[ 時代統合情報システム トップ ] [ データベース一覧 ]

三十六人歌合


[ 作品集成立年順 | 作者名順 | 作品名順 ]

作品集名三十六人歌合 
作品集名読みさんじゅうろくにんうたあわせ 
作成年月日弘長二年九月(1262年10月半ば過ぎあたり頃)
場所 

00001
未入力 (xxx)

はれかたき身の思ひこそうかりけれ霞める月も秋やまつらむ

はれかたき−みのおもひこそ−うかりけれ−かすめるつきも−あきやまつらむ


00002
未入力 (xxx)

あけかたの天の戸わたる月かけにうき人さへや衣うつらん

あけかたの−あまのとわたる−つきかけに−うきひとさへや−ころもうつらむ


00003
未入力 (xxx)

やきすてしあととも見えぬ夏草に今はたもえてゆくほたるかな

やきすてし−あとともみえぬ−なつくさに−いまはたもえて−ゆくほたるかな


00004
未入力 (xxx)

秋草のかれ葉か下のきりきりすいつまていきて人にきかれむ

あきくさの−かれはかしたの−きりきりす−いつまていきて−ひとにきかれむ


00005
未入力 (xxx)

たなはたの恋やつもりてあまのかはまれなるなかの淵となるらむ

たなはたの−こひやつもりて−あまのかは−まれなるなかの−ふちとなるらむ


00006
未入力 (xxx)

松かけの入海かけてしらすけのみなとふきこす秋の山かせ

まつかけの−いりうみかけて−しらすけの−みなとふきこす−あきのやまかせ


00007
未入力 (xxx)

遠さかるあまの小船もあはれなりゆらのみなとの秋の夕暮

とほさかる−あまのをふねも−あはれなり−ゆらのみなとの−あきのゆふくれ


00008
未入力 (xxx)

秋の雨に桐の葉おつるゆふくれをおもひすつるそまつにまされる

あきのあめに−きりのはおつる−ゆふくれを−おもひすつるそ−まつにまされる


00009
未入力 (xxx)

身をすつる人やみるらんからくにの虎ふす野辺の秋の夜の月

みをすつる−ひとやみるらむ−からくにの−とらふすのへの−あきのよのつき


00010
未入力 (xxx)

山もとの末野のさとのあけほのにまた人わけぬ雪を見るかな

やまもとの−すゑののさとの−あけほのに−またひとわけぬ−ゆきをみるかな


00011
未入力 (xxx)

日影さす枯野のまくす霜とけて過きにし秋にかへる露かな

ひかけさす−かれののまくす−しもとけて−すきにしあきに−かへるつゆかな


00012
未入力 (xxx)

山人は出てたるあとのあきのいほのこれる鶴や夜半になくらん

やまひとは−いてたるあとの−あきのいほ−のこれるつるや−よはになくらむ


00013
未入力 (xxx)

何とかく色かはるらむ木にもあらす草にもあらぬ人のことのは

なにとかく−いろかはるらむ−きにもあらす−くさにもあらぬ−ひとのことのは


00014
未入力 (xxx)

こころなき岩木における露まても秋をはいかておもひしるらむ

こころなき−いはきにおける−つゆまても−あきをはいかて−おもひしるらむ


00015
未入力 (xxx)

逢ふ事はいつにならへるこころとてひとりぬる夜のかなしかるらむ

あふことは−いつにならへる−こころとて−ひとりぬるよの−かなしかるらむ


00016
未入力 (xxx)

またよひのはやまのほくしもえそめてしかまつとたにいかてしらせむ

またよひの−はやまのほくし−もえそめて−しかまつとたに−いかてしらせむ


00017
未入力 (xxx)

いとひても後をいかにとおもふこそなほ世にとまる心なりけれ

いとひても−のちをいかにと−おもふこそ−なほよにとまる−こころなりけれ


00018
未入力 (xxx)

世やはうき人やはつらきおほかたの身を思はぬはこころなりけり

よやはうき−ひとやはつらき−おほかたの−みをおもはぬは−こころなりけり


00019
未入力 (xxx)

この里は角田河原もほととほしいかなる鳥にみやことはまし

このさとは−すみたかはらも−ほととほし−いかなるとりに−みやことはまし


00020
未入力 (xxx)

わたりする人もあはれやまさるらむすみたかはらの春の明ほの

わたりする−ひともあはれや−まさるらむ−すみたかはらの−はるのあけほの


00021
未入力 (xxx)

分けゆけはそれとも見えぬ朝ほらけとほきそ春のかすみなりける

わけゆけは−それともみえぬ−あさほらけ−とほきそはるの−かすみなりける


00022
未入力 (xxx)

三吉野のやまのはかすむはることに身はあら玉のとしそふり行く

みよしのの−やまのはかすむ−はることに−みはあらたまの−としそふりゆく


00023
未入力 (xxx)

伊勢のあまの玉ものすそやまかふらん霞にとほきおきつしらなみ

いせのあまの−たまものすそや−まかふらむ−かすみにとほき−おきつしらなみ


00024
未入力 (xxx)

としことに後のはるともしらさりき花にいくたひなれてみつらん

としことに−のちのはるとも−しらさりき−はなにいくたひ−なれてみつらむ


00025
未入力 (xxx)

村雨にあきの露かるたまささのみしかきよははあかつきもなし

むらさめに−あきのつゆかる−たまささの−みしかきよはは−あかつきもなし


00026
未入力 (xxx)

さしも草さしもひまなき五月雨に伊吹のたけのいかにもゆらん

さしもくさ−さしもひまなき−さみたれに−いふきのたけの−いかにもゆらむ


00027
未入力 (xxx)

吹きかよふ音たにかはれやましろのときはの森の秋のはつかせ

ふきかよふ−おとたにかはれ−やましろの−ときはのもりの−あきのはつかせ


00028
未入力 (xxx)

夕されは露吹きおとすあきかせに末葉かたよるをののしのはら

ゆふされは−つゆふきおとす−あきかせに−すゑはかたよる−をののしのはら


00029
未入力 (xxx)

おく露にあはれはかけよかすか野にのこる古枝のあきはきのはな

おくつゆに−あはれはかけよ−かすかのに−のこるふるえの−あきはきのはな


00030
未入力 (xxx)

伊勢島やしほひのかたのみわたりにいそかすやとる秋の夜の月

いせしまや−しほひのかたの−みわたりに−いそかすやとる−あきのよのつき


00031
未入力 (xxx)

みなと河秋ゆく水のいろそこきのこる山なくしくれふるらし

みなとかは−あきゆくみつの−いろそこき−のこるやまなく−しくれふるらし


00032
未入力 (xxx)

紅葉葉を染めてしくるるあきやまに晩田のおしねほしやかぬらん

もみちはを−そめてしくるる−あきやまに−おくてのおしね−ほしやかぬらむ


00033
未入力 (xxx)

いほりさすいなはの雲もうちなひき山田のはらは時雨れてそゆく

いほりさす−いなはのくもも−うちなひき−やまたのはらは−しくれてそゆく


00034
未入力 (xxx)

うかりけるたかあふ事のならひよりゆふつけとりのねにわかるらん

うかりける−たかあふことの−ならひより−ゆふつけとりの−ねにわかるらむ


00035
未入力 (xxx)

しりなからいとはぬ世こそかなしけれわかためつらき身を思ふとて

しりなから−いとはぬよこそ−かなしけれ−わかためつらき−みをおもふとて


00036
未入力 (xxx)

ふかき夜に人しらしとてしほりつる袖のなみたを月にみえぬる

ふかきよに−ひとしらしとて−しほりつる−そてのなみたを−つきにみえぬる


00037
未入力 (xxx)

あきつはのすかたのくににあとたるる神のまもりはわか君のため

あきつはの−すかたのくにに−あとたるる−かみのまもりは−わかきみのため


00038
未入力 (xxx)

いかにせむくもるなみたのますかかみうらみしよりそ秋はたえにし

いかにせむ−くもるなみたの−ますかかみ−うらみしよりそ−あきはたえにし


00039
未入力 (xxx)

ふりぬとも何なけくらん君か代に老といふものそ身はさかえける

ふりぬとも−なになけくらむ−きみかよに−おいといふものそ−みはさかえける


00040
未入力 (xxx)

しのひかねなみたの玉の緒をたえて恋のみたれそ袖にみえゆく

しのひかね−なみたのたまの−ををたえて−こひのみたれそ−そてにみえゆく


00041
未入力 (xxx)

天河あさせふむまにたなはたのまちつる夜半も更けやしぬらむ

あまのかは−あさせふむまに−たなはたの−まちつるよはも−ふけやしぬらむ


00042
未入力 (xxx)

真葛原うら葉もしろくみたれつつかせのままなる秋のゆふつゆ

まくすはら−うらはもしろく−みたれつつ−かせのままなる−あきのゆふつゆ


00043
未入力 (xxx)

霜かれの野もせの草はわかことや世にふりはててしほれ侘ふらん

しもかれの−のもせのくさは−わかことや−よにふりはてて−しほれわふらむ


00044
未入力 (xxx)

消えのこるためしもかなしかすかやまはるの光にもるるしら雪

きえのこる−ためしもかなし−かすかやま−はるのひかりに−もるるしらゆき


00045
未入力 (xxx)

いかてかは唐舟のほのかにもわかこふらくをしらせそめまし

いかてかは−もろこしふねの−ほのかにも−わかこふらくを−しらせそめまし


00046
未入力 (xxx)

さをしかもこのまの月のかけみてや心つくしのつまをこふらむ

さをしかも−このまのつきの−かけみてや−こころつくしの−つまをこふらむ


00047
未入力 (xxx)

あつさ弓はるかにとはぬ日かすをもこころつよくや恨みはてまし

あつさゆみ−はるかにとはぬ−ひかすをも−こころつよくや−うらみはてまし


00048
未入力 (xxx)

岩に生ふるためしを何にたのみけむつひにつれなき松の色かな

いはにおふる−ためしをなにに−たのみけむ−つひにつれなき−まつのいろかな


00049
未入力 (xxx)

みことのりうけてつたへしわかこころくもらぬほとそ神やしるらむ

みことのり−うけてつたへし−わかこころ−くもらぬほとそ−かみやしるらむ


00050
未入力 (xxx)

蓮葉の露のうき世としりなからにこりにしむは心なりけり

はちすはの−つゆのうきよと−しりなから−にこりにしむは−こころなりけり


00051
未入力 (xxx)

雁かねのつはさにかくるあしのはは雲路まとはぬしをりなるへし

かりかねの−つはさにかくる−あしのはは−くもちまとはぬ−しをりなるへし


00052
未入力 (xxx)

あすしらぬわか身なからも桜はなうつろふ色そけふはかなしき

あすしらぬ−わかみなからも−さくらはな−うつろふいろそ−けふはかなしき


00053
未入力 (xxx)

かくはかり名残をしくは身にそへる秋ともさらに何なけくらむ

かくはかり−なこりをしくは−みにそへる−あきともさらに−なになけくらむ


00054
未入力 (xxx)

我かためになくむしのねにあらねともね覚なれはやかなしかるらむ

わかために−なくむしのねに−あらねとも−ねさめなれはや−かなしかるらむ


00055
未入力 (xxx)

待つ人はむなしきくれになにとまたあしたゆくくるささかにの糸

まつひとは−むなしきくれに−なにとまた−あしたゆくくる−ささかにのいと


00056
未入力 (xxx)

しらま弓いるさのやまの夕霧に立ちかくれてや鹿はなくらむ

しらまゆみ−いるさのやまの−ゆふきりに−たちかくれてや−しかはなくらむ


00057
未入力 (xxx)

おなしくは浦にかきおけもしほくさはては煙も立ちははなれし

おなしくは−うらにかきおけ−もしほくさ−はてはけふりも−たちははなれし


00058
未入力 (xxx)

身のうさをなけくにあまるなみたにそしのふにたへぬ色はみえける

みのうさを−なけくにあまる−なみたにそ−しのふにたへぬ−いろはみえける


00059
未入力 (xxx)

いつまてか夜さむのころもぬきかけてあはれと民をおもひしりけむ

いつまてか−よさむのころも−ぬきかけて−あはれとたみを−おもひしりけむ


00060
未入力 (xxx)

としをへてつらきこころのかきりをもみはててよわる玉のをもかな

としをへて−つらきこころの−かきりをも−みはててよわる−たまのをもかな


00061
未入力 (xxx)

立ちかふるけふは卯月のはしめとや神のみむろにさかきとるらむ

たちかふる−けふはうつきの−はしめとや−かみのみむろに−さかきとるらむ


00062
未入力 (xxx)

いくあきもかはらぬかけの月もまた万代かけてなほちきるかな

いくあきも−かはらぬかけの−つきもまた−よろつよかけて−なほちきるかな


00063
未入力 (xxx)

よしさらはこしちをたひといひなさむ秋はみやこにかへる雁かね

よしさらは−こしちをたひと−いひなさむ−あきはみやこに−かへるかりかね


00064
未入力 (xxx)

秋の夜はすまの関守すみかへて月やゆききの人ととむらむ

あきのよは−すまのせきもり−すみかへて−つきやゆききの−ひとととむらむ


00065
未入力 (xxx)

すくもたくもしほのけふりなひけたた恨みし末のしるへにもせむ

すくもたく−もしほのけふり−なひけたた−うらみしすゑの−しるへにもせむ


00066
未入力 (xxx)

よそにのみみつのはま松としをへてつれなき色にかくる波かな

よそにのみ−みつのはままつ−としをへて−つれなきいろに−かくるなみかな


00067
未入力 (xxx)

はかなくもおもひなくさむこころかなおなし世にふるたのみはかりに

はかなくも−おもひなくさむ−こころかな−おなしよにふる−たのみはかりに


00068
未入力 (xxx)

おのつからひかすもみえぬたに河の岩間の氷いくへともなし

おのつから−ひかすもみえぬ−たにかはの−いはまのこほり−いくへともなし


00069
未入力 (xxx)

あらしふくみねのしの屋の草まくらかりねの夢はむすふともなし

あらしふく−みねのしのやの−くさまくら−かりねのゆめは−むすふともなし


00070
未入力 (xxx)

千年ふるためしはいまそしら雪のかさねてつもる嶺の松か枝

ちとせふる−ためしはいまそ−しらゆきの−かさねてつもる−みねのまつかえ


00071
未入力 (xxx)

おきつかせ吹あけのはまの白妙になほすみのほる秋の夜の月

おきつかせ−ふきあけのはまの−しろたへに−なほすみのほる−あきのよのつき


00072
未入力 (xxx)

いかにせむ散りにしはなのおもかけをわすれむとすれはみねの白雲

いかにせむ−ちりにしはなの−おもかけを−わすれむとすれは−みねのしらくも


00073
未入力 (xxx)

時わかすいつもゆふへはあるものをあきしもなとかかなしかるらむ

ときわかす−いつもゆふへは−あるものを−あきしもなとか−かなしかるらむ


00074
未入力 (xxx)

うたかひしいのちのうちにさきにけりあはれなりける庭のはなかな

うたかひし−いのちのうちに−さきにけり−あはれなりける−にはのはなかな


00075
未入力 (xxx)

しはしたになほ立ちかへれまくすはらうらかれてゆく秋のわかれち

しはしたに−なほたちかへれ−まくすはら−うらかれてゆく−あきのわかれち


00076
未入力 (xxx)

つらかりし時こそあらめ逢ひみての後さへものはなそやかなしき

つらかりし−ときこそあらめ−あひみての−のちさへものは−なそやかなしき


00077
未入力 (xxx)

松島やあまのもしほ木それならてこりぬおもひに立つけふりかな

まつしまや−あまのもしほき−それならて−こりぬおもひに−たつけふりかな


00078
未入力 (xxx)

人をこそつらしと思ふになみたさへなとうきたひに身をはなるらむ

ひとをこそ−つらしとおもふに−なみたさへ−なとうきたひに−みをはなるらむ


00079
未入力 (xxx)

いかなりし秋になみたの落ちそめて身はならはしと袖のぬるらむ

いかなりし−あきになみたの−おちそめて−みはならはしと−そてのぬるらむ


00080
未入力 (xxx)

さためなくさても世にふるこのころの時雨のやとやわか身なるらん

さためなく−さてもよにふる−このころの−しくれのやとや−わかみなるらむ


00081
未入力 (xxx)

おほ空に吹きくるかせのにほふかな雲のうへにもはなやさくらん

おほそらに−ふきくるかせの−にほふかな−くものうへにも−はなやさくらむ


00082
未入力 (xxx)

むかしよりうつろふからにうらむるをくるしき世とや花のちるらむ

むかしより−うつろふからに−うらむるを−くるしきよとや−はなのちるらむ


00083
未入力 (xxx)

よのつねの身よりほかなる秋ならはなへての露に袖はぬらさし

よのつねの−みよりほかなる−あきならは−なへてのつゆに−そてはぬらさし


00084
未入力 (xxx)

下もえやくるしかるらむなくこゑもきこえぬむしのよはのおもひは

したもえや−くるしかるらむ−なくこゑも−きこえぬむしの−よはのおもひは


00085
未入力 (xxx)

されはとていとひもはてぬ世の中をうきたひことに何なけくらん

されはとて−いとひもはてぬ−よのなかを−うきたひことに−なになけくらむ


00086
未入力 (xxx)

偽のまたれしことも今はなしそれたにいつとたのめおかねは

いつはりの−またれしことも−いまはなし−それたにいつと−たのめおかねは


00087
未入力 (xxx)

あはれなり草のかけにも白露のかかるへしとはおもはさりしを

あはれなり−くさのかけにも−しらつゆの−かかるへしとは−おもはさりしを


00088
未入力 (xxx)

秋風は雲のちりをやはらふらむ空のかかみの夜半の月かけ

あきかせは−くものちりをや−はらふらむ−そらのかかみの−よはのつきかけ


00089
未入力 (xxx)

何とてかこと葉にふたつわかるらむよきもあしきも一こころを

なにとてか−ことはにふたつ−わかるらむ−よきもあしきも−ひとつこころを


00090
未入力 (xxx)

明石潟なみの音にやかよふらむうらより遠のをかの松かせ

あかしかた−なみのおとにや−かよふらむ−うらよりをちの−をかのまつかせ


00091
未入力 (xxx)

天地の外なるやまにのかれねはかくても花にものやおもはむ

あめつちの−ほかなるやまに−のかれねは−かくてもはなに−ものやおもはむ


00092
未入力 (xxx)

富士のねはさきけるはなのならひまてなほときしらぬ山さくらかな

ふしのねは−さきけるはなの−ならひまて−なほときしらぬ−やまさくらかな


00093
未入力 (xxx)

天河もみちのはしやあきをへてわたれとたえぬにしきなるらむ

あまのかは−もみちのはしや−あきをへて−わたれとたえぬ−にしきなるらむ


00094
未入力 (xxx)

うきをしるなみたのとかといひなして袖よりかすむ秋の夜の月

うきをしる−なみたのとかと−いひなして−そてよりかすむ−あきのよのつき


00095
未入力 (xxx)

物おもはていつれのとしの秋まてか露にたもとのしられさりけむ

ものおもはて−いつれのとしの−あきまてか−つゆにたもとの−しられさりけむ


00096
未入力 (xxx)

秋きても岩ねのとこはつれなきになみた色つく苔の袖かな

あききても−いはねのとこは−つれなきに−なみたいろつく−こけのそてかな


00097
未入力 (xxx)

荻のはにありけるものを花ゆゑにはるもうかりしかせのやとりは

をきのはに−ありけるものを−はなゆゑに−はるもうかりし−かせのやとりは


00098
未入力 (xxx)

いかにしてなみたは袖にとまるらんかよふこころはひまもなきみに

いかにして−なみたはそてに−とまるらむ−かよふこころは−ひまもなきみに


00099
未入力 (xxx)

とものうらの磯辺にたてるむろの木につなける舟のぬしはたれそも

とものうらの−いそへにたてる−むろのきに−つなけるふねの−ぬしはたれそも


00100
未入力 (xxx)

なからへはしはしも月をみるへきに山のはちかき身こそつらけれ

なからへは−しはしもつきを−みるへきに−やまのはちかき−みこそつらけれ


00101
未入力 (xxx)

春雨のあまねききみのめくみとはたのむものからぬるる袖かな

はるさめの−あまねききみの−めくみとは−たのむものから−ぬるるそてかな


00102
未入力 (xxx)

難波かたかすまぬなみもかすみけりうつるもくもるおほろ月夜に

なにはかた−かすまぬなみも−かすみけり−うつるもくもる−おほろつきよに


00103
未入力 (xxx)

やまのはのつらさはかりやのこるらん雲よりほかにあくる月かけ

やまのはの−つらさはかりや−のこるらむ−くもよりほかに−あくるつきかけ


00104
未入力 (xxx)

晴れくもるかけをみやこにさきたててしくるとつくる山のはの月

はれくもる−かけをみやこに−さきたてて−しくるとつくる−やまのはのつき


00105
未入力 (xxx)

ものことに忘かたみをとめおきてなみたのたゆむ時のまそなき

ものことに−わすれかたみを−とめおきて−なみたのたゆむ−ときのまそなき


00106
未入力 (xxx)

中中に又たのまるる世なりけりかはるへしとも契りやはせし

なかなかに−またたのまるる−よなりけり−かはるへしとも−ちきりやはせし


00107
未入力 (xxx)

今は又身さへ朽木のそまやまになにことのはをかきあつめけむ

いまはまた−みさへくちきの−そまやまに−なにことのはを−かきあつめけむ


00108
未入力 (xxx)

今は又ちらてもまかふしくれかなひとりふりゆく庭の松かせ

いまはまた−ちらてもまかふ−しくれかな−ひとりふりゆく−にはのまつかせ


00109
未入力 (xxx)

いたつらにあまのいさりひたくなはのくるしきほとを知る人もなし

いたつらに−あまのいさりひ−たくなはの−くるしきほとを−しるひともなし


00110
未入力 (xxx)

ほのほのとあけのそほ舟こきかへりけふりしらめる浦のもしほ火

ほのほのと−あけのそほふね−こきかへり−けふりしらめる−うらのもしほひ


00111
未入力 (xxx)

しめゆひしまかきやたわになりぬらん花おもけなる庭の山吹

しめゆひし−まかきやたわに−なりぬらむ−はなおもけなる−にはのやまふき


00112
未入力 (xxx)

散るをうしと思ひしはなそまたれける春くることにもの忘して

ちるをうしと−おもひしはなそ−またれける−はるくることに−ものわすれして


00113
未入力 (xxx)

足曳のやましたかせのいつのまに音ふきかへて秋はきぬらん

あしひきの−やましたかせの−いつのまに−おとふきかへて−あきはきぬらむ


00114
未入力 (xxx)

天河おなしかたののをみなへし秋とちきりてたれをまつらん

あまのかは−おなしかたのの−をみなへし−あきとちきりて−たれをまつらむ


00115
未入力 (xxx)

ひとりねはなかきならひのあきのよをあかしかねてや鹿もなくらん

ひとりねは−なかきならひの−あきのよを−あかしかねてや−しかもなくらむ


00116
未入力 (xxx)

山里にいつしか人のまたるるやすみはつましき心なるらん

やまさとに−いつしかひとの−またるるや−すみはつましき−こころなるらむ


00117
未入力 (xxx)

夕しほや遠つひかたにみちぬらんなきてちかつく友ちとりかな

ゆふしほや−とほつひかたに−みちぬらむ−なきてちかつく−ともちとりかな


00118
未入力 (xxx)

いとへとて思ひしらする世の中をうきたひことになにうらむらん

いとへとて−おもひしらする−よのなかを−うきたひことに−なにうらむらむ


00119
未入力 (xxx)

しろたへの我かころもてをかたしきてひとりやねなむいもに恋ひつつ

しろたへの−わかころもてを−かたしきて−ひとりやねなむ−いもにこひつつ


00120
未入力 (xxx)

みし代こそ思ひ出ててもしのはるれしらぬむかしのなそやこひしき

みしよこそ−おもひいてても−しのはるれ−しらぬむかしの−なそやこひしき


00121
未入力 (xxx)

かくはかりくるるわかれをしたふとは思ひもしらす春やゆくらん

かくはかり−くるるわかれを−したふとは−おもひもしらす−はるやゆくらむ


00122
未入力 (xxx)

おのかすむこしちのはなはまたさかしいそかてかへれはるの雁かね

おのかすむ−こしちのはなは−またさかし−いそかてかへれ−はるのかりかね


00123
未入力 (xxx)

またれつる時はさ月になりにけり小田の早苗もいまいそくらし

またれつる−ときはさつきに−なりにけり−をたのさなへも−いまいそくらし


00124
未入力 (xxx)

五月雨のふりわけかみはかたすきて井つつにあまる水のしらなみ

さみたれの−ふりわけかみは−かたすきて−ゐつつにあまる−みつのしらなみ


00125
未入力 (xxx)

としなみもさこそこゆらめふる雪につもる日数のすゑのまつやま

としなみも−さこそこゆらめ−ふるゆきに−つもるひかすの−すゑのまつやま


00126
未入力 (xxx)

長月のきくのしらつゆ淵とならはまかきの島は外にもとめし

なかつきの−きくのしらつゆ−ふちとならは−まかきのしまは−ほかにもとめし


00127
未入力 (xxx)

思ひ侘ひうきおもかけやなくさむとみれはかなしき在明の月

おもひわひ−うきおもかけや−なくさむと−みれはかなしき−ありあけのつき


00128
未入力 (xxx)

春日野の野守のかかみこれなれやよそにみかさの山のはの月

かすかのの−のもりのかかみ−これなれや−よそにみかさの−やまのはのつき


00129
未入力 (xxx)

かはらやの下にこかるるゆふけふりたえぬおもひのありとたにみよ

かはらやの−したにこかるる−ゆふけふり−たえぬおもひの−ありとたにみよ


00130
未入力 (xxx)

浦人の蘆火たくやのすすけたる身にはなにはの事も物うし

うらひとの−あしひたくやの−すすけたる−みにはなにはの−こともものうし


00131
未入力 (xxx)

かすめともまよはてかへる雁かねは去年のこしちや空にしるらん

かすめとも−まよはてかへる−かりかねは−こそのこしちや−そらにしるらむ


00132
未入力 (xxx)

一枝は折りてかへらんやまさくら家つとなから見ぬ人のため

ひとえたは−をりてかへらむ−やまさくら−いへつとなから−みぬひとのため


00133
未入力 (xxx)

桜花にほふやいつこみよし野のきさ山きはに霞たつらし

さくらはな−にほふやいつこ−みよしのの−きさやまきはに−かすみたつらし


00134
未入力 (xxx)

春霞かすむとみれはやまのはの雲まもくもる夜半の月影

はるかすみ−かすむとみれは−やまのはの−くもまもくもる−よはのつきかけ


00135
未入力 (xxx)

またみねはおもかけもなしなにしかもまののかや原霞みたるらん

またみねは−おもかけもなし−なにしかも−まののかやはら−かすみたるらむ


00136
未入力 (xxx)

しのひねとたれいひそめてほとときすきくへきころを待ちすくすらん

しのひねと−たれいひそめて−ほとときす−きくへきころを−まちすくすらむ


00137
未入力 (xxx)

みことのり道にそむかぬゆゑとてや海のほかにもまもりあるらむ

みことのり−みちにそむかぬ−ゆゑとてや−うみのほかにも−まもりあるらむ


00138
未入力 (xxx)

吹くからに雲はかからし紅葉するあらしの山はいつしくれけむ

ふくからに−くもはかからし−もみちする−あらしのやまは−いつしくれけむ


00139
未入力 (xxx)

いかならむ時かあらはにしらるへきくににむくゆる心ありとも

いかならむ−ときかあらはに−しらるへき−くににむくゆる−こころありとも


00140
未入力 (xxx)

黒髪をてならすたひにいとふかなあはれいつかとおもひみたれて

くろかみを−てならすたひに−いとふかな−あはれいつかと−おもひみたれて


00141
未入力 (xxx)

をとめ子かかさしのさくら咲きにけり袖ふるやまにかかるしらくも

をとめこか−かさしのさくら−さきにけり−そてふるやまに−かかるしらくも


00142
未入力 (xxx)

きてもみよとなにかは人につけやらむ我かやとにのみ月はすましを

きてもみよと−なにかはひとに−つけやらむ−わかやとにのみ−つきはすましを


00143
未入力 (xxx)

今よりのころもかりかねあきかせにたか夜寒とかなきてきぬらん

いまよりの−ころもかりかね−あきかせに−たかよさむとか−なきてきぬらむ


00144
未入力 (xxx)

時わかぬこしのしらねの雪をみて秋とはいかに雁のきぬらむ

ときわかぬ−こしのしらねの−ゆきをみて−あきとはいかに−かりのきぬらむ


00145
未入力 (xxx)

よそにきくわかね覚たになかきよをあかすやしつか衣うつらむ

よそにきく−わかねさめたに−なかきよを−あかすやしつか−ころもうつらむ


00146
未入力 (xxx)

あすかには衣うつなりたをやめか袖のあきかせ夜寒なるらん

あすかには−ころもうつなり−たをやめか−そてのあきかせ−よさむなるらむ


00147
未入力 (xxx)

山のはに更けて出てたる月かけのはつかにたにもいかてしらせむ

やまのはに−ふけていてたる−つきかけの−はつかにたにも−いかてしらせむ


00148
未入力 (xxx)

長月のつつきのはらの草の葉にことしはいたくおける露かな

なかつきの−つつきのはらの−くさのはに−ことしはいたく−おけるつゆかな


00149
未入力 (xxx)

さりともとわかあらましにたのまれて行末しらぬみこそをしけれ

さりともと−わかあらましに−たのまれて−ゆくすゑしらぬ−みこそをしけれ


00150
未入力 (xxx)

いかはかりみのあやまりのつもるらむあはれわか世のありのすさみに

いかはかり−みのあやまりの−つもるらむ−あはれわかよの−ありのすさみに


00151
未入力 (xxx)

天つ空なとて神代のはしめよりはるはかりたつ霞なるらむ

あまつそら−なとてかみよの−はしめより−はるはかりたつ−かすみなるらむ


00152
未入力 (xxx)

梅のはなそれとみえねと折るそてのぬるるや雪のしるしなるらむ

うめのはな−それとみえねと−をるそての−ぬるるやゆきの−しるしなるらむ


00153
未入力 (xxx)

なみたにはさらてもぬるるわか袖をしらてや秋の露はおくらん

なみたには−さらてもぬるる−わかそてを−しらてやあきの−つゆはおくらむ


00154
未入力 (xxx)

もしほやくけふりは空に消えぬれとはるとや月の猶かすむらむ

もしほやく−けふりはそらに−きえぬれと−はるとやつきの−なほかすむらむ


00155
未入力 (xxx)

忘らるるうきなをよそにしられしと人待かほにくらすころかな

わすらるる−うきなをよそに−しられしと−ひとまちかほに−くらすころかな


00156
未入力 (xxx)

村雨はやかてはれぬる小山田のまさらぬ水に早苗とるなり

むらさめは−やかてはれぬる−をやまたの−まさらぬみつに−さなへとるなり


00157
未入力 (xxx)

つらからはいかにせむとてゆくすゑの心もしらす思ひそむらん

つらからは−いかにせむとて−ゆくすゑの−こころもしらす−おもひそむらむ


00158
未入力 (xxx)

木葉こそかせのさそへはもろからめなとか涙のあきはおつらん

このはこそ−かせのさそへは−もろからめ−なとかなみたの−あきはおつらむ


00159
未入力 (xxx)

うかりける人のことのはなけけとてなと偽の有る世なるらん

うかりける−ひとのことのは−なけけとて−なといつはりの−あるよなるらむ


00160
未入力 (xxx)

何とかは人にもいまはかたるへきみのうきほとはよそにみゆらむ

なにとかは−ひとにもいまは−かたるへき−みのうきほとは−よそにみゆらむ


00161
未入力 (xxx)

みる人のなきかかすそふはることに花もあたなる世をやしるらん

みるひとの−なきかかすそふ−はることに−はなもあたなる−よをやしるらむ


00162
未入力 (xxx)

沖つかせうきねの袖をふきかへしうらつたひ行く秋の夜の月

おきつかせ−うきねのそてを−ふきかへし−うらつたひゆく−あきのよのつき


00163
未入力 (xxx)

蛍とふきしの木かけのあまのかは星の林の名にやたつちん

ほたるとふ−きしのこかけの−あまのかは−ほしのはやしの−なにやたつちむ


00164
未入力 (xxx)

木の葉ちるかたののはちにあきくれて舟なかしたるあまのかはなみ

このはちる−かたののはちに−あきくれて−ふねなかしたる−あまのかはなみ


00165
未入力 (xxx)

冬河の淵ともあらてよとめるやいかにせをせく氷なるらむ

ふゆかはの−ふちともあらて−よとめるや−いかにせをせく−こほりなるらむ


00166
未入力 (xxx)

三吉野のたきつ早瀬にすむ月や冬もこほらぬ氷なるらん

みよしのの−たきつはやせに−すむつきや−ふゆもこほらぬ−こほりなるらむ


00167
未入力 (xxx)

なからへてあるもつらきかためなれはうきやわかみの命なるらむ

なからへて−あるもつらきか−ためなれは−うきやわかみの−いのちなるらむ


00168
未入力 (xxx)

こぬ人をいく夜か月にうらむらんわか影にのみまくらならへて

こぬひとを−いくよかつきに−うらむらむ−わかかけにのみ−まくらならへて


00169
未入力 (xxx)

そむくへきうき世中のことわりをしりてまよふは心なりけり

そむくへき−うきよのなかの−ことわりを−しりてまよふは−こころなりけり


00170
未入力 (xxx)

紅葉葉の色なる袖のみなとこそこころのあきのとまりなりけれ

もみちはの−いろなるそての−みなとこそ−こころのあきの−とまりなりけれ


00171
未入力 (xxx)

雲よりもよそになりゆくかつらきのたかまのさくらあらしふくらし

くもよりも−よそになりゆく−かつらきの−たかまのさくら−あらしふくらし


00172
未入力 (xxx)

なへて世のおもふかなかのならひにはわかれありとや春もゆくらん

なへてよの−おもふかなかの−ならひには−わかれありとや−はるもゆくらむ


00173
未入力 (xxx)

秋のののをはなにましるしかの音は色にやつまをこひわたるらん

あきののの−をはなにましる−しかのねは−いろにやつまを−こひわたるらむ


00174
未入力 (xxx)

いつくよりあはれをかせのさそひきて荻の上葉の音となすらん

いつくより−あはれをかせの−さそひきて−をきのうははの−おととなすらむ


00175
未入力 (xxx)

手にならすかひこそなけれあつさゆみひけはなかのみ遠さかりゆく

てにならす−かひこそなけれ−あつさゆみ−ひけはなかのみ−とほさかりゆく


00176
未入力 (xxx)

あはてこそ恋をいのりとたのみしかいまはたなにかいのちなるへき

あはてこそ−こひをいのりと−たのみしか−いまはたなにか−いのちなるへき


00177
未入力 (xxx)

きぬきぬのたもとにわけし月かけはたかなみたにかやとりはつらん

きぬきぬの−たもとにわけし−つきかけは−たかなみたにか−やとりはつらむ


00178
未入力 (xxx)

捨てやらぬこころからにやいてさらむうきよの関はもる人もなし

すてやらぬ−こころからにや−いてさらむ−うきよのせきは−もるひともなし


00179
未入力 (xxx)

里とほみしほやくうらはみえわかて煙にかかるおきつしらなみ

さととほみ−しほやくうらは−みえわかて−けふりにかかる−おきつしらなみ


00180
未入力 (xxx)

うきも猶さこそはあれとことわりを世になくさめて身そふりにける

うきもなほ−さこそはあれと−ことわりを−よになくさめて−みそふりにける


00181
未入力 (xxx)

人にのみつらさはみえてふくかせの心にかなふやまさくらかな

ひとにのみ−つらさはみえて−ふくかせの−こころにかなふ−やまさくらかな


00182
未入力 (xxx)

たえたえにたなひく雲もあらはれてまかひもはてぬ山桜かな

たえたえに−たなひくくもも−あらはれて−まかひもはてぬ−やまさくらかな


00183
未入力 (xxx)

冬さむみしのふのやまのたにみつは音にもたてすさそこほるらん

ふゆさむみ−しのふのやまの−たにみつは−おとにもたてす−さそこほるらむ


00184
未入力 (xxx)

かへりみるほとそ雲ゐの大江やまいくのの道や末になりぬる

かへりみる−ほとそくもゐの−おほえやま−いくののみちや−すゑになりぬる


00185
未入力 (xxx)

みる夢のさめてもさすかかなしきはいかにねしよの名残なるらむ

みるゆめの−さめてもさすか−かなしきは−いかにねしよの−なこりなるらむ


00186
未入力 (xxx)

逢ふ事のたえまかちなるつらさかと思ひしほとの契たになし

あふことの−たえまかちなる−つらさかと−おもひしほとの−ちきりたになし


00187
未入力 (xxx)

いとせめて待つにたへたる我か身そとしらてや人はつれなかるらん

いとせめて−まつにたへたる−わかみそと−しらてやひとは−つれなかるらむ


00188
未入力 (xxx)

いかにせむ恋路のすゑにせきすゑてゆけともとほき逢さかのやま

いかにせむ−こひちのすゑに−せきすゑて−ゆけともとほき−あふさかのやま


00189
未入力 (xxx)

ちかひてしいのちにかへてわするるはうきわれからに身をやすつらん

ちかひてし−いのちにかへて−わするるは−うきわれからに−みをやすつらむ


00190
未入力 (xxx)

おのか音につらきわかれはありとたにおもひもしらて鳥やなくらん

おのかねに−つらきわかれは−ありとたに−おもひもしらて−とりやなくらむ


00191
未入力 (xxx)

なかき日のもりのしめなはくりかへしあかすかたらふ郭公かな

なかきひの−もりのしめなは−くりかへし−あかすかたらふ−ほとときすかな


00192
未入力 (xxx)

あはれをはいつくにそふるかけならむつらさかすめる春の夜の月

あはれをは−いつくにそふる−かけならむ−つらさかすめる−はるのよのつき


00193
未入力 (xxx)

しほれつる夜のまの露のひるまたに草はやすめぬ秋のむらさめ

しをれつる−よのまのつゆの−ひるまたに−くさはやすめぬ−あきのむらさめ


00194
未入力 (xxx)

さほ姫のわか袖ひとつおほ空にありとやはるの霞たつらん

さほひめの−わかそてひとつ−おほそらに−ありとやはるの−かすみたつらむ


00195
未入力 (xxx)

月ならて夜川にさせるかかりひもおなしかつらの光なりけり

つきならて−よかはにさせる−かかりひも−おなしかつらの−ひかりなりけり


00196
未入力 (xxx)

月たにも霞みかへたる春の夜に山のはてらす花の色かな

つきたにも−かすみかへたる−はるのよに−やまのはてらす−はなのいろかな


00197
未入力 (xxx)

かた岡のもりのこのはも色つきぬわさ田のおしね今や刈らまし

かたをかの−もりのこのはも−いろつきぬ−わさたのおしね−いまやからまし


00198
未入力 (xxx)

谷の戸は夕しほさしてあまころもすそまの山にあきかせそふく

たにのとは−ゆふしほさして−あまころも−すそまのやまに−あきかせそふく


00199
未入力 (xxx)

あらしこそ外山のみねのときは木に雪けしくれてかかる村雲

あらしこそ−とやまのみねの−ときはきに−ゆきけしくれて−かかるむらくも


00200
未入力 (xxx)

思ふ事けになくさむる月ならはこけのたもとは秋やほさまし

おもふこと−けになくさむる−つきならは−こけのたもとは−あきやほさまし


00201
未入力 (xxx)

ささなみや遠さかりゆくにほのうみは氷そうらのしほひなりける

ささなみや−とほさかりゆく−にほのうみは−こほりそうらの−しほひなりける


00202
未入力 (xxx)

さりとてもありはてぬよのはかなきになとしぬはかりこひしかるらん

さりとても−ありはてぬよの−はかなきに−なとしぬはかり−こひしかるらむ


00203
未入力 (xxx)

わかれねよ夢路といひしかねことをなとそのままにたのまさるらむ

わかれねよ−ゆめちといひし−かねことを−なとそのままに−たのまさるらむ


00204
未入力 (xxx)

きぬきぬにならはいかにと思ふよりよふかくおつるわかなみたかな

きぬきぬに−ならはいかにと−おもふより−よふかくおつる−わかなみたかな


00205
未入力 (xxx)

たらちねの親のみる世と祈りこしわかかねことを神やうけけむ

たらちねの−おやのみるよと−いのりこし−わかかねことを−かみやうけけむ


00206
未入力 (xxx)

いかにせむしなはともにとおもふ身はおなしかきりのいのちならすは

いかにせむ−しなはともにと−おもふみは−おなしかきりの−いのちならすは


00207
未入力 (xxx)

荒磯にこけむすはかりとしへたるいはほはいつの真砂なるらむ

あらいそに−こけむすはかり−としへたる−いはほはいつの−まさこなるらむ


00208
未入力 (xxx)

今まてもあるは思ひのほかなれはみを歎くへきことわりもなし

いままても−あるはおもひの−ほかなれは−みをなけくへき−ことわりもなし


00209
未入力 (xxx)

みしめひく三輪のひはらもふりにけりこれや神代のしるしなるらん

みしめひく−みわのひはらも−ふりにけり−これやかみよの−しるしなるらむ


00210
未入力 (xxx)

おこたらぬ身にこそおもへすみよしの神はまことに道まほりけり

おこたらぬ−みにこそおもへ−すみよしの−かみはまことに−みちまもりけり