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我か門につくる山田のほにつきていなおほせ鳥のこゑすたくなり

わかかとに−つくるやまたの−ほにつきて−いなおほせとりの−こゑすたくなり


00719
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芳野河はやくも水の春暮れてかへらぬ瀬瀬の浪の花かな

よしのかは−はやくもみつの−はるくれて−かへらぬせせの−なみのはなかな


00720
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秋の色は浮きていぬめり紅葉葉のなかれてくたる山川の瀬瀬

あきのいろは−うきていぬめり−もみちはの−なかれてくたる−やまかはのせせ


00721
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誰かためにをしみし花の山路とてよそけに春のけふはみゆらん

たかために−をしみしはなの−やまちとて−よそけにはるの−けふはみゆらむ


00722
未入力 (xxx)

山風にもろき木の葉の色のみや秋のかたみとあすはなかめん

やまかせに−もろきこのはの−いろのみや−あきのかたみと−あすはなかめむ


00723
未入力 (xxx)

花ちりて鳥もふるすに帰りなは過きゆく春のをしけくもなし

はなちりて−とりもふるすに−かへりなは−すきゆくはるの−をしけくもなし


00724
未入力 (xxx)

とことはにうき身も有るを今更に秋はてぬとや鹿はなくらん

とことはに−うきみもあるを−いまさらに−あきはてぬとや−しかはなくらむ


00725
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行く春もとまらぬ物とさくら花うつろふ色に風わたるなり

ゆくはるも−とまらぬものと−さくらはな−うつろふいろに−かせわたるなり


00726
未入力 (xxx)

秋のいま行くらんかたを紅葉ちるあらしにつけて思ひこそやれ

あきのいま−ゆくらむかたを−もみちちる−あらしにつけて−おもひこそやれ


00727
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あかなくに花にわかれし春そとてうしとも今日をおもひなさはや

あかなくに−はなにわかれし−はるそとて−うしともけふを−おもひなさはや


00728
未入力 (xxx)

おしなへてあはれとそおもふ人のよも我か世もしらぬ秋の別は

おしなへて−あはれとそおもふ−ひとのよも−わかよもしらぬ−あきのわかれは


00729
未入力 (xxx)

とりとむるならひなけれは行く春をうしといひても過しつるかな

とりとむる−ならひなけれは−ゆくはるを−うしといひても−すくしつるかな


00730
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今はとてむへ山風のふく時は木のはならねと秋もとまらす

いまはとて−うへやまかせの−ふくときは−このはならねと−あきもとまらす


00731
未入力 (xxx)

けふのみとわきてや身にはしたふへき今更ならぬ春の別を

けふのみと−わきてやみには−したふへき−いまさらならぬ−はるのわかれを


00732
未入力 (xxx)

あすとたにのこる日数もなか月のけふの別をいかにしのはん

あすとたに−のこるひかすも−なかつきの−けふのわかれを−いかにしのはむ


00733
未入力 (xxx)

今日は又今さらなりや年年にならひし春のわかれなれとも

けふはまた−いまさらなりや−としとしに−ならひしはるの−わかれなれとも


00734
未入力 (xxx)

竜田姫今はの心おもふにもいひしらぬまてをしき秋かな

たつたひめ−いまはのこころ−おもふにも−いひしらぬまて−をしきあきかな


00735
未入力 (xxx)

けふにかくわかれぬ春はなきものをいつにならひて猶をしむらん

けふにかく−わかれぬはるは−なきものを−いつにならひて−なほをしむらむ


00736
未入力 (xxx)

さらてたに物おもふ秋の別こそ猶かなしさのかきりなりけれ

さらてたに−ものおもふあきの−わかれこそ−なほかなしさの−かきりなりけれ


00737
未入力 (xxx)

行く春をけふは人こそをしめとも又こむ時とえやはたのまぬ

ゆくはるを−けふはひとこそ−をしめとも−またこむときと−えやはたのまぬ


00738
未入力 (xxx)

久かたの空にもかへる秋ならはあまの関守せきもととめよ

ひさかたの−そらにもかへる−あきならは−あまのせきもり−せきもととめよ


00739
未入力 (xxx)

あやなくや心つくさむ春のけふ行くらんかたもしらぬわかれに

あやなくや−こころつくさむ−はるのけふ−ゆくらむかたも−しらぬわかれに


00740
未入力 (xxx)

暮れて行く秋の別とおもふにもいとと時雨とふるなみたかな

くれてゆく−あきのわかれと−おもふにも−いととしくれと−ふるなみたかな


00741
未入力 (xxx)

をしめともとまらぬ春の恨まて今日は今夜そ限なりける

をしめとも−とまらぬはるの−うらみまて−けふはこよひそ−かきりなりける


00742
未入力 (xxx)

暮れてゆくやとりもしらぬ秋なれはいはむかたなくをしき今日かな

くれてゆく−やとりもしらぬ−あきなれは−いはむかたなく−をしきけふかな


00743
未入力 (xxx)

なかしとはいひしはかりに春の日の今日はあやなく暮れにけるかな

なかしとは−いひしはかりに−はるのひの−けふはあやなく−くれにけるかな


00744
未入力 (xxx)

長月ののこる日数はあさけれとをしむ心のふかき秋かな

なかつきの−のこるひかすは−あさけれと−をしむこころの−ふかきあきかな


00745
未入力 (xxx)

石はしるとかはの滝つゆく水のせきとめかたく過くる春かな

いしはしる−とかはのたきつ−ゆくみつの−せきとめかたく−すくるはるかな


00746
未入力 (xxx)

暮れて行く秋のなこりの早瀬河なかるる年をいかてせかまし

くれてゆく−あきのなこりの−はやせかは−なかるるとしを−いかてせかまし


00747
未入力 (xxx)

世のつねに歎きしまてやことに出てて春はをしとも猶いはれけん

よのつねに−なけきしまてや−ことにいてて−はるはをしとも−なほいはれけむ


00748
未入力 (xxx)

をしみえぬかなしさはかり身にそへてわかるる秋のわすれかたみよ

をしみえぬ−かなしさはかり−みにそへて−わかるるあきの−わすれかたみよ


00749
未入力 (xxx)

もろこしもかくこそ人はをしむらめのこる里なき春のわかれを

もろこしも−かくこそひとは−をしむらめ−のこるさとなき−はるのわかれを


00750
未入力 (xxx)

又もこむ秋の暮とは知りなからしらぬ命の身にしたふかな

またもこむ−あきのくれとは−しりなから−しらぬいのちの−みにしたふかな


00751
未入力 (xxx)

年ことのならひとたにもわすられて涙ととめぬ春の暮かな

としことの−ならひとたにも−わすられて−なみたととめぬ−はるのくれかな


00752
未入力 (xxx)

誰もかくをしみやすらんけふとみなしらぬ人なき秋の別は

たれもかく−をしみやすらむ−けふとみな−しらぬひとなき−あきのわかれは


00753
未入力 (xxx)

しはしたに山の端にけて行く春のくるる日数をいれすもあらなん

しはしたに−やまのはにけて−ゆくはるの−くるるひかすを−いれすもあらなむ


00754
未入力 (xxx)

袖にさへ涙もいととふりそひぬ十つつ六の秋のわかれに

そてにさへ−なみたもいとと−ふりそひぬ−とをつつむつの−あきのわかれに


00755
未入力 (xxx)

花もいとみるとしなくていたつらに春日と春の過きにけるかな

はなもいと−みるとしなくて−いたつらに−はるひとはるの−すきにけるかな


00756
未入力 (xxx)

おく露も草むらことにしたふらしいそくあきつのをのか別を

おくつゆも−くさむらことに−したふらし−いそくあきつの−をのかわかれを


00757
未入力 (xxx)

もののふのやよひといへは梓弓はるの末にも成りにけるかな

もののふの−やよひといへは−あつさゆみ−はるのすゑにも−なりにけるかな


00758
未入力 (xxx)

見わたせはかり田さひしさ夕暮に鴫たちわかれ秋もいぬめり

みわたせは−かりたさひしさ−ゆふくれに−しきたちわかれ−あきもいぬめり


00759
未入力 (xxx)

をしむとてとまるならひの春ならはみなやよひにて年や暮れまし

をしむとて−とまるならひの−はるならは−みなやよひにて−としやくれまし


00760
未入力 (xxx)

はかなくも過しけるかなかくはかり別のやすき秋を憑みて

はかなくも−すくしけるかな−かくはかり−わかれのやすき−あきをたのみて


00761
未入力 (xxx)

心から来てやうらみん夏衣春こそよそにたちわかるとも

こころから−きてやうらみむ−なつころも−はるこそよそに−たちわかるとも


00762
未入力 (xxx)

今朝よりや冬は来ぬらむ白妙の衣手さむく成りまさりつつ

けさよりや−ふゆはきぬらむ−しろたへの−ころもてさむく−なりまさりつつ


00763
未入力 (xxx)

桜色のかたみの衣いにしへも今はあたとや人のかへけむ

さくらいろの−かたみのころも−いにしへも−いまはあたとや−ひとのかへけむ


00764
未入力 (xxx)

たのめおく空とはなしに冬のきてかはるけしきのなとうかるらん

たのめおく−そらとはなしに−ふゆのきて−かはるけしきの−なとうかるらむ


00765
未入力 (xxx)

をしみこし花のにほひはよそなから今日ぬきかへぬ墨染の袖

をしみこし−はなのにほひは−よそなから−けふぬきかへぬ−すみそめのそて


00766
未入力 (xxx)

冬のくる空はなのみそ神無月しくるる物はなみたなりけり

ふゆのくる−そらはなのみそ−かみなつき−しくるるものは−なみたなりけり


00767
未入力 (xxx)

木の本を春のかたみにきてみれはたよりすすしき夏衣かな

このもとを−はるのかたみに−きてみれは−たよりすすしき−なつころもかな


00768
未入力 (xxx)

葦引の山のかけひのあさ氷音もせてなと冬の来ぬらん

あしひきの−やまのかけひの−あさこほり−おともせてなと−ふゆのきぬらむ


00769
未入力 (xxx)

空も今日霞の衣たちかへて夏きむかへる色はみえけり

そらもけふ−かすみのころも−たちかへて−なつきむかへる−いろはみえけり


00770
未入力 (xxx)

定なき時雨はかりをしるへにて空に来にける神無月かな

さためなき−しくれはかりを−しるへにて−そらにきにける−かみなつきかな


00771
未入力 (xxx)

あかさりし花の衣のうつり香とかとりの袖はきてもなつかし

あかさりし−はなのころもの−うつりかと−かとりのそては−きてもなつかし


00772
未入力 (xxx)

冬来ぬと誰かねさめより音つれてよはの時雨のおとろかすらん

ふゆきぬと−たかねさめより−おとつれて−よはのしくれの−おとろかすらむ


00773
未入力 (xxx)

花鳥のなこりををしみ夏衣たつといふ日も袖はぬれつつ

はなとりの−なこりををしみ−なつころも−たつといふひも−そてはぬれつつ


00774
未入力 (xxx)

冬くれは物おもふ時の涙かといふはかりにもふる時雨かな

ふゆくれは−ものおもふときの−なみたかと−いふはかりにも−ふるしくれかな


00775
未入力 (xxx)

夏衣たちかへてけり今朝まてはかたみときつる花の袂に

なつころも−たちかへてけり−けさまては−かたみときつる−はなのたもとに


00776
未入力 (xxx)

秋をのみをしみあかせは今朝はまたくるをいとふと冬や恨みん

あきをのみ−をしみあかせは−けさはまた−くるをいとふと−ふゆやうらみむ


00777
未入力 (xxx)

をしめともとまらぬ春の衣手になこりもうしとたちそかへつる

をしめとも−とまらぬはるの−ころもてに−なこりもうしと−たちそかへつる


00778
未入力 (xxx)

山めくる夜はの時雨を我か袖にうけてそ冬のはしめなりける

やまめくる−よはのしくれを−わかそてに−うけてそふゆの−はしめなりける


00779
未入力 (xxx)

おそ桜有りとやけふはみかの原河上たかく雲のかかれる

おそさくら−ありとやけふは−みかのはら−かはかみたかく−くものかかれる


00780
未入力 (xxx)

みわの山杉の青葉もしくるなりいかにまたれて冬の来ぬらん

みわのやま−すきのあをはも−しくるなり−いかにまたれて−ふゆのきぬらむ


00781
未入力 (xxx)

水鳥のあをはの山の夏木立うきねにかへる花をしそおもふ

みつとりの−あをはのやまの−なつこたち−うきねにかへる−はなをしそおもふ


00782
未入力 (xxx)

冬のくるかたとや今朝は紅葉葉もきたには分きて散りつもるらん

ふゆのくる−かたとやけさは−もみちはも−きたにはわきて−ちりつもるらむ


00783
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さきてちる忘かたみの色よりも春はとまらぬ花の下陰

さきてちる−わすれかたみの−いろよりも−はるはとまらぬ−はなのしたかけ


00784
未入力 (xxx)

時雨れつつ冬は来にけり神なひのみむろの木のは今や散るらし

しくれつつ−ふゆはきにけり−かみなひの−みむろのこのは−いまやちるらし


00785
未入力 (xxx)

花散りて人もとまらぬ山里をあはれとみてや夏の来ぬらん

はなちりて−ひともとまらぬ−やまさとを−あはれとみてや−なつのきぬらむ


00786
未入力 (xxx)

さひしともおもはぬ時はなきものをいかにせよとて冬のきぬらん

さひしとも−おもはぬときは−なきものを−いかにせよとて−ふゆのきぬらむ


00787
未入力 (xxx)

神山のかしはのひらてうちたたきみわすゑ祈る月はきにけり

かみやまの−かしはのひらて−うちたたき−みわすゑいのる−つきはきにけり


00788
未入力 (xxx)

つれなくも猶冬かれに残りきて霜にうつろふしら菊の花

つれなくも−なほふゆかれに−のこりきて−しもにうつろふ−しらきくのはな


00789
未入力 (xxx)

古郷の葎のかきねそれなからしけきや春のへたてなるらん

ふるさとの−むくらのかきね−それなから−しけきやはるの−へたてなるらむ


00790
未入力 (xxx)

冬の菊あさちか虫もわひはつる時さへ物はわれそかなしき

ふゆのきく−あさちかむしも−わひはつる−ときさへものは−われそかなしき


00791
未入力 (xxx)

行く春のなこりををしみなかめこしおなし雲井そかたみなりける

ゆくはるの−なこりををしみ−なかめこし−おなしくもゐそ−かたみなりける


00792
未入力 (xxx)

神無月をりにしたかふならひとてよものあらしもさえてふくなり

かみなつき−をりにしたかふ−ならひとて−よものあらしも−さえてふくなり


00793
未入力 (xxx)

さきそめし春の末葉の藤波の心なかくそ夏にかかれる

さきそめし−はるのすゑはの−ふちなみの−こころなかくそ−なつにかかれる


00794
未入力 (xxx)

けふよりは行ていのらんと思ひしにいつくに旅のみしめ引くらん

けふよりは−ゆくていのらむと−おもひしに−いつくにたひの−みしめひくらむ


00795
未入力 (xxx)

今朝は猶空くもらなむ春霞かすみていにしなこりはかりも

けさはなほ−そらくもらなむ−はるかすみ−かすみていにし−なこりはかりも


00796
未入力 (xxx)

しくれつるなこりに庭やしめるらんこのはそよかぬ山おろしのかせ

しくれつる−なこりににはや−しめるらむ−このはそよかぬ−やまおろしのかせ


00797
未入力 (xxx)

みよしのの山も霞の跡たえてさやかにみゆる夏の空かな

みよしのの−やまもかすみの−あとたえて−さやかにみゆる−なつのそらかな


00798
未入力 (xxx)

まきのやにつもる木のはを吹きはらふ山風つらくもる時雨かな

まきのやに−つもるこのはを−ふきはらふ−やまかせつらく−もるしくれかな


00799
未入力 (xxx)

今朝ははや春におくれて鴬のひとりなくなるこゑそさひしき

けさははや−はるにおくれて−うくひすの−ひとりなくなる−こゑそさひしき


00800
未入力 (xxx)

さそふへきよもの紅葉も散りはてて風もや今朝はさひしかるらん

さそふへき−よものもみちも−ちりはてて−かせもやけさは−さひしかるらむ


00801
未入力 (xxx)

夏にこそはや成りにけれ出ててみるむかひの岡のもとしけるまて

なつにこそ−はやなりにけれ−いててみる−むかひのをかの−もとしけるまて


00802
未入力 (xxx)

終夜かつふりまかふならの葉にいとと時雨の音まさるなり

よもすから−かつふりまかふ−ならのはに−いととしくれの−おとまさるなり


00803
未入力 (xxx)

かはらすよかけしみあれの葵草めくみをたのむ心はかりは

かはらすよ−かけしみあれの−あふひくさ−めくみをたのむ−こころはかりは


00804
未入力 (xxx)

木の葉のみ空にしられぬ時雨かとおもへは又もふる涙かな

このはのみ−そらにしられぬ−しくれかと−おもへはまたも−ふるなみたかな


00805
未入力 (xxx)

あふひ草もろ葉の山の郭公なれもみあれのころや待つらむ

あふひくさ−もろはのやまの−ほとときす−なれもみあれの−ころやまつらむ


00806
未入力 (xxx)

此程はおくてのいねをこくうすく紅葉降りしく冬の山さと

このほとは−おくてのいねを−こくうすく−もみちふりしく−ふゆのやまさと


00807
未入力 (xxx)

あふひ草心にかけてまたれつる神のみあれの時もきにけり

あふひくさ−こころにかけて−またれつる−かみのみあれの−ときもきにけり


00808
未入力 (xxx)

ととまらぬ心みえしと紅葉葉のかことかましく風にちるかな

ととまらぬ−こころみえしと−もみちはの−かことかましく−かせにちるかな


00809
未入力 (xxx)

日影山けふのかさしのもろ葉草かけてたのむを神は知るらん

ひかけやま−けふのかさしの−もろはくさ−かけてたのむを−かみはしるらむ


00810
未入力 (xxx)

降りまさる我か身のはてもあはれなり嵐にたくふよものもみち葉

ふりまさる−わかみのはても−あはれなり−あらしにたくふ−よものもみちは


00811
未入力 (xxx)

葵草かくるとききぬかの岡のわかきかつらのしつえはやとれ

あふひくさ−かくるとききぬ−かのをかの−わかきかつらの−しつえはやとれ


00812
未入力 (xxx)

木の葉ちるしのたのもりの千枝ことに冬やあらしの数はみゆらん

このはちる−しのたのもりの−ちえことに−ふゆやあらしの−かすはみゆらむ


00813
未入力 (xxx)

門させる卯花かきを我かためとくくり入りてそ夏はきにける

かとさせる−うのはなかきを−わかためと−くくり入りてそ−なつはきにける


00814
未入力 (xxx)

いまよりはなにをか秋のなこりとも見つつしのはむ木のはちるころ

いまよりは−なにをかあきの−なこりとも−みつつしのはむ−このはちるころ


00815
未入力 (xxx)

山かつのかきねにさける卯花は春をへたつるしるしとそみる

やまかつの−かきねにさける−うのはなは−はるをへたつる−しるしとそみる


00816
未入力 (xxx)

やまかせも今はとはらふはけしさのつらさにたへすちる木のはかな

やまかせも−いまはとはらふ−はけしさの−つらさにたへす−ちるこのはかな


00817
未入力 (xxx)

古郷にかこひ捨てたるうつき垣さかひはしるく花さきにけり

ふるさとに−かこひすてたる−うつきかき−さかひはしるく−はなさきにけり


00818
未入力 (xxx)

もりくるも時雨はやすきいたまよりさはりてふるや木の葉なるらん

もりくるも−しくれはやすき−いたまより−さはりてふるや−このはなるらむ


00819
未入力 (xxx)

みれと猶色わかれぬは卯花のはなにやとれる今朝の白露

みれとなほ−いろわかれぬは−うのはなの−はなにやとれる−けさのしらつゆ


00820
未入力 (xxx)

山河のはや瀬うけこす岩かねになかれかかりてよとむ紅葉葉

やまかはの−はやせうけこす−いはかねに−なかれかかりて−よとむもみちは


00821
未入力 (xxx)

久堅の空ゆく月はかたふけとおなし影なる庭の卯花

ひさかたの−そらゆくつきは−かたふけと−おなしかけなる−にはのうのはな


00822
未入力 (xxx)

さそひゆくかたをいつちと紅葉葉を吹きたたよはす袖の木からし

さそひゆく−かたをいつちと−もみちはを−ふきたたよはす−そてのこからし


00823
未入力 (xxx)

卯花のさけるかきねはあま夜にも猶影さらぬ月かとそみる

うのはなの−さけるかきねは−あまよにも−なほかけさらぬ−つきかとそみる


00824
未入力 (xxx)

冬枯の軒はのもりの陰晴れてま屋のあまりのさゆる月かな

ふゆかれの−のきはのもりの−かけはれて−まやのあまりの−さゆるつきかな


00825
未入力 (xxx)

あやしくも雨にくもらぬ月かけや卯花山のさかりなるらむ

あやしくも−あめにくもらぬ−つきかけや−うのはなやまの−さかりなるらむ


00826
未入力 (xxx)

むら雲のしくれて過くる跡に又ふるや木の葉の音もかはらす

むらくもの−しくれてすくる−あとにまた−ふるやこのはの−おともかはらす


00827
未入力 (xxx)

みなの河おちくる嶺はいかならん山のはこめてさける卯花

みなのかは−おちくるみねは−いかならむ−やまのはこめて−さけるうのはな


00828
未入力 (xxx)

あらしふく山のふもとのかくみ河いはせみなきり行く紅葉かな

あらしふく−やまのふもとの−かくみかは−いはせみなきり−ゆくもみちかな


00829
未入力 (xxx)

時しらぬふしのたかねにあらなくに卯花山も雪とみゆらん

ときしらぬ−ふしのたかねに−あらなくに−うのはなやまも−ゆきとみゆらむ


00830
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秋の色に染めしは山のにしきにて散るをみるこそ木のはなりけれ

あきのいろに−そめしはやまの−にしきにて−ちるをみるこそ−このはなりけれ


00831
未入力 (xxx)

夏来ては水上とほく卯花のさける嶺よりおつる滝つ瀬

なつきては−みなかみとほく−うのはなの−さけるみねより−おつるたきつせ


00832
未入力 (xxx)

おほゐ河ゐせきによするささ浪のよとむはつもる紅葉なりけり

おほゐかは−ゐせきによする−ささなみの−よとむはつもる−もみちなりけり


00833
未入力 (xxx)

卯花のさけるをみれはほとときす初音きくへき時は来にけり

うのはなの−さけるをみれは−ほとときす−はつねきくへき−ときはきにけり


00834
未入力 (xxx)

あらし吹く袖に涙そこほれける木の葉もたへぬ冬のけしきに

あらしふく−そてになみたそ−こほれける−このはもたへぬ−ふゆのけしきに


00835
未入力 (xxx)

卯花は散りはてにけり山かつのさらせる布そみえす成りぬる

うのはなは−ちりはてにけり−やまかつの−さらせるぬのそ−みえすなりぬる


00836
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底は猶あさくてや行く紅葉葉のつもりてふかき山川の水

そこはなほ−あさくてやゆく−もみちはの−つもりてふかき−やまかはのみつ


00837
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みあれひく卯月に成りぬむへしこそ神の御戸代早苗とりけれ

みあれひく−うつきになりぬ−うへしこそ−かみのみとしろ−さなへとりけれ


00838
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ふみわけし跡ふりうつむ木の葉かな雪よりさきの道たゆるまて

ふみわけし−あとふりうつむ−このはかな−ゆきよりさきの−みちたゆるまて


00839
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款冬の散るとみしまにかはつなくゐての山田はさなへとるなり

やまふきの−ちるとみしまに−かはつなく−ゐてのやまたは−さなへとるなり


00840
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定なき空とはいへと初時雨かならすふれる神無月かな

さためなき−そらとはいへと−はつしくれ−かならすふれる−かみなつきかな


00841
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せきとめてそかひの水に種まきし高田の山はさなへとるなり

せきとめて−そかひのみつに−たねまきし−たかたのやまは−さなへとるなり


00842
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神無月所もわかすこもり江の初瀬の山も時雨降るなり

かみなつき−ところもわかす−こもりえの−はつせのやまも−しくれふるなり


00843
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みたやもりけふを待ちける程みえて五月といへはさなへとるなり

みたやもり−けふをまちける−ほとみえて−さつきといへは−さなへとるなり


00844
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さそひおく庭の木葉を尋ねきて二たひはらふ風の音かな

さそひおく−にはのこのはを−たつねきて−ふたたひはらふ−かせのおとかな


00845
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我さきにおりたつ田子とみえつるはとりかへかたのさなへなりけり

われさきに−おりたつたこと−みえつるは−とりかへかたの−さなへなりけり


00846
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夕日さす枯野の草の秋ならはおもひいれたる露やおかまし

ゆふひさす−かれののくさの−あきならは−おもひいれたる−つゆやおかまし


00847
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いそくへさ比はきにけりをかへなるわさ田のさなへ今やとるらん

いそくへさ−ころはきにけり−をかへなる−わさたのさなへ−いまやとるらむ


00848
未入力 (xxx)

色色に露は染めこし秋草の霜のかれ葉はひとつなりけり

いろいろに−つゆはそめこし−あきくさの−しものかれはは−ひとつなりけり


00849
未入力 (xxx)

此程はあまつをとめらいとまなみさや田のさなへいそきとるなり

このほとは−あまつをとめら−いとまなみ−さやたのさなへ−いそきとるなり


00850
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草も木も今はさかりの時過きてかれゆくをのの色そさひしき

くさもきも−いまはさかりの−ときすきて−かれゆくをのの−いろそさひしき


00851
未入力 (xxx)

せきいるる山田の水に袖ぬれてけふも暮れぬととるさなへかな

せきいるる−やまたのみつに−そてぬれて−けふもくれぬと−とるさなへかな


00852
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音つれし風のたよりもなかりけり籬の荻もかれかれにして

おとつれし−かせのたよりも−なかりけり−まかきのをきも−かれかれにして


00853
未入力 (xxx)

いまみれはうゑ月ちかく我か門のわさ田の苗はみきはおひにけり

いまみれは−うゑつきちかく−わかかとの−わさたのなへは−みきはおひにけり


00854
未入力 (xxx)

秋も猶さひしくみえしかた岡の浅茅か原も霜枯れにけり

あきもなほ−さひしくみえし−かたをかの−あさちかはらも−しもかれにけり


00855
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おりたちて山田のさなへとる田子の袖朽ちぬへき比の五月雨

おりたちて−やまたのさなへ−とるたこの−そてくちぬへき−ころのさみたれ


00856
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冬の野の草葉はなにのつらさにてかるるかうへに霜のおくらん

ふゆののの−くさははなにの−つらさにて−かるるかうへに−しものおくらむ


00857
未入力 (xxx)

あしひきの山田のさなへうゑおきてほに出つる秋を今よりそ待つ

あしひきの−やまたのさなへ−うゑおきて−ほにいつるあきを−いまよりそまつ


00858
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たへてきく人しあらしな山里の荻の枯葉に風わたるころ

たへてきく−ひとしあらしな−やまさとの−をきのかれはに−かせわたるころ


00859
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うらやまし山田のさなへとるしつもしりそきなから時にあへれは

うらやまし−やまたのさなへ−とるしつも−しりそきなから−ときにあへれは


00860
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さらてよもたたの人めはかれもせし老をそ草の霜にたとふる

さらてよも−たたのひとめは−かれもせし−おいをそくさの−しもにたとふる


00861
未入力 (xxx)

夏ふかみ人も分けこぬ野へなれは跡みえかたき草の原かな

なつふかみ−ひともわけこぬ−のへなれは−あとみえかたき−くさのはらかな


00862
未入力 (xxx)

浅茅原霜の下葉はかれはててみしにもあらぬ野への色かな

あさちはら−しものしたはは−かれはてて−みしにもあらぬ−のへのいろかな


00863
未入力 (xxx)

さらすとて誰かはとひし夏草のしけるをうしとなにか思はむ

さらすとて−たれかはとひし−なつくさの−しけるをうしと−なにかおもはむ


00864
未入力 (xxx)

霜かれはおなし草葉のなこりともみえはや秋のかたみともせん

しもかれは−おなしくさはの−なこりとも−みえはやあきの−かたみともせむ


00865
未入力 (xxx)

ことわりや我か道たとる夏草の露わけ衣袖はぬれつつ

ことわりや−わかみちたとる−なつくさの−つゆわけころも−そてはぬれつつ


00866
未入力 (xxx)

古郷の庭のあさちも霜かれてかきねをあらす冬のさひしさ

ふるさとの−にはのあさちも−しもかれて−かきねをあらす−ふゆのさひしさ


00867
未入力 (xxx)

ふみ分けてかりにたにやはとはさらむ野と成りはつる庭の夏草

ふみわけて−かりにたにやは−とはさらむ−のとなりはつる−にはのなつくさ


00868
未入力 (xxx)

霜かれの籬にのこる露やけさ篠のつららとむすほほるらん

しもかれの−まかきにのこる−つゆやけさ−ささのつららと−むすほほるらむ


00869
未入力 (xxx)

ほしみゆる夏毛の鹿のかくろひてふしのすそ野にしけるたか草

ほしみゆる−なつけのしかの−かくろひて−ふしのすそのに−しけるたかくさ


00870
未入力 (xxx)

今はみな霜の下なるあし分をかれなてあまといつおもひけん

いまはみな−しものしたなる−あしわけを−かれなてあまと−いつおもひけむ


00871
未入力 (xxx)

わけて行くをしかもそれとみえぬまて夏野の草はたかくなるらし

わけてゆく−をしかもそれと−みえぬまて−なつののくさは−たかくなるらし


00872
未入力 (xxx)

みかり野はきしのかくれの程たにものこる草なく霜かれにけり

みかりのは−きしのかくれの−ほとたにも−のこるくさなく−しもかれにけり


00873
未入力 (xxx)

ありつつもみま草にこそかりもせめたたに夏ののしけみとはみし

ありつつも−みまくさにこそ−かりもせめ−たたになつのの−しけみとはみし


00874
未入力 (xxx)

おく霜に草葉はよきすかれはてて有りしにも似ぬ野への色かな

おくしもに−くさははよきす−かれはてて−ありしにもにぬ−のへのいろかな


00875
未入力 (xxx)

いつのまに又しけるらん昨日かもかりふとみえし野への夏草

いつのまに−またしけるらむ−きのふかも−かりふとみえし−のへのなつくさ


00876
未入力 (xxx)

みるままに野へのちくさも枯れはてぬ何のあたとか霜のおくらん

みるままに−のへのちくさも−かれはてぬ−なにのあたとか−しものおくらむ


00877
未入力 (xxx)

おしてるや難波のくにに夏のきてあしのしけみは行く舟もなし

おしてるや−なにはのくにに−なつのきて−あしのしけみは−ゆくふねもなし


00878
未入力 (xxx)

浪花のなにはのあしの霜かれに音のかそけき浦風そ吹く

なみはなの−なにはのあしの−しもかれに−おとのかそけき−うらかせそふく


00879
未入力 (xxx)

待ちしほる老の心のくるしきになとやきなかぬ山ほとときす

まちしをる−おいのこころの−くるしきに−なとやきなかぬ−やまほとときす


00880
未入力 (xxx)

この雲やこしちの雪の末ならん都はいまた時雨なれとも

このくもや−こしちのゆきの−すゑならむ−みやこはいまた−しくれなれとも


00881
未入力 (xxx)

身をなけく心やかよふ郭公なれも卯月になきはしむらん

みをなけく−こころやかよふ−ほとときす−なれもうつきに−なきはしむらむ


00882
未入力 (xxx)

さえむせふ嵐にまよふ村雲の初雪さそふ夕くれの空

さえむせふ−あらしにまよふ−むらくもの−はつゆきさそふ−ゆふくれのそら


00883
未入力 (xxx)

けふよりそまたれそめけるほとときす今はなくへき時もきぬとて

けふよりそ−またれそめける−ほとときす−いまはなくへき−ときもきぬとて


00884
未入力 (xxx)

暮は又雪ふりけなる気色かな今朝より空のさえもやますて

くれはまた−ゆきふりけなる−けしきかな−けさよりそらの−さえもやますて


00885
未入力 (xxx)

かかりけりたえてさくらの後も又山ほとときすのとかにやまつ

かかりけり−たえてさくらの−のちもまた−やまほとときす−のとかにやまつ


00886
未入力 (xxx)

時のまも待ちつもるらししらま弓いつへの山のけさのはつ雪

ときのまも−まちつもるらし−しらまゆみ−いつへのやまの−けさのはつゆき


00887
未入力 (xxx)

山里の花より後のほとときすまつ事つきぬ世のならひかな

やまさとの−はなよりのちの−ほとときす−まつことつきぬ−よのならひかな


00888
未入力 (xxx)

雪にしく物なかりけり春秋の花と月との色をみすれは

ゆきにしく−ものなかりけり−はるあきの−はなとつきとの−いろをみすれは


00889
未入力 (xxx)

なほも身にまたるる物はあしひきの山郭公のみそかはらぬ

なほもみに−またるるものは−あしひきの−やまほとときす−のみそかはらぬ


00890
未入力 (xxx)

契りおく人ありとてもまたれめやかくふりふふく山のみ雪に

ちきりおく−ひとありとても−またれめや−かくふりふふく−やまのみゆきに


00891
未入力 (xxx)

人つてになくとはきけと時鳥なと我かやとにつれなかるらむ

ひとつてに−なくとはきけと−ほとときす−なとわかやとに−つれなかるらむ


00892
未入力 (xxx)

見わたせは今はたおなし草も木もわかすつもれる野への雪かな

みわたせは−いまはたおなし−くさもきも−わかすつもれる−のへのゆきかな


00893
未入力 (xxx)

待ちあかしまちこそくらせほとときすなくへき時はねてかさめてか

まちあかし−まちこそくらせ−ほとときす−なくへきときは−ねてかさめてか


00894
未入力 (xxx)

けふも又猶ふりくらす雪の中にねに行く鳥のこゑそさひしき

けふもまた−なほふりくらす−ゆきのうちに−ねにゆくとりの−こゑそさひしき


00895
未入力 (xxx)

はやくこそ人はきくなれ時鳥我にやさのみこゑをしむへき

はやくこそ−ひとはきくなれ−ほとときす−われにやさのみ−こゑをしむへき


00896
未入力 (xxx)

うちきらしあまのみ空はくもれとも光そまさる雪のした道

うちきらし−あまのみそらは−くもれとも−ひかりそまさる−ゆきのしたみち


00897
未入力 (xxx)

ほとときすこゑせぬまても橘のかけふむ道は過きそやられぬ

ほとときす−こゑせぬまても−たちはなの−かけふむみちは−すきそやられぬ


00898
未入力 (xxx)

こぬ人もまたれそせまし我か宿の物とのみみは庭のしら雪

こぬひとも−またれそせまし−わかやとの−ものとのみみは−にはのしらゆき


00899
未入力 (xxx)

郭公つれなくさこそまたるとも花たちはなのさかりすこすな

ほとときす−つれなくさこそ−またるとも−はなたちはなの−さかりすこすな


00900
未入力 (xxx)

散る花になにかことなるうちきらし風ふく空にふれる白雪

ちるはなに−なにかことなる−うちきらし−かせふくそらに−ふれるしらゆき


00901
未入力 (xxx)

一こゑのおほつかなきを時鳥われもききつといふ人もかな

ひとこゑの−おほつかなきを−ほとときす−われもききつと−いふひともかな


00902
未入力 (xxx)

くもりける雪けは霜のおきもせすねもせてあかすよはの寒けさ

くもりける−ゆきけはしもの−おきもせす−ねもせてあかす−よはのさむけさ


00903
未入力 (xxx)

ほとときす待つ人おほき夕暮は誰きけとてか初音なくらん

ほとときす−まつひとおほき−ゆふくれは−たれきけとてか−はつねなくらむ


00904
未入力 (xxx)

冬木にはさえたる雲をたねとして風にさきちる花は雪かも

ふゆきには−さえたるくもを−たねとして−かせにさきちる−はなはゆきかも


00905
未入力 (xxx)

あやにくにまたしとすれと時鳥なくへきころはいこそねられね

あやにくに−またしとすれと−ほとときす−なくへきころは−いこそねられね


00906
未入力 (xxx)

しら雪のつもれる庭をよそにみておもひきえぬと人や知るらん

しらゆきの−つもれるにはを−よそにみて−おもひきえぬと−ひとやしるらむ


00907
未入力 (xxx)

おもひかねねてもまたるる時鳥夢に聞くへき初音ならねと

おもひかね−ねてもまたるる−ほとときす−ゆめにきくへき−はつねならねと


00908
未入力 (xxx)

跡つけむ人をやけふは恨みまし雪にとはれぬ宿にならひて

あとつけむ−ひとをやけふは−うらみまし−ゆきにとはれぬ−やとにならひて


00909
未入力 (xxx)

ほとときすむなしきよよを重ね来ぬいまやいまやと待つとせしまに

ほとときす−むなしきよよを−かさねきぬ−いまやいまやと−まつとせしまに


00910
未入力 (xxx)

来ぬ人を待つとせしまに道たえて雪にも宿のあれにけるかな

こぬひとを−まつとせしまに−みちたえて−ゆきにもやとの−あれにけるかな


00911
未入力 (xxx)

待つにこぬつらさつもれは時鳥うらみ心の有りとしらすや

まつにこぬ−つらさつもれは−ほとときす−うらみこころの−ありとしらすや


00912
未入力 (xxx)

我ならぬいつくもおなし朝戸あけてなかめやすらん庭の白雪

われならぬ−いつくもおなし−あさとあけて−なかめやすらむ−にはのしらゆき


00913
未入力 (xxx)

郭公いつくにてともたのめねは初音を空に待ちわたるかな

ほとときす−いつくにてとも−たのめねは−はつねをそらに−まちわたるかな


00914
未入力 (xxx)

さりともとおもはぬもののいかなれは人またせける庭の白雪

さりともと−おもはぬものの−いかなれは−ひとまたせける−にはのしらゆき


00915
未入力 (xxx)

さのみ猶こゑはをしまし郭公心つくしの程をかたらは

さのみなほ−こゑはをしまし−ほとときす−こころつくしの−ほとをかたらは


00916
未入力 (xxx)

里人のつたふ岩根の道たえてたまきの山は雪ふりにけり

さとひとの−つたふいはねの−みちたえて−たまきのやまは−ゆきふりにけり


00917
未入力 (xxx)

待つほとをなけかむために時鳥つれなき物となれる初音か

まつほとを−なけかむために−ほとときす−つれなきものと−なれるはつねか


00918
未入力 (xxx)

あふさかの関の往来も跡たえぬいつの人まに雪のふるらむ

あふさかの−せきのゆききも−あとたえぬ−いつのひとまに−ゆきのふるらむ


00919
未入力 (xxx)

忍音をきかはや夜はの時鳥去年もまたれしおなしこゑかと

しのひねを−きかはやよはの−ほとときす−こそもまたれし−おなしこゑかと


00920
未入力 (xxx)

年へたる誰かおも影のとまるらん鏡の山にふれる白雪

としへたる−たかおもかけの−とまるらむ−かかみのやまに−ふれるしらゆき


00921
未入力 (xxx)

いまははやなくへきころの時鳥なににやすらふ夕なるらん

いまははや−なくへきころの−ほとときす−なににやすらふ−ゆふへなるらむ


00922
未入力 (xxx)

降りつもる山路の雪をふみ分けて更にや人になさけみえまし

ふりつもる−やまちのゆきを−ふみわけて−さらにやひとに−なさけみえまし


00923
未入力 (xxx)

ほとときすまたこぬ里のあまの戸にまたねときくはおきつしらなみ

ほとときす−またこぬさとの−あまの戸に−またねときくは−おきつしらなみ


00924
未入力 (xxx)

いかにけささえのの沼のこほるらんをしほの山に雪は降りつつ

いかにけさ−さえののぬまの−こほるらむ−をしほのやまに−ゆきはふりつつ


00925
未入力 (xxx)

はるはるとまちかね山は過きぬれと猶音つれぬほとときすかな

はるはると−まちかねやまは−すきぬれと−なほおとつれぬ−ほとときすかな


00926
未入力 (xxx)

やまとちに越ゆへき道はたえにけりきさの中山雪ふかくして

やまとちに−こゆへきみちは−たえにけり−きさのなかやま−ゆきふかくして


00927
未入力 (xxx)

きかすともなけしのよそにおもはれてしひてまたるる郭公かな

きかすとも−なけしのよそに−おもはれて−しひてまたるる−ほとときすかな


00928
未入力 (xxx)

うつもるるあはれ我か身のためしとてなけきの杜は雪や降りぬる

うつもるる−あはれわかみの−ためしとて−なけきのもりは−ゆきやふりぬる


00929
未入力 (xxx)

ほとときす今そ五月とねをたててなのりの池はあやめ引くなり

ほとときす−いまそさつきと−ねをたてて−なのりのいけは−あやめひくなり


00930
未入力 (xxx)

冬ふかみ降りつむ雪そたかしまのみをの杣木はひく人やなき

ふゆふかみ−ふりつむゆきそ−たかしまの−みをのそまきは−ひくひとやなき


00931
未入力 (xxx)

おなしくは我にかたらへ時鳥おいそのもりの名をまかへつつ

おなしくは−われにかたらへ−ほとときす−おいそのもりの−なをまかへつつ


00932
未入力 (xxx)

あしきたの野さかの浦にくもりきて松の南ははるる白雪

あしきたの−のさかのうらに−くもりきて−まつのみなみは−はるるしらゆき


00933
未入力 (xxx)

あふちさく花にかくれて時鳥名こそあさまの杜に鳴くなれ

あふちさく−はなにかくれて−ほとときす−なこそあさまの−もりになくなれ


00934
未入力 (xxx)

しら雪のつもるたひにもゆかしきはみやりの岡のあけほのの空

しらゆきの−つもるたひにも−ゆかしきは−みやりのをかの−あけほののそら


00935
未入力 (xxx)

山かけのいはせのもりの時鳥暮れぬ夕の空になくなり

やまかけの−いはせのもりの−ほとときす−くれぬゆふへの−そらになくなり


00936
未入力 (xxx)

立ちよりてかるへき宿もなきものをまかみか原に雪は降りつつ

たちよりて−かるへきやとも−なきものを−まかみかはらに−ゆきはふりつつ


00937
未入力 (xxx)

ほとときすいくまの山の七めくりめくり行きてもまたきなかなん

ほとときす−いくまのやまの−ななめくり−めくりゆきても−またきなかなむ


00938
未入力 (xxx)

しら雪の道ある御代につかへてそむかしにかへる跡もみるへき

しらゆきの−みちあるみよに−つかへてそ−むかしにかへる−あともみるへき


00939
未入力 (xxx)

ほとときすなにまたるらん世中のうきをしのふもねこそなかるれ

ほとときす−なにまたるらむ−よのなかの−うきをしのふも−ねこそなかるれ


00940
未入力 (xxx)

雪ふれは木毎に花もしら鳥のさきさか山は冬そさむけき

ゆきふれは−きことにはなも−しらとりの−さきさかやまは−ふゆそさむけき


00941
未入力 (xxx)

朝雲の晴れせぬ嶺の時鳥うきたる身をやおもひしるらん

あさくもの−はれせぬみねの−ほとときす−うきたるみをや−おもひしるらむ


00942
未入力 (xxx)

あらましにさてや朽ちなん埋木のいたたく雪を花にまかへて

あらましに−さてやくちなむ−うもれきの−いたたくゆきを−はなにまかへて


00943
未入力 (xxx)

やよやまてすみわひぬともいふへきをよそにのみなく時鳥かな

やよやまて−すみわひぬとも−いふへきを−よそにのみなく−ほとときすかな


00944
未入力 (xxx)

身につもる年をはしらて白雪のふるとてよそにおもひけるかな

みにつもる−としをはしらて−しらゆきの−ふるとてよそに−おもひけるかな


00945
未入力 (xxx)

物おもふ我なれはとてきかしとはさらにおほえぬほとときすかな

ものおもふ−われなれはとて−きかしとは−さらにおほえぬ−ほとときすかな


00946
未入力 (xxx)

埋木のかれたる枝も花さきしむかしになしてふれる白雪

うもれきの−かれたるえたも−はなさきし−むかしになして−ふれるしらゆき


00947
未入力 (xxx)

郭公うきかならひをしらせはや人にまたれぬねをたにそなく

ほとときす−うきかならひを−しらせはや−ひとにまたれぬ−ねをたにそなく


00948
未入力 (xxx)

世中はありてはてこそうかりけれふりぬとみれは消ゆる白雪

よのなかは−ありてはてこそ−うかりけれ−ふりぬとみれは−きゆるしらゆき


00949
未入力 (xxx)

時鳥夕かたまけてあまはれの雲にたくひて鳴きわたるなり

ほとときす−ゆふかたまけて−あまはれの−くもにたくひて−なきわたるなり


00950
未入力 (xxx)

わたの原こと浦かけて降る雪に我かかたたとるあまのつり舟

わたのはら−ことうらかけて−ふるゆきに−わかかたたとる−あまのつりふね


00951
未入力 (xxx)

時こそあれ神なひ山の時鳥なと五月しも妻をこふらん

ときこそあれ−かみなひやまの−ほとときす−なとさつきしも−つまをこふらむ


00952
未入力 (xxx)

跡つけて人もとはねはしら雪の籬の山のいくへなるらん

あとつけて−ひともとはねは−しらゆきの−まかきのやまの−いくへなるらむ


00953
未入力 (xxx)

ほとときすそれかとたとる夕暮にしはしよたゆめ庭の松風

ほとときす−それかとたとる−ゆふくれに−しはしよたゆめ−にはのまつかせ


00954
未入力 (xxx)

おきつ浪たかくみゆるやあまを舟とませのを野につもる白雪

おきつなみ−たかくみゆるや−あまをふね−とませのをのに−つもるしらゆき


00955
未入力 (xxx)

なほさりにおもひはなさし時鳥まつ夕暮になきて過くるを

なほさりに−おもひはなさし−ほとときす−まつゆふくれに−なきてすくるを


00956
未入力 (xxx)

さしのほる月影さむし滝のうへのみ舟の山に雪つもるらし

さしのほる−つきかけさむし−たきのうへの−みふねのやまに−ゆきつもるらし


00957
未入力 (xxx)

ほとときすよふかき声は我かためにね覚せさする人やきかせん

ほとときす−よふかきこゑは−わかために−ねさめせさする−ひとやきかせむ


00958
未入力 (xxx)

空さえて今はみふゆのこしちよりつもりおこする山のしら雪

そらさえて−いまはみふゆの−こしちより−つもりおこする−やまのしらゆき


00959
未入力 (xxx)

あま雲にきえかへりなく時鳥こゑのなこりや夜はの稲妻

あまくもに−きえかへりなく−ほとときす−こゑのなこりや−よはのいなつま


00960
未入力 (xxx)

日数ふるこしちの雪のふかけれはしるしの棹の末もしられす

ひかすふる−こしちのゆきの−ふかけれは−しるしのさをの−すゑもしられす


00961
未入力 (xxx)

短夜をいかにねさめて時鳥おもひのほかのこゑをきくらん

みしかよを−いかにねさめて−ほとときす−おもひのほかの−こゑをきくらむ


00962
未入力 (xxx)

都にもみ雪つもれりいかはかりこしのおほ山道たえぬらん

みやこにも−みゆきつもれり−いかはかり−こしのおほやま−みちたえぬらむ


00963
未入力 (xxx)

暁のきぬきぬ山のほとときす誰かわかれの空になくらむ

あかつきの−きぬきぬやまの−ほとときす−たれかわかれの−そらになくらむ


00964
未入力 (xxx)

朝嵐の吹過きてゆくみやま木のこのさむけさや雪気なるらん

あさあらしの−ふきすきてゆく−みやまきの−このさむけさや−ゆきけなるらむ


00965
未入力 (xxx)

あけかたは誰に別をしたふとて山ほとときすなきて行くらん

あけかたは−たれにわかれを−したふとて−やまほとときす−なきてゆくらむ


00966
未入力 (xxx)

道たえて今朝こそいととさひしけれ雪にかれたる人めならねと

みちたえて−けさこそいとと−さひしけれ−ゆきにかれたる−ひとめならねと


00967
未入力 (xxx)

いつくよりかへる別そほとときすあけ行く空の雲になくなり

いつくより−かへるわかれそ−ほとときす−あけゆくそらの−くもになくなり


00968
未入力 (xxx)

終夜さえつる風やしからさの外山にしろき今朝の初雪

よもすから−さえつるかせや−しからさの−とやまにしろき−けさのはつゆき


00969
未入力 (xxx)

独こそみるかひなけれ郭公月になく夜の有明の空

ひとりこそ−みるかひなけれ−ほとときす−つきになくよの−ありあけのそら


00970
未入力 (xxx)

今朝は又とひこむ人の跡もをしうすらにふれる庭の初雪

けさはまた−とひこむひとの−あともをし−うすらにふれる−にはのはつゆき


00971
未入力 (xxx)

有明の月に夜ふかき時鳥ほのかなるねを誰か又きく

ありあけの−つきによふかき−ほとときす−ほのかなるねを−たれかまたきく


00972
未入力 (xxx)

けさみれは松をまつともわかぬまて山おしなへてふれる白雪

けさみれは−まつをまつとも−わかぬまて−やまおしなへて−ふれるしらゆき


00973
未入力 (xxx)

待ちつれと夜のまはむなし今そきくいねぬあさけの山ほとときす

まちつれと−よのまはむなし−いまそきく−いねぬあさけの−やまほとときす


00974
未入力 (xxx)

なかめやる嶺のこすゑは雪ふりて朝さひしき冬の山さと

なかめやる−みねのこすゑは−ゆきふりて−あしたさひしき−ふゆのやまさと


00975
未入力 (xxx)

ほとときすはつ卯花のかけなくはなににかくれてねをもしのはん

ほとときす−はつうのはなの−かけなくは−なににかくれて−ねをもしのはむ


00976
未入力 (xxx)

尋ぬへき人こそなけれ外山なるまさきの岡に雪はふりつつ

たつぬへき−ひとこそなけれ−とやまなる−まさきのをかに−ゆきはふりつつ


00977
未入力 (xxx)

卯花のかけなかりせはほとときすなににかくれて初音なかまし

うのはなの−かけなかりせは−ほとときす−なににかくれて−はつねなかまし


00978
未入力 (xxx)

降る雪はいそしの嶺につもりてもさそ白妙の花とみゆらし

ふるゆきは−いそしのみねに−つもりても−さそしろたへの−はなとみゆらし


00979
未入力 (xxx)

卯花のさけるかきねのたよりにそをりはへ来なく山ほとときす

うのはなの−さけるかきねの−たよりにそ−をりはへきなく−やまほとときす


00980
未入力 (xxx)

蘆の葉は霜かれはつるつのくにのこやも雪にそうつもれにける

あしのはは−しもかれはつる−つのくにの−こやもゆきにそ−うつもれにける


00981
未入力 (xxx)

なきぬるかこそのふるねの時鳥ひかぬあやめにさ月つくとて

なきぬるか−こそのふるねの−ほとときす−ひかぬあやめに−さつきつくとて


00982
未入力 (xxx)

音そよく雪野のをささうつもれてさゆるはかりのむこの山かせ

おとそよく−ゆきののをささ−うつもれて−さゆるはかりの−むこのやまかせ


00983
未入力 (xxx)

むら雨のはるる雲まに月さえてをりめつらしきほとときすかな

むらさめの−はるるくもまに−つきさえて−をりめつらしき−ほとときすかな


00984
未入力 (xxx)

嶺の雪もふかくや冬はなるさはの氷にさゆるふしの山風

みねのゆきも−ふかくやふゆは−なるさはの−こほりにさゆる−ふしのやまかせ


00985
未入力 (xxx)

過きにける雨をやしたふ時鳥はれ行くかたの雲になくなり

すきにける−あめをやしたふ−ほとときす−はれゆくかたの−くもになくなり


00986
未入力 (xxx)

夜とともに雪の浪こすふしのねやあまのかはらの湊なるらん

よとともに−ゆきのなみこす−ふしのねや−あまのかはらの−みなとなるらむ


00987
未入力 (xxx)

むら雨の過きぬるかたのほとときす雲のいつくにこゑしたはまし

むらさめの−すきぬるかたの−ほとときす−くものいつくに−こゑしたはまし


00988
未入力 (xxx)

みよしのの芳野の山の冬されはゆきははかりてはやふりにけり

みよしのの−よしののやまの−ふゆされは−ゆきははかりて−はやふりにけり


00989
未入力 (xxx)

時鳥しのひかねてやあしひきの山よりいてて今はなくらん

ほとときす−しのひかねてや−あしひきの−やまよりいてて−いまはなくらむ


00990
未入力 (xxx)

あけほのの嶺のいほりのはるはると見わたされたるよもの白雪

あけほのの−みねのいほりの−はるはると−みわたされたる−よものしらゆき


00991
未入力 (xxx)

郭公山よりいててやまにいるほとや五月の日数なるらむ

ほとときす−やまよりいてて−やまにいる−ほとやさつきの−ひかすなるらむ


00992
未入力 (xxx)

おく山の雪けの水のなかれきていはまをつたふ音のさむけさ

おくやまの−ゆきけのみつの−なかれきて−いはまをつたふ−おとのさむけさ


00993
未入力 (xxx)

ほとときすなく山ひこのこたへけるこゑをや我とたとりわふらん

ほとときす−なくやまひこの−こたへける−こゑをやわれと−たとりわふらむ


00994
未入力 (xxx)

はらはしよ心のままにたたつもれとはれぬ山の道のしら雪

はらはしよ−こころのままに−たたつもれ−とはれぬやまの−みちのしらゆき


00995
未入力 (xxx)

里にいてて今そなくなるほとときす夏はみ山やすみうかるらん

さとにいてて−いまそなくなる−ほとときす−なつはみやまや−すみうかるらむ


00996
未入力 (xxx)

此程は雪に山路の跡たえぬいとと人めもまれにこそみめ

このほとは−ゆきにやまちの−あとたえぬ−いととひとめも−まれにこそみめ


00997
未入力 (xxx)

あはれともうしともききつほとときすなかなくころは物をおもへは

あはれとも−うしともききつ−ほとときす−なかなくころは−ものをおもへは


00998
未入力 (xxx)

雪のうちのつま木をたにもこりたかて山ふところにてをそをさむる

ゆきのうちの−つまきをたにも−こりたかて−やまふところに−てをそをさむる


00999
未入力 (xxx)

名もしるき山ほとときすいつのまに里なれそむる五月きぬらん

なもしるき−やまほとときす−いつのまに−さとなれそむる−さつききぬらむ


01000
未入力 (xxx)

すそ野まてあらしの音やたえぬらんもと山かけてうつむしら雪

すそのまて−あらしのおとや−たえぬらむ−もとやまかけて−うつむしらゆき


01001
未入力 (xxx)

なかぬまはさしもまたせて時鳥事そともなく過きぬるやなそ

なかぬまは−さしもまたせて−ほとときす−ことそともなく−すきぬるやなそ


01002
未入力 (xxx)

尋ねこはまたさりけりと人やみむ雪のとちたる草のとさしを

たつねこは−またさりけりと−ひとやみむ−ゆきのとちたる−くさのとさしを


01003
未入力 (xxx)

なかぬまは恨みきつれと郭公つらさわするるこゑきかすなり

なかぬまは−うらみきつれと−ほとときす−つらさわするる−こゑきかすなり


01004
未入力 (xxx)

跡つくる人なきやとのさひしさを雪のためとや思ひなさまし

あとつくる−ひとなきやとの−さひしさを−ゆきのためとや−おもひなさまし


01005
未入力 (xxx)

此里にしたひきにけり時鳥道になきつるこゑのよわらぬ

このさとに−したひきにけり−ほとときす−みちになきつる−こゑのよわらぬ


01006
未入力 (xxx)

さらに又誰跡つけん降る雪にたえとたえにし岩のふる道

さらにまた−たれあとつけむ−ふるゆきに−たえとたえにし−いはのふるみち


01007
未入力 (xxx)

なれもさはあまのこそとや時鳥宿をさためすなきわたるらん

なれもさは−あまのこそとや−ほとときす−やとをさためす−なきわたるらむ


01008
未入力 (xxx)

きえぬまに折りてもみはや山里の松葉にこほる今朝の白雪

きえぬまに−をりてもみはや−やまさとの−まつはにこほる−けさのしらゆき


01009
未入力 (xxx)

うくひすになくねもかはり名もあらすおやをそむける時鳥かな

うくひすに−なくねもかはり−なもあらす−おやをそむける−ほとときすかな


01010
未入力 (xxx)

しら雪のつもりもはてぬ古郷にむらむらのこる庭の冬草

しらゆきの−つもりもはてぬ−ふるさとに−むらむらのこる−にはのふゆくさ


01011
未入力 (xxx)

またれつる五月となれは時鳥みみのまもなくききわたるかな

またれつる−さつきとなれは−ほとときす−みみのまもなく−ききわたるかな


01012
未入力 (xxx)

庭のうへにのほりて人のとひくるはつもれる雪のたかさなりけり

にはのうへに−のほりてひとの−とひくるは−つもれるゆきの−たかさなりけり


01013
未入力 (xxx)

人とはぬ山のありすのほとときすさてそ友なき鳥と成りけん

ひととはぬ−やまのありすの−ほとときす−さてそともなき−とりとなりけむ


01014
未入力 (xxx)

とふ人のあらはや跡をかたみともおもひなされめ庭のしら雪

とふひとの−あらはやあとを−かたみとも−おもひなされめ−にはのしらゆき


01015
未入力 (xxx)

けふよりも降りはしめぬる五月雨の今いつまてか晴間なからん

けふよりも−ふりはしめぬる−さみたれの−いまいつまてか−はれまなからむ


01016
未入力 (xxx)

ふみならす道も跡なく絶えはてて雪ふりとつるみ山へのさと

ふみならす−みちもあとなく−たえはてて−ゆきふりとつる−みやまへのさと


01017
未入力 (xxx)

さみたれの日数ふる野のさはへなる蘆のかれはに浪やこすらん

さみたれの−ひかすふるのの−さはへなる−あしのかれはに−なみやこすらむ


01018
未入力 (xxx)

吹きあらすみやまおろしはつらけれと雪をそかこふ谷の柴かき

ふきあらす−みやまおろしは−つらけれと−ゆきをそかこふ−たにのしはかき


01019
未入力 (xxx)

さみたれの心のやみにまよふかな露おきまさるなてしこの花

さみたれの−こころのやみに−まよふかな−つゆおきまさる−なてしこのはな


01020
未入力 (xxx)

つもり行く雪の底なる浅茅原もとより庭の跡はたえにき

つもりゆく−ゆきのそこなる−あさちはら−もとよりにはの−あとはたえにき


01021
未入力 (xxx)

あまの原雲まもしらぬ五月雨に野沢の草を越ゆる白浪

あまのはら−くもまもしらぬ−さみたれに−のさはのくさを−こゆるしらなみ


01022
未入力 (xxx)

雪とけの軒の玉水暮れゆけは又こほるらし音そたえぬる

ゆきとけの−のきのたまみつ−くれゆけは−またこほるらし−おとそたえぬる


01023
未入力 (xxx)

五月雨にせきいれぬ水もなかれきぬ身をうき草と成りやしなまし

さみたれに−せきいれぬみつも−なかれきぬ−みをうきくさと−なりやしなまし


01024
未入力 (xxx)

散りのこる木のはなけれは神無月はては物うくふる時雨かな

ちりのこる−このはなけれは−かみなつき−はてはものうく−ふるしくれかな


01025
未入力 (xxx)

あまたにも袖にはかけぬあた浪やたかしの浜の五月雨の比

あまたにも−そてにはかけぬ−あたなみや−たかしのはまの−さみたれのころ


01026
未入力 (xxx)

とりあへぬみかさの森の神無月たのむかけなくもる時雨かな

とりあへぬ−みかさのもりの−かみなつき−たのむかけなく−もるしくれかな


01027
未入力 (xxx)

さみたれに伊勢のあま人いとま有りていくかもしほの煙たゆらん

さみたれに−いせのあまひと−いとまありて−いくかもしほの−けふりたゆらむ


01028
未入力 (xxx)

ふりすさむ時雨もあるを木のはにてさらにちるらめ音のたえせぬ

ふりすさむ−しくれもあるを−このはにて−さらにちるらめ−おとのたえせぬ


01029
未入力 (xxx)

かりてほす浦のみるめやなかるらんいそへわたりの五月雨のころ

かりてほす−うらのみるめや−なかるらむ−いそへわたりの−さみたれのころ


01030
未入力 (xxx)

雲かかるやまへをみれは神無月うき身のほとにふる時雨かな

くもかかる−やまへをみれは−かみなつき−うきみのほとに−ふるしくれかな


01031
未入力 (xxx)

日をふれとぬれてそほさぬあま衣田蓑の島の五月雨のころ

ひをふれと−ぬれてそほさぬ−あまころも−たみののしまの−さみたれのころ


01032
未入力 (xxx)

誰を又こふともしらぬ空なれと常にしくるる神無月かな

たれをまた−こふともしらぬ−そらなれと−つねにしくるる−かみなつきかな


01033
未入力 (xxx)

さみたれをなにうら人のいとふらんいつもぬれてそしほはくむなる

さみたれを−なにうらひとの−いとふらむ−いつもぬれてそ−しほはくむなる


01034
未入力 (xxx)

木すゑにて猶そ染めまし夕時雨もろ友にふる木のはならすは

こすゑにて−なほそそめまし−ゆふしくれ−もろともにふる−このはならすは


01035
未入力 (xxx)

難波舟湾をはやみこきわひぬみつの堀江の五月雨の比

なにはふね−□□□をはやみ−こきわひぬ−みつのほりえの−さみたれのころ


01036
未入力 (xxx)

時雨さへ涙にたくふ神無月かたかた袖をほすひまそなき

しくれさへ−なみたにたくふ−かみなつき−かたかたそてを−ほすひまそなき


01037
未入力 (xxx)

いかにせむうきには空をみしものをくもりはてぬる五月雨の比

いかにせむ−うきにはそらを−みしものを−くもりはてぬる−さみたれのころ


01038
未入力 (xxx)

冬の夜のねさめの里のむら時雨いくたひはかり袖ぬらすらん

ふゆのよの−ねさめのさとの−むらしくれ−いくたひはかり−そてぬらすらむ


01039
未入力 (xxx)

さみたれの空にみちたる夕にははなれてみゆる浮雲そなき

さみたれの−そらにみちたる−ゆふへには−はなれてみゆる−うきくもそなき


01040
未入力 (xxx)

いととしく涙もよほす暁にあはれをそへて降る時雨かな

いととしく−なみたもよほす−あかつきに−あはれをそへて−ふるしくれかな


01041
未入力 (xxx)

かきくもり晴れせぬころはつれつれとなかめてそふる五月雨の空

かきくもり−はれせぬころは−つれつれと−なかめてそふる−さみたれのそら


01042
未入力 (xxx)

むかしおもふ袖の涙にくらふれは時雨れさりける神無月かな

むかしおもふ−そてのなみたに−くらふれは−しくれさりける−かみなつきかな


01043
未入力 (xxx)

さみたれに忍ひかねてや木かくれの滝つ山水音まさるらん

さみたれに−しのひかねてや−こかくれの−たきつやまみつ−おとまさるらむ


01044
未入力 (xxx)

たえたえに過くる時雨のあはれをもおなしねさめに誰しのふらん

たえたえに−すくるしくれの−あはれをも−おなしねさめに−たれしのふらむ


01045
未入力 (xxx)

はれまなき五月の空をなかめつつおほかる雨の音をきくかな

はれまなき−さつきのそらを−なかめつつ−おほかるあめの−おとをきくかな


01046
未入力 (xxx)

晴れくもる心さためぬ時雨たにねさめの空をわすれさりけり

はれくもる−こころさためぬ−しくれたに−ねさめのそらを−わすれさりけり


01047
未入力 (xxx)

さみたれにやすのはつせののほりやな河なみたかしおちやしぬらん

さみたれに−やすのはつせの−のほりやな−かはなみたかし−おちやしぬらむ


01048
未入力 (xxx)

みれはまつそひて涙そかきくらす時雨れかちなる空の気色に

みれはまつ−そひてなみたそ−かきくらす−しくれかちなる−そらのけしきに


01049
未入力 (xxx)

初瀬河ゐてこす浪の音そへていつくせならん五月雨の比

はつせかは−ゐてこすなみの−おとそへて−いつくせならむ−さみたれのころ


01050
未入力 (xxx)

きくからに夜はのねさめの露けきは時雨や袖を隔てさるらん

きくからに−よはのねさめの−つゆけきは−しくれやそてを−へたてさるらむ


01051
未入力 (xxx)

さみたれのせきりの浪のわき返りさののなかかは水まさるなり

さみたれの−せきりのなみの−わきかへり−さののなかかは−みつまさるなり


01052
未入力 (xxx)

しくるれとあをはやかはる水鳥のをしほの山の嶺の松か枝

しくるれと−あをはやかはる−みつとりの−をしほのやまの−みねのまつかえ


01053
未入力 (xxx)

さしのほるたかせのよとのいたつらにかよふ人なきさみたれのころ

さしのほる−たかせのよとの−いたつらに−かよふひとなき−さみたれのころ


01054
未入力 (xxx)

時雨れこんほともちかしやむかひなるかた岡山にかかる浮雲

しくれこむ−ほともちかしや−むかひなる−かたをかやまに−かかるうきくも


01055
未入力 (xxx)

谷川のみかさくらへのおちあひのかた浅ならぬ五月雨のころ

たにかはの−みかさくらへの−おちあひの−かたあさならぬ−さみたれのころ


01056
未入力 (xxx)

初時雨くもりもあへぬ朝よりそこはかとなくぬるる袖かな

はつしくれ−くもりもあへぬ−あしたより−そこはかとなく−ぬるるそてかな


01057
未入力 (xxx)

岩つたひわたる瀬たえて五月雨のときはふちなる山陰の水

いはつたひ−わたるせたえて−さみたれの−ときはふちなる−やまかけのみつ


01058
未入力 (xxx)

身をしれは袖にたえせぬ時雨かなよもの山辺はふりみふらすみ

みをしれは−そてにたえせぬ−しくれかな−よものやまへは−ふりみふらすみ


01059
未入力 (xxx)

山本も庭は海なるさみたれに河辺の里をおもひこそやれ

やまもとも−にははうみなる−さみたれに−かはへのさとを−おもひこそやれ


01060
未入力 (xxx)

晴れくもりいくたひ空のかはるらんふりみふらすみ時雨するころ

はれくもり−いくたひそらの−かはるらむ−ふりみふらすみ−しくれするころ


01061
未入力 (xxx)

いく度か淵瀬はかはる飛鳥河はや五月雨の日数ふりつつ

いくたひか−ふちせはかはる−あすかかは−はやさみたれの−ひかすふりつつ


01062
未入力 (xxx)

山風に空行く雲の立ちわかれこなたかなたにふる時雨かな

やまかせに−そらゆくくもの−たちわかれ−こなたかなたに−ふるしくれかな


01063
未入力 (xxx)

やみぬとて出つるもふかき雲なれは後さへくらし五月雨の空

やみぬとて−いつるもふかき−くもなれは−のちさへくらし−さみたれのそら


01064
未入力 (xxx)

まきもくの桧原か末や時雨るらんゆつきかたけに雲帰るなり

まきもくの−ひはらかすゑや−しくるらむ−ゆつきかたけに−くもかへるなり


01065
未入力 (xxx)

降りつつく日数もさすか限あれは晴まになりぬ五月雨の空

ふりつつく−ひかすもさすか−かきりあれは−はれまになりぬ−さみたれのそら


01066
未入力 (xxx)

此里は雲の晴まに成りにけり今しくるるやいつくなるらん

このさとは−くものはれまに−なりにけり−いましくるるや−いつくなるらむ


01067
未入力 (xxx)

淵は瀬に又や成りなんあすか河けふより晴れぬ五月雨の空

ふちはせに−またやなりなむ−あすかかは−けふよりはれぬ−さみたれのそら


01068
未入力 (xxx)

むは玉のよるに契を結ひてやくるれは霜のおきまよふらん

うはたまの−よるにちきりを−むすひてや−くるれはしもの−おきまよふらむ


01069
未入力 (xxx)

水まさる程かとみえて河辺には日なみそつつく五月雨の比

みつまさる−ほとかとみえて−かはへには−ひなみそつつく−さみたれのころ


01070
未入力 (xxx)

よそにきく我か袖さむし暁の霜にたつなる鴫の羽かき

よそにきく−わかそてさむし−あかつきの−しもにたつなる−しきのはねかき


01071
未入力 (xxx)

花さかぬ夏はみとりの葉のみしてまれなる色のあふち陰かな

はなさかぬ−なつはみとりの−はのみして−まれなるいろの−あふちかけかな


01072
未入力 (xxx)

あさ明の窓の呉竹うちなひき霜のさ枝に風わたるなり

あさあけの−まとのくれたけ−うちなひき−しものさえたに−かせわたるなり


01073
未入力 (xxx)

あすもこむ木陰すすしきかた岡にさけるあふちの花散りぬとも

あすもこむ−こかけすすしき−かたをかに−さけるあふちの−はなちりぬとも


01074
未入力 (xxx)

朝日さす籬の霜のかつきえて竹のかれ葉はもろく成りつつ

あさひさす−まかきのしもの−かつきえて−たけのかれはは−もろくなりつつ


01075
未入力 (xxx)

かくれぬの底を尋ねむあやめ草独しられぬねもやのこると

かくれぬの−そこをたつねむ−あやめくさ−ひとりしられぬ−ねもやのこると


01076
未入力 (xxx)

おきつかせさむく吹きこすしほの山さしての磯に千鳥なくなり

おきつかせ−さむくふきこす−しほのやま−さしてのいそに−ちとりなくなり


01077
未入力 (xxx)

みこもりにねさしつもれるあやめ草いつれの世にか人にひかれし

みこもりに−ねさしつもれる−あやめくさ−いつれのよにか−ひとにひかれし


01078
未入力 (xxx)

我か身かくうきつの浦のさ夜千鳥あくかれいててねをもなくかな

わかみかく−うきつのうらの−さよちとり−あくかれいてて−ねをもなくかな


01079
未入力 (xxx)

契りけるころは五月のあやめ草ひくてあまたのねこそとまらね

ちきりける−ころはさつきの−あやめくさ−ひくてあまたの−ねこそとまらね


01080
未入力 (xxx)

うきめのみみえわたれはや浜千鳥おもひありそのうらになくらん

うきめのみ−みえわたれはや−はまちとり−おもひありその−うらになくらむ


01081
未入力 (xxx)

うきにおふる沼のあやめのなそもかくみくつにましるねをととめけん

うきにおふる−ぬまのあやめの−なそもかく−みくつにましる−ねをととめけむ


01082
未入力 (xxx)

うき枕我かひとりねの友千鳥こととふ夜はのこゑそ身にしむ

うきまくら−わかひとりねの−ともちとり−こととふよはの−こゑそみにしむ


01083
未入力 (xxx)

沼ことにひけともたえぬあやめ草いかなる日よりなかれそめけん

ぬまことに−ひけともたえぬ−あやめくさ−いかなるひより−なかれそめけむ


01084
未入力 (xxx)

ふくる夜にねさめてさけはさほわたり我か家ちかくなく千鳥かな

ふくるよに−ねさめてさけは−さほわたり−わかいへちかく−なくちとりかな


01085
未入力 (xxx)

契こそ一夜なれともあやめ草なるるにほひそ袖にとまれる

ちきりこそ−ひとよなれとも−あやめくさ−なるるにほひそ−そてにとまれる


01086
未入力 (xxx)

霜さえてみきはやこほるよくたちのそかのかはらに千鳥しはなく

しもさえて−みきはやこほる−よくたちの−そかのかはらに−ちとりしはなく


01087
未入力 (xxx)

ふかきえにおりたつよりそあやめ草またねもかけぬ袖はぬれける

ふかきえに−おりたつよりそ−あやめくさ−またねもかけぬ−そてはぬれける


01088
未入力 (xxx)

なく千鳥我さへかなししらすけのおふの河風さむくふく夜に

なくちとり−われさへかなし−しらすけの−おふのかはかせ−さむくふくよに


01089
未入力 (xxx)

あやめ草袖に玉ぬくけふも猶なみたの露はかけぬものかは

あやめくさ−そてにたまぬく−けふもなほ−なみたのつゆは−かけぬものかは


01090
未入力 (xxx)

この夜はや明かたならしいをもねす物おもひをれは千鳥なくなり

このよはや−あけかたならし−いをもねす−ものおもひをれは−ちとりなくなり


01091
未入力 (xxx)

あやめ草かりはらひたる池水をけふみかくてふ鏡とやみん

あやめくさ−かりはらひたる−いけみつを−けふみかくてふ−かかみとやみむ


01092
未入力 (xxx)

待つ人もこぬみのはまの友千鳥誰をたのめと浦つたふらん

まつひとも−こぬみのはまの−ともちとり−たれをたのめと−うらつたふらむ


01093
未入力 (xxx)

みしか夜の枕といまもむすへるはねを離れたるあやめなりけり

みしかよの−まくらといまも−むすへるは−ねをはなれたる−あやめなりけり


01094
未入力 (xxx)

あみの浦あさひくしほのむすへるにめにもかからす行く千鳥かな

あみのうら−あさひくしほの−むすへるに−めにもかからす−ゆくちとりかな


01095
未入力 (xxx)

むかしよりなかきためしと五月きていつかあやめをふかぬやとある

むかしより−なかきためしと−さつききて−いつかあやめを−ふかぬやとある


01096
未入力 (xxx)

冬の夜のね覚にきけは難波かた浪のさわきに千鳥なくなり

ふゆのよの−ねさめにきけは−なにはかた−なみのさわきに−ちとりなくなり


01097
未入力 (xxx)

むかしおもふ袖にをりける橘やなみたの川の浮木なるらん

むかしおもふ−そてにをりける−たちはなや−なみたのかはの−うききなるらむ


01098
未入力 (xxx)

夕されは浪うつきしになく千鳥ねにあらはれて妻やこふらん

ゆふされは−なみうつきしに−なくちとり−ねにあらはれて−つまやこふらむ


01099
未入力 (xxx)

むかしたれ花たちはなに袖ふれてなかきかたみの名をととむらん

むかしたれ−はなたちはなに−そてふれて−なかきかたみの−なをととむらむ


01100
未入力 (xxx)

おのかすむおきのしらすにしほやみつなきさにかへる友千鳥かな

おのかすむ−おきのしらすに−しほやみつ−なきさにかへる−ともちとりかな


01101
未入力 (xxx)

しのへとやむかしおほえて袖の香に風のにほはす軒の橘

しのへとや−むかしおほえて−そてのかに−かせのにほはす−のきのたちはな


01102
未入力 (xxx)

霜かれのを花波よる風にさへ野島かさきをたつ千鳥かな

しもかれの−をはななみよる−かせにさへ−のしまかさきを−たつちとりかな


01103
未入力 (xxx)

むかしたか袖をふれけんあはれなる香にこそにほへ宿の橘

むかしたか−そてをふれけむ−あはれなる−かにこそにほへ−やとのたちはな


01104
未入力 (xxx)

ありま山嶺のあらしに月さえてゐなのかはらに千鳥なくなり

ありまやま−みねのあらしに−つきさえて−ゐなのかはらに−ちとりなくなり


01105
未入力 (xxx)

橘の花物いはは袖ふれしむかしの人のうへやとはまし

たちはなの−はなものいはは−そてふれし−むかしのひとの−うへやとはまし


01106
未入力 (xxx)

おのかすむかた田の千鳥いつち又めくりあふみの浦つたふらん

おのかすむ−かたたのちとり−いつちまた−めくりあふみの−うらつたふらむ


01107
未入力 (xxx)

誰か袖とわきてしらねと橘のにほふあたりはなつかしきかな

たかそてと−わきてしらねと−たちはなの−にほふあたりは−なつかしきかな


01108
未入力 (xxx)

松にふく浦風さむみさ夜ふけてわたの入江に千鳥なくなり

まつにふく−うらかせさむみ−さよふけて−わたのいりえに−ちとりなくなり


01109
未入力 (xxx)

おそくきてくやしといはん人のため香をたにのこせ軒の橘

おそくきて−くやしといはむ−ひとのため−かをたにのこせ−のきのたちはな


01110
未入力 (xxx)

おもひかねくる人もなき河風を身にしめてなくさ夜千鳥かな

おもひかね−くるひともなき−かはかせを−みにしめてなく−さよちとりかな


01111
未入力 (xxx)

風にちる花たちはなを袖にうけは香をかくはしみ人やとかめん

かせにちる−はなたちはなを−そてにうけは−かをかくはしみ−ひとやとかめむ


01112
未入力 (xxx)

うなはらやしほみちくれはゐまち月あけのとわたる千鳥なくなり

うなはらや−しほみちくれは−ゐまちつき−あけのとわたる−ちとりなくなり


01113
未入力 (xxx)

橘の花の枝よりもる月はむかしをしれる影にやあるらん

たちはなの−はなのえたより−もるつきは−むかしをしれる−かけにやあるらむ


01114
未入力 (xxx)

あしの葉も霜かれはててつの国のなにはの里やすみあらすらん

あしのはも−しもかれはてて−つのくにの−なにはのさとや−すみあらすらむ


01115
未入力 (xxx)

たちはなはにほひやむかしなかりけんさなから人の袖のかなれは

たちはなは−にほひやむかし−なかりけむ−さなからひとの−そてのかなれは


01116
未入力 (xxx)

花の色むしのこゑこゑ野へことにみしもききしもなきかかなしさ

はなのいろ−むしのこゑこゑ−のへことに−みしもききしも−なきかかなしさ


01117
未入力 (xxx)

月をさへなにへたつらむ夏の池の水のあをきとなれるうき草

つきをさへ−なにへたつらむ−なつのいけの−みつのあをきと−なれるうきくさ


01118
未入力 (xxx)

月すめは芳野の滝のはやき瀬もこほらてこほる水の白浪

つきすめは−よしののたきの−はやきせも−こほらてこほる−みつのしらなみ


01119
未入力 (xxx)

春秋の色をかへたるあはれにもまさりてすめる夏のよの月

はるあきの−いろをかへたる−あはれにも−まさりてすめる−なつのよのつき


01120
未入力 (xxx)

一しきり時雨れてわたる浮雲にちかひてのこる冬のよの月

ひとしきり−しくれてわたる−うきくもに−ちかひてのこる−ふゆのよのつき


01121
未入力 (xxx)

あけやすき恨にそへていとと又木かくれおほき夏の夜の月

あけやすき−うらみにそへて−いととまた−こかくれおほき−なつのよのつき


01122
未入力 (xxx)

うき雲は猶しくれたる空なからかつかつはるる冬の夜の月

うきくもは−なほしくれたる−そらなから−かつかつはるる−ふゆのよのつき


01123
未入力 (xxx)

夏の夜の空こそあらめをしめとものこらぬ月の影そつれなき

なつのよの−そらこそあらめ−をしめとも−のこらぬつきの−かけそつれなき


01124
未入力 (xxx)

神無月しくるる空の月みれは誰もあはれにぬるる袖かな

かみなつき−しくるるそらの−つきみれは−たれもあはれに−ぬるるそてかな


01125
未入力 (xxx)

月のすむいた井のし水せきとめて心にうかふ秋のおも影

つきのすむ−いたゐのしみつ−せきとめて−こころにうかふ−あきのおもかけ


01126
未入力 (xxx)

終夜こほるをいとと光にて水なき水にやとる月かけ

よもすから−こほるをいとと−ひかりにて−みつなきみつに−やとるつきかけ


01127
未入力 (xxx)

月は猶心を知りてやとるかないた井のし水むすひてもみん

つきはなほ−こころをしりて−やとるかな−いたゐのしみつ−むすひてもみむ


01128
未入力 (xxx)

滝河や氷くたくる浪の上にぬれてさえたる冬のよの月

たきかはや−こほりくたくる−なみのうへに−ぬれてさえたる−ふゆのよのつき


01129
未入力 (xxx)

すすみする井ての玉水名におひて手にくまるるは夜はの月かな

すすみする−ゐてのたまみつ−なにおひて−てにくまるるは−よはのつきかな


01130
未入力 (xxx)

氷もてふきあはせたるいたまかとみれはさやけき冬のよの月

こほりもて−ふきあはせたる−いたまかと−みれはさやけき−ふゆのよのつき


01131
未入力 (xxx)

むすふての水にやとれは夏の夜の月のかつらもとられけるものを

むすふての−みつにやとれは−なつのよの−つきのかつらも−とられけるものを


01132
未入力 (xxx)

ひさかたの月のかつらの冬かれにのこるくまなき影のさむけさ

ひさかたの−つきのかつらの−ふゆかれに−のこるくまなき−かけのさむけさ


01133
未入力 (xxx)

待出てても程こそなけれ夏の夜のよひなからみる有明の月

まちいてても−ほとこそなけれ−なつのよの−よひなからみる−ありあけのつき


01134
未入力 (xxx)

独かくねてみるらめや冬の夜の有明かたの山のはの月

ひとりかく−ねてみるらめや−ふゆのよの−ありあけかたの−やまのはのつき


01135
未入力 (xxx)

みるほとのあらはやあかぬつらさとも恨みたにせめ夏の夜の月

みるほとの−あらはやあかぬ−つらさとも−うらみたにせめ−なつのよのつき


01136
未入力 (xxx)

晴れくもり袖にたまらぬ光かなあられにましる冬のよの月

はれくもり−そてにたまらぬ−ひかりかな−あられにましる−ふゆのよのつき


01137
未入力 (xxx)

あまのともさすかなりけり夏のよのみしかといへと月をやはみぬ

あまのとも−さすかなりけり−なつのよの−みしかといへと−つきをやはみぬ


01138
未入力 (xxx)

類なく風ひやかなる冬の夜の月はしはしもいかかなかめむ

たくひなく−かせひやかなる−ふゆのよの−つきはしはしも−いかかなかめむ


01139
未入力 (xxx)

夏の夜のふす程もなき床のうへに物思はてや月をみるらん

なつのよの−ふすほともなき−とこのうへに−ものおもはてや−つきをみるらむ


01140
未入力 (xxx)

いましもそ影はそひける降りすさむ雪雲はるる冬のよの月

いましもそ−かけはそひける−ふりすさむ−ゆきくもはるる−ふゆのよのつき


01141
未入力 (xxx)

夏の夜のほとなくあくる月かけにやこゑを鳥やなきのこすらん

なつのよの−ほとなくあくる−つきかけに−やこゑをとりや−なきのこすらむ


01142
未入力 (xxx)

神無月しくるるよはもむら雲のたえまは月の影そさやけき

かみなつき−しくるるよはも−むらくもの−たえまはつきの−かけそさやけき


01143
未入力 (xxx)

月影のいるともみえて夏の夜はあまのとなから明けにけるかな

つきかけの−いるともみえて−なつのよは−あまのとなから−あけにけるかな


01144
未入力 (xxx)

今夜われ独ねぬへき心ちとはよもかくさむき月はなかめし

こよひわれ−ひとりねぬへき−ここちとは−よもかくさむき−つきはなかめし


01145
未入力 (xxx)

なかしとてあるたにあるを月影の夏の夜わたる程はいかにそ

なかしとて−あるたにあるを−つきかけの−なつのよわたる−ほとはいかにそ


01146
未入力 (xxx)

心なくをりたく柴のいほりには人のやつせる月やすむらむ

こころなく−をりたくしはの−いほりには−ひとのやつせる−つきやすむらむ


01147
未入力 (xxx)

いまも又降りきにけらし此里はよきぬとみつる夕たちの雨

いまもまた−ふりきにけらし−このさとは−よきぬとみつる−ゆふたちのあめ


01148
未入力 (xxx)

さらはたたかきくもれかしなかなかにしくるとならは冬の夜の月

さらはたた−かきくもれかし−なかなかに−しくるとならは−ふゆのよのつき


01149
未入力 (xxx)

夕立の軒端すき行くよこ雨にこすのまみれは露そかかれる

ゆふたちの−のきはすきゆく−よこあめに−こすのまみれは−つゆそかかれる


01150
未入力 (xxx)

冬さむみ霜もこほりもむすふよに独みたれてふる霰かな

ふゆさむみ−しももこほりも−むすふよに−ひとりみたれて−ふるあられかな


01151
未入力 (xxx)

かつらきやゆふたちすらしあすか河瀬瀬のうきあわ数まさり行く

かつらきや−ゆふたちすらし−あすかかは−せせのうきあわ−かすまさりゆく


01152
未入力 (xxx)

はかなくもひろへはきゆる玉ささのうへにみたれてふる霰かな

はかなくも−ひろへはきゆる−たまささの−うへにみたれて−ふるあられかな


01153
未入力 (xxx)

やかてこそかきくもりぬれ夕立のとをちの空となかめつるまに

やかてこそ−かきくもりぬれ−ゆふたちの−とをちのそらと−なかめつるまに


01154
未入力 (xxx)

そともなるならの枯葉を吹く風のさやくときけは霰ふるなり

そともなる−ならのかれはを−ふくかせの−さやくときけは−あられふるなり


01155
未入力 (xxx)

めくりきて此里ちかくなる神の音もはけしき夕立の雨

めくりきて−このさとちかく−なるかみの−おともはけしき−ゆふたちのあめ


01156
未入力 (xxx)

ぬきとむる物とはなしに玉のをのあひたもおかすふる霰かな

ぬきとむる−ものとはなしに−たまのをの−あひたもおかす−ふるあられかな


01157
未入力 (xxx)

風わたるそはの杉むら露おちてたかねにはるる夕立の雲

かせわたる−そはのすきむら−つゆおちて−たかねにはるる−ゆふたちのくも


01158
未入力 (xxx)

さらてたにねさめは風のはけしきに霰みたれてさゆる夜はかな

さらてたに−ねさめはかせの−はけしきに−あられみたれて−さゆるよはかな


01159
未入力 (xxx)

雨のあしのとまりもあへす此里にはしり過きぬる夕立の雲

あめのあしの−とまりもあへす−このさとに−はしりすきぬる−ゆふたちのくも


01160
未入力 (xxx)

降りおける秋の木の葉は朽ちはてて冬の林にあられおつなり

ふりおける−あきのこのはは−くちはてて−ふゆのはやしに−あられおつなり


01161
未入力 (xxx)

雲は猶とをちの里にさわくめり風こそさきに夕立の空

くもはなほ−とをちのさとに−さわくめり−かせこそさきに−ゆふたちのそら


01162
未入力 (xxx)

はし鷹のうは毛ふきたて吹く風にかりちの原は霰ふるなり

はしたかの−うはけふきたて−ふくかせに−かりちのはらは−あられふるなり


01163
未入力 (xxx)

ゆふたちの雲のたよりに吹きそめて又しもあらき風の音かな

ゆふたちの−くものたよりに−ふきそめて−またしもあらき−かせのおとかな


01164
未入力 (xxx)

霰ちるなこのはまへのまさこちにいつれをもとの玉とひろはん

あられちる−なこのはまへの−まさこちに−いつれをもとの−たまとひろはむ


01165
未入力 (xxx)

晩立の山の端過くるうき雲におひ風はやき雨の音かな

ゆふたちの−やまのはすくる−うきくもに−おひかせはやき−あめのおとかな


01166
未入力 (xxx)

まとろまは夢もみてましうちはへて永き夜一よふる霰かな

まとろまは−ゆめもみてまし−うちはへて−なかきよひとよ−ふるあられかな


01167
未入力 (xxx)

夕立の雨吹過くるやまかせによりあひとほく雲そわかるる

ゆふたちの−あめふきすくる−やまかせに−よりあひとほく−くもそわかるる


01168
未入力 (xxx)

限なくさゆる夜はかな霜こほる浅茅かうへに霰降るなり

かきりなく−さゆるよはかな−しもこほる−あさちかうへに−あられふるなり


01169
未入力 (xxx)

夕立の空はなこりもみえねとも庭の草葉の露そひまなき

ゆふたちの−そらはなこりも−みえねとも−にはのくさはの−つゆそひまなき


01170
未入力 (xxx)

妙野にはをのへの嵐音さえてささの葉そよき霰ふるなり

たへのには−をのへのあらし−おとさえて−ささのはそよき−あられふるなり


01171
未入力 (xxx)

しら露の玉はおつともふるさとのかきねなてしこしほれさらなん

しらつゆの−たまはおつとも−ふるさとの−かきねなてしこ−しほれさらなむ


01172
未入力 (xxx)

やすくやは夢もむすはん袖さえてねられぬ閨に霰ふるよは

やすくやは−ゆめもむすはむ−そてさえて−ねられぬねやに−あられふるよは


01173
未入力 (xxx)

日数へてちれはかつさく常夏の花はさかりそひさしかりける

ひかすへて−ちれはかつさく−とこなつの−はなはさかりそ−ひさしかりける


01174
未入力 (xxx)

ねさめする枕のうへにきこゆなりまきのいたやに霰ふる音

ねさめする−まくらのうへに−きこゆなり−まきのいたやに−あられふるおと


01175
未入力 (xxx)

色ふかくおもひそめてしなてしこのそのはなつまは今もあかれす

いろふかく−おもひそめてし−なてしこの−そのはなつまは−いまもあかれす


01176
未入力 (xxx)

いたくけに更にさえたる夕かな山風さむみあられみたれて

いたくけに−さらにさえたる−ゆふへかな−やまかせさむみ−あられみたれて


01177
未入力 (xxx)

うゑし時ひさしかれとやをしへけんあたにはちらぬなてしこの花

うゑしとき−ひさしかれとや−をしへけむ−あたにはちらぬ−なてしこのはな


01178
未入力 (xxx)

けふまてはたへてすむ身もいかならん草のとさしの人めかれなは

けふまては−たへてすむみも−いかならむ−くさのとさしの−ひとめかれなは


01179
未入力 (xxx)

見にとくる人もあらなんさきしより日ことにまさるとこなつの花

みにとくる−ひともあらなむ−さきしより−ひことにまさる−とこなつのはな


01180
未入力 (xxx)

あまつ星くたらぬ今も霜おけは冬はかれ野の原とこそなれ

あまつほし−くたらぬいまも−しもおけは−ふゆはかれのの−はらとこそなれ


01181
未入力 (xxx)

朝露もわきてそむすふ独ぬる我とこなつの花ならねとも

あさつゆも−わきてそむすふ−ひとりぬる−わかとこなつの−はなならねとも


01182
未入力 (xxx)

さひしさをおもひこそやれ難波かたあしのまろ屋の冬の曙

さひしさを−おもひこそやれ−なにはかた−あしのまろやの−ふゆのあけほの


01183
未入力 (xxx)

誰かためにたをりてゆかむなてしこはとみのをかへに今さかりなり

たかために−たをりてゆかむ−なてしこは−とみのをかへに−いまさかりなり


01184
未入力 (xxx)

山風のさむくしなれはまたちらぬ梢もなへて枯葉なりけり

やまかせの−さむくしなれは−またちらぬ−こすゑもなへて−かれはなりけり


01185
未入力 (xxx)

夕立の露おきわたすませのうちに乱れてさけるやまとなてしこ

ゆふたちの−つゆおきわたす−ませのうちに−みたれてさける−やまとなてしこ


01186
未入力 (xxx)

山かつのいほはあらはに霜かれて心はかりや冬こもるらむ

やまかつの−いほはあらはに−しもかれて−こころはかりや−ふゆこもるらむ


01187
未入力 (xxx)

すみかまはたく人あらしをの山の夏の煙ややとのかやり火

すみかまは−たくひとあらし−をのやまの−なつのけふりや−やとのかやりひ


01188
未入力 (xxx)

たえすたつ煙のほとはをの人の炭やききぬのすすけにそみる

たえすたつ−けふりのほとは−をのひとの−すみやききぬの−すすけにそみる


01189
未入力 (xxx)

心なきしつかいほりのかやり火もおもひ有りとはみえぬものかは

こころなき−しつかいほりの−かやりひも−おもひありとは−みえぬものかは


01190
未入力 (xxx)

今ははやをのの山なるすみかまの煙けふたきころもきにけり

いまははや−をののやまなる−すみかまの−けふりけふたき−ころもきにけり


01191
未入力 (xxx)

里のあまのいつもたくもの煙さへ猶かやり火のなにやたつらん

さとのあまの−いつもたくもの−けふりさへ−なほかやりひの−なにやたつらむ


01192
未入力 (xxx)

冬こもるをのの山人おのれのみいつかすみやく煙たつらん

ふゆこもる−をののやまひと−おのれのみ−いつかすみやく−けふりたつらむ


01193
未入力 (xxx)

なつむしのおもひはよそにこかれつつ煙をたつるよはの蚊遣火

なつむしの−おもひはよそに−こかれつつ−けふりをたつる−よはのかやりひ


01194
未入力 (xxx)

なけきのみこりやつむらん山人のをのの炭やく煙くらへに

なけきのみ−こりやつむらむ−やまひとの−をののすみやく−けふりくらへに


01195
未入力 (xxx)

したくくる夏野のし水ゆくかともなきは我か身のおもひなりけり

したくくる−なつののしみつ−ゆくかとも−なきはわかみの−おもひなりけり


01196
未入力 (xxx)

いかにせむ世にうつみ火のしたにのみ心のおきのやきとやく身を

いかにせむ−よにうつみ火の−したにのみ−こころのおきの−やきとやくみを


01197
未入力 (xxx)

玉ほこの道行人もうちわひててる日いとはぬ衣手そなき

たまほこの−みちゆきひとも−うちわひて−てるひいとはぬ−ころもてそなき


01198
未入力 (xxx)

埋火のおこすともなき冬の夜にねられぬ程のさもそひさしき

うつみひの−おこすともなき−ふゆのよに−ねられぬほとの−さもそひさしき


01199
未入力 (xxx)

あゆつるとけふも暮れぬる玉島の此川上のいはのうへにゐて

あゆつると−けふもくれぬる−たましまの−このかはかみの−いはのうへにゐて


01200
未入力 (xxx)

すみわひぬ煙をたえぬなくさめもしはしはかりそ冬の山さと

すみわひぬ−けふりをたえぬ−なくさめも−しはしはかりそ−ふゆのやまさと


01201
未入力 (xxx)

そまかたを風わたるらし夏山にひはらのそよく音のすすしさ

そまかたを−かせわたるらし−なつやまに−ひはらのそよく−おとのすすしさ


01202
未入力 (xxx)

やま人はいたくなをりそゆつり葉の三井のすみかのあれまくもをし

やまひとは−いたくなをりそ−ゆつりはの−みゐのすみかの−あれまくもをし


01203
未入力 (xxx)

衣手にけふぬきかくる玉のをのなかくもかなやおもふこのため

ころもてに−けふぬきかくる−たまのをの−なかくもかなや−おもふこのため


01204
未入力 (xxx)

今夜こそ常よりことにさえまされ袖なる涙こほるはかりに

こよひこそ−つねよりことに−さえまされ−そてなるなみた−こほるはかりに


01205
未入力 (xxx)

みな月に成りぬとみえておほ空のあやしき嶺の雲の色かな

みなつきに−なりぬとみえて−おほそらの−あやしきみねの−くものいろかな


01206
未入力 (xxx)

あれくらす浪の音のみたかしまやみをの中山ふふきすらしも

あれくらす−なみのおとのみ−たかしまや−みをのなかやま−ふふきすらしも


01207
未入力 (xxx)

時わかぬ涙は袖の雨なるを五月はかりとおもひけるかな

ときわかぬ−なみたはそての−あめなるを−さつきはかりと−おもひけるかな


01208
未入力 (xxx)

しほ風やさむく吹くらしむこの浦の入江のす鳥立ちさわくなり

しほかせや−さむくふくらし−むこのうらの−いりえのすとり−たちさわくなり


01209
未入力 (xxx)

とやまいるゆすゑもみえすくらき夜を知りてや鹿のひきかへるらん

とやまいる−ゆすゑもみえす−くらきよを−しりてやしかの−ひきかへるらむ


01210
未入力 (xxx)

限あれは木の葉時雨も音たえぬいつまてとふる涙なるらむ

かきりあれは−このはしくれも−おとたえぬ−いつまてとふる−なみたなるらむ


01211
未入力 (xxx)

ともしするころにもなれはますらをのいくよ山へに立ちあかすらん

ともしする−ころにもなれは−ますらをの−いくよやまへに−たちあかすらむ


01212
未入力 (xxx)

いはせ野に鳥ふみたてて屋かたをのたかをてにすゑからぬ日はなし

いはせのに−とりふみたてて−やかたをの−たかをてにすゑ−からぬひはなし


01213
未入力 (xxx)

あけぬれはくやしき夏の夜をしらてはかなやいかにたたく水鶏そ

あけぬれは−くやしきなつの−よをしらて−はかなやいかに−たたくくひなそ


01214
未入力 (xxx)

さゆる夜の風もおよはぬそこなれはふかきいた井やこほらさるらし

さゆるよの−かせもおよはぬ−そこなれは−ふかきいたゐや−こほらさるらし


01215
未入力 (xxx)

夏の夜のくひなはなににとへとしも思はぬまきのとをたたくらん

なつのよの−くひなはなにに−とへとしも−おもはぬまきの−とをたたくらむ


01216
未入力 (xxx)

なけきこる人のみしけき山なれは冬はいつくに身をかくさまし

なけきこる−ひとのみしけき−やまなれは−ふゆはいつくに−みをかくさまし


01217
未入力 (xxx)

兼てより草葉におもる白露やまた夜にいらぬ蛍なるらん

かねてより−くさはにおもる−しらつゆや−またよにいらぬ−ほたるなるらむ


01218
未入力 (xxx)

芳野なるなつみの河になくかものうはけはふかく霜やおくらん

よしのなる−なつみのかはに−なくかもの−うはけはふかく−しもやおくらむ


01219
未入力 (xxx)

沢風になれもやなひく夏草のおなしかたにも行く蛍かな

さはかせに−なれもやなひく−なつくさの−おなしかたにも−ゆくほたるかな


01220
未入力 (xxx)

みよし野や山かけに行くなつみ河とこいはこほる鴨そ鳴くなる

みよしのや−やまかけにゆく−なつみかは−とこいはこほる−かもそなくなる


01221
未入力 (xxx)

暮れぬれは鵜河のかかり数そひて光あまたに行くほたるかな

くれぬれは−うかはのかかり−かすそひて−ひかりあまたに−ゆくほたるかな


01222
未入力 (xxx)

いはかねのささわくるをしもあはぬまに身はならはしの浪の手枕

いはかねの−ささわくるをしも−あはぬまに−みはならはしの−なみのたまくら


01223
未入力 (xxx)

舟とめぬみなとの蘆のたえまよりとほすかかりや夜はの夏虫

ふねとめぬ−みなとのあしの−たえまより−とほすかかりや−よはのなつむし


01224
未入力 (xxx)

池水にうかへる鴛のむなそりてさむさ気色もなきかあやしさ

いけみつに−うかへるをしの−むなそりて−さむさけしきも−なきかあやしさ


01225
未入力 (xxx)

水浪のよるならすともしたくらきあしまの蛍かけやみゆらん

みつなみの−よるならすとも−したくらき−あしまのほたる−かけやみゆらむ


01226
未入力 (xxx)

霜ふかきあしへの鴨も白妙のはねさしかへてあかしかぬらし

しもふかき−あしへのかもも−しろたへの−はねさしかへて−あかしかぬらし


01227
未入力 (xxx)

吹く風に草葉もかろく乱れつつきえせぬ露はほたるなりけり

ふくかせに−くさはもかろく−みたれつつ−きえせぬつゆは−ほたるなりけり


01228
未入力 (xxx)

島松の木すゑの鳥とみる程に飛ひこそわたれ浦のかもめは

しままつの−こすゑのとりと−みるほとに−とひこそわたれ−うらのかもめは


01229
未入力 (xxx)

とふほたる光みえゆく夕暮に猶色のこる庭のあちさゐ

とふほたる−ひかりみえゆく−ゆふくれに−なほいろのこる−にはのあちさゐ


01230
未入力 (xxx)

あさほらけはかひの霜をうちはらひいはま堀江に鴨そ鳴くなる

あさほらけ−はかひのしもを−うちはらひ−いはまほりえに−かもそなくなる


01231
未入力 (xxx)

なにことを心にこめて夏虫のねをこそたてねもえあかすらん

なにことを−こころにこめて−なつむしの−ねをこそたてね−もえあかすらむ


01232
未入力 (xxx)

つねよりもさゆる夜はかな水鳥のすむ池水もさそこほるらん

つねよりも−さゆるよはかな−みつとりの−すむいけみつも−さそこほるらむ


01233
未入力 (xxx)

しもつけやしめちか原の草かくれさしもはなにしもゆる蛍そ

しもつけや−しめちかはらの−くさかくれ−さしもはなにし−もゆるほたるそ


01234
未入力 (xxx)

うきかけの身をしはなれぬ水鳥の独ねすとや夜はになくらん

うきかけの−みをしはなれぬ−みつとりの−ひとりねすとや−よはになくらむ


01235
未入力 (xxx)

おもひあるさはへの蛍飛ひちりてむねはしり火と誰にみすらん

おもひある−さはへのほたる−とひちりて−むねはしりひと−たれにみすらむ


01236
未入力 (xxx)

冬の池の氷のうへになくをしはなれしうきねや恋しかるらむ

ふゆのいけの−こほりのうへに−なくをしは−なれしうきねや−こひしかるらむ


01237
未入力 (xxx)

五月やま木のしたやみに飛ふ蛍空にしられぬほしかとそみる

さつきやま−このしたやみに−とふほたる−そらにしられぬ−ほしかとそみる


01238
未入力 (xxx)

いかはかり氷の枕むすふらん常よりことにをしそなくなる

いかはかり−こほりのまくら−むすふらむ−つねよりことに−をしそなくなる


01239
未入力 (xxx)

身にあまるおもひを人にみせむとて袖しの浦にとふほたるかな

みにあまる−おもひをひとに−みせむとて−そてしのうらに−とふほたるかな


01240
未入力 (xxx)

さ夜ふけてなくこゑきこゆ水鳥のうける心になにおもふらん

さよふけて−なくこゑきこゆ−みつとりの−うけるこころに−なにおもふらむ


01241
未入力 (xxx)

あやしくもねをのみしのふ蛍かなもゆとは人にみゆるおもひを

あやしくも−ねをのみしのふ−ほたるかな−もゆとはひとに−みゆるおもひを


01242
未入力 (xxx)

水鳥の浪の枕のうす氷とけてねぬ夜のこゑそきこゆる

みつとりの−なみのまくらの−うすこほり−とけてねぬよの−こゑそきこゆる


01243
未入力 (xxx)

あまのたく蘆火の影か難波かたこやに夜ふけてもゆる蛍は

あまのたく−あしひのかけか−なにはかた−こやによふけて−もゆるほたるは


01244
未入力 (xxx)

おのかつまさそたのむらん河のせに身さへなかれて鴛の鳴くなる

おのかつま−さそたのむらむ−かはのせに−みさへなかれて−をしのなくなる


01245
未入力 (xxx)

年をふる沢の蛍のおもひこそ物わすれせぬ程はみえけれ

としをふる−さはのほたるの−おもひこそ−ものわすれせぬ−ほとはみえけれ


01246
未入力 (xxx)

枕より跡よりこほる冬の夜はうきねの鴨のいかにわふらむ

まくらより−あとよりこほる−ふゆのよは−うきねのかもの−いかにわふらむ


01247
未入力 (xxx)

したもえやくるしかるらんなくこゑもきこえぬ虫のよはの思ひに

したもえや−くるしかるらむ−なくこゑも−きこえぬむしの−よはのおもひに


01248
未入力 (xxx)

をし鳥のあしのかりねもあれにけり沼のし水も氷とちつつ

をしとりの−あしのかりねも−あれにけり−ぬまのしみつも−こほりとちつつ


01249
未入力 (xxx)

煙たつ富士のすそのに飛ふ蛍もゆるおもひを身にや知るらん

けふりたつ−ふしのすそのに−とふほたる−もゆるおもひを−みにやしるらむ


01250
未入力 (xxx)

水鳥のかよふあしまもこほる夜は枕やすむるかたやなからん

みつとりの−かよふあしまも−こほるよは−まくらやすむる−かたやなからむ


01251
未入力 (xxx)

かけろふの夕さりくれは飛ふほたるなれも何ゆゑもゆるおもひそ

かけろふの−ゆふさりくれは−とふほたる−なれもなにゆゑ−もゆるおもひそ


01252
未入力 (xxx)

みそれふるいたまの風に夢さめて今夜はいたく夜こそなかけれ

みそれふる−いたまのかせに−ゆめさめて−こよひはいたく−よこそなかけれ


01253
未入力 (xxx)

すすしさに月もすみけりいは枕今夜そ夏をわすれ井の水

すすしさに−つきもすみけり−いはまくら−こよひそなつを−わすれゐのみつ


01254
未入力 (xxx)

いととしくたえぬとみえてせき河のいはまの水は氷とちつつ

いととしく−たえぬとみえて−せきかはの−いはまのみつは−こほりとちつつ


01255
未入力 (xxx)

立ちいててすすみやせまし夏の日のかけとしなれる庭の木の本

たちいてて−すすみやせまし−なつのひの−かけとしなれる−にはのこのもと


01256
未入力 (xxx)

けさは猶あるかなきかのうす氷こほるもこれや始なるらん

けさはなほ−あるかなきかの−うすこほり−こほるもこれや−はしめなるらむ


01257
未入力 (xxx)

たちよれは衣手すすし松陰のあさちかうへに過くる夕かせ

たちよれは−ころもてすすし−まつかけの−あさちかうへに−すくるゆふかせ


01258
未入力 (xxx)

さゆるよもゆくせは浪のはやけれは水のみわたそ先こほりける

さゆるよも−ゆくせはなみの−はやけれは−みつのみわたそ−まつこほりける


01259
未入力 (xxx)

風わたる夕日かくれのすすしさにと山かたかけ過きもやられす

かせわたる−ゆふひかくれの−すすしさに−とやまかたかけ−すきもやられす


01260
未入力 (xxx)

いはふれておちくる水のせをはやみむすひもとめぬうす氷かな

いはふれて−おちくるみつの−せをはやみ−むすひもとめぬ−うすこほりかな


01261
未入力 (xxx)

松陰にむせふいつみの音きけは夏なき年とあやまたれつつ

まつかけに−むせふいつみの−おときけは−なつなきとしと−あやまたれつつ


01262
未入力 (xxx)

霜さゆるあせのほそ道跡たえてあれ田の氷鳥もかよはす

しもさゆる−あせのほそみち−あとたえて−あれたのこほり−とりもかよはす


01263
未入力 (xxx)

夏はつるさ夜ふけかたのすすしきは秋をかねてや風の吹くらん

なつはつる−さよふけかたの−すすしきは−あきをかねてや−かせのふくらむ


01264
未入力 (xxx)

風の音もさえくらしつる夜をさむみ水といふ水はさそこほるらん

かせのおとも−さえくらしつる−よをさむみ−みつといふみつは−さそこほるらむ


01265
未入力 (xxx)

せきかへる水のしらいとををよわみむすへは袖に玉そ散りける

せきかへる−みつのしらいと−ををよわみ−むすへはそてに−たまそちりける


01266
未入力 (xxx)

久かたの月たにすまぬにこり江に影みゆはかりこほる冬かな

ひさかたの−つきたにすまぬ−にこりえに−かけみゆはかり−こほるふゆかな


01267
未入力 (xxx)

かかり火のうつるよかはの影まてもこんよにもゆるほとはみゆらん

かかりひの−うつるよかはの−かけまても−こむよにもゆる−ほとはみゆらむ


01268
未入力 (xxx)

みきはにはたつのたちともなかりけりあしまもなへて氷とちつつ

みきはには−たつのたちとも−なかりけり−あしまもなへて−こほりとちつつ


01269
未入力 (xxx)

さしくたす鵜舟なりけりをくら山ふもとの河のかかり火の影

さしくたす−うふねなりけり−をくらやま−ふもとのかはの−かかりひのかけ


01270
未入力 (xxx)

都鳥いまはいつくにすみた河氷そゐたる瀬瀬の白浪

みやことり−いまはいつくに−すみたかは−こほりそゐたる−せせのしらなみ


01271
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朝日さすをかへの杜の木のまよりあつさもよほす蝉のこゑかな

あさひさす−をかへのもりの−このまより−あつさもよほす−せみのこゑかな


01272
未入力 (xxx)

冬河の淵ともならてよとめるはいかにせをせく氷なるらん

ふゆかはの−ふちともならて−よとめるは−いかにせをせく−こほりなるらむ


01273
未入力 (xxx)

松たてるみののをやまの木陰とて友なき蝉も独なくなり

まつたてる−みののをやまの−こかけとて−ともなきせみも−ひとりなくなり


01274
未入力 (xxx)

さゆる夜は氷のひまもなけれはや今朝山川の音たえぬらむ

さゆるよは−こほりのひまも−なけれはや−けさやまかはの−おとたえぬらむ


01275
未入力 (xxx)

うつせみのむなしたのみに世の中をいつまてとてかねをはなくらん

うつせみの−むなしたのみに−よのなかを−いつまてとてか−ねをはなくらむ


01276
未入力 (xxx)

滝河やはや瀬の水はこほれともよとまぬ年の老のなみかな

たきかはや−はやせのみつは−こほれとも−よとまぬとしの−おいのなみかな


01277
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夕されは松風すすしかた岡のもりの梢にせみはなけとも

ゆふされは−まつかせすすし−かたをかの−もりのこすゑに−せみはなけとも


01278
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水かみはこほりにけりなさはた河なかれてはやき波もみえこす

みなかみは−こほりにけりな−さはたかは−なかれてはやき−なみもみえこす


01279
未入力 (xxx)

雨はるるむかひの岡に風過きて木陰すすしき蝉の羽衣

あめはるる−むかひのをかに−かせすきて−こかけすすしき−せみのはころも


01280
未入力 (xxx)

あさき瀬やいつくなるらん氷りしてあた浪たたぬ山川の水

あさきせや−いつくなるらむ−こほりして−あたなみたたぬ−やまかはのみつ


01281
未入力 (xxx)

せみの羽の一重にうすき袖ひちて清水手にくむ杜の下陰

せみのはの−ひとへにうすき−そてひちて−しみつてにくむ−もりのしたかけ


01282
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ぬきもあへすみたれし玉のをたえして氷りにけりな滝のしらいと

ぬきもあへす−みたれしたまの−をたえして−こほりにけりな−たきのしらいと


01283
未入力 (xxx)

さひしくてさひしからぬはうつせみのこゑもたゆまぬ夏の山陰

さひしくて−さひしからぬは−うつせみの−こゑもたゆまぬ−なつのやまかけ


01284
未入力 (xxx)

滝河やいはまの浪のうす氷くたけておつる音のさむけさ

たきかはや−いはまのなみの−うすこほり−くたけておつる−おとのさむけさ


01285
未入力 (xxx)

暮れかかる空とよむまて夏山の木立をしけみ蝉さわくなり

くれかかる−そらとよむまて−なつやまの−こたちをしけみ−せみさわくなり


01286
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ひえの山あらし吹きこす冬の夜は氷にやとるしかのうら舟

ひえのやま−あらしふきこす−ふゆのよは−こほりにやとる−しかのうらふね


01287
未入力 (xxx)

うつせみのいかになくさむよるなれは暮れぬまはかりねをもなくらん

うつせみの−いかになくさむ−よるなれは−くれぬまはかり−ねをもなくらむ


01288
未入力 (xxx)

数ならぬかきねにさけは梅の花春にしられぬ契なりけり

かすならぬ−かきねにさけは−うめのはな−はるにしられぬ−ちきりなりけり


01289
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なかしとも何かおもはんうつせみの命待つまの夏の日なれは

なかしとも−なにかおもはむ−うつせみの−いのちまつまの−なつのひなれは


01290
未入力 (xxx)

春またすいそく花野の梅か枝にうらこき雪のふらぬ日そなき

はるまたす−いそくはなのの−うめかえに−うらこきゆきの−ふらぬひそなき


01291
未入力 (xxx)

草の葉にいはもる水をくみかけて露おく秋の気色をそかる

くさのはに−いはもるみつを−くみかけて−つゆおくあきの−けしきをそかる


01292
未入力 (xxx)

行く年のわかれはなくもみゆるかなありふる人に老をととめて

ゆくとしの−わかれはなくも−みゆるかな−ありふるひとに−おいをととめて


01293
未入力 (xxx)

今はまたはかへる秋やちかからん音も身にしむ葛の下風

いまはまた−はかへるあきや−ちかからむ−おともみにしむ−くすのしたかせ


01294
未入力 (xxx)

月も日もたたいたつらにすくしきてはてはかなしく暮るる年かな

つきもひも−たたいたつらに−すくしきて−はてはかなしく−くるるとしかな


01295
未入力 (xxx)

春もすき夏も暮れぬとなかむれは涙の露そ秋にさきたつ

はるもすき−なつもくれぬと−なかむれは−なみたのつゆそ−あきにさきたつ


01296
未入力 (xxx)

人はよもありともしらし暮れて行く年こそ我を数にいれけれ

ひとはよも−ありともしらし−くれてゆく−としこそわれを−かすにいれけれ


01297
未入力 (xxx)

夕日さす門田のいなは雨過きておきしく露を秋かとそみる

ゆふひさす−かとたのいなは−あめすきて−おきしくつゆを−あきかとそみる


01298
未入力 (xxx)

あはれけふ暮れぬる年のつらさこそ馴れてもうとき契なりけれ

あはれけふ−くれぬるとしの−つらさこそ−なれてもうとき−ちきりなりけれ


01299
未入力 (xxx)

かた岡にしつかすゑかる玉ささの一夜ふたよそ夏もこもれる

かたをかに−しつかすゑかる−たまささの−ひとよふたよそ−なつもこもれる


01300
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なけきつつことしはけふにはてぬとも身のあらたまる春やなからん

なけきつつ−ことしはけふに−はてぬとも−みのあらたまる−はるやなからむ


01301
未入力 (xxx)

西へ行く夏にしあらはくる秋にけふはまつとやことつててまし

にしへゆく−なつにしあらは−くるあきに−けふはまつとや−ことつててまし


01302
未入力 (xxx)

立ちかへるほとやはあらん年浪を今夜はかりとなにをしむらん

たちかへる−ほとやはあらむ−としなみを−こよひはかりと−なにをしむらむ


01303
未入力 (xxx)

けふははやゆふとりしてて夏あさのをふの河瀬にみそきしてけり

けふははや−ゆふとりしてて−なつあさの−をふのかはせに−みそきしてけり


01304
未入力 (xxx)

老いらくにかくれんとおもふしめのうちに年こもりせはあはれともみよ

おいらくに−かくれむとおもふ−しめのうちに−としこもりせは−あはれともみよ


01305
未入力 (xxx)

おもふ事けにつきはてはかくしてもかひあるけふのみそきならまし

おもふこと−けにつきはては−かくしても−かひあるけふの−みそきならまし


01306
未入力 (xxx)

行く年もけふも限の夕暮にあまるは袖の涙なりけり

ゆくとしも−けふもかきりの−ゆふくれに−あまるはそての−なみたなりけり


01307
未入力 (xxx)

みそき河ふけ行く夜はのせをはやみはやくそ秋の風かよひける

みそきかは−ふけゆくよはの−せをはやみ−はやくそあきの−かせかよひける


01308
未入力 (xxx)

年の内にのこる日数をかそへつつおくりむかふといそく諸人

としのうちに−のこるひかすを−かそへつつ−おくりむかふと−いそくもろひと


01309
未入力 (xxx)

行きかはる月日のはてのわきてなと夏にかきれるみそきなるらん

ゆきかはる−つきひのはての−わきてなと−なつにかきれる−みそきなるらむ


01310
未入力 (xxx)

人ことに老をむかふるいとなみもやすくはみえぬ年の暮かな

ひとことに−おいをむかふる−いとなみも−やすくはみえぬ−としのくれかな


01311
未入力 (xxx)

夏はつるけふのみそきやつもりつつなかるる川のうきせなるらん

なつはつる−けふのみそきや−つもりつつ−なかるるかはの−うきせなるらむ


01312
未入力 (xxx)

あかすしてわかれし春をむかふへき年の暮とやかくいそくらん

あかすして−わかれしはるを−むかふへき−としのくれとや−かくいそくらむ


01313
未入力 (xxx)

里人の待ちける秋の程みえてみそきをいそく六月の空

さとひとの−まちけるあきの−ほとみえて−みそきをいそく−みなつきのそら


01314
未入力 (xxx)

老か身にいくらのとしのつもりきて又あらたまの春をまつらん

おいかみに−いくらのとしの−つもりきて−またあらたまの−はるをまつらむ


01315
未入力 (xxx)

みな月の夜はふけにけりうちはらふあさのみそきに露そこほるる

みなつきの−よはふけにけり−うちはらふ−あさのみそきに−つゆそこほるる


01316
未入力 (xxx)

今日のみとおもへはくるる時のまにさもあやにくに年はいぬめり

けふのみと−おもへはくるる−ときのまに−さもあやにくに−としはいぬめり


01317
未入力 (xxx)

夏の日はけふみなつきのみそき河河浪はやく過きにけるかな

なつのひは−けふみなつきの−みそきかは−かはなみはやく−すきにけるかな


01318
未入力 (xxx)

たまくせのかはせをきよみぬさたててちとせをいのる夏はらへかな

たまくせの−かはせをきよみ−ぬさたてて−ちとせをいのる−なつはらへかな


01319
未入力 (xxx)

さりともと待ちつる年も暮れはてておもひたえたる身のゆくへかな

さりともと−まちつるとしも−くれはてて−おもひたえたる−みのゆくへかな


01320
未入力 (xxx)

たかみそきゆふたたみしてたつた河滝のせきりにぬさなかすらん

たかみそき−ゆふたたみして−たつたかは−たきのせきりに−ぬさなかすらむ


01321
未入力 (xxx)

人ことにいそく日数をいのちとはおもひもしらぬ年の暮かな

ひとことに−いそくひかすを−いのちとは−おもひもしらぬ−としのくれかな


01322
未入力 (xxx)

けふみそきゆふつけ鳥のあけは又秋やたつたの山になくへき

けふみそき−ゆふつけとりの−あけはまた−あきやたつたの−やまになくへき


01323
未入力 (xxx)

いま更に猶そかなしき身のうさもかはらてくるる年のをはりは

いまさらに−なほそかなしき−みのうさも−かはらてくるる−としのをはりは


01324
未入力 (xxx)

秋まてはやらしとおもふを六月のなこしやなにのはらへなるらん

あきまては−やらしとおもふを−みなつきの−なこしやなにの−はらへなるらむ


01325
未入力 (xxx)

暮れかかる年の光の鏡山むかへる老のさかそくるしき

くれかかる−としのひかりの−かかみやま−むかへるおいの−さかそくるしき


01326
未入力 (xxx)

飛鳥河いはせの浪にみそきしてことしもはやく夏は暮れつつ

あすかかは−いはせのなみに−みそきして−ことしもはやく−なつはくれつつ


01327
未入力 (xxx)

なにとして年の暮のみをしむらんさらぬ月日は命ならすや

なにとして−としのくれのみ−をしむらむ−さらぬつきひは−いのちならすや


01328
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みな月やのこる一夜にあすかかは誰か七瀬のみそきしつらん

みなつきや−のこるひとよに−あすかかは−たれかななせの−みそきしつらむ


01329
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おくりこしいくたひ年の暮ことにをしといへはや身にとまるらん

おくりこし−いくたひとしの−くれことに−をしといへはや−みにとまるらむ


01330
未入力 (xxx)

ふかき夜に人しらしとてしほりつる袖の涙を月にみえぬる

ふかきよに−ひとしらしとて−しほりつる−そてのなみたを−つきにみえぬる


01331
未入力 (xxx)

うき身には袂にのみそ月をみる□□□□□りはいつくなるらん

うきみには−たもとにのみそ−つきをみる−□□□□□りは−いつくなるらむ


01332
未入力 (xxx)

□□□□□身をもはなれぬ別路に□□□□つらし有明の月

□□□□□−みをもはなれぬ−わかれちに−□□□□つらし−ありあけのつき


01333
未入力 (xxx)

ことそともなくてなかむる夜はの月物や思ふと袖なぬらしそ

ことそとも−なくてなかむる−よはのつき−ものやおもふと−そてなぬらしそ


01334
未入力 (xxx)

有明の月に別をかこちても袖よりあまる道芝の露

ありあけの−つきにわかれを−かこちても−そてよりあまる−みちしはのつゆ


01335
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西へ行く月をはふかくしたへともうき世にさらにすむ心かな

にしへゆく−つきをはふかく−したへとも−うきよにさらに−すむこころかな


01336
未入力 (xxx)

□□□□□涙に袖はおほへとも□□□□□□はこころなりけり

□□□□□−なみたにそては−おほへとも−□□□□□□は−こころなりけり


01337
未入力 (xxx)

□□□かる心は世をもうらみぬになとをりをりにぬるる袂そ

□□□かる−こころはよをも−うらみぬに−なとをりをりに−ぬるるたもとそ


01338
未入力 (xxx)

月みれははや我かせこかくへき程時過きぬらし影のかたふく

つきみれは−はやわかせこか−くへきほと−ときすきぬらし−かけのかたふく


01339
未入力 (xxx)

おほかたのあはれをしるは定なき世をきくことの涙なりけり

おほかたの−あはれをしるは−さためなき−よをきくことの−なみたなりけり


01340
未入力 (xxx)

□□□□□なと有明の月影は□□□つれなきためしなるらん

□□□□□−なとありあけの−つきかけは−□□□つれなき−ためしなるらむ


01341
未入力 (xxx)

□□□□□たた我かとかとおもふま□□□□き世のしられさるらむ

□□□□□−たたわかとかと−おもふま□−□□□□きよの−しられさるらむ


01342
未入力 (xxx)

いかにせむわれわれならぬことわりもおもひしられすつらき歎を

いかにせむ−われわれならぬ−ことわりも−おもひしられす−つらきなけきを


01343
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さのみよも人のためにはつらからし我か身のうきをうき世とやいふ

さのみよも−ひとのためには−つらからし−わかみのうきを−うきよとやいふ


01344
未入力 (xxx)

さすかよもかくはうからしつれなさの心をかへておもひしらせは

さすかよも−かくはうからし−つれなさの−こころをかへて−おもひしらせは


01345
未入力 (xxx)

あちきなやしはし有りふる程たにも猶なけかする此世なるらん

あちきなや−しはしありふる−ほとたにも−なほなけかする−このよなるらむ


01346
未入力 (xxx)

□□□□□つもる月日をかそへても□□かねことをいかかたのまむ

□□□□□−つもるつきひを−かそへても−□□かねことを−いかかたのまむ


01347
未入力 (xxx)

たらちねのおとろへかはるすかたこそあるをみるにもねはなかれけれ

たらちねの−おとろへかはる−すかたこそ−あるをみるにも−ねはなかれけれ


01348
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たえはてん後そかなしきある程のうきをみるたになけかるる世は

たえはてむ−のちそかなしき−あるほとの−うきをみるたに−なけかるるよは


01349
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世中のうきはうき身のならひそとおもひとりてもなけかすもかな

よのなかの−うきはうきみの−ならひそと−おもひとりても−なけかすもかな


01350
未入力 (xxx)

□□ふれはみえぬおもひも有るものを□□□におとる我かなみたかな

□□ふれは−みえぬおもひも−あるものを−□□□におとる−わかなみたかな


01351
未入力 (xxx)

はかなくそ数かきおきし身のためは□□□□てける水くきの跡

はかなくそ−かすかきおきし−みのためは−□□□□てける−みつくきのあと


01352
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おもへとも誰かためをしき命とてあふにはかへぬ月日へぬらん

おもへとも−たかためをしき−いのちとて−あふにはかへぬ−つきひへぬらむ


01353
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とにかくにうからんためとむまれける身を今更になにかなけかむ

とにかくに−うからむためと−むまれける−みをいまさらに−なにかなけかむ


01354
未入力 (xxx)

いつはりもにつかぬ君かことの葉とおもひなからも猶やたのまん

いつはりも−につかぬきみか−ことのはと−おもひなからも−なほやたのまむ


01355
未入力 (xxx)

偽のなからん世をそそむくへき家をいつるもまことならねは

いつはりの−なからむよをそ−そむくへき−いへをいつるも−まことならねは


01356
未入力 (xxx)

ひとすちにたのめはとこそかこてともうらむとなれはいかかおもはん

ひとすちに−たのめはとこそ−かこてとも−うらむとなれは−いかかおもはむ


01357
未入力 (xxx)

あはれなとつかへし道にやすみけんそれそくるしき身とは成りぬる

あはれなと−つかへしみちに−やすみけむ−それそくるしき−みとはなりぬる


01358
未入力 (xxx)

今まてにこりすもこふる心こそ猶つれなさのかたはまさらめ

いままてに−こりすもこふる−こころこそ−なほつれなさの−かたはまさらめ


01359
未入力 (xxx)

つかへしはむかしなりけり七十にななよをふるは昨日とおもふに

つかへしは−むかしなりけり−ななそちに−ななよをふるは−きのふとおもふに


01360
未入力 (xxx)

□□□□□ことわりならはさてもあれ□□□しるしる人の恋しき

□□□□□−ことわりならは−さてもあれ−□□□しるしる−ひとのこひしき


01361
未入力 (xxx)

行すゑもうきにつけてはまたれねとつかふる道そ身のたのみなる

ゆくすゑも−うきにつけては−またれねと−つかふるみちそ−みのたのみなる


01362
未入力 (xxx)

つつみかね身に恋ひあまるをりをりの色にいててや人もとかめん

つつみかね−みにこひあまる−をりをりの−いろにいててや−ひともとかめむ


01363
未入力 (xxx)

いかにしていかに有るへき世なるらんとすれはかかりかくすれはうし

いかにして−いかにあるへき−よなるらむ−とすれはかかり−かくすれはうし


01364
未入力 (xxx)

吹く風のたよりをさへやすくすらん□□□□のはもみえぬ比かな

ふくかせの−たよりをさへや−すくすらむ−□□□□のはも−みえぬころかな


01365
未入力 (xxx)

□□□□□我かゆくすゑのかねこともたのみしまてや世を恨みけん

□□□□□−わかゆくすゑの−かねことも−たのみしまてや−よをうらみけむ


01366
未入力 (xxx)

情そとしひてやいはむいつはりの心みえなる人のちきりを

なさけそと−しひてやいはむ−いつはりの−こころみえなる−ひとのちきりを


01367
未入力 (xxx)

かくしつつさてやたえなん玉のをのよわるかものの心ほそきは

かくしつつ−さてやたえなむ−たまのをの−よわるかものの−こころほそきは


01368
未入力 (xxx)

たのむこそはかなかりけれことのははなけなる物と思ひなさはや

たのむこそ−はかなかりけれ−ことのはは−なけなるものと−おもひなさはや


01369
未入力 (xxx)

心にもおもはぬものをされはたかをしむ身とてか捨てもやられす

こころにも−おもはぬものを−されはたか−をしむみとてか−すてもやられす


01370
未入力 (xxx)

しのふへさかたこそなけれはやく我か身にあまるまてなれる思ひは

しのふへさ−かたこそなけれ−はやくわか−みにあまるまて−なれるおもひは


01371
未入力 (xxx)

□□□□ぬ我か友なれや青つつらなれもなけきにまとはれにけり

□□□□ぬ−わかともなれや−あをつつら−なれもなけきに−まとはれにけり


01372
未入力 (xxx)

我かためにつらきもつらき心かはよしさらはともおもひならねは

わかために−つらきもつらき−こころかは−よしさらはとも−おもひならねは


01373
未入力 (xxx)

うかるへき身のほとよりは世のなかをなけく心ののとかなるかな

うかるへき−みのほとよりは−よのなかを−なけくこころの−のとかなるかな


01374
未入力 (xxx)

あらはれてなけくはかりのなくさめもなき契こそくるしかりけれ

あらはれて−なけくはかりの−なくさめも−なきちきりこそ−くるしかりけれ


01375
未入力 (xxx)

おもひ出のありとしもなきいにしへをしのふそ人のならひなりける

おもひての−ありとしもなき−いにしへを−しのふそひとの−ならひなりける


01376
未入力 (xxx)

恨みすはとはましものをなにゆゑのうさもつらさも人のためかは

うらみすは−とはましものを−なにゆゑの−うさもつらさも−ひとのためかは


01377
未入力 (xxx)

ゆくすゑも今はたおなしなにことをまつとなき身にさてやはてなん

ゆくすゑも−いまはたおなし−なにことを−まつとなきみに−さてやはてなむ


01378
未入力 (xxx)

今も猶ほさてこそみれ我か袖をなき別れにし人のなこりに

いまもなほ−ほさてこそみれ−わかそてを−なきわかれにし−ひとのなこりに


01379
未入力 (xxx)

そむきても猶捨てられぬ世の中にまさしやむつひ有りてなき身は

そむきても−なほすてられぬ−よのなかに−まさしやむつひ−ありてなきみは


01380
未入力 (xxx)

年月のへにける程をたのむかなさすかに人やあはれしるとて

としつきの−へにけるほとを−たのむかな−さすかにひとや−あはれしるとて


01381
未入力 (xxx)

ためしなく心もくれし年の内の霜夜のつらさ袖もかわかす

ためしなく−こころもくれし−としのうちの−しもよのつらさ−そてもかわかす


01382
未入力 (xxx)

つらかりし程の心はあひみての後こそ人に思ひしらせめ

つらかりし−ほとのこころは−あひみての−のちこそひとに−おもひしらせめ


01383
未入力 (xxx)

あなうよとまつなけかれしいにしへに猶はなれぬは心なりけり

あなうよと−まつなけかれし−いにしへに−なほはなれぬは−こころなりけり


01384
未入力 (xxx)

我か心誰ゆゑにする恋なれは君にもはては猶しのふらん

わかこころ−たれゆゑにする−こひなれは−きみにもはては−なほしのふらむ


01385
未入力 (xxx)

身のうきに人はなにとかつらからん□□□つへきは命なりけり

みのうきに−ひとはなにとか−つらからむ−□□□つへきは−いのちなりけり


01386
未入力 (xxx)

老いぬるをあふにかふへき命そといははや人のけにとたのまん

おいぬるを−あふにかふへき−いのちそと−いははやひとの−けにとたのまむ


01387
未入力 (xxx)

世の中をおもひわひてやたけからぬねをのみそなくかこつかたとて

よのなかを−おもひわひてや−たけからぬ−ねをのみそなく−かこつかたとて


01388
未入力 (xxx)

恋はけにさむるものかとやちよねて思ひあはする我か身ともかな

こひはけに−さむるものかと−やちよねて−おもひあはする−わかみともかな


01389
未入力 (xxx)

いかならむ時かあらはにしらるへきくににむくゆる心ありとも

いかならむ−ときかあらはに−しらるへき−くににむくゆる−こころありとも


01390
未入力 (xxx)

あひみてもえこそうらみねおもふよりいふはおろかに成りぬへけれは

あひみても−えこそうらみね−おもふより−いふはおろかに−なりぬへけれは


01391
未入力 (xxx)

いかにせむしはしも心しつかにておもへはいたくおつる涙を

いかにせむ−しはしもこころ−しつかにて−おもへはいたく−おつるなみたを


01392
未入力 (xxx)

あひみむとおもふはかりの人ことにちちにくたくるわか心かな

あひみむと−おもふはかりの−ひとことに−ちちにくたくる−わかこころかな


01393
未入力 (xxx)

なにとかく過きこしかたをしのふらんうきはかはらぬおなし身なから

なにとかく−すきこしかたを−しのふらむ−うきはかはらぬ−おなしみなから


01394
未入力 (xxx)

あふ事はなき名よりこそたちにけれましてまことをいかかしのはん

あふことは−なきなよりこそ−たちにけれ−ましてまことを−いかかしのはむ


01395
未入力 (xxx)

いくかさね山ちもたかく年越えぬ六十のさかをかへりみるまて

いくかさね−やまちもたかく−としこえぬ−むそちのさかを−かへりみるまて


01396
未入力 (xxx)

かくやはとなにか恨みんうしとてもいひしにたかふ心ならすは

かくやはと−なにかうらみむ−うしとても−いひしにたかふ−こころならすは


01397
未入力 (xxx)

心をはうき世なからになくさめていとふおもひのなきそかなしき

こころをは−うきよなからに−なくさめて−いとふおもひの−なきそかなしき


01398
未入力 (xxx)

かくこひぬ時もやあらん我もわか心のはてを兼てしらねは

かくこひぬ−ときもやあらむ−われもわか−こころのはてを−かねてしらねは


01399
未入力 (xxx)

へたてゆくむかしは猶そしのはるる我か思出のよよはなけれと

へたてゆく−むかしはなほそ−しのはるる−わかおもひての−よよはなけれと


01400
未入力 (xxx)

たへて猶おもふそつらき今はとてわかるる時にのこる命は

たへてなほ−おもふそつらき−いまはとて−わかるるときに−のこるいのちは


01401
未入力 (xxx)

かかりけるちりのさかひを出てやらてさてや浮世にまきれはてなん

かかりける−ちりのさかひを−いてやらて−さてやうきよに−まきれはてなむ


01402
未入力 (xxx)

涙にそ今は我か身をまかせつるよしみむ人はあはれしれとて

なみたにそ−いまはわかみを−まかせつる−よしみむひとは−あはれしれとて


01403
未入力 (xxx)

いてつかふ程はうき身もなくさみてやとにかへれはぬるる袖かな

いてつかふ−ほとはうきみも−なくさみて−やとにかへれは−ぬるるそてかな


01404
未入力 (xxx)

なくさむるかたやあらまし人しれぬしたの思ひをもらしたにせは

なくさむる−かたやあらまし−ひとしれぬ−したのおもひを−もらしたにせは


01405
未入力 (xxx)

あはれ世の数にもあらぬ我か身かなしかりとてこそ捨てられねとも

あはれよの−かすにもあらぬ−わかみかな−しかりとてこそ−すてられねとも


01406
未入力 (xxx)

あはれたた世のうきをのみなけけかし恋さへそへて身をこかすらん

あはれたた−よのうきをのみ−なけけかし−こひさへそへて−みをこかすらむ


01407
未入力 (xxx)

いにしへの恋しさいかておほゆらん昨日のこともわすらるる身に

いにしへの−こひしさいかて−おほゆらむ−きのふのことも−わすらるるみに


01408
未入力 (xxx)

かくてたた恋ひしねとてやつれもなきあふにそかふる命とはきく

かくてたた−こひしねとてや−つれもなき−あふにそかふる−いのちとはきく


01409
未入力 (xxx)

わひぬれは涙やはてはつきぬらんあまりうきにはねたになかれす

わひぬれは−なみたやはては−つきぬらむ−あまりうきには−ねたになかれす


01410
未入力 (xxx)

ひとつたにおもひはくるしなそもかくちちにくたけて我なけくらん

ひとつたに−おもひはくるし−なそもかく−ちちにくたけて−われなけくらむ


01411
未入力 (xxx)

されはとて捨てられぬ世になからへてあはれあなうと身を歎くかな

されはとて−すてられぬよに−なからへて−あはれあなうと−みをなけくかな


01412
未入力 (xxx)

しはしたに袖のぬれやむ時そなきふりにし恋の涙なれとも

しはしたに−そてのぬれやむ−ときそなき−ふりにしこひの−なみたなれとも


01413
未入力 (xxx)

いつまてかいはかきし水たたへてもすむかひもなき世をはしのはん

いつまてか−いはかきしみつ−たたへても−すむかひもなき−よをはしのはむ


01414
未入力 (xxx)

又なにをなけくとかしるあひみむとおもふ思ひのそよりほかには

またなにを−なけくとかしる−あひみむと−おもふおもひの−そよりほかには


01415
未入力 (xxx)

身を見そとおもふまてこそうくつらきことも有りけるよとは知りぬれ

みをみそと−おもふまてこそ−うくつらき−こともありける−よとはしりぬれ


01416
未入力 (xxx)

定なき心と人をたのめともうきはかきりのなかりけるかな

さためなき−こころとひとを−たのめとも−うきはかきりの−なかりけるかな


01417
未入力 (xxx)

いつまてかいつを限と思ふへきゆくへもはてもしらぬうき身は

いつまてか−いつをかきりと−おもふへき−ゆくへもはても−しらぬうきみは


01418
未入力 (xxx)

かなしさにうちかたふきて恋ひをれはなかれあひてそ涙おちける

かなしさに−うちかたふきて−こひをれは−なかれあひてそ−なみたおちける


01419
未入力 (xxx)

いにしへを誰にいひてかなくさまむ思出つへき人しなけれは

いにしへを−たれにいひてか−なくさまむ−おもひいつへき−ひとしなけれは


01420
未入力 (xxx)

うしとても恨みもすてぬ世の中をさてもあれはと人やつれなき

うしとても−うらみもすてぬ−よのなかを−さてもあれはと−ひとやつれなき


01421
未入力 (xxx)

たちそはておやのみるらん心にも物おもはする身こそつらけれ

たちそはて−おやのみるらむ−こころにも−ものおもはする−みこそつらけれ


01422
未入力 (xxx)

なへてにや人のおもはむ命にもむかふはかりの恋としらすは

なへてにや−ひとのおもはむ−いのちにも−むかふはかりの−こひとしらすは


01423
未入力 (xxx)

はかなしや我たにもとの身をしらておなしうき世をめくるならひは

はかなしや−われたにもとの−みをしらて−おなしうきよを−めくるならひは


01424
未入力 (xxx)

たのみける心そうたて偽の人のちきりは猶もうらみす

たのみける−こころそうたて−いつはりの−ひとのちきりは−なほもうらみす


01425
未入力 (xxx)

うきも又そよなさそとはおもふ身のことわりよりも猶そかなしき

うきもまた−そよなさそとは−おもふみの−ことわりよりも−なほそかなしき


01426
未入力 (xxx)

つらからしおもふかなかのひとさかりありなは人にさてわかるとも

つらからし−おもふかなかの−ひとさかり−ありなはひとに−さてわかるとも


01427
未入力 (xxx)

風にゆく軽野のおひてさもそけにはやく過きける月日なりける

かせにゆく−かるののおひて−さもそけに−はやくすきける−つきひなりける


01428
未入力 (xxx)

人めをもしのはむとまて思ひしは猶世の常のをりにそ有りける

ひとめをも−しのはむとまて−おもひしは−なほよのつねの−をりにそありける


01429
未入力 (xxx)

めにあまる涙をかけてかこてともいふにもたえぬ身のなけきかな

めにあまる−なみたをかけて−かこてとも−いふにもたえぬ−みのなけきかな


01430
未入力 (xxx)

つれなくてきてもあひみぬ中ならは思ひたえなむうき事もかな

つれなくて−きてもあひみぬ−なかならは−おもひたえなむ−うきこともかな


01431
未入力 (xxx)

人とははわきてなにとかこたふへきうきふしならぬことしなき身は

ひととはは−わきてなにとか−こたふへき−うきふしならぬ−ことしなきみは


01432
未入力 (xxx)

されは世にいまいく程かなからへていける限は人をうらみん

されはよに−いまいくほとか−なからへて−いけるかきりは−ひとをうらみむ


01433
未入力 (xxx)

身ひとつそかなしかりける世の中のうきはなへての習ならぬに

みひとつそ−かなしかりける−よのなかの−うきはなへての−ならひならぬに


01434
未入力 (xxx)

あちきなくいくよまてとか我か袖にせき入れておとす涙なるらん

あちきなく−いくよまてとか−わかそてに−せきいれておとす−なみたなるらむ


01435
未入力 (xxx)

うきこともうれしき事もなきまてにいかて此世をさとりなさまし

うきことも−うれしきことも−なきまてに−いかてこのよを−さとりなさまし


01436
未入力 (xxx)

いかなれは我にもあらぬ心のみそひては物をおもひみたるる

いかなれは−われにもあらぬ−こころのみ−そひてはものを−おもひみたるる


01437
未入力 (xxx)

わすれてはおいおいとこそいはれけれおなし事のみことともりつつ

わすれては−おいおいとこそ−いはれけれ−おなしことのみ−ことともりつつ


01438
未入力 (xxx)

絶えはつる人のつらさの月日へて恨みんとすれはかよふことのは

たえはつる−ひとのつらさの−つきひへて−うらみむとすれは−かよふことのは


01439
未入力 (xxx)

かくはかりすみうき世をも捨てやらぬ我か心こそうたてにくけれ

かくはかり−すみうきよをも−すてやらぬ−わかこころこそ−うたてにくけれ


01440
未入力 (xxx)

涙のみかかる袂よこれなくはなににおもひをつけてみせまし

なみたのみ−かかるたもとよ−これなくは−なににおもひを−つけてみせまし


01441
未入力 (xxx)

月も日もおなし空にそいてかはる我か身ひとつにさためなき世か

つきもひも−おなしそらにそ−いてかはる−わかみひとつに−さためなきよか


01442
未入力 (xxx)

身の内にもゆるおもひをけちもせてなにと涙の流れいつらん

みのうちに−もゆるおもひを−けちもせて−なにとなみたの−なかれいつらむ


01443
未入力 (xxx)

限あらんほとたに程もなきものをましていつをもしらぬ命は

かきりあらむ−ほとたにほとも−なきものを−ましていつをも−しらぬいのちは


01444
未入力 (xxx)

恋ひしなむそのをりをたにとへかしな誰ゆゑならぬ心みたさて

こひしなむ−そのをりをたに−とへかしな−たれゆゑならぬ−こころみたさて


01445
未入力 (xxx)

いかにせむ迷悟といひわけてなけくもあさしなけかぬもうし

いかにせむ−まよひさとりと−いひわけて−なけくもあさし−なけかぬもうし


01446
未入力 (xxx)

いかにせむ心つよさにくらへても思ひよわらぬ身のくるしさを

いかにせむ−こころつよさに−くらへても−おもひよわらぬ−みのくるしさを


01447
未入力 (xxx)

おのつからをしむいはれもある身とはいかてか人のおもはさるへき

おのつから−をしむいはれも−あるみとは−いかてかひとの−おもはさるへき


01448
未入力 (xxx)

いとはるる我か身と思ふをなそもかく涙の雨のふりまさるらん

いとはるる−わかみとおもふを−なそもかく−なみたのあめの−ふりまさるらむ


01449
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世の中の人の心のとにかくにききみる事そことはことなる

よのなかの−ひとのこころの−とにかくに−ききみることそ−ことはことなる


01450
未入力 (xxx)

いはてたたやみぬはかりのおもひかとしのふにつけてねそなかれける

いはてたた−やみぬはかりの−おもひかと−しのふにつけて−ねそなかれける


01451
未入力 (xxx)

あさ夕の心は誰か物なれは身のうへをたにしらぬなるらん

あさゆふの−こころはたれか−ものなれは−みのうへをたに−しらぬなるらむ


01452
未入力 (xxx)

世を捨てむその日や恋も限なる我か心から身をしほるかな

よをすてむ−そのひやこひも−かきりなる−わかこころから−みをしほるかな


01453
未入力 (xxx)

みし人のむかしかたりに成りゆくをききてもいとへいとふへきよそ

みしひとの−むかしかたりに−なりゆくを−ききてもいとへ−いとふへきよそ


01454
未入力 (xxx)

つれなさもさすか限は有るものをされはよつひにさてやみねとや

つれなさも−さすかかきりは−あるものを−されはよつひに−さてやみねとや


01455
未入力 (xxx)

おろかなり本無の物をあらせつつ我か心よりつくるまよひは

おろかなり−ほむむのものを−あらせつつ−わかこころより−つくるまよひは


01456
未入力 (xxx)

うき身にはもとより袖のかわかねは恋の涙も人はとかめす

うきみには−もとよりそての−かわかねは−こひのなみたも−ひとはとかめす


01457
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それ程やおもはさりけんうけれともうつるはさてと人のむかしに

それほとや−おもはさりけむ−うけれとも−うつるはさてと−ひとのむかしに


01458
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身のうさも人のつらさも忘れてははかなき世をそ先かこちける

みのうさも−ひとのつらさも−わすれては−はかなきよをそ−まつかこちける


01459
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これほとはなとしつむらん我か君もゆゑ有りてこそ人になしけめ

これほとは−なとしつむらむ−わかきみも−ゆゑありてこそ−ひとになしけめ


01460
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よそにみはつれなかるへき命かなおもふも物はかきりこそあれ

よそにみは−つれなかるへき−いのちかな−おもふもものは−かきりこそあれ


01461
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いかはかり身のあやまりのつもるらんあはれ我か世の有りのすさみに

いかはかり−みのあやまりの−つもるらむ−あはれわかよの−ありのすさみに


01462
未入力 (xxx)

今はたたうきにこりよとのこりける□□命ともけふそ知りぬる

いまはたた−うきにこりよと−のこりける−□□いのちとも−けふそしりぬる


01463
未入力 (xxx)

あはれにもよはひは老いぬ世の中のうきをしのふとなかめせしまに

あはれにも−よはひはおいぬ−よのなかの−うきをしのふと−なかめせしまに


01464
未入力 (xxx)

おさふれと猶せきあまる涙かなうきめをつつむ袖はあれとも

おさふれと−なほせきあまる−なみたかな−うきめをつつむ−そてはあれとも


01465
未入力 (xxx)

つくつくとおもへは恋しあるはなくなきは数そふ人のおも影

つくつくと−おもへはこひし−あるはなく−なきはかすそふ−ひとのおもかけ


01466
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あちきなく人のためさへ思はすはなにかかはかり忍ひたにせん

あちきなく−ひとのためさへ−おもはすは−なにかかはかり−しのひたにせむ


01467
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我かたのむ都のたつみしかすかに世をうち人とおもふはかりそ

わかたのむ−みやこのたつみ−しかすかに−よをうちひとと−おもふはかりそ


01468
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うらむともつひにたえなはうきならてなにをか人のかたみにもせむ

うらむとも−つひにたえなは−うきならて−なにをかひとの−かたみにもせむ


01469
未入力 (xxx)

いたつらに今夜も明けぬしののめやつかへし道にいついそきけん

いたつらに−こよひもあけぬ−しののめや−つかへしみちに−いついそきけむ


01470
未入力 (xxx)

わすらるる人をつらしとおもふこそうき身をしらぬ心なりけれ

わすらるる−ひとをつらしと−おもふこそ−うきみをしらぬ−こころなりけれ


01471
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いかにせむあふけと空は霧こめてうたても晴れぬ秋の心を

いかにせむ−あふけとそらは−きりこめて−うたてもはれぬ−あきのこころを


01472
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おのつからおもひやいてんよとともに人を忘れぬむくひありせは

おのつから−おもひやいてむ−よとともに−ひとをわすれぬ−むくひありせは


01473
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物いはてたたむかひゐるつましやくはゑひをすすむる心ちたにせす

ものいはて−たたむかひゐる−つましやくは−ゑひをすすむる−ここちたにせす


01474
未入力 (xxx)

それのみや身のとかならんいけれはそうきをもみつる命なかきは

それのみや−みのとかならむ−いけれはそ−うきをもみつる−いのちなかきは


01475
未入力 (xxx)

なかめつつ人を待つにはあらねともおもひそしけき夕暮の空

なかめつつ−ひとをまつには−あらねとも−おもひそしけき−ゆふくれのそら


01476
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わするるをよしさらはともおもへかしさも人わろき身の歎かな

わするるを−よしさらはとも−おもへかし−さもひとわろき−みのなけきかな


01477
未入力 (xxx)

おもひとくうき身のはてか白雲のきえて跡なき夕暮の空

おもひとく−うきみのはてか−しらくもの−きえてあとなき−ゆふくれのそら


01478
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それをたに忘れしとおもふ人ことにうきをかたみといつならひけん

それをたに−わすれしとおもふ−ひとことに−うきをかたみと−いつならひけむ


01479
未入力 (xxx)

心にはさそふ水をもまかせねは身をうさ草のねそなかれける

こころには−さそふみつをも−まかせねは−みをうさくさの−ねそなかれける


01480
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たけからぬ心を誰か命にて恋にうき名をととめおきけん

たけからぬ−こころをたれか−いのちにて−こひにうきなを−ととめおきけむ


01481
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世をたえて我こもりえのうき草のひまなくうくは涙なりけり

よをたえて−われこもりえの−うきくさの−ひまなくうくは−なみたなりけり


01482
未入力 (xxx)

身をしらぬ心の限あれはこそうきをは人のうきになすらん

みをしらぬ−こころのかきり−あれはこそ−うきをはひとの−うきになすらむ


01483
未入力 (xxx)

いかにせむうきにたたよふみなれ草とにもかくにもたえぬ思ひを

いかにせむ−うきにたたよふ−みなれくさ−とにもかくにも−たえぬおもひを


01484
未入力 (xxx)

なにしかも恨みらるらんさりともとたのむかきりそうきもうかりし

なにしかも−うらみらるらむ−さりともと−たのむかきりそ−うきもうかりし


01485
未入力 (xxx)

ささかにのいともへかたき世のうさをかれもはなれぬ袖そかなしき

ささかにの−いともへかたき−よのうさを−かれもはなれぬ−そてそかなしき


01486
未入力 (xxx)

したふともかひやなからん今はたたなれし身をこそかたみともせめ

したふとも−かひやなからむ−いまはたた−なれしみをこそ−かたみともせめ


01487
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おもふ事ありとはなしに袖しきて葎のやとにいく夜ねぬらん

おもふこと−ありとはなしに−そてしきて−むくらのやとに−いくよねぬらむ


01488
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せめてなとうかりしふしはわすられて恋しきはかり身にのこるらん

せめてなと−うかりしふしは−わすられて−こひしきはかり−みにのこるらむ


01489
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今は我あした夕につくつゑのかせきてのみも世をすくすかな

いまはわれ−あしたゆふへに−つくつゑの−かせきてのみも−よをすくすかな


01490
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とはれぬもさこそはあれとなくさめしたえまのころそ今は恋しき

とはれぬも−さこそはあれと−なくさめし−たえまのころそ−いまはこひしき


01491
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うき時の我か涙をやひろひおきてよもの草木の露にかさまし

うきときの−わかなみたをや−ひろひおきて−よものくさきの−つゆにかさまし


01492
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恨むへきかたたに今はなかりけり事もおろかにぬるる袖かな

うらむへき−かたたにいまは−なかりけり−こともおろかに−ぬるるそてかな


01493
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草むすふ旅をたひともなけかれすいつも露けき袖の習に

くさむすふ−たひをたひとも−なけかれす−いつもつゆけき−そてのならひに


01494
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つらけれは今は恋しとおもふさへなとやすからぬちきりなるらん

つらけれは−いまはこひしと−おもふさへ−なとやすからぬ−ちきりなるらむ


01495
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かのきしにおよはぬあまのたくなはのくるしき海をなにわたるらん

かのきしに−およはぬあまの−たくなはの−くるしきうみを−なにわたるらむ


01496
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いまとても我はわれにてあるものをありしにもあらすなとわするらん

いまとても−われはわれにて−あるものを−ありしにもあらす−なとわするらむ


01497
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身のうさをわするる時はなけれとも涙おちそふいり逢の鐘

みのうさを−わするるときは−なけれとも−なみたおちそふ−いりあひのかね


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かくはかりおもひたえにし年月のうきにまきれす人の恋しき

かくはかり−おもひたえにし−としつきの−うきにまきれす−ひとのこひしき


01499
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底きよくすくになかれて行く水に□□れる事や濁なるらん

そこきよく−すくになかれて−ゆくみつに−□□れることや−にこりなるらむ


01500
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たのましなさはかりいひしかねことは人にもさこそ又ちきるらめ

たのましな−さはかりいひし−かねことは−ひとにもさこそ−またちきるらめ


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ひきたつる人もなきさに年つもる身は捨舟のつなてかなしも

ひきたつる−ひともなきさに−としつもる−みはすてふねの−つなてかなしも


01502
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いまはとてたえにし人のつらさよりありてわすれぬ身をそうらむる

いまはとて−たえにしひとの−つらさより−ありてわすれぬ−みをそうらむる


01503
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さとりある三の心のうちも猶ひとつとしるそまことなりける

さとりある−みつのこころの−うちもなほ−ひとつとしるそ−まことなりける


01504
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今はたたなににかはせむ恨みてもわするるなかはことわりもなし

いまはたた−なににかはせむ−うらみても−わするるなかは−ことわりもなし


01505
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あはれ又くるしき世にやかへるへき花田のいとのをはりみたれは

あはれまた−くるしきよにや−かへるへき−はなたのいとの−をはりみたれは


01506
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ありしにもまさりて物のかなしきはいかにおほゆる人のなこりそ

ありしにも−まさりてものの−かなしきは−いかにおほゆる−ひとのなこりそ


01507
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をしへおく道はさまさまありときけとみたのちかひを身に憑むかな

をしへおく−みちはさまさま−ありときけと−みたのちかひを−みにたのむかな


01508
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なからへてあらはつらさやまさらまし見はてす成りしなかの契は

なからへて−あらはつらさや−まさらまし−みはてすなりし−なかのちきりは


01509
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しるへなきやみにそ誰もたとりけるむねのうちなる月をしらすて

しるへなき−やみにそたれも−たとりける−むねのうちなる−つきをしらすて


01510
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よしさらは忘れは誰もわすれんとおもひし事そかなはさりける

よしさらは−わすれはたれも−わすれむと−おもひしことそ−かなはさりける


01511
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世にこゆる弥陀のちかひをききえつつさとるそ三の心なりける

よにこゆる−みたのちかひを−ききえつつ−さとるそみつの−こころなりける


01512
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かそへても猶いつまてかあはぬまを忘れぬ程の月日なりけん

かそへても−なほいつまてか−あはぬまを−わすれぬほとの−つきひなりけむ


01513
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ならひたつももの仏に祈りみむまことをさとる寺とこそきけ

ならひたつ−もものほとけに−いのりみむ−まことをさとる−てらとこそきけ


01514
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かはりぬる人の心をのこりなくけふこそみつのうら見はてつれ

かはりぬる−ひとのこころを−のこりなく−けふこそみつの−うらみはてつれ


01515
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出てやすき法のみなとのはや舟は蘆のしけりも更にさはらし

いてやすき−のりのみなとの−はやふねは−あしのしけりも−さらにさはらし


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おも影もわするはかりにへたつれは年月のみそつらさなりける

おもかけも−わするはかりに−へたつれは−としつきのみそ−つらさなりける


01517
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音にきく色を見つつも思ひわく心そ法のしるへなりける

おとにきく−いろをみつつも−おもひわく−こころそのりの−しるへなりける


01518
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ひとつ身に心のふたつあれはこそつらきものから恋しかるらめ

ひとつみに−こころのふたつ−あれはこそ−つらきものから−こひしかるらめ


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玉くしけふた世をうつすます鏡くもらすみえん影そかなしき

たまくしけ−ふたよをうつす−ますかかみ−くもらすみえむ−かけそかなしき