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千載集


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作品集名千載集 
作品集名読みせんざいしゅう 
作成年月日文治三年九月二十日(1187年10月23日)
場所 
備考文治三年九月二十日(1187年10月23日)形式的奏覧。翌四年四月二日(1188年4月30日)実質的奏覧。→改訂→同年八月(8月後半過ぎあたり頃)最終的奏覧。 

千載集 巻一:春上
千載集 巻二:春下
千載集 巻三:夏
千載集 巻四:秋上
千載集 巻五:秋下
千載集 巻六:冬
千載集 巻七:離別
千載集 巻八:羈旅
千載集 巻九:哀傷
千載集 巻十:賀
千載集 巻十一:恋一
千載集 巻十二:恋二
千載集 巻十三:恋三
千載集 巻十四:恋四
千載集 巻十五:恋五
千載集 巻十六:雑上
千載集 巻十七:雑中
千載集 巻十八:雑下
千載集 巻十九:釈教
千載集 巻二十:神祇
千載集 異本歌

千載集 巻一:春上

00001
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

はるのくるあしたのはらをみわたせは霞もけふそたちはしめける

はるのくる−あしたのはらを−みわたせは−かすみもけふそ−たちはしめける

異同資料句番号:00001

00002
国信 中納言国信 (203)

みむろ山たににや春のたちぬらむ雪のした水いはたたくなり

みむろやま−たににやはるの−たちぬらむ−ゆきのしたみつ−いはたたくなり

異同資料句番号:00002

00003
待賢門院堀河 (080)

雪ふかきいはのかけ道あとたゆるよし野の里も春はきにけり

ゆきふかき−いはのかけみち−あとたゆる−よしののさとも−はるはきにけり

異同資料句番号:00003

00004
匡房 前中納言匡房 (073)

みちたゆといとひしものを山さとにきゆるはをしきこその雪かな

みちたゆと−いとひしものを−やまさとに−きゆるはをしき−こそのゆきかな

異同資料句番号:00004

00005
番号外作者 藤原顕綱朝臣 (999)

春たては雪のした水うちとけて谷のうくひすいまそ鳴くなる

はるたては−ゆきのしたみつ−うちとけて−たにのうくひす−いまそなくなる

異同資料句番号:00005

00006
番号外作者 大納言隆国 (999)

山さとのかきねに春やしるからんかすまぬさきに鴬のなく

やまさとの−かきねにはるや−しるからむ−かすまぬさきに−うくひすのなく

異同資料句番号:00006

00007
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

煙かとむろのやしまをみしほとにやかても空のかすみぬるかな

けふりかと−むろのやしまを−みしほとに−やかてもそらの−かすみぬるかな

異同資料句番号:00007

00008
兼実 摂政前右大臣 (562)

かすみしく春のしほちをみわたせはみとりをわくるおきつしら浪

かすみしく−はるのしほちを−みわたせは−みとりをわくる−おきつしらなみ

異同資料句番号:00008

00009
匡房 前中納言匡房 (073)

わきも子か袖ふるやまも春きてそ霞のころもたちわたりける

わきもこか−そてふるやまも−はるきてそ−かすみのころも−たちわたりける

異同資料句番号:00009

00010
番号外作者 刑部卿頼輔 (999)

春くれはすきのしるしもみえぬかな霞そたてるみわの山もと

はるくれは−すきのしるしも−みえぬかな−かすみそたてる−みわのやまもと

異同資料句番号:00010

00011
隆房 左兵衛督隆房 (309)

みわたせはそことしるしの杉もなし霞のうちやみわの山もと

みわたせは−そことしるしの−すきもなし−かすみのうちや−みわのやまもと

異同資料句番号:00011

00012
待賢門院堀河 (080)

ときはなる松もや春をしりぬらんはつねをいはふ人にひかれて

ときはなる−まつもやはるを−しりぬらむ−はつねをいはふ−ひとにひかれて

異同資料句番号:00012

00013
通俊 治部卿通俊 (536)

うらやまし雪のした草かきわけてたれをとふひのわかななるらん

うらやまし−ゆきのしたくさ−かきわけて−たれをとふひの−わかななるらむ

異同資料句番号:00013

00014
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

かすか野の雪をわかなにつみそへてけふさへ袖のしほれぬるかな

かすかのの−ゆきをわかなに−つみそへて−けふさへそての−しをれぬるかな

異同資料句番号:00014

00015
番号外作者 権中納言俊忠 (999)

さきそむる梅のたちえにふる雪のかさなるかすをとへとこそおもへ

さきそむる−うめのたちえに−ふるゆきの−かさなるかすを−とへとこそおもへ

異同資料句番号:00015

00016
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

むめかえに心もゆきてかさなるをしらてや人のとへといふらん

うめかえに−こころもゆきて−かさなるを−しらてやひとの−とへといふらむ

異同資料句番号:00016

00017
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

むめかえにふりつむ雪は鴬のはかせにちるも花かとそみる

うめかえに−ふりつむゆきは−うくひすの−はかせにちるも−はなかとそみる

異同資料句番号:00017

00018
番号外作者 久我前太政大臣 (999)

かをる香のたえせぬ春はむめの花ふきくる風やのとけかるらん

かをるかの−たえせぬはるは−うめのはな−ふきくるかせや−のとけかるらむ

異同資料句番号:00018

00019
師頼 大納言師頼 (204)

いまよりはむめさくやとは心せんまたぬにきます人も有りけり

いまよりは−うめさくやとは−こころせむ−またぬにきます−ひともありけり

異同資料句番号:00019

00020
匡房 前中納言匡房 (073)

にほひもてわかはそわかむ梅のはなそれともみえぬ春のよの月

にほひもて−わかはそわかむ−うめのはな−それともみえぬ−はるのよのつき

異同資料句番号:00020

00021
公能 大炊御門右大臣 (252)

むめの花をりてかさしにさしつれは衣におつる雪かとそみる

うめのはな−をりてかさしに−さしつれは−ころもにおつる−ゆきかとそみる

異同資料句番号:00021

00022
和泉式部 上東門院和泉式部 (056)

むめかかにおとろかれつつ春のよのやみこそ人はあくからしけれ

うめかかに−おとろかれつつ−はるのよの−やみこそひとは−あくからしけれ

異同資料句番号:00022

00023
道信 藤原道信朝臣 (052)

さ夜ふけて風やふくらん花のかのにほふここちのそらにするかな

さよふけて−かせやふくらむ−はなのかの−にほふここちの−そらにするかな

異同資料句番号:00023

00024
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

はるの夜はのきはのむめをもる月のひかりもかをる心ちこそすれ

はるのよは−のきはのうめを−もるつきの−ひかりもかをる−ここちこそすれ

異同資料句番号:00024

00025
崇徳院 崇徳院御製 (077)

春のよはふきまふ風のうつり香を木ことにむめとおもひけるかな

はるのよは−ふきまふかせの−うつりかを−きことにうめと−おもひけるかな

異同資料句番号:00025

00026
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

むめかかはおのかかきねをあくかれてまやのあたりにひまもとむなり

うめかかは−おのかかきねを−あくかれて−まやのあたりに−ひまもとむなり

異同資料句番号:00026

00027
実定 右大臣 (081)

むめかかにこゑうつりせは鴬のなく一えたはをらましものを

うめかかに−こゑうつりせは−うくひすの−なくひとえたは−をらましものを

異同資料句番号:00027

00028
守覚法親王 仁和寺法親王(守覚) (304)

梅かえの花にこつたふうくひすのこゑさへにほふ春の曙

うめかえの−はなにこつたふ−うくひすの−こゑさへにほふ−はるのあけほの

異同資料句番号:00028

00029
番号外作者 権大納言実家 (999)

風わたるのきはのむめに鴬のなきてこつたふ春のあけほの

かせわたる−のきはのうめに−うくひすの−なきてこつたふ−はるのあけほの

異同資料句番号:00029

00030
番号外作者 大納言定房 (999)

むかしよりちららむやとのむめの花わくる心は色にみゆらん

むかしより−ちらさぬやとの−うめのはな−わくるこころは−いろにみゆらむ

異同資料句番号:00030

00031
匡房 前中納言匡房 (073)

よも山にこのめ春さめふりぬれはかそいろはとや花のたのまん

よもやまに−このめはるさめ−ふりぬれは−かそいろはとや−はなのたのまむ

異同資料句番号:00031

00032
基俊 藤原基俊 (075)

はるさめのふりそめしよりかたをかのすそ野の原そあさみとりなる

はるさめの−ふりそめしより−かたをかの−すそののはらそ−あさみとりなる

異同資料句番号:00032

00033
和泉式部 (056)

つれつれとふれは涙の南なるを春の物とや人はみるらん

つれつれと−ふれはなみたの−あめなるを−はるのものとや−ひとはみるらむ

異同資料句番号:00033

00034
基俊 藤原基俊 (075)

み山木のかけののしたの下わらひもえいつれともしる人もなし

みやまきの−かけののしたの−したわらひ−もえいつれとも−しるひともなし

異同資料句番号:00034

00035
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

みこもりにあしのわかはやもえぬらん玉江のぬまをあさる春こま

みこもりに−あしのわかはや−もえぬらむ−たまえのぬまを−あさるはるこま

異同資料句番号:00035

00036
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

春くれはたのむのかりもいまはとてかへる雲ちにおもひたつなり

はるくれは−たのむのかりも−いまはとて−かへるくもちに−おもひたつなり

異同資料句番号:00036

00037
良経 左近中将良経 (091)

なかむれはかすめるそらのうき雲とひとつになりぬかへるかりかね

なかむれは−かすめるそらの−うきくもと−ひとつになりぬ−かへるかりかね

異同資料句番号:00037

00038
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

あまつそらひとつにみゆるこしの海の浪をわけてもかへる雁かね

あまつそら−ひとつにみゆる−こしのうみの−なみをわけても−かへるかりかね

異同資料句番号:00038

00039
番号外作者 祝部宿禰成仲 (999)

かへるかりいく雲ゐともしらねとも心はかりをたくへてそやる

かへるかり−いくくもゐとも−しらねとも−こころはかりを−たくへてそやる

異同資料句番号:00039

00040
季通 藤原季通朝臣 (255)

春はなほはなのにほひもさもあらはあれたた身にしむは曙のそら

はるはなほ−はなのにほひも−さもあらはあれ−たたみにしむは−あけほののそら

異同資料句番号:00040

00041
崇徳院 崇徳院御製 (077)

あさゆふに花まつころはおもひねの夢のうちにそさきはしめける

あさゆふに−はなまつころは−おもひねの−ゆめのうちにそ−さきはしめける

異同資料句番号:00041

00042
待賢門院堀河 待賢門院堀川 (080)

いつかたに花さきぬらんとおもふよりよもの山辺にちる心かな

いつかたに−はなさきぬらむと−おもふより−よものやまへに−ちるこころかな

異同資料句番号:00042

00043
番号外作者 京極前太政大臣 (999)

山さくらたつぬときくにさそはれぬ老のこころのあくかるるかな

やまさくら−たつぬときくに−さそはれぬ−おいのこころの−あくかるるかな

異同資料句番号:00043

00044
番号外作者 花園左おほいまうちきみ (999)

かけきよき花のかかみとみゆるかなのとかにすめるしら川の水

かけきよき−はなのかかみと−みゆるかな−のとかにすめる−しらかはのみつ

異同資料句番号:00044

00045
番号外作者 徳大寺左大臣(于時左兵衛督) (999)

よろつ代の花のためしやけふならんむかしもかかる春しなけれは

よろつよの−はなのためしや−けふならむ−むかしもかかる−はるしなけれは

異同資料句番号:00045

00046
崇徳院 崇徳院御製 (077)

たつねつる花のあたりになりにけりにほふにしるし春の山かせ

たつねつる−はなのあたりに−なりにけり−にほふにしるし−はるのやまかせ

異同資料句番号:00046

00047
忠通 法性寺入道前太政大臣 (076)

かへるさをいそかぬほとの道ならはのとかにみねの花はみてまし

かへるさを−いそかぬほとの−みちならは−のとかにみねの−はなはみてまし

異同資料句番号:00047

00048
番号外作者 中納言女王 (999)

山さくらにほふあたりの春かすみ風をはよそにたちへたてなん

やまさくら−にほふあたりの−はるかすみ−かせをはよそに−たちへたてなむ

異同資料句番号:00048

00049
番号外作者 藤原顕綱朝臣 (999)

花ゆゑにかからぬ山そなかりける心ははるのかすみならねと

はなゆゑに−かからぬやまそ−なかりける−こころははるの−かすみならねと

異同資料句番号:00049

00050
番号外作者 京極前太政大臣 (999)

さくら花おほくの春にあひぬれと昨日けふをやためしにはせん

さくらはな−おほくのはるに−あひぬれと−きのふけふをや−ためしにはせむ

異同資料句番号:00050

00051
番号外作者 後二条関白内大臣 (999)

はなさかりはるの山へをみわたせはそらさヘにほふ心ちこそすれ

はなさかり−はるのやまへを−みわたせは−そらさへにほふ−ここちこそすれ

異同資料句番号:00051

00052
番号外作者 右衛門督基忠 (999)

さきにほふ花のあたりは春なからたえせぬやとのみゆきとそみる

さきにほふ−はなのあたりは−はるなから−たえせぬやとの−みゆきとそみる

異同資料句番号:00052

00053
番号外作者 中院右のおほいまうちきみ (999)

たつねきてたをるさくらのあキふに花のたもとのぬれぬ日そなき

たつねきて−たをるさくらの−あさつゆに−はなのたもとの−ぬれぬひそなき

異同資料句番号:00053

00054
実定 右大臣 (081)

かりにたにいとふ心やなからましちらぬ花さくこの世なりせは

かりにたに−いとふこころや−なからまし−ちらぬはなさく−このよなりせは

異同資料句番号:00054

00055
番号外作者 前左衛門督公光 (999)

みな人の心にそむるさくら花いくしほ年にいろまさるらん

みなひとの−こころにそむる−さくらはな−いくしほとしに−いろまさるらむ

異同資料句番号:00055

00056
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

かつらきやたかまの山のさくら花雲井のよそにみてや過きなん

かつらきや−たかまのやまの−さくらはな−くもゐのよそに−みてやすきなむ

異同資料句番号:00056

00057
教長 前参議教長 (253)

山さくらかすみこめたるありかをはつらきものから風そしらする

やまさくら−かすみこめたる−ありかをは−つらきものから−かせそしらする

異同資料句番号:00057

00058
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

神かきのみむろの山は春きてそ花のしらゆふかけてみえける

かみかきの−みむろのやまは−はるきてそ−はなのしらゆふ−かけてみえける

異同資料句番号:00058

00059
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

よもすから花のにほひをおもひやる心やみねにたひねしつらん

よもすから−はなのにほひを−おもひやる−こころやみねに−たひねしつらむ

異同資料句番号:00059

00060
兼実 摂政前右大臣 (562)

さきぬやとしらぬ山ちにたつねいるわれをは花のしをるなりけり

さきぬやと−しらぬやまちに−たつねいる−われをははなの−しをるなりけり

異同資料句番号:00060

00061
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

くれはてぬかへさはおくれ山さくらたかためにきてまとふとかしる

くれはてぬ−かへさはおくれ−やまさくら−たかためにきて−まとふとかしる

異同資料句番号:00061

00062
道因 道因法師俗名(敦頼) (082)

花ゆゑにしらぬ山路はなけれともまとふは春の心なりけり

はなゆゑに−しらぬやまちは−なけれとも−まとふははるの−こころなりけり

異同資料句番号:00062

00063
番号外作者 藤原公時朝臣 (999)

としをへておなしさくらの花の色をそめます物は心なりけり

としをへて−おなしさくらの−はなのいろを−そめますものは−こころなりけり

異同資料句番号:00063

00064
公衡 藤原公衡朝臣 (563)

花さかりよもの山へにあくかれて春は心のみにそはぬかな

はなさかり−よものやまへに−あくかれて−はるはこころの−みにそはぬかな

異同資料句番号:00064

00065
顕昭 顕昭法師 (564)

よし野川みかさはさしもまさらしをあをねをこすや花のしら浪

よしのかは−みかさはさしも−まさらしを−あをねをこすや−はなのしらなみ

異同資料句番号:00065

00066
読人不知 よみ人しらす (000)

ささ浪やしかのみやこはあれにしをむかしなからの山さくらかな

ささなみや−しかのみやこは−あれにしを−むかしなからの−やまさくらかな

異同資料句番号:00066

00067
番号外作者 祝部宿禰成仲 (999)

ささ浪や志賀の花そのみるたひにむかしの人の心をそしる

ささなみや−しかのはなその−みるたひに−むかしのひとの−こころをそしる

異同資料句番号:00067

00068
番号外作者 賀茂成保 (999)

たかさこのをのへの桜さきぬれはこすゑにかくるおきつ白浪

たかさこの−をのへのさくら−さきぬれは−こすゑにかくる−おきつしらなみ

異同資料句番号:00068

00069
西行 円位法師 (086)

おしなへて花のさかりに成りにけり山のはことにかかるしら雲

おしなへて−はなのさかりに−なりにけり−やまのはことに−かかるしらくも

異同資料句番号:00069

00070
寂然 藤原為業(法名寂念) (565)

芳野やまはなのさかりになりぬれはたたぬ時なきみねのしら雲

よしのやま−はなのさかりに−なりぬれは−たたぬときなき−みねのしらくも

異同資料句番号:00070

00071
 源仲正 (543)

春をへてにほひをそふる山さくら花はおいこそさかりなりけれ

はるをへて−にほひをそふる−やまさくら−はなはおいこそ−さかりなりけれ

異同資料句番号:00071

00072
待賢門院堀河 (080)

しら雲とみねのさくらはみゆれとも月のひかりはへたてさりけり

しらくもと−みねのさくらは−みゆれとも−つきのひかりは−へたてさりけり

異同資料句番号:00072

00073
上西門院兵衛 (262)

花の色にひかりさしそふはるの夜そこのまの月はみるへかりける

はなのいろに−ひかりさしそふ−はるのよそ−このまのつきは−みるへかりける

異同資料句番号:00073

00074
番号外作者 太宰大弐重家 (999)

をはつせの花のさかりをみわたせは霞にまかふみねのしら雲

をはつせの−はなのさかりを−みわたせは−かすみにまかふ−みねのしらくも

異同資料句番号:00074

00075
番号外作者 藤原範綱 (999)

ささ浪やなからの山のみねつつきみせはや人に花のさかりを

ささなみや−なからのやまの−みねつつき−みせはやひとに−はなのさかりを

異同資料句番号:00075

00076
俊成 皇太后宮大夫俊成(法名釈河) (083)

御よしのの花のさかりをけふみれはこしのしらねに春かせそふく

みよしのの−はなのさかりを−けふみれは−こしのしらねに−はるかせそふく

異同資料句番号:00076


千載集 巻二:春下

00077
白河院 白河院御製 (534)

さきしよりちるまてみれは木のもとに花も日かすもつもりぬるかな

さきしより−ちるまてみれは−このもとに−はなもひかすも−つもりぬるかな

異同資料句番号:00077

00078
番号外作者 院御製 (999)

いけ水にみきはのさくらちりしきて浪の花こそさかりなりけれ

いけみつに−みきはのさくら−ちりしきて−なみのはなこそ−さかりなりけれ

異同資料句番号:00078

00079
番号外作者 大宮前のおほきおほいまうちきみ (999)

しら雲とみねにはみえてさくら花ちれはふもとの雪にそ有りける

しらくもと−みねにはみえて−さくらはな−ちれはふもとの−ゆきにそありける

異同資料句番号:00079

00080
季通 藤原季通朝臣 (255)

よし野やま花はなかはにちりにけりたえたえのこるみねのしら雲

よしのやま−はなはなかはに−ちりにけり−たえたえのこる−みねのしらくも

異同資料句番号:00080

00081
周防内侍 内侍周防 (067)

山さくらをしむこころのいくたひかちる木のもとにゆきかかるらん

やまさくら−をしむこころの−いくたひか−ちるこのもとに−ゆきかかるらむ

異同資料句番号:00081

00082
長家 大納言長家 (535)

はるさめにちる花みれはかきくらしみそれし空の心ちこそすれ

はるさめに−ちるはなみれは−かきくらし−みそれしそらの−ここちこそすれ

異同資料句番号:00082

00083
赤染衛門 上東門院赤染衛門 (059)

ふめはをしふまてはゆかんかたもなし心つくしの山さくらかな

ふめはをし−ふまてはゆかむ−かたもなし−こころつくしの−やまさくらかな

異同資料句番号:00083

00084
匡房 前中納言匡房 (073)

山さくらちちに心のくたくるはちる花ことにそふにや有るらん

やまさくら−ちちにこころの−くたくるは−ちるはなことに−そふにやあるらむ

異同資料句番号:00084

00085
仲実 藤原仲実朝臣 (207)

はなのちる木のしたかけはおのつからそめぬさくらの衣をそきる

はなのちる−このしたかけは−おのつから−そめぬさくらの−ころもをそきる

異同資料句番号:00085

00086
基俊 藤原基俊 (075)

春をへて花ちらましやおく山のかせをさくらの心とおもはは

はるをへて−はなちらましや−おくやまの−かせをさくらの−こころとおもはは

異同資料句番号:00086

00087
番号外作者 右兵衛督公行 (999)

あらしふくしかの山辺のさくら花ちれは雲井にささ浪そたつ

あらしふく−しかのやまへの−さくらはな−ちれはくもゐに−ささなみそたつ

異同資料句番号:00087

00088
親隆 前参議親隆 (257)

春かせに志賀の山こえ花ちれはみねにそうらの浪はたちける

はるかせに−しかのやまこえ−はなちれは−みねにそうらの−なみはたちける

異同資料句番号:00088

00089
良経 左近中将良経 (091)

さくらさくひらの山かせ吹くままに花になりゆくしかのうら浪

さくらさく−ひらのやまかせ−ふくままに−はなになりゆく−しかのうらなみ

異同資料句番号:00089

00090
実房 右近大将実房 (319)

ちりかかる花のにしきはきたれともかへらむことそわすられにける

ちりかかる−はなのにしきは−きたれとも−かへらむことそ−わすられにける

異同資料句番号:00090

00091
番号外作者 権大納言実国 (999)

あかなくに袖につつめはちる花をうれしとおもふになりぬへきかな

あかなくに−そてにつつめは−ちるはなを−うれしとおもふに−なりぬへきかな

異同資料句番号:00091

00092
通親 権中納言通親 (306)

さくら花うき身にかふるためしあらはいきてちるをはをしまさらまし

さくらはな−うきみにかふる−ためしあらは−いきてちるをは−をしまさらまし

異同資料句番号:00092

00093
俊恵 俊恵法師 (085)

みよしのの山した風やはらふらむこすゑにかへる花のしら雪

みよしのの−やましたかせや−はらふらむ−こすゑにかへる−はなのしらゆき

異同資料句番号:00093

00094
番号外作者 源有房 (999)

ひとえたはをりてかへらむ山さくら風にのみやはちらしはつへき

ひとえたは−をりてかへらむ−やまさくら−かせにのみやは−ちらしはつへき

異同資料句番号:00094

00095
道因 遣因法師 (082)

ちる花を身にかふはかりおもへともかなはてとしの老いにけるかな

ちるはなを−みにかふはかり−おもへとも−かなはてとしの−おいにけるかな

異同資料句番号:00095

00096
番号外作者 賀盛法師 (999)

あかなくにちりぬる花のおもかけや風にしられぬさくらなるらん

あかなくに−ちりぬるはなの−おもかけや−かせにしられぬ−さくらなるらむ

異同資料句番号:00096

00097
番号外作者 源仲綱 (999)

山さくらちるをみてこそおもひしれたつねぬ人は心ありけり

やまさくら−ちるをみてこそ−おもひしれ−たつねぬひとは−こころありけり

異同資料句番号:00097

00098
道命 道命法師 (158)

よそにてそきくへかりけるさくら花めのまへにてもちらしつるかな

よそにてそ−きくへかりける−さくらはな−めのまへにても−ちらしつるかな

異同資料句番号:00098

00099
能因 能因法師 (069)

さくらちる水のおもにはせきとむる花のしからみかくへかりけり

さくらちる−みつのおもには−せきとむる−はなのしからみ−かくへかりけり

異同資料句番号:00099

00100
番号外作者 花薗左大臣 (999)

山かせにちりつむ花のなかれすはいかてしらまし谷のした水

やまかせに−ちりつむはなの−なかれすは−いかてしらまし−たにのしたみつ

異同資料句番号:00100

00101
番号外作者 前大納言俊実 (999)

花のみなちりてののちそ山さとのはらはぬ庭はみるへかりける

はなのみな−ちりてののちそ−やまさとの−はらはぬにはは−みるへかりける

異同資料句番号:00101

00102
基俊 藤原基俊 (075)

ふるさとは花こそいととしのはるれちりぬるのちはとふ人もなし

ふるさとは−はなこそいとと−しのはるれ−ちりぬるのちは−とふひともなし

異同資料句番号:00102

00103
番号外作者 源義家朝臣 (999)

吹くかせをなこそのせきとおもへともみちもせにちる山桜かな

ふくかせを−なこそのせきと−おもへとも−みちもせにちる−やまさくらかな

異同資料句番号:00103

00104
 源仲正 (543)

したさゆるひむろの山のおそさくらきえのこりける雪かとそみる

したさゆる−ひむろのやまの−おそさくら−きえのこりける−ゆきかとそみる

異同資料句番号:00104

00105
親隆 前参議親隆 (257)

かかみ山ひかりは花のみせけれはちりつみてこそさひしかりけれ

かかみやま−ひかりははなの−みせけれは−ちりつみてこそ−さひしかりけれ

異同資料句番号:00105

00106
季通 藤原季通朝臣 (255)

心なきわか身なれとも津の国のなにはの春にたへすも有るかな

こころなき−わかみなれとも−つのくにの−なにはのはるに−たへすもあるかな

異同資料句番号:00106

00107
匡房 前中納言匡房 (073)

おもふことちえにやしけきよふこ鳥しのたのもりのかたに鳴くなり

おもふこと−ちえにやしけき−よふことり−しのたのもりの−かたになくなり

異同資料句番号:00107

00108
国信 中納言国信 (203)

こよひねてつみてかへらむすみれ草をののしはふは露しけくとも

こよひねて−つみてかへらむ−すみれくさ−をののしはふは−つゆしけくとも

異同資料句番号:00108

00109
顕季 修埋大夫顕季 (205)

ききすなくいはたのをののつほすみれしめさすはかり成りにけるかな

ききすなく−いはたのをのの−つほすみれ−しめさすはかり−なりにけるかな

異同資料句番号:00109

00110
番号外作者 源顕国 (999)

道とほみいる野の原のつほすみれ春のかたみにつみてかへらん

みちとほみ−いるののはらの−つほすみれ−はるのかたみに−つみてかへらむ

異同資料句番号:00110

00111
匡房 前中納言匡房 (073)

はるふかみ井ての河水かけそははいくへかみえむ山ふきのはな

はるふかみ−ゐてのかはみつ−かけそはは−いくへかみえむ−やまふきのはな

異同資料句番号:00111

00112
基俊 藤原基俊 (075)

山ふきのはなさきにけりかはつなくゐてのさと人いまや問はまし

やまふきの−はなさきにけり−かはつなく−ゐてのさとひと−いまやとはまし

異同資料句番号:00112

00113
京極関白家肥後 二条太皇大后宮肥後 (214)

ここのへにやへ山ふきをうつしてはゐてのかはつの心をそくむ

ここのへに−やへやまふきを−うつしては−ゐてのかはつの−こころをそくむ

異同資料句番号:00113

00114
番号外作者 藤原範綱 (999)

よし野川きしのやまふきさきぬれはそこにそふかき色はみえける

よしのかは−きしのやまふき−さきぬれは−そこにそふかき−いろはみえける

異同資料句番号:00114

00115
番号外作者 藤原定経 (999)

くちなしの色にそすめる山ふきの花のしたゆくゐ手のかはみつ

くちなしの−いろにそすめる−やまふきの−はなのしたゆく−ゐてのかはみつ

異同資料句番号:00115

00116
番号外作者 惟宗広言 (999)

いかなれは春をかさねてみつれともやへにのみさく山吹のはな

いかなれは−はるをかさねて−みつれとも−やへにのみさく−やまふきのはな

異同資料句番号:00116

00117
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

やまふきの花のつまとはきかねともうつろふなへに鳴くかはつかな

やまふきの−はなのつまとは−きかねとも−うつろふなへに−なくかはつかな

異同資料句番号:00117

00118
番号外作者 康資王母 (999)

いつかたににほひますらむふちの花はると夏とのきしをへたてて

いつかたに−にほひますらむ−ふちのはな−はるとなつとの−きしをへたてて

異同資料句番号:00118

00119
番号外作者 中納言祐家 (999)

ここのへにさけるをみれはふちの花こきむらさきの雲そたちける

ここのへに−さけるをみれは−ふちのはな−こきむらさきの−くもそたちける

異同資料句番号:00119

00120
公能 大炊御門右大臣 (252)

としふれとかはらぬ松をたのみてやかかりそめけんいけの藤なみ

としふれと−かはらぬまつを−たのみてや−かかりそめけむ−いけのふちなみ

異同資料句番号:00120

00121
番号外作者 二条院御製 (999)

われもまた春とともにやかへらましあすはかりをはここにくらして

われもまた−はるとともにや−かへらまし−あすはかりをは−ここにくらして

異同資料句番号:00121

00122
崇徳院 崇徳院御製 (077)

花はねに鳥はふるすにかへるなり春のとまりをしる人そなき

はなはねに−とりはふるすに−かへるなり−はるのとまりを−しるひとそなき

異同資料句番号:00122

00123
具平親王 中務卿具平のみこ (523)

いのちあらは又もあひなむ春なれとしのひかたくてくらすけふかな

いのちあらは−またもあひみむ−はるなれと−しのひかたくて−くらすけふかな

異同資料句番号:00123

00124
式子内親王 (089)

なかむれはおもひやるへきかたそなき春のかきりの夕くれのそら

なかむれは−おもひやるへき−かたそなき−はるのかきりの−ゆふくれのそら

異同資料句番号:00124

00125
隆季 大納言隆季 (256)

くれてゆく春はのこりもなきものををしむ心のつきせさるらん

くれてゆく−はるはのこりも−なきものを−をしむこころの−つきせさるらむ

異同資料句番号:00125

00126
番号外作者 久我内のおほいまうちきみ (999)

いり日さす山のはさヘそうらめしきくれすは春のかへらましやは

いりひさす−やまのはさへそ−うらめしき−くれすははるの−かへらましやは

異同資料句番号:00126

00127
番号外作者 藤原定成 (999)

いくかへりけふにわか身のあひぬらんをしきは春のすくるのみかは

いくかへり−けふにわかみの−あひぬらむ−をしきははるの−すくるのみかは

異同資料句番号:00127

00128
番号外作者 源仲綱 (999)

身のうさも花みしほとはわすられき春のわかれをなけくのみかは

みのうさも−はなみしほとは−わすられき−はるのわかれを−なけくのみかは

異同資料句番号:00128

00129
経家 藤原経家朝臣 (311)

いつかたと春のゆくへはしらねともをしむ心のさきにたつらん

いつかたと−はるのゆくへは−しらねとも−をしむこころの−さきにたつらむ

異同資料句番号:00129

00130
番号外作者 琳賢法師 (999)

もろともにおなしみやこは出てしかとつひには春にわかれぬるかな

もろともに−おなしみやこは−いてしかと−つひにははるに−わかれぬるかな

異同資料句番号:00130

00131
番号外作者 法印静賢 (999)

花はみなよものあらしにさそはれてひとりや春のけふはゆくらん

はなはみな−よものあらしに−さそはれて−ひとりやはるの−けふはゆくらむ

異同資料句番号:00131

00132
番号外作者 権大僧都範玄 (999)

はなのはるかさなるかひそなかりけるちらぬ日かすのそははこそあらめ

はなのはる−かさなるかひそ−なかりける−ちらぬひかすの−そははこそあらめ

異同資料句番号:00132

00133
番号外作者 前大僧正覚忠 (999)

をしめともかひもなきさに春くれて浪とともにそたちわかれぬる

をしめとも−かひもなきさに−はるくれて−なみとともにそ−たちわかれぬる

異同資料句番号:00133

00134
匡房 前中納言匡房 (073)

つねよりもけふのくるるををしむかないまいくたひの春としらねは

つねよりも−けふのくるるを−をしむかな−いまいくたひの−はるとしらねは

異同資料句番号:00134

00135
前斎宮河内 河内 (216)

けふくれぬはなのちりしもかくそありし二たひ春は物をおもふよ

けふくれぬ−はなのちりしも−かくそありし−ふたたひはるは−ものをおもふよ

異同資料句番号:00135


千載集 巻三:夏

00136
匡房 前中納言匡房 (073)

夏ころもはなのたもとにぬきかへて春のかたみもとまらさりけり

なつころも−はなのたもとに−ぬきかへて−はるのかたみも−とまらさりけり

異同資料句番号:00136

00137
基俊 藤原基俊 (075)

けふかふるせみの羽ころもきてみれはたもとに夏はたつにそ有りける

けふかふる−せみのはころも−きてみれは−たもとになつは−たつにそありける

異同資料句番号:00137

00138
実清 藤原実清朝臣 (258)

あかてゆく春のわかれにいにしへの人やうつきといひはしめけん

あかてゆく−はるのわかれに−いにしへの−ひとやうつきと−いひはしめけむ

異同資料句番号:00138

00139
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

むらむらにさけるかきねの卯のはなはこのまの月の心ちこそすれ

むらむらに−さけるかきねの−うのはなは−このまのつきの−ここちこそすれ

異同資料句番号:00139

00140
実房 右近大将実房 (319)

ゆふつくよほのめく影もうの花のさけるわたりはさやけかりけり

ゆふつくよ−ほのめくかけも−うのはなの−さけるわたりは−さやけかりけり

異同資料句番号:00140

00141
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

玉川とおとにききしは卯花を露のかきれる名にこそ有りけれ

たまかはと−おとにききしは−うのはなを−つゆのかされる−なにこそありけれ

異同資料句番号:00141

00142
季通 藤原季通朝臣 (255)

みてすくる人しなけれは卯のはなのさけるかきねや白川の関

みてすくる−ひとしなけれは−うのはなの−さけるかきねや−しらかはのせき

異同資料句番号:00142

00143
番号外作者 賀茂政平 (999)

卯のはなのよそめなりけり山さとのかきねはかりにふれるしら雪

うのはなの−よそめなりけり−やまさとの−かきねはかりに−ふれるしらゆき

異同資料句番号:00143

00144
番号外作者 藤原敦経朝臣 (999)

うの花のかきねとのみやおもはまししつのふせやに煙たたすは

うのはなの−かきねとのみや−おもはまし−しつのふせやに−けふりたたすは

異同資料句番号:00144

00145
番号外作者 藤原定通 (999)

やきすてしふるののを野のまくすはら玉まくはかり成りにけるかな

やきすてし−ふるののをのの−まくすはら−たままくはかり−なりにけるかな

異同資料句番号:00145

00146
基俊 藤原基俊 (075)

あふひ草てる日は神のこころかはかけさすかたにまつなひくらん

あふひくさ−てるひはかみの−こころかは−かけさすかたに−まつなひくらむ

異同資料句番号:00146

00147
式子内親王 前斎院式子内親王 (089)

神山のふもとになれしあふひ草ひきわかれても年そへにける

かみやまの−ふもとになれし−あふひくさ−ひきわかれても−としそへにける

異同資料句番号:00147

00148
番号外作者 按察使公通 (999)

ほとときすまつはひさしき夏のよをねぬにあけぬと誰かいひけん

ほとときす−まつはひさしき−なつのよを−ねぬにあけぬと−たれかいひけむ

異同資料句番号:00148

00149
番号外作者 藤原道経 (999)

ふたこゑときかてややまむ時鳥まつにねぬ夜のかすはつもりて

ふたこゑと−きかてややまむ−ほとときす−まつにねぬよの−かすはつもりて

異同資料句番号:00149

00150
番号外作者 賀茂重保 (999)

ほとときすしのふるころは山ひこのこたふる声もほのかにそする

ほとときす−しのふるころは−やまひこの−こたふるこゑも−ほのかにそする

異同資料句番号:00150

00151
道命 道命法師 (158)

あやしきはまつ人からかほとときすなかぬにさへもぬるる袖かな

あやしきは−まつひとからか−ほとときす−なかぬにさへも−ぬるるそてかな

異同資料句番号:00151

00152
番号外作者 康資王母 (999)

ねさめするたよりにきけは郭公つらき人をも待つへかりけり

ねさめする−たよりにきけは−ほとときす−つらきひとをも−まつへかりけり

異同資料句番号:00152

00153
番号外作者 刑部卿頼輔母 (999)

ほとときす又もやなくとまたれつつきく夜しもこそねられさりけれ

ほとときす−またもやなくと−またれつつ−きくよしもこそ−ねられさりけれ

異同資料句番号:00153

00154
番号外作者 覚盛法師 (999)

またてきく人にとははや郭公さてもはつねやうれしかるらん

またてきく−ひとにとははや−ほとときす−さてもはつねや−うれしかるらむ

異同資料句番号:00154

00155
教長 前参議教長 (253)

たつねてもきくへきものを時鳥人たのめなる夜はの一声

たつねても−きくへきものを−ほとときす−ひとたのめなる−よはのひとこゑ

異同資料句番号:00155

00156
番号外作者 権大納言実家 (999)

おもひやる心もつきぬほとときす雲のいくへの外になくらん

おもひやる−こころもつきぬ−ほとときす−くものいくへの−ほかになくらむ

異同資料句番号:00156

00157
守覚法親王 仁和寺法親王(守覚) (304)

ほとときすなほはつこゑをしのふ山ゆふゐる雲のそこに鳴くなり

ほとときす−なほはつこゑを−しのふやま−ゆふゐるくもの−そこになくなり

異同資料句番号:00157

00158
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

かさこしをゆふこえくれはほとときすふもとの雲のそこに鳴くなり

かさこしを−ゆふこえくれは−ほとときす−ふもとのくもの−そこになくなり

異同資料句番号:00158

00159
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

ひとこゑはさやかに鳴きてほとときす雲ちはるかにとほさかるなり

ひとこゑは−さやかになきて−ほとときす−くもちはるかに−とほさかるなり

異同資料句番号:00159

00160
兼実 摂政前右大臣 (562)

おもふことなき身なりせはほとときす夢にきく夜もあらましものを

おもふこと−なきみなりせは−ほとときす−ゆめにきくよも−あらましものを

異同資料句番号:00160

00161
実定 右のおほいまうちきみ (081)

ほとときす鳴きつるかたをなかむれはたたあり明の月そのこれる

ほとときす−なきつるかたを−なかむれは−たたありあけの−つきそのこれる

異同資料句番号:00161

00162
番号外作者 権大納言実国 (999)

なこりなくすきぬなるかなほとときすこそかたらひしやととしらすや

なこりなく−すきぬなるかな−ほとときす−こそかたらひし−やととしらすや

異同資料句番号:00162

00163
番号外作者 権大納言宗家 (999)

夕つくよいるさの山のこかくれにほのかにもなくほとときすかな

ゆふつくよ−いるさのやまの−こかくれに−ほのかにもなく−ほとときすかな

異同資料句番号:00163

00164
番号外作者 前左衡門督公光 (999)

ほとときすききもわかれぬ一こゑによものそらをもなかめつるかな

ほとときす−ききもわかれぬ−ひとこゑに−よものそらをも−なかめつるかな

異同資料句番号:00164

00165
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

すきぬるか夜はのねさめの時鳥こゑはまくらにある心ちして

すきぬるか−よはのねさめの−ほとときす−こゑはまくらに−あるここちして

異同資料句番号:00165

00166
道因 道因法師 (082)

よをかさねねぬよりほかにほとときすいかに待ちてか二こゑはきく

よをかさね−ねぬよりほかに−ほとときす−いかにまちてか−ひとこゑはきく

異同資料句番号:00166

00167
長方 権中納言長方 (566)

心をそつくしはてつるほとときすほのめくよひの村雨のそら

こころをそ−つくしはてつる−ほとときす−ほのめくよひの−むらさめのそら

異同資料句番号:00167

00168
番号外作者 前中納言雅頼 (999)

みやこ人ひきなつくしそあやめ草たひねのとこの枕はかりは

みやこひと−ひきなつくしそ−あやめくさ−たひねのとこの−まくらはかりは

異同資料句番号:00168

00169
兼実 摂政前右大臣 (562)

さみたれにぬれぬれひかむあやめ草ぬまのいはかき浪もこそこせ

さみたれに−ぬれぬれひかむ−あやめくさ−ぬまのいはかき−なみもこそこせ

異同資料句番号:00169

00170
番号外作者 内大臣 (999)

のきちかくけふしもきなく郭公ねをやあやめにそへてふくらん

のきちかく−けふしもきなく−ほとときす−ねをやあやめに−そへてふくらむ

異同資料句番号:00170

00171
番号外作者 枇杷殿皇太后宮五節 (999)

たたならぬ花たちはなのにほひかなよそふる袖はたれとなけれと

たたならぬ−はなたちはなの−にほひかな−よそふるそては−たれとなけれと

異同資料句番号:00171

00172
基俊 藤原基俊 (075)

風にちるはなたちはなに袖しめてわかおもふいもか手枕にせん

かせにちる−はなたちはなに−そてしめて−わかおもふいもか−たまくらにせむ

異同資料句番号:00172

00173
番号外作者 藤原家基 (999)

うき雲のいさよふよひの村雨におひ風しるくにほふたちはな

うきくもの−いさよふよひの−むらさめに−おひかせしるく−にほふたちはな

異同資料句番号:00173

00174
番号外作者 左大弁親宗 (999)

わかやとの花たちはなにふく風をたか里よりとたれなかむらん

わかやとの−はなたちはなに−ふくかせを−たかさとよりと−たれなかむらむ

異同資料句番号:00174

00175
公衡 藤原公衡朝臣 (563)

をりしもあれ花たちはなのかをるかなむかしをみつる夢の枕に

をりしもあれ−はなたちはなの−かをるかな−むかしをみつる−ゆめのまくらに

異同資料句番号:00175

00176
崇徳院 崇徳院御製 (077)

五月雨にはなたちはなのかをる夜は月すむ秋もさもあらはあれ

さみたれに−はなたちはなの−かをるよは−つきすむあきも−さもあらはあれ

異同資料句番号:00176

00177
番号外作者 延久三親王輔仁 (999)

さみたれにおもひこそやれいにしへの草のいほりの夜はのさひしさ

さみたれに−おもひこそやれ−いにしへの−くさのいほりの−よはのさひしさ

異同資料句番号:00177

00178
基俊 藤原基俊 (075)

いととしくしつのいほりのいふせきに卯のはなくたし五月雨そする

いととしく−しつのいほりの−いふせきに−うのはなくたし−さみたれそふる

異同資料句番号:00178

00179
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

おほつかないつかはるへきわひ人のおもふ心やさみたれの空

おほつかな−いつかはるへき−わひひとの−おもふこころや−さみたれのそら

異同資料句番号:00179

00180
顕仲_藤原 藤原顕仲朝臣 (210)

五月雨にあささはぬまの花かつみかつみるままにかくれゆくかな

さみたれに−あささはぬまの−はなかつみ−かつみるままに−かくれゆくかな

異同資料句番号:00180

00181
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

さみたれの日かすへぬれはかりつみししつやのこすけくちやしぬらん

さみたれの−ひかすへぬれは−かりつみし−しつやのこすけ−くちやしぬらむ

異同資料句番号:00181

00182
親隆 前参議親隆 (257)

五月雨にみつのみつかさまさるらしみをのしるしもみえすなりゆく

さみたれに−みつのみつかさ−まさるらし−みをのしるしも−みえすなりゆく

異同資料句番号:00182

00183
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

さみたれはたくもの煙うちしめりしほたれまさるすまのうら人

さみたれは−たくものけふり−うちしめり−しほたれまさる−すまのうらひと

異同資料句番号:00183

00184
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

時しもあれ水のみこもをかりあけてほさてくたしつ五月雨のそら

ときしもあれ−みつのみこもを−かりあけて−ほさてくたしつ−さみたれのそら

異同資料句番号:00184

00185
郁芳門院安芸 待賢門院安芸 (263)

さみたれはあまのもしほ木くちにけりうらへに煙たえてほとへぬ

さみたれは−あまのもしほき−くちにけり−うらへにけふり−たえてほとへぬ

異同資料句番号:00185

00186
番号外作者 源行頼朝臣 (999)

五月雨にむろの八島をみわたせは煙はなみのうへよりそたつ

さみたれに−むろのやしまを−みわたせは−けふりはなみの−うへよりそたつ

異同資料句番号:00186

00187
 源仲正 (543)

さみたれはとまのしつくに袖ぬれてあなしほとけの浪のうきねや

さみたれは−とまのしつくに−そてぬれて−あなしほとけの−なみのうきねや

異同資料句番号:00187

00188
番号外作者 賀茂成保 (999)

五月雨の雲のはれまに月さえて山ほとときす空に鳴くなり

さみたれの−くものはれまに−つきさえて−やまほとときす−そらになくなり

異同資料句番号:00188

00189
番号外作者 按察使資賢 (999)

をちかへりぬるともきなけ郭公いまいくかかはさみたれのそら

をちかへり−ぬるともきなけ−ほとときす−いまいくかかは−さみたれのそら

異同資料句番号:00189

00190
師時 中納言師時 (209)

あふさかの山ほとときすなのるなりせきもる神やそらにとふらん

あふさかの−やまほとときす−なのるなり−せきもるかみや−そらにとふらむ

異同資料句番号:00190

00191
番号外作者 律師慶暹 (999)

いにしへを恋ひつつひとりこえくれはなきあふ山のほとときすかな

いにしへを−こひつつひとり−こえくれは−なきあふやまの−ほとときすかな

異同資料句番号:00191

00192
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

なとてかくおもひそめけん時鳥ゆきのみやまの法のすゑかは

なとてかく−おもひそめけむ−ほとときす−ゆきのみやまの−のりのすゑかは

異同資料句番号:00192

00193
番号外作者 権中納言俊忠 (999)

五月やみふたむら山のほとときす嶺つつきなくこゑをきくかな

さつきやみ−ふたむらやまの−ほとときす−みねつつきなく−こゑをきくかな

異同資料句番号:00193

00194
匡房 前中納言匡房 (073)

ともしするみやきか原のした露にしのふもちすりかわくよそなき

ともしする−みやきかはらの−したつゆに−しのふもちすり−かわくよそなき

異同資料句番号:00194

00195
顕季 修埋大夫顕季 (205)

五月やみさやまの嶺にともす火は雲のたえまのほしかとそみる

さつきやみ−さやまのみねに−ともすひは−くものたえまの−ほしかとそみる

異同資料句番号:00195

00196
番号外作者 藤原顕綱朝臣 (999)

さつきやみしけきは山にたつしかはともしにのみそ人にしらるる

さつきやみ−しけきはやまに−たつしかは−ともしにのみそ−ひとにしらるる

異同資料句番号:00196

00197
番号外作者 大蔵卿行宗 (999)

ともしするほくしの松もきえなくにと山の雲のあけわたるらん

ともしする−ほくしのまつも−きえなくに−とやまのくもの−あけわたるらむ

異同資料句番号:00197

00198
 源仲正 (543)

ともしするほくしの松ももえつきてかへるにまよふしもつやみかな

ともしする−ほくしのまつも−もえつきて−かへるにまよふ−しもつやみかな

異同資料句番号:00198

00199
読人不知 よみ人しらす (000)

山ふかみほくしのまつはつきぬれとしかにおもひをなほかくるかな

やまふかみ−ほくしのまつは−つきぬれと−しかにおもひを−なほかくるかな

異同資料句番号:00199

00200
番号外作者 賀茂重保 (999)

ともしするほくしをまつとおもへはやあひみてしかの身をはかふらん

ともしする−ほくしをまつと−おもへはや−あひみてしかの−みをはかふらむ

異同資料句番号:00200

00201
季通 藤原季通朝臣 (255)

むかしわかあつめしものをおもひいててみなれかほにもくる蛍かな

むかしわか−あつめしものを−おもひいてて−みなれかほにも−くるほたるかな

異同資料句番号:00201

00202
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

あはれにもみさをにもゆる蛍かなこゑたてつへきこの世とおもふに

あはれにも−みさをにもゆる−ほたるかな−こゑたてつへき−このよとおもふに

異同資料句番号:00202

00203
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

あさりせし水のみさひにとちられてひしのうきはにかはつなくなり

あさりせし−みつのみさひに−とちられて−ひしのうきはに−かはつなくなり

異同資料句番号:00203

00204
忠通 法性寺入道前太政大臣 (076)

夏ふかみ玉えにしけるあしの葉のそよくや船のかよふなるらん

なつふかみ−たまえにしける−あしのはの−そよくやふねの−かよふなるらむ

異同資料句番号:00204

00205
崇徳院 崇徳院御製 (077)

はやせ川みをさかのはるうかひ舟まつこの世にもいかかくるしき

はやせかは−みをさかのほる−うかひふね−まつこのよにも−いかかくるしき

異同資料句番号:00205

00206
和泉式部 (056)

みるかなほこの世の物とおほえぬはからなてしこの花にそ有りける

みるかなほ−このよのものと−おほえぬは−からなてしこの−はなにそありける

異同資料句番号:00206

00207
具平親王 中務卿具平親王 (523)

とこ夏のはなもわすれて秋かせを松のかけにてけふは暮れぬる

とこなつの−はなもわすれて−あきかせを−まつのかけにて−けふはくれぬる

異同資料句番号:00207

00208
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

春あきものちのかたみはなきものをひむろそ冬のなこりなりける

はるあきも−のちのかたみは−なきものを−ひむろそふゆの−なこりなりける

異同資料句番号:00208

00209
公能 大炊御門右大臣 (252)

あたりさへすすしかりけりひむろ山まかせし水のこほるのみかは

あたりさへ−すすしかりけり−ひむろやま−まかせしみつの−こほるのみかは

異同資料句番号:00209

00210
慈円 法印慈円 (095)

山かけやいはもるし水おとさえて夏のほかなるひくらしのこゑ

やまかけや−いはもるしみつ−おとさへて−なつのほかなる−ひくらしのこゑ

異同資料句番号:00210

00211
番号外作者 藤原道経 (999)

夕されは玉ゐるかすもみえねともせきのを川のおとそすすしき

ゆふされは−たまゐるかすも−みえねとも−せきのをかはの−おとそすすしき

異同資料句番号:00211

00212
俊恵 俊恵法師 (085)

いはまもるし水をやとにせきとめてほかより夏をすくしつるかな

いはまもる−しみつをやとに−せきとめて−ほかよりなつを−すくしつるかな

異同資料句番号:00212

00213
顕昭 顕昭法師 (564)

さらぬたにひかりすすしき夏の夜の月をし水にやとしてそみる

さらぬたに−ひかりすすしき−なつのよの−つきをしみつに−やとしてそみる

異同資料句番号:00213

00214
番号外作者 法眼実快 (999)

せきとむる山した水にみかくれてすみけるものを秋のけしきは

せきとむる−やましたみつに−みかくれて−すみけるものを−あきのけしきは

異同資料句番号:00214

00215
経家 藤原経家朝臣 (311)

われなからほとなき夜はやをしからむなほ山のはにあり明の月

われなから−ほとなきよはや−をしからむ−なほやまのはに−ありあけのつき

異同資料句番号:00215

00216
番号外作者 祝部宿禰成仲 (999)

夏のよの月のひかりはさしなからいかにあけぬるあまの戸ならん

なつのよの−つきのひかりは−さしなから−いかにあけぬる−あまのとならむ

異同資料句番号:00216

00217
俊恵 俊恵法師 (085)

夕たちのまたはれやらぬ雲まよりおなし空ともみえぬ月かな

ゆふたちの−またはれやらぬ−くもまより−おなしそらとも−みえぬつきかな

異同資料句番号:00217

00218
番号外作者 藤原敦仲 (999)

小萩はらまた花さかぬみやきののしかやこよひの月になくらん

こはきはら−またはなさかぬ−みやきのの−しかやこよひの−つきになくらむ

異同資料句番号:00218

00219
顕昭 顕昭法師 (564)

夏ころもすそのの原をわけゆけはおりたかへたる萩か花すり

なつころも−すそののはらを−わけゆけは−をりたかへたる−はきかはなすり

異同資料句番号:00219

00220
番号外作者 藤原親盛 (999)

あきかせは浪とともにやこえぬらんまたきすすしきすゑの松山

あきかせは−なみとともにや−こえぬらむ−またきすすしき−すゑのまつやま

異同資料句番号:00220

00221
教長 前参議教長 (253)

いはたたく谷の水のみおとつれて夏にしられぬみ山へのさと

いはたたく−たにのみつのみ−おとつれて−なつにしられぬ−みやまへのさと

異同資料句番号:00221

00222
番号外作者 藤原盛方朝臣 (999)

いはまよりおちくるたきのしら糸はむすはてみるもすすしかりけり

いはまより−おちくるたきの−しらいとは−むすはてみるも−すすしかりけり

異同資料句番号:00222

00223
季通 藤原季通朝臣 (255)

けふくれはあさのたちえにゆふかけて夏みな月のみそきをそする

けふくれは−あさのたちえに−ゆふかけて−なつみなつきの−みそきをそする

異同資料句番号:00223

00224
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

いつとてもをしくやはあらぬとし月をみそきにすつる夏のくれかな

いつとても−をしくやはあらぬ−としつきを−みそきにすつる−なつのくれかな

異同資料句番号:00224

00225
読人不知 よみ人しらす (000)

みそきする川せにさよやふけぬらんかへるたもとに秋かせそふく

みそきする−かはせにさよや−ふけぬらむ−かへるたもとに−あきかせそふく

異同資料句番号:00225


千載集 巻四:秋上

00226
番号外作者 侍従乳母 (999)

あききぬとききつるからにわかやとの荻のはかせの吹きかはるらん

あききぬと−ききつるからに−わかやとの−をきのはかせの−ふきかはるらむ

異同資料句番号:00226

00227
守覚法親王 仁和寺法親王(守覚) (304)

あさちふの露けくもあるか秋きぬとめにはさやかにみえけるものを

あさちふの−つゆけくもあるか−あききぬと−めにはさやかに−みえけるものを

異同資料句番号:00227

00228
待賢門院堀河 待賢門院堀川 (080)

秋のくるけしきのもりのした風にたちそふ物はあはれなりけり

あきのくる−けしきのもりの−したかせに−たちそふものは−あはれなりけり

異同資料句番号:00228

00229
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

やへむくらさしこもりにしよもきふにいかてか秋のわけてきつらん

やへむくら−さしこもりにし−よもきふに−いかてかあきの−わけてきつらむ

異同資料句番号:00229

00230
寂然 寂然法師 (565)

秋はきぬとしもなかはにすきぬとや荻ふくかせのおとろかすらん

あきはきぬ−としもなかはに−すきぬとや−をきふくかせの−おとろかすらむ

異同資料句番号:00230

00231
読人不知 よみ人しらす (000)

この葉たに色つくほとはあるものを秋かせふけはちる涙かな

このはたに−いろつくほとは−あるものを−あきかせふけは−ちるなみたかな

異同資料句番号:00231

00232
番号外作者 賀茂重政 (999)

神山の松ふくかせもけふよりは色はかはらておとそ身にしむ

かみやまの−まつふくかせも−けふよりは−いろはかはらて−おとそみにしむ

異同資料句番号:00232

00233
番号外作者 大蔵卿行宗 (999)

物ことにあきのけしきはしるけれとまつ身にしむは荻のうは風

ものことに−あきのけしきは−しるけれと−まつみにしむは−をきのうはかせ

異同資料句番号:00233

00234
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

あきかせや涙もよほすつまならむおとつれしより袖のかわかぬ

あきかせや−なみたもよほす−つまならむ−おとつれしより−そてのかわかぬ

異同資料句番号:00234

00235
兼実 摂政前右大臣 (562)

たなはたの心のうちやいかならむまちこしけふの夕くれのそら

たなはたの−こころのうちや−いかならむ−まちこしけふの−ゆふくれのそら

異同資料句番号:00235

00236
隆季 大納言隆季 (256)

たなはたのあまつひれふく秋かせにやそのふなつをみふねいつらし

たなはたの−あまつひれふく−あきかせに−やそのふなつを−みふねいつらし

異同資料句番号:00236

00237
京極関白家肥後 二条太皇太后宮肥後 (214)

たなはたのあまのはころもかさねてもあかぬ契やなほむすふらん

たなはたの−あまのはころも−かさねても−あかぬちきりや−なほむすふらむ

異同資料句番号:00237

00238
前斎宮河内 河内 (216)

こひこひてこよひはかりやたなはたの枕にちりのつもらさるらん

こひこひて−こよひはかりや−たなはたの−まくらにちりの−つもらさるらむ

異同資料句番号:00238

00239
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

七夕のあまのかはらのいはまくらかはしもはてすあけぬこの夜は

たなはたの−あまのかはらの−いはまくら−かはしもはてす−あけぬこのよは

異同資料句番号:00239

00240
崇徳院 崇徳院御製 (077)

たなはたに花そめころもぬきかせはあか月露のかへすなりけり

たなはたに−はなそめころも−ぬきかせは−あかつきつゆの−かくすなりけり

異同資料句番号:00240

00241
番号外作者 土御門右のおほいまうちきみ (999)

あまの川心をくみておもふにも袖こそぬるれ暁のそら

あまのかは−こころをくみて−おもふにも−そてこそぬるれ−あかつきのそら

異同資料句番号:00241

00242
師頼 大納言師頼 (204)

秋くれはおもひみたるるかるかやのした葉や人の心なるらん

あきくれは−おもひみたるる−かるかやの−したはやひとの−こころなるらむ

異同資料句番号:00242

00243
番号外作者 延久三親王家甲斐 (999)

おしなへて草はのうへをふく風にまつしたをるる野へのかるかや

おしなへて−くさはのうへを−ふくかせに−まつしたをるる−のへのかるかや

異同資料句番号:00243

00244
番号外作者 藤原道経 (999)

ふみしたきあさゆくしかやすきつらむしとろにみゆる野ちのかるかや

ふみしたき−あさゆくしかや−すきつらむ−しとろにみゆる−のちのかるかや

異同資料句番号:00244

00245
番号外作者 法印静賢 (999)

秋きぬとかせもつけてし山さとになほほのめかす花すすきかな

あききぬと−かせもつけてし−やまさとに−なほほのめかす−はなすすきかな

異同資料句番号:00245

00246
読人不知 よみ人しらす (000)

いかなれはうははをわたる秋かせにしたをれすらむ野へのかるかや

いかなれは−うははをわたる−あきかせに−したをれすらむ−のへのかるかや

異同資料句番号:00246

00247
和泉式部 (056)

人もかなみせもきかせも萩の花さく夕かけのひくらしのこゑ

ひともかな−みせもきかせも−はきのはな−さくゆふかけの−ひくらしのこゑ

異同資料句番号:00247

00248
番号外作者 藤原伊家 (999)

あき山のふもとをこむる家ゐにはすそ野のはきそまかきなりける

あきやまの−ふもとをこむる−いへゐには−すそののはきそ−まかきなりける

異同資料句番号:00248

00249
基俊 藤原基俊 (075)

宮城ののはきやをしかのつまならん花さきしより声の色なる

みやきのの−はきやをしかの−つまならむ−はなさきしより−こゑのいろなる

異同資料句番号:00249

00250
番号外作者 長覚法師 (999)

心をはちくさの色にそむれとも袖にうつるは萩かはなすり

こころをは−ちくさのいろに−そむれとも−そてにうつるは−はきかはなすり

異同資料句番号:00250

00251
師頼 大納言師順 (204)

露しけきあしたのはらのをみなへしひとえたをらん袖はぬるとも

つゆしけき−あしたのはらの−をみなへし−ひとえたをらむ−そてはぬるとも

異同資料句番号:00251

00252
番号外作者 前中納言雅兼 (999)

をみなへしなひくをみれは秋かせの吹きくるすゑもなつかしきかな

をみなへし−なひくをみれは−あきかせの−ふきくるすゑも−なつかしきかな

異同資料句番号:00252

00253
番号外作者 前左衛門督公光 (999)

女郎花涙に露やおきそふるたをれはいとと袖のしをるる

をみなへし−なみたにつゆや−おきそふる−たをれはいとと−そてのしをるる

異同資料句番号:00253

00254
番号外作者 藤原行家 (999)

ふく風にをれふしぬれはをみなへしまかきそ花の枕なりける

ふくかせに−をれふしぬれは−をみなへし−まかきそはなの−まくらなりける

異同資料句番号:00254

00255
番号外作者 藤原盛方朝臣 (999)

夕されはかやかしけみになきかはすむしのねをさへわけつつそ行く

ゆふされは−かやかしけみに−なきかはす−むしのねをさへ−わけつつそゆく

異同資料句番号:00255

00256
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

さまさまに心そとまるみやき野の花のいろいろむしのこゑこゑ

さまさまに−こころそとまる−みやきのの−はなのいろいろ−むしのこゑこゑ

異同資料句番号:00256

00257
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

秋くれはやとにとまるをたひねにて野へこそつねのすみかなりけれ

あきくれは−やとにとまるを−たひねにて−のへこそつねの−すみかなりけれ

異同資料句番号:00257

00258
季通 藤原季通朝臣 (255)

野わきするのへのけしきをみる時は心なき人あらしとそおもふ

のわきする−のへのけしきを−みるときは−こころなきひと−あらしとそおもふ

異同資料句番号:00258

00259
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

夕されは野へのあきかせ身にしみてうつら鳴くなりふか草のさと

ゆふされは−のへのあきかせ−みにしみて−うつらなくなり−ふかくさのさと

異同資料句番号:00259

00260
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

なにとなく物そかなしきすかはらやふしみのさとの秋の夕くれ

なにとなく−ものそかなしき−すかはらや−ふしみのさとの−あきのゆふくれ

異同資料句番号:00260

00261
兼実 摂政前右大臣 (562)

さまさまの花をはやとにうつしうゑつしかのねさそへ野への秋風

さまさまの−はなをはやとに−うつしうゑつ−しかのねさそへ−のへのあきかせ

異同資料句番号:00261

00262
守覚法親王 仁和寺法親王(守覚) (304)

秋のののちくさの色にうつろへは花そかへりて露をそめける

あきののの−ちくさのいろに−うつろへは−はなそかへりて−つゆをそめける

異同資料句番号:00262

00263
慈円 法印慈円 (095)

草木まて秋のあはれをしのへはや野にも山にもつゆこはるらん

くさきまて−あきのあはれを−しのへはや−のにもやまにも−つゆこほるらむ

異同資料句番号:00263

00264
待賢門院堀河 (080)

はかなさをわか身のうへによそふれはたもとにかかる秋の夕露

はかなさを−わかみのうへに−よそふれは−たもとにかかる−あきのゆふつゆ

異同資料句番号:00264

00265
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

たつたひめかさしの玉のををよわみみたれにけりとみゆるしら露

たつたひめ−かさしのたまの−ををよわみ−みたれにけりと−みゆるしらつゆ

異同資料句番号:00265

00266
季経 藤原季経朝臣 (310)

夕まくれをきふくかせのおときけはたもとよりこそ露はこはるれ

ゆふまくれ−をきふくかせの−おときけは−たもとよりこそ−つゆはこほるれ

異同資料句番号:00266

00267
西行 円位法師 (086)

おほかたの露にはなにのなるならむたもとにおくは涙なりけり

おほかたの−つゆにはなにの−なるならむ−たもとにおくは−なみたなりけり

異同資料句番号:00267

00268
道命 道命法師 (158)

花すすきまねくはさかとしりなからととまる物は心なりけり

はなすすき−まねくはさかと−しりなから−ととまるものは−こころなりけり

異同資料句番号:00268

00269
公任 前大納言公任 (055)

時しもあれ秋ふるさとにきてみれは庭は野へともなりにけるかな

ときしもあれ−あきふるさとに−きてみれは−にははのへとも−なりにけるかな

異同資料句番号:00269

00270
小弁 (533)

やとかれていくかもあらぬにしかのなく秋ののへともなりにけるかな

やとかれて−いくかもあらぬに−しかのなく−あきののへとも−なりにけるかな

異同資料句番号:00270

00271
番号外作者 藤原伊家 (999)

いまはしもほにいてぬらむ東路のいはたのをののしののをすすき

いまはしも−ほにいてぬらむ−あつまちの−いはたのをのの−しののをすすき

異同資料句番号:00271

00272
兼実 摂政前右大臣 (562)

夕されはをののあさちふ玉ちりて心くたくる風のおとかな

ゆふされは−をののあさちふ−たまちりて−こころくたくる−かせのおとかな

異同資料句番号:00272

00273
番号外作者 前大僧正覚忠 (999)

ときはなるあをはの山も秋くれは色こそかへねさひしかりけり

ときはなる−あをはのやまも−あきくれは−いろこそかへね−さひしかりけり

異同資料句番号:00273

00274
番号外作者 権大納言実家 (999)

秋のよの心をつくすはしめとてほのかにみゆる夕つくよかな

あきのよの−こころをつくす−はしめとて−ほのかにみゆる−ゆふつくよかな

異同資料句番号:00274

00275
忠通 法性寺入道前太政大臣 (076)

あきの月たかねの雲のあなたにてはれゆく空のくるるまちけり

あきのつき−たかねのくもの−あなたにて−はれゆくそらの−くるるまちけり

異同資料句番号:00275

00276
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

こからしの雲ふきはらふたかねよりさえても月のすみのほるかな

こからしの−くもふきはらふ−たかねより−さえてもつきの−すみのほるかな

異同資料句番号:00276

00277
隆源 隆源法師 (213)

いつこにも月はわかしをいかなれはさやけかるらむさらしなのやま

いつこにも−つきはわかしを−いかなれは−さやけかるらむ−さらしなのやま

異同資料句番号:00277

00278
隆信 藤原隆信朝臣 (313)

出てぬより月みよとこそさえにけれをはすて山のゆふくれの空

いてぬより−つきみよとこそ−さえにけれ−をはすてやまの−ゆふくれのそら

異同資料句番号:00278

00279
番号外作者 前中納言雅頼 (999)

くまもなきみそらに秋の月すめは庭には冬のこほりをそしく

くまもなき−みそらにあきの−つきすめは−にはにはふゆの−こほりをそしく

異同資料句番号:00279

00280
実定 右のおほいまうちきみ (081)

月みれははるかにおもふさらしなの山も心のうちにそありける

つきみれは−はるかにおもふ−さらしなの−やまもこころの−うちにそありける

異同資料句番号:00280

00281
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

あすもこむ野ちの玉川はきこえて色なる浪に月やとりけり

あすもこむ−のちのたまかは−はきこえて−いろなるなみに−つきやとりけり

異同資料句番号:00281

00282
崇徳院 崇徳院御製 (077)

玉よするうらわの風にそらはれてひかりをかはす秋のよの月

たまよする−うらわのかせに−そらはれて−ひかりをかはす−あきのよのつき

異同資料句番号:00282

00283
公能 大炊御門右大臣 (252)

さよふけてふしのたかねにすむ月は煙はかりやくもりなるへき

さよふけて−ふしのたかねに−すむつきは−けふりはかりや−くもりなるへき

異同資料句番号:00283

00284
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

石はしるみつのしら玉かすみえてきよたき川にすめる月影

いしはしる−みつのしらたま−かすみえて−きよたきかはに−すめるつきかけ

異同資料句番号:00284

00285
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

しほかまのうらふくかせに霧はれてやそ島かけてすめる月かけ

しほかまの−うらふくかせに−きりはれて−やそしまかけて−すめるつきかけ

異同資料句番号:00285

00286
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

おもひくまなくてもとしのへぬるかなものいひかはせ秋のよの月

おもひくま−なくてもとしの−へぬるかな−ものいひかはせ−あきのよのつき

異同資料句番号:00286

00287
基俊 藤原基俊 (075)

山のはにますみのかかみかけたりとみゆるは月のいつるなりけり

やまのはに−ますみのかかみ−かけたりと−みゆるはつきの−いつるなりけり

異同資料句番号:00287

00288
番号外作者 藤原道経 (999)

秋のよやあまのかはせはこほるらむ月のひかりのさえまさるかな

あきのよや−あまのかはせは−こほるらむ−つきのひかりの−さえまさるかな

異同資料句番号:00288

00289
番号外作者 太宰大弐重家 (999)

とほさかるおとはせねとも月きよみ氷とみゆるしかのうら浪

とほさかる−おとはせねとも−つききよみ−こほりとみゆる−しかのうらなみ

異同資料句番号:00289

00290
番号外作者 右衛門督頼実 (999)

つねよりも身にそしみける秋の野に月すむ夜はの荻のうはかせ

つねよりも−みにそしみける−あきののに−つきすむよはの−をきのうはかせ

異同資料句番号:00290

00291
俊恵 俊恵法師 (085)

なかめやる心のはてそなかりけるあかしのおきにすめる月影

なかめやる−こころのはてそ−なかりける−あかしのおきに−すめるつきかけ

異同資料句番号:00291

00292
長方 権中納言長方 (566)

やほかゆくはまのまさこをしきかへて玉になしつる秋のよの月

やほかゆく−はまのまさこを−しきかへて−たまになしつる−あきのよのつき

異同資料句番号:00292

00293
番号外作者 藤原公時朝臣 (999)

いしまゆくみたらし川のおとさえて月やむすはぬこほりなるらん

いしまゆく−みたらしかはの−おとさえて−つきやむすはぬ−こほりなるらむ

異同資料句番号:00293

00294
番号外作者 藤原顕家朝臣 (999)

月かけはきえぬこほりとみえなからささ浪よするしかのからさき

つきかけは−きえぬこほりと−みえなから−ささなみよする−しかのからさき

異同資料句番号:00294

00295
番号外作者 頼円法師 (999)

てる月のかけさえぬれはあさちはら雪のしたにもむしはなきけり

てるつきの−かけさえぬれは−あさちはら−ゆきのしたにも−むしはなきけり

異同資料句番号:00295

00296
番号外作者 藤原親盛 (999)

あさちはらはすゑにむすふ露ことにひかりをわけてやとる月かけ

あさちはら−はすゑにむすふ−つゆことに−ひかりをわけて−やとるつきかけ

異同資料句番号:00296

00297
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

ふけにけるわかよの秋そあはれなるかたふく月は又もいてなん

ふけにける−わかよのあきそ−あはれなる−かたふくつきは−またもいてなむ

異同資料句番号:00297

00298
番号外作者 刑部卿頼輔 (999)

身のうさの秋はわするる物ならはなみたくもらて月はみてまし

みのうさの−あきはわするる−ものならは−なみたくもらて−つきはみてまし

異同資料句番号:00298

00299
紫式部 (057)

おほかたの秋のあはれをおもひやれ月に心はあくかれぬとも

おほかたの−あきのあはれを−おもひやれ−つきにこころは−あくかれぬとも

異同資料句番号:00299

00300
番号外作者 前大納言成通 (999)

たくひなくつらしとそおもふ秋のよの月をのこしてあくるしののめ

たくひなく−つらしとそおもふ−あきのよの−つきをのこして−あくるしののめ

異同資料句番号:00300

00301
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

てる月のたひねのとこやしもとゆふかつらき山のたに川のみつ

てるつきの−たひねのとこや−しもとゆふ−かつらきやまの−たにかはのみつ

異同資料句番号:00301


千載集 巻五:秋下

00302
大弐三位 (058)

はるかなるもろこしまてもゆく物は秋のねさめの心なりけり

はるかなる−もろこしまても−ゆくものは−あきのねさめの−こころなりけり

異同資料句番号:00302

00303
仲実 藤原仲実朝臣 (207)

山さとはさひしかりけりこからしのふく夕くれのひくらしのこゑ

やまさとは−さひしかりけり−こからしの−ふくゆふくれの−ひくらしのこゑ

異同資料句番号:00303

00304
季通 藤原季通朝臣 (255)

秋のよは松をはらはぬ風たにもかなしきことのねをたてすやは

あきのよは−まつをはらはぬ−かせたにも−かなしきことの−ねをたてすやは

異同資料句番号:00304

00305
番号外作者 藤原時昌 (999)

露さむみうらかれもてく秋ののにさひしくもある風のおとかな

つゆさむみ−うらかれもてく−あきののに−さひしくもある−かせのおとかな

異同資料句番号:00305

00306
番号外作者 藤原正家朝臣 (999)

夕くれはをのの萩はらふく風にさひしくもあるか鹿のなくなる

ゆふされは−をののはきはら−ふくかせに−さひしくもあるか−しかのなくなる

異同資料句番号:00306

00307
京極関白家肥後 二条太皇大后宮肥後 (214)

みむろやまおろすあらしのさひしきにつまよふしかの声たくふなり

みむろやま−おろすあらしの−さひしきに−つまとふしかの−こゑたくふなり

異同資料句番号:00307

00308
公実 大納言公実 (201)

そまかたにみちやまとへるさをしかのつまとふ声のしけくも有るかな

そまかたに−みちやまとへる−さをしかの−つまとふこゑの−しけくもあるかな

異同資料句番号:00308

00309
番号外作者 輔仁のみこ (999)

秋のよはおなしをのへになくしかのふけゆくままにちかくなるかな

あきのよは−おなしをのへに−なくしかの−ふけゆくままに−ちかくなるかな

異同資料句番号:00309

00310
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

さをしかのなくねは野へにきこゆれとなみたはとこの物にそ有りける

さをしかの−なくねはのへに−きこゆれと−なみたはとこの−ものにそありける

異同資料句番号:00310

00311
待賢門院堀河 (080)

さらぬたにゆふへさひしき山里の露のまかきにをしか鳴くなり

さらぬたに−ゆふへさひしき−やまさとの−きりのまかきに−をしかなくなり

異同資料句番号:00311

00312
範兼 刑部卿範兼 (567)

みなと川うきねのとこにきこゆなりいく田のおくのさをしかのこゑ

みなとかは−うきねのとこに−きこゆなり−いくたのおくの−さをしかのこゑ

異同資料句番号:00312

00313
隆信 藤原隆信朝臣 (313)

うきねするゐなのみなとにきこゆなりしかのねおろすみねの松かせ

うきねする−ゐなのみなとに−きこゆなり−しかのねおろす−みねのまつかせ

異同資料句番号:00313

00314
俊恵 俊恵法師 (085)

夜をこめてあかしのせとをこきいつれははるかにおくるさをしかのこゑ

よをこめて−あかしのせとを−こきいつれは−はるかにおくる−さをしかのこゑ

異同資料句番号:00314

00315
道因 道因法師 (082)

みなと川夜ふねこきいつるおひかせに鹿のこゑさへせとわたるなり

みなとかは−よふねこきいつる−おひかせに−しかのこゑさへ−せとわたるなり

異同資料句番号:00315

00316
番号外作者 覚延法師 (999)

宮城ののこはきかはらをゆくほとは鹿のねをさへわけてきくかな

みやきのの−こはきかはらを−ゆくほとは−しかのねをさへ−わけてきくかな

異同資料句番号:00316

00317
番号外作者 左京大夫修範 (999)

さをしかのつまよふこゑもいかなれや夕はわきてかなしかるらん

さをしかの−つまよふこゑも−いかなれや−ゆふへはわきて−かなしかるらむ

異同資料句番号:00317

00318
番号外作者 右京大夫季能 (999)

きくままにかたしく袖のぬるるかなしかのこゑには露やそふらん

きくままに−かたしくそての−ぬるるかな−しかのこゑには−つゆやそふらむ

異同資料句番号:00318

00319
慈円 法印慈円 (095)

山さとのあかつきかたのしかのねは夜はのあはれのかきりなりけり

やまさとの−あかつきかたの−しかのねは−よはのあはれの−かきりなりけり

異同資料句番号:00319

00320
俊恵 俊恵法師 (085)

よそにたに身にしむくれのしかのねにいかなる妻かつれなかるらん

よそにたに−みにしむくれの−しかのねを−いかなるつまか−つれなかるらむ

異同資料句番号:00320

00321
道因 道因法師 (082)

夕まくれさてもや秋はかなしきと鹿のねきかぬ人にとははや

ゆふまくれ−さてもやあきは−かなしきと−しかのねきかぬ−ひとにとははや

異同資料句番号:00321

00322
番号外作者 賀茂政平 (999)

つねよりも秋のゆふへをあはれとはしかのねにてやおもひそめけん

つねよりも−あきのゆふへを−あはれとは−しかのねにてや−おもひそめけむ

異同資料句番号:00322

00323
番号外作者 惟宗広言 (999)

さひしさをなににたとへんをしかなくみ山のさとのあけかたのそら

さひしさを−なににたとへむ−をしかなく−みやまのさとの−あけかたのそら

異同資料句番号:00323

00324
番号外作者 長覚法師 (999)

いかはかり露けかるらんさをしかのつまこひかぬるをのの草ふし

いかはかり−つゆけかるらむ−さをしかの−つまこひかぬる−をののくさふし

異同資料句番号:00324

00325
寂蓮 寂蓮法師 (087)

をのへより門田にかよふ秋かせにいなはをわたるさをしかのこゑ

をのへより−かとたにかよふ−あきかせに−いなはをわたる−さをしかのこゑ

異同資料句番号:00325

00326
読人不知 よみ人しらす (000)

おとろかすおとこそよるのを山田は人なきよりもさひしかりけれ

おとろかす−おとこそよるの−をやまたは−ひとなきよりも−さひしかりけれ

異同資料句番号:00326

00327
兼昌 源兼昌 (078)

わか門のおくてのひたにおとろきてむろのかり田にしきそたつなる

わかかとの−おくてのひたに−おとろきて−むろのかりたに−しきそたつなる

異同資料句番号:00327

00328
寂蓮 寂蓮法師 (087)

むしのねはあさちかもとにうつもれて秋はすゑはの色にそ有りける

むしのねは−あさちかもとに−うつもれて−あきはすゑはの−いろにそありける

異同資料句番号:00328

00329
番号外作者 藤原兼宗朝臣 (999)

秋のよのあはれはたれもしるものをわれのみとなくきりきりすかな

あきのよの−あはれはたれも−しるものを−われのみとなく−きりきりすかな

異同資料句番号:00329

00330
良経 左近中将良経 (091)

さまさまのあさちかはらのむしのねをあはれひとつにききそなしつる

さまさまの−あさちかはらの−むしのねを−あはれひとつに−ききそなしつる

異同資料句番号:00330

00331
公能 大炊御門右大臣 (252)

夜をかさねこゑよわりゆくむしのねに秋のくれぬるほとをしるかな

よをかさね−こゑよわりゆく−むしのねに−あきのくれぬる−ほとをしるかな

異同資料句番号:00331

00332
花山院 花山院御製 (531)

秋ふかくなりにけらしなきりきりすゆかのあたりにこゑきこゆなり

あきふかく−なりにけらしな−きりきりす−ゆかのあたりに−こゑきこゆなり

異同資料句番号:00332

00333
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

さりともとおもふこころもむしのねもよわりはてぬる秋のくれかな

さりともと−おもふこころも−むしのねも−よわりはてぬる−あきのくれかな

異同資料句番号:00333

00334
番号外作者 (仁和寺)道性法親王 (999)

むしのねもまれになりゆくあたし野にひとり秋なる月のかけかな

むしのねも−まれになりゆく−あたしのに−ひとりあきなる−つきのかけかな

異同資料句番号:00334

00335
式子内親王 (089)

草も木もあきのすゑははみえゆくに月こそ色もかはらさりけれ

くさもきも−あきのすゑはは−みえゆくに−つきこそいろも−かはらさりけれ

異同資料句番号:00335

00336
番号外作者 大宮右大臣 (999)

すむ水にさやけき影のうつれはやこよひの月の名になかるらん

すむみつに−さやけきかけの−うつれはや−こよひのつきの−なになかるらむ

異同資料句番号:00336

00337
読人不知 よみ人しらす (000)

秋の月ちちに心をくたききてこよひ一よにたへすも有るかな

あきのつき−ちちにこころを−くたききて−こよひひとよに−たへすもあるかな

異同資料句番号:00337

00338
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

さよふけてきぬたのおとそたゆむなる月をみつつや衣うつらん

さよふけて−きぬたのおとそ−たゆむなる−つきをみつつや−ころもうつらむ

異同資料句番号:00338

00339
公実 大納言公実 (201)

恋ひつつやいもかうつらむから衣きぬたのおとのそらになるまて

こひつつや−いもかうつらむ−からころも−きぬたのおとの−そらになるまて

異同資料句番号:00339

00340
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

松かせのおとたに秋はさひしきに衣うつなり玉川のさと

まつかせの−おとたにあきは−さひしきに−ころもうつなり−たまかはのさと

異同資料句番号:00340

00341
基俊 藤原基俊 (075)

たかためにいかにうてはかから衣ちたひやちたひ声のうらむる

たかために−いかにうてはか−からころも−ちたひやちたひ−こゑのうらむる

異同資料句番号:00341

00342
番号外作者 俊盛法師 (999)

衣うつおとをきくにそしられぬる里とほからぬ草枕とは

ころもうつ−おとをきくにそ−しられぬる−さととほからぬ−くさまくらとは

異同資料句番号:00342

00343
番号外作者 法橋宗円 (999)

夕きりや秋のあはれをこめつらむわけいる袖に露のおきそふ

ゆふきりや−あきのあはれを−こめつらむ−わけいるそてに−つゆのおきそふ

異同資料句番号:00343

00344
崇徳院 崇徳院御製 (077)

秋ふかみたそかれ時のふちはかまにほふはなのる心ちこそすれ

あきふかみ−たそかれときの−ふちはかま−にほふはなのる−ここちこそすれ

異同資料句番号:00344

00345
親隆 前参犠親隆 (257)

いかにしていはまもみえぬ夕暮にとなせのいかたおちてきつらん

いかにして−いはまもみえぬ−ゆふきりに−となせのいかた−おちてきつらむ

異同資料句番号:00345

00346
基俊 藤原基俊 (075)

けさみれはさなから霜をいたたきておきなさひゆく白菊の花

けさみれは−さなからしもを−いたたきて−おきなさひゆく−しらきくのはな

異同資料句番号:00346

00347
番号外作者 内のおほいまうちきみ (999)

しら菊のはにおく露にやとらすは花とそみましてらす月影

しらきくの−はにおくつゆに−やとらすは−はなとそみまし−てらすつきかけ

異同資料句番号:00347

00348
番号外作者 前大僧正行慶 (999)

雪ならはまかきにのみはつもらしとおもひとくにそ白菊の花

ゆきならは−まかきにのみは−つもらしと−おもひとくにそ−しらきくのはな

異同資料句番号:00348

00349
番号外作者 祐盛法師 (999)

朝な朝な籬のきくのうつろへは露さへ色のかはり行くかな

あさなあさな−まかきのきくの−うつろへは−つゆさへいろの−かはりゆくかな

異同資料句番号:00349

00350
家隆 藤原家隆 (098)

さえわたる光を霜にまかへてや月にうつろふ白きくのはな

さえわたる−ひかりをしもに−まかへてや−つきにうつろふ−しらきくのはな

異同資料句番号:00350

00351
季通 藤原季通朝臣 (255)

ことことにかなしかりけりむへしこそ秋の心をうれへといひけれ

ことことに−かなしかりけり−うへしこそ−あきのこころを−うれへといひけれ

異同資料句番号:00351

00352
基俊 藤原基俊 (075)

秋にあへすさこそはくすの色つかめあなうらめしの風のけしきや

あきにあへす−さこそはくすの−いろつかめ−あなうらめしの−かせのけしきや

異同資料句番号:00352

00353
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

はつ時雨ふるほともなくしもとゆふかつらき山は色つきにけり

はつしくれ−ふるほともなく−しもとゆふ−かつらきやまは−いろつきにけり

異同資料句番号:00353

00354
番号外作者 覚延法師 (999)

むら雲の時雨れてそむる紅葉ははうすくこくこそ色にみえけれ

むらくもの−しくれてそむる−もみちはは−うすくこくこそ−いろにみえけれ

異同資料句番号:00354

00355
定家 藤原定家 (097)

しくれ行くよものこすゑの色よりも秋は夕のかはるなりけり

しくれゆく−よものこすゑの−いろよりも−あきはゆふへの−かはるなりけり

異同資料句番号:00355

00356
道命 道命法師 (158)

おほろけの色とや人のおもふらむをくらの山をてらす紅葉は

おほろけの−いろとやひとの−おもふらむ−をくらのやまを−てらすもみちは

異同資料句番号:00356

00357
小弁 (533)

君みんと心やしけんたつたひめ紅葉の錦いろをつくせり

きみみむと−こころやしけむ−たつたひめ−もみちのにしき−いろをつくせり

異同資料句番号:00357

00358
番号外作者 素意法師 (999)

故郷にとふ人あらはもみちはのちりなん後をまてとこたへよ

ふるさとに−とふひとあらは−もみちはの−ちりなむのちを−まてとこたへよ

異同資料句番号:00358

00359
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

山ひめにちへのにしきをたむけてもちる紅葉はをいかてととめん

やまひめに−ちへのにしきを−たむけても−ちるもみちはを−いかてととめむ

異同資料句番号:00359

00360
番号外作者 院御製 (999)

紅葉はに月の光をさしそへてこれやあかちの錦なるらん

もみちはに−つきのひかりを−さしそへて−これやあかちの−にしきなるらむ

異同資料句番号:00360

00361
実定 右大臣 (081)

山おろしにうらつたひする紅葉かないかかはすへきすまのせきもり

やまおろしに−うらつたひする−もみちかな−いかかはすへき−すまのせきもり

異同資料句番号:00361

00362
実房 右近大将実房 (319)

清見かた関にとまらてゆく船は嵐のさそふこのはなりけり

きよみかた−せきにとまらて−ゆくふねは−あらしのさそふ−このはなりけり

異同資料句番号:00362

00363
番号外作者 権中納言実守 (999)

もみちはをせきもる神にたむけおきてあふ坂山をすくる木からし

もみちはを−せきもるかみに−たむけおきて−あふさかやまを−すくるこからし

異同資料句番号:00363

00364
番号外作者 左大弁親宗 (999)

紅葉はのみなくれなゐにちりしけは名のみなりけり白川の関

もみちはの−みなくれなゐに−ちりしけは−なのみなりけり−しらかはのせき

異同資料句番号:00364

00365
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

みやこにはまた青葉にてみしかとももみちちりしく白川のせき

みやこには−またあをはにて−みしかとも−もみちちりしく−しらかはのせき

異同資料句番号:00365

00366
範兼 刑部卿範兼 (567)

ささ波やひらのたかねの山おろしもみちをうみの物となしつる

ささなみや−ひらのたかねの−やまおろし−もみちをうみの−ものとなしつる

異同資料句番号:00366

00367
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

たつた山松のむらたちなかりせはいつくかのこるみとりならまし

たつたやま−まつのむらたち−なかりせは−いつくかのこる−みとりならまし

異同資料句番号:00367

00368
番号外作者 覚盛法師 (999)

秋といへはいはたのをののははそ原時雨もまたす紅葉しにけり

あきといへは−いはたのをのの−ははそはら−しくれもまたす−もみちしにけり

異同資料句番号:00368

00369
番号外作者 藤原公重朝臣 (999)

庭のおもにちりてつもれる紅葉はは九重にしく錦なりけり

にはのおもに−ちりてつもれる−もみちはは−ここのへにしく−にしきなりけり

異同資料句番号:00369

00370
俊恵 俊恵法師 (085)

けふみれは嵐の山はおほゐ川もみち吹きおろす名にこそ有りけれ

けふみれは−あらしのやまは−おほゐかは−もみちふきおろす−なにこそありけれ

異同資料句番号:00370

00371
道因 道因法師 (082)

おほゐかはなかれておつる紅葉かなさそふは峰の嵐のみかは

おほゐかは−なかれておつる−もみちかな−さそふはみねの−あらしのみかは

異同資料句番号:00371

00372
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

今そしる手向の山はもみち葉のぬさとちりかふ名こそ有りけれ

いまそしる−たむけのやまは−もみちはの−ぬさとちりかふ−なにこそありけれ

異同資料句番号:00372

00373
番号外作者 祝部成仲 (999)

たつた山ふもとの里はとほけれと嵐のつてに紅葉をそみる

たつたやま−ふもとのさとは−とほけれと−あらしのつてに−もみちをそみる

異同資料句番号:00373

00374
番号外作者 賀茂成保 (999)

吹きみたるははそか原をみわたせは色なき風も紅葉しにけり

ふきみたる−ははそかはらを−みわたせは−いろなきかせも−もみちしにけり

異同資料句番号:00374

00375
番号外作者 藤原朝仲 (999)

色かへぬ松ふく風のおとはしてちるはははそのもみちなりけり

いろかへぬ−まつふくかせの−おとはして−ちるはははその−もみちなりけり

異同資料句番号:00375

00376
番号外作者 惟宗広言 (999)

ふるさとの庭はこのはに色かへてかはらの松そみとりなりける

ふるさとの−にははこのはに−いろかへて−かはらぬまつそ−みとりなりける

異同資料句番号:00376

00377
番号外作者 法橋慈弁 (999)

ちりつもる木のはも風にさそはれて庭にも秋のくれにけるかな

ちりつもる−このはもかせに−さそはれて−にはにもあきの−くれにけるかな

異同資料句番号:00377

00378
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

秋の田にもみちちりける山さとをこともおろかにおもひけるかな

あきのたに−もみちちりける−やまさとを−こともおろかに−おもひけるかな

異同資料句番号:00378

00379
兼実 摂政前右大臣 (562)

ちりかかる谷のを川の色つくはこのはや水の時雨なるらん

ちりかかる−たにのをかはの−いろつくは−このはやみつの−しくれなるらむ

異同資料句番号:00379

00380
番号外作者 後三条内大臣 (999)

くれてゆく秋をは水やさそふらむ紅葉なかれぬ山河そなき

くれてゆく−あきをはみつや−さそふらむ−もみちなかれぬ−やまかはそなき

異同資料句番号:00380

00381
崇徳院 崇徳院御製 (077)

紅葉はのちり行くかたをたつぬれは秋も嵐のこゑのみそする

もみちはの−ちりゆくかたを−たつぬれは−あきもあらしの−こゑのみそする

異同資料句番号:00381

00382
番号外作者 前大僧正覚忠 (999)

さらぬたに心ほそきを山さとのかねさへ秋のくれをつくなり

さらぬたに−こころほそきを−やまさとの−かねさへあきの−くれをつくなり

異同資料句番号:00382

00383
番号外作者 瞻西上人 (999)

からにしきぬさにたちもて行く秋もけふやたむけの山ちこゆらん

からにしき−ぬさにたちもて−ゆくあきも−けふやたむけの−やまちこゆらむ

異同資料句番号:00383

00384
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

あけぬともなほ秋風はおとつれて野へのけしきよおもかはりすな

あけぬとも−なほあきかせは−おとつれて−のへのけしきよ−おもかはりすな

異同資料句番号:00384

00385
匡房 前中納言匡房 (073)

たつた山ちるもみちはをきてみれは秋はふもとにかへるなりけり

たつたやま−ちるもみちはを−きてみれは−あきはふもとに−かへるなりけり

異同資料句番号:00385

00386
花園左大臣家小大進 花薗左大臣家小大進 (264)

こよひまて秋はかきれとさためける神代もさらにうらめしきかな

こよひまて−あきはかきれと−さためける−かみよもさらに−うらめしきかな

異同資料句番号:00386


千載集 巻六:冬

00387
公実 大納言公実 (201)

昨日こそ秋はくれしかいつのまにいはまの水のうすこほるらん

きのふこそ−あきはくれしか−いつのまに−いはまのみつの−うすこほるらむ

異同資料句番号:00387

00388
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

いかはかりあきのなこりをなかめましけさはこのはに嵐ふかすは

いかはかり−あきのなこりを−なかめまし−けさはこのはに−あらしふかすは

異同資料句番号:00388

00389
仲実 藤原仲実朝臣 (207)

いつみ川水のみわたのふしつけにしはまのこほる冬はきにけり

いつみかは−みつのみわたの−ふしつけに−しはまもこほる−ふゆはきにけり

異同資料句番号:00389

00390
崇徳院 崇徳院御製 (077)

ひまもなくちるもみちはにうつもれて庭のけしきも冬こもりけり

ひまもなく−ちるもみちはに−うつもれて−にはのけしきも−ふゆこもりけり

異同資料句番号:00390

00391
公能 大炊御門右大臣 (252)

さまさまの草葉もいまは霜かれぬ野へより冬やたちてきつらん

さまさまの−くさはもいまは−しもかれぬ−のへよりふゆや−たちてきつらむ

異同資料句番号:00391

00392
隆季 大納言隆季 (256)

すむ水を心なしとはたれかいふこほりそ冬のはしめをもしる

すむみつを−こころなしとは−たれかいふ−こほりそふゆの−はしめをもしる

異同資料句番号:00392

00393
教長 前参議教長 (253)

秋のうちはあはれしらせし風のおとのはけしさそふる冬はきにけり

あきのうちは−あはれしらせし−かせのおとの−はけしさそふる−ふゆはきにけり

異同資料句番号:00393

00394
花園左大臣家小大進 花薗左大臣家小大進 (264)

わきも子かうはものすそのみつなみにけさこそ冬はたちはしめけれ

わきもこか−うはものすその−みつなみに−けさこそふゆは−たちはしめけれ

異同資料句番号:00394

00395
番号外作者 藤原孝善 (999)

いつのまにかけひの水のこほるらむさこそ嵐のおとのかはらめ

いつのまに−かけひのみつの−こほるらむ−さこそあらしの−おとのかはらめ

異同資料句番号:00395

00396
和泉式部 (056)

と山ふく貴のかせのおときけはまたきに冬のおくそしらるる

とやまふく−あらしのかせの−おときけは−またきにふゆの−おくそしらるる

異同資料句番号:00396

00397
公能 大炊御門右大臣 (252)

はつ霜やおきはしむらん暁のかねのおとこそほのきこゆなれ

はつしもや−おきはしむらむ−あかつきの−かねのおとこそ−ほのきこゆなれ

異同資料句番号:00397

00398
匡房 前中納言匡房 (073)

たかさこのをのへのかねのおとすなり暁かけて霜やおくらん

たかさこの−をのへのかねの−おとすなり−あかつきかけて−しもやおくらむ

異同資料句番号:00398

00399
基俊 藤原基俊 (075)

ひさきおふるをののあさちにおく霜のしろきをみれは夜やふけぬらん

ひさきおふる−をののあさちに−おくしもの−しろきをみれは−よやふけぬらむ

異同資料句番号:00399

00400
定家 藤原定家 (097)

冬きては一よふたよを玉ささのはわけの霜のところせきまて

ふゆきては−ひとよふたよを−たまささの−はわけのしもの−ところせきまて

異同資料句番号:00400

00401
基俊 藤原基俊 (075)

霜さえてかれ行くをののをかへなるならのひろはに時雨ふるなり

しもさえて−かれゆくをのの−をかへなる−ならのひろはに−しくれふるなり

異同資料句番号:00401

00402
馬内侍 (172)

ねさめしてたれかきくらん此ころのこのはにかかる夜半のしくれを

ねさめして−たれかきくらむ−このころの−このはにかかる−よはのしくれを

異同資料句番号:00402

00403
番号外作者 源定信(法名道舜) (999)

おとにさへたもとをぬらす時雨かなまきのいたやの夜はのねさめに

おとにさへ−たもとをぬらす−しくれかな−まきのいたやの−よはのねさめに

異同資料句番号:00403

00404
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

まはらなるまきのいたやにおとはしてもらぬ時雨やこのはなるらん

まはらなる−まきのいたやに−おとはして−もらぬしくれや−このはなるらむ

異同資料句番号:00404

00405
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

木葉ちるとはかりききてやみなましもらて時雨の山めくりせは

このはちる−とはかりききて−やみなまし−もらてしくれの−やまめくりせは

異同資料句番号:00405

00406
兼実 摂政前右大臣 (562)

ひとりねの涙やそらにかよふらむ時雨にくもるあり明の月

ひとりねの−なみたやそらに−かよふらむ−しくれにくもる−ありあけのつき

異同資料句番号:00406

00407
隆信 藤原隆信朝臣 (313)

うたたねは夢やうつつにかよふらむさめてもおなし時雨をそきく

うたたねは−ゆめやうつつに−かよふらむ−さめてもおなし−しくれをそきく

異同資料句番号:00407

00408
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

山めくる雲のしたにや成りぬらんすそ野の原にしくれすくなり

やまめくる−くものしたにや−なりぬらむ−すそののはらに−しくれすくなり

異同資料句番号:00408

00409
師光_源 源師光 (318)

時雨れゆくをちのと山のみねつつきうつりもあへす雲かくるらん

しくれゆく−をちのとやまの−みねつつき−うつりもあへす−くもかくるらむ

異同資料句番号:00409

00410
道因 道因法師 (082)

あらしふくひらのたかねのねわたしにあはれしくるる神無月かな

あらしふく−ひらのたかねの−ねわたしに−あはれしくるる−かみなつきかな

異同資料句番号:00410

00411
国信 中納言国信 (203)

み山辺の時雨れてわたるかすことにかことかましき玉かしはかな

みやまへの−しくれてわたる−かすことに−かことかましき−たまかしはかな

異同資料句番号:00411

00412
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

このはのみちるかとおもひし時雨には涙もたへぬ物にそ有りける

このはのみ−ちるかとおもひし−しくれには−なみたもたへぬ−ものにそありける

異同資料句番号:00412

00413
京極関白家肥後 二条太皇大后宮肥後 (214)

ふりはへて人もとひこぬ山さとは時雨はかりそすきかてにする

ふりはへて−ひともとひこぬ−やまさとは−しくれはかりそ−すきかてにする

異同資料句番号:00413

00414
定家 藤原定家 (097)

時雨れつるまやののきはのほとなきにやかてさしいる月のかけかな

しくれつる−まやののきはの−ほとなきに−やかてさしいる−つきのかけかな

異同資料句番号:00414

00415
読人不知 読人しらす (000)

玉つさに涙のかかる心ちしてしくるるそらに雁のなくなる

たまつさに−なみたのかかる−ここちして−しくるるそらに−かりのなくなる

異同資料句番号:00415

00416
番号外作者 源仲頼 (999)

みねこえにならのはつたひおとつれてやかて軒はに時雨きにけり

みねこえに−ならのはつたひ−おとつれて−やかてのきはに−しくれきにけり

異同資料句番号:00416

00417
番号外作者 紀康宗 (999)

暁のねさめにすくる時雨こそもらても人の袖ぬらしけれ

あかつきの−ねさめにすくる−しくれこそ−もらてもひとの−そてぬらしけれ

異同資料句番号:00417

00418
番号外作者 藤原盛雅 (999)

ちりはててのちさへ風をいとふかなもみちをふけるみ山へのさと

ちりはてて−のちさへかせを−いとふかな−もみちをふける−みやまへのさと

異同資料句番号:00418

00419
番号外作者 中納言定頼女 (999)

都たにさひしさまさる木からしにみねの松かせおもひこそやれ

みやこたに−さひしさまさる−こからしに−みねのまつかせ−おもひこそやれ

異同資料句番号:00419

00420
定頼 中納言定頼 (064)

あさほらけうちの河霧たえたえにあらはれわたるせせの網代木

あさほらけ−うちのかはきり−たえたえに−あらはれわたる−せせのあしろき

異同資料句番号:00420

00421
仲実 藤原仲実朝臣 (207)

やかたをのましろのたかを引きすゑてうたのとたちをかりくらしつる

やかたをの−ましろのたかを−ひきすゑて−うたのとたちを−かりくらしつる

異同資料句番号:00421

00422
隆源 隆源法師 (213)

ふる雪にゆくへも見えすはし鷹のをふさのすすのおとはかりして

ふるゆきに−ゆくへもみえす−はしたかの−をふさのすすの−おとはかりして

異同資料句番号:00422

00423
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

夕まくれ山かたつきてたつ鳥のはおとにたかをあはせつるかな

ゆふまくれ−やまかたつきて−たつとりの−はおとにたかを−あはせつるかな

異同資料句番号:00423

00424
長能 藤原長能 (176)

いもかりとさほの川へをわかゆけはさよかふけぬる千鳥なくなり

いもかりと−さほのかはへを−わかゆけは−さよかふけぬる−ちとりなくなり

異同資料句番号:00424

00425
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

すまのせき有明のそらになく千鳥かたふく月はなれもかなしき

すまのせき−ありあけのそらに−なくちとり−かたふくつきは−なれもかなしき

異同資料句番号:00425

00426
道因 道因法師 (082)

いはこゆるあら磯なみにたつ千とり心ならてやうらつたふらん

いはこゆる−あらいそなみに−たつちとり−こころならすや−うらつたふらむ

異同資料句番号:00427

00427
番号外作者 法印静賢 (999)

霜さえてさ夜もなかゐのうらさむみ明けやらすとや千鳥鳴くらん

しもさえて−さよもなかゐの−うらさむみ−あけやらすとや−ちとりなくらむ

異同資料句番号:00428

00428
番号外作者 賀茂成保 (999)

しもかれのなにはのあしのほのほのとあくる湊に千とり鳴くなり

しもかれの−なにはのあしの−ほのほのと−あくるみなとに−ちとりなくなり

異同資料句番号:00429

00429
番号外作者 源親房 (999)

かたみにやうはけの霜をはらふらむともねのをしのもろこゑになく

かたみにや−うはけのしもを−はらふらむ−ともねのをしの−もろこゑになく

異同資料句番号:00430

00430
紫式部 (057)

水鳥をみつのうへとやよそにみむ我もうきたる世をすくしつつ

みつとりを−みつのうへとや−よそにみむ−われもうきたる−よをすくしつつ

異同資料句番号:00431

00431
匡房 前中納言匡房 (073)

みつ鳥の玉ものとこのうき枕ふかきおもひはたれかまされる

みつとりの−たまものとこの−うきまくら−ふかきおもひは−たれかまされる

異同資料句番号:00432

00432
崇徳院 崇徳院御製 (077)

このころのをしのうきねそあはれなるうはけの霜よ下のこほりよ

このころの−をしのうきねそ−あはれなる−うはけのしもよ−したのこほりよ

異同資料句番号:00433

00433
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

なにはかたいりえをめくるあしかもの玉ものふねにうきねすらしも

なにはかた−いりえをめくる−あしかもの−たまものふねに−うきねすらしも

異同資料句番号:00434

00434
番号外作者 権中納言経房 (999)

をし鳥のうきねのとこやあれぬらんつららゐにけりこやの池水

をしとりの−うきねのとこや−あれぬらむ−つららゐにけり−こやのいけみつ

異同資料句番号:00435

00435
道因 道因法師 (082)

かものゐるいりえのあしは霜かれておのれのみこそあをはなりけれ

かものゐる−いりえのあしは−しもかれて−おのれのみこそ−あをはなりけれ

異同資料句番号:00436

00436
番号外作者 賀茂重保 (999)

おく霜をはらひかねてやしをれふすかつみかしたにをしのなくらん

おくしもを−はらひかねてや−しをれふす−かつみかしたに−をしのなくらむ

異同資料句番号:00437

00437
番号外作者 前左衛門督公光 (999)

あしかものすたく入えの月かけはこほりそ浪のかすにくたくる

あしかもの−すたくいりえの−つきかけは−こほりそなみの−かすにくたくる

異同資料句番号:00438

00438
番号外作者 平実重 (999)

夜をかさねむすふ氷のしたにさヘ心ふかくもやとる月かな

よをかさね−むすふこほりの−したにさへ−こころふかくも−やとるつきかな

異同資料句番号:00439

00439
番号外作者 左大弁親宗 (999)

いつくにか月はひかりをととむらんやとりし水も氷ゐにけり

いつくにか−つきはひかりを−ととむらむ−やとりしみつも−こほりゐにけり

異同資料句番号:00440

00440
番号外作者 藤原成家朝臣 (999)

冬くれはゆくてに人はくまねともこほりそむすふ山の井の水

ふゆくれは−ゆくてにひとは−くまねとも−こほりそむすふ−やまのゐのみつ

異同資料句番号:00441

00441
道因 道因法師 (082)

月のすむそらには雲もなかりけりうつりし水はこほりへたてて

つきのすむ−そらにはくもも−なかりけり−うつりしみつは−こほりへたてて

異同資料句番号:00442

00442
崇徳院 崇徳院御製 (077)

つららゐてみかける影のみゆるかなまことにいまや玉川の水

つららゐて−みかけるかけの−みゆるかな−まことにいまや−たまかはのみつ

異同資料句番号:00443

00443
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

月さゆる氷のうへにあられふり心くたくる玉川のさと

つきさゆる−こほりのうへに−あられふり−こころくたくる−たまかはのさと

異同資料句番号:00444

00444
良経 左近中将良経 (091)

さゆる夜のまきのいたやのひとりねに心くたけと霰ふるなり

さゆるよの−まきのいたやの−ひとりねに−こころくたけと−あられふるなり

異同資料句番号:00445

00445
経信 大納言経信 (071)

朝戸あけてみるそさひしきかた岡のならのひろはにふれるしらゆき

あさとあけて−みるそさひしき−かたをかの−ならのひろはに−ふれるしらゆき

異同資料句番号:00446

00446
崇徳院 崇徳院御製 (077)

夜をこめて谷の戸ほそに風さむみかねてそしるきみねのはつ雪

よをこめて−たにのとほそに−かせさむみ−かねてそしるき−みねのはつゆき

異同資料句番号:00447

00447
季通 藤原季通朝臣 (255)

さえわたるよはのけしきにみやまへの雪のふかさを空にしるかな

さえわたる−よはのけしきに−みやまへの−ゆきのふかさを−そらにしるかな

異同資料句番号:00448

00448
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

きゆるをや都の人はをしむらんけさ山さとにはらふしら雪

きゆるをや−みやこのひとは−をしむらむ−けさやまさとに−はらふしらゆき

異同資料句番号:00449

00449
番号外作者 藤原資隆朝臣 (999)

霜かれのまかきのうちの雪みれはきくよりのちの花も有りけり

しもかれの−まかきのうちの−ゆきみれは−きくよりのちの−はなもありけり

異同資料句番号:00450

00450
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

たとへてもいはむかたなし月かけにうす雲かけてふれるしら雪

たとへても−いはむかたなし−つきかけに−うすくもかけて−ふれるしらゆき

異同資料句番号:00451

00451
教長 前参議教長 (253)

み山ちはかつふる雪にうつもれていかてかこまのあとをたつねん

みやまちは−かつふるゆきに−うつもれて−いかてかこまの−あとをたつねむ

異同資料句番号:00452

00452
通俊 治部卿通俊 (536)

おしなへて山のしら雪つもれともしるきはこしのたかねなりけり

おしなへて−やまのしらゆき−つもれとも−しるきはこしの−たかねなりけり

異同資料句番号:00453

00453
番号外作者 藤原顕綱朝臣 (999)

と山にはしはのしたはもちりはててをちのたかねに雪ふりにけり

とやまには−しはのしたはも−ちりはてて−をちのたかねに−ゆきふりにけり

異同資料句番号:00454

00454
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

雪ふれは谷のかけはしうつもれて梢そ冬の山ちなりける

ゆきふれは−たにのかけはし−うつもれて−こすゑそふゆの−やまちなりける

異同資料句番号:00455

00455
番号外作者 二条院御製 (999)

雪つもるみねにふふきやわたるらむこしのみそらにまよふしら雲

ゆきつもる−みねにふふきや−わたるらむ−こしのみそらに−まよふしらくも

異同資料句番号:00456

00456
守覚法親王 仁和寺法親王(守覚) (304)

浪かけはみきはの雪もきえなまし心ありてもこほる池かな

なみかけは−みきはのゆきも−きえなまし−こころありても−こほるいけかな

異同資料句番号:00457

00457
実定 右のおほいまうちきみ (081)

山さとのかきねは雪にうつもれて野へとひとつに成りにけるかな

やまさとの−かきねはゆきに−うつもれて−のへとひとつに−なりにけるかな

異同資料句番号:00458

00458
実房 右近大将実房 (319)

あともたえしをりも雪にうつもれてかへる山ちにまとひぬるかな

あともたえ−しをりもゆきに−うつもれて−かへるやまちに−まとひぬるかな

異同資料句番号:00459

00459
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

こえかねていまそこし路をかへる山雪ふる時の名にこそ有りけれ

こえかねて−いまそこしちを−かへるやま−ゆきふるときの−なにこそありけれ

異同資料句番号:00460

00460
顕昭 顕昭法師 (564)

浪まよりみえしけしきそかはりぬる雪ふりにけり松かうら島

なみまより−みえしけしきそ−かはりぬる−ゆきふりにけり−まつかうらしま

異同資料句番号:00461

00461
番号外作者 藤原良清 (999)

ふふきするなからの山をみわたせはをのへをこゆるしかのうらなみ

ふふきする−なからのやまを−みわたせは−をのへをこゆる−しかのうらなみ

異同資料句番号:00462

00462
読人不知 (000)

ふる雪にのきはの竹もうつもれて友こそなけれ冬の山さと

ふるゆきに−のきはのたけも−うつもれて−ともこそなけれ−ふゆのやまさと

異同資料句番号:00463

00463
番号外作者 西住法師 (999)

こまのあとはかつふる雪にうつもれておくるる人や道まとふらん

こまのあとは−かつふるゆきに−うつもれて−おくるるひとや−みちまとふらむ

異同資料句番号:00464

00464
番号外作者 坂上明兼 (999)

くれ竹のをれふすおとのなかりせは夜ふかき雪をいかてしらまし

くれたけの−をれふすおとの−なかりせは−よふかきゆきを−いかてしらまし

異同資料句番号:00465

00465
番号外作者 藤原為季 (999)

ましはかるをののほそ道あとたえてふかくも雪のなりにけるかな

ましはかる−をののほそみち−あとたえて−ふかくもゆきの−なりにけるかな

異同資料句番号:00466

00466
俊恵 俊恵法師 (085)

雪ふれは木木のこすゑにさきそむるえたよりほかの花もちりけり

ゆきふれは−ききのこすゑに−さきそむる−えたよりほかの−はなもちりけり

異同資料句番号:00467

00467
番号外作者 内大臣 (999)

ふるままに跡たえぬれはすすか山雪こそせきのとさしなりけれ

ふるままに−あとたえぬれは−すすかやま−ゆきこそせきの−とさしなりけれ

異同資料句番号:00468

00468
番号外作者 天台座主明快 (999)

山さとのかきねの梅はさきにけりかはかりこそは春もにほはめ

やまさとの−かきねのうめは−さきにけり−かはかりこそは−はるもにほはめ

異同資料句番号:00469

00469
番号外作者 前大納言実長 (999)

かきくらしこし路もみえすふる雪にいかてかとしのかへり行くらん

かきくらし−こしちもみえす−ふるゆきに−いかてかとしの−かへりゆくらむ

異同資料句番号:00470

00470
番号外作者 前左衛門督公光 (999)

さりともとなけきなけきてすくしつるとしもこよひにくれはてにけり

さりともと−なけきなけきて−すくしつる−としもこよひに−くれはてにけり

異同資料句番号:00471

00471
相模 (065)

あはれにもくれゆくとしのひかすかなかへらむことは夜のまとおもふに

あはれにも−くれゆくとしの−ひかすかな−かへらむことは−よのまとおもふに

異同資料句番号:00472

00472
番号外作者 惟宗広言 (999)

かすならぬ身にはつもらぬとしならはけふのくれをもなけかさらまし

かすならぬ−みにはつもらぬ−としならは−けふのくれをも−なけかさらまし

異同資料句番号:00473

00473
番号外作者 源光行 (999)

をしめともはかなくくれてゆく年のしのふむかしにかへらましかは

をしめとも−はかなくくれて−ゆくとしの−しのふむかしに−かへらましかは

異同資料句番号:00474

00474
番号外作者 前律師俊宗 (999)

一とせははかなき夢のここちしてくれぬるけふそおとろかれける

ひととせは−はかなきゆめの−ここちして−くれぬるけふそ−おとろかれける

異同資料句番号:00475

00475
番号外作者 民部卿親範 (999)

みやこにておくりむかふといそきしをしらてや年のけふはくれなん

みやこにて−おくりむかふと−いそきしを−しりてやとしの−けふはくれなむ

異同資料句番号:00476


千載集 巻七:離別

00476
実方 藤原実方朝臣 (051)

むかしみし心はかりをしるへにておもひそおくるいきの松原

むかしみし−こころはかりを−しるへにて−おもひそおくる−いきのまつはら

異同資料句番号:00477

00477
公任 前太納言公任 (055)

わかれよりまさりてをしき命かなきみに二たひあはむとおもへは

わかれより−まさりてをしき−いのちかな−きみにふたたひ−あはむとおもへは

異同資料句番号:00478

00478
紫式部 (057)

なきよわるまかきの虫もとめかたき秋のわかれやかなしかるらん

なきよわる−まかきのむしも−とめかたき−あきのわかれや−かなしかるらむ

異同資料句番号:00479

00479
公実 大納言公実 (201)

かへりこむほともさためぬわかれちは都のてふりおもひいてにせよ

かへりこむ−ほともさためぬ−わかれちは−みやこのてふり−おもひいてにせよ

異同資料句番号:00480

00480
匡房 前中納言匡房 (073)

行すゑをまつへき身こそおいにけれ別はみちのとほきのみかは

ゆくすゑを−まつへきみこそ−おいにけれ−わかれはみちの−とほきのみかは

異同資料句番号:00481

00481
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

わするなよかへる山ちにあとたえて日かすは雪のふりつもるとも

わするなよ−かへるやまちに−あとたえて−ひかすはゆきの−ふりつもるとも

異同資料句番号:00482

00482
行尊 大僧正行尊 (066)

かへりこむほとをはいつといひおかし定なき身は人たのめなり

かへりこむ−ほとをはいつと−いひおかし−さためなきみは−ひとたのめなり

異同資料句番号:00483

00483
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

たのむれと心かはりてかへりこはこれそやかての別なるへき

たのむれと−こころかはりて−かへりこは−これそやかての−わかれなるへき

異同資料句番号:00484

00484
上西門院兵衛 (262)

かきりあらむ道こそあらめこの世にて別るへしとはおもはさりしを

かきりあらむ−みちこそあらめ−このよにて−わかるへしとは−おもはさりしを

異同資料句番号:00485

00485
番号外作者 藤原経衡 (999)

行くきみをととめまほしくおもふかな我も恋しき都なれとも

ゆくきみを−ととめまほしく−おもふかな−われもこひしき−みやこなれとも

異同資料句番号:00486

00486
番号外作者 太宰大弐資通 (999)

年へたる人の心をおもひやれ君たにこふる花の都を

としへたる−ひとのこころを−おもひやれ−きみたにこふる−はなのみやこを

異同資料句番号:00487

00487
道命 道命法師 (158)

もろともに行人もなき別ちに涙はかりそとまらさりける

もろともに−ゆくひともなき−わかれちに−なみたはかりそ−とまらさりける

異同資料句番号:00488

00488
番号外作者 天台座主源心 (999)

なからへてあるへき身としおもはねはわするなとたにえこそちきらね

なからへて−あるへきみとし−おもはねは−わするなとたに−えこそちきらね

異同資料句番号:00489

00489
読人不知 (000)

あはれとしおもはむ人は別れしを心は身よりほかのものかは

あはれとし−おもはむひとは−わかれしを−こころはみより−ほかのものかは

異同資料句番号:00490

00490
和泉式部 (056)

別れてもおなしみやこにありしかはいとこのたひの心ちやはせし

わかれても−おなしみやこに−ありしかは−いとこのたひの−ここちやはせし

異同資料句番号:00491

00491
番号外作者 成尋法師母 (999)

しのへともこのわかれちをおもふにはから紅の涙こそふれ

しのへとも−このわかれちを−おもふには−からくれなゐの−なみたこそふれ

異同資料句番号:00492

00492
番号外作者 僧都覚雅 (999)

心をもきみをもやとにととめおきて涙とともにいつるたひかな

こころをも−きみをもやとに−ととめおきて−なみたとともに−いつるたひかな

異同資料句番号:00493

00493
番号外作者 西住法師 (999)

まてといひてたのめし秋もすきぬれは帰る山ちの名そかひもなき

まてといひて−たのめしあきも−すきぬれは−かへるやまちの−なそかひもなき

異同資料句番号:00494

00494
番号外作者 入道前太政大臣 (999)

をしへおくかたみをふかくしのはなん身はあを海の浪になかれぬ

をしへおく−かたみをふかく−しのはなむ−みはあをうみの−なみになかれぬ

異同資料句番号:00495

00495
番号外作者 右大臣 (999)

あらすのみなりゆくたひの別ちにてなれしことのねこそかはらね

あらすのみ−なりゆくたひの−わかれちに−てなれしことの−ねこそかはらね


00496
番号外作者 右衛門督頼実 (999)

わするなよをはすて山の月みても都をいつるあり明のそら

わするなよ−をはすてやまの−つきみても−みやこをいつる−ありあけのそら

異同資料句番号:00496

00497
定家 藤原定家 (097)

わかれても心へたつなたひころもいくへかさなる山ちなりとも

わかれても−こころへたつな−たひころも−いくへかさなる−やまちなりとも

異同資料句番号:00497


千載集 巻八:羈旅

00498
番号外作者 藤原範永朝臣 (999)

有明の月もしみつにやとりけりこよひはこえしあふ坂のせき

ありあけの−つきもしみつに−やとりけり−こよひはこえし−あふさかのせき

異同資料句番号:00498

00499
番号外作者 中納言師俊 (999)

はりまちやすまのせきやのいたひさし月もれとてやまはらなるらん

はりまちや−すまのせきやの−いたひさし−つきもれとてや−まはらなるらむ

異同資料句番号:00499

00500
基俊 藤原基俊 (075)

あたら夜をいせのはま荻をりしきていも恋しらにみつる月かな

あたらよを−いせのはまをき−をりしきて−いもこひしらに−みつるつきかな

異同資料句番号:00500

00501
国信 中納言国信 (203)

浪のうへにあり明の月をみましやはすまのせきやにとまらさりせは

なみのうへに−ありあけのつきを−みましやは−すまのせきやに−とまらさりせは

異同資料句番号:00501

00502
番号外作者 八条前太政大臣 (999)

よなよなのたひねのとこに風さえてはつ雪ふれるさやの中山

よなよなの−たひねのとこに−かせさえて−はつゆきふれる−さやのなかやま

異同資料句番号:00502

00503
和泉式部 (056)

水のうへにうきねをしてそおもひしるかかれはをしも鳴くにそ有りける

みつのうへに−うきねをしてそ−おもひしる−かかれはをしも−なくにそありける

異同資料句番号:00503

00504
赤染衛門 (059)

おもふことなくてそみましよさの海のあまのはしたて都なりせは

おもふこと−なくてそみまし−よさのうみの−あまのはしたて−みやこなりせは

異同資料句番号:00504

00505
能因 能因法師 (069)

宮木ひくあつさの杣をかきわけてなにはのうらをとほさかりぬる

みやきひく−あつさのそまを−かきわけて−なにはのうらを−とほさかりぬる

異同資料句番号:00505

00506
番号外作者 津守有基 (999)

すみのえにまつらむとのみなけきつつ心つくしにとしをふるかな

すみのえに−まつらむとのみ−なけきつつ−こころつくしに−としをふるかな

異同資料句番号:00506

00507
番号外作者 斎宮甲斐 (999)

わかれゆく都のかたの恋しきにいさむすひみむ忘井の水

わかれゆく−みやこのかたの−こひしきに−いさむすひみむ−わすれゐのみつ

異同資料句番号:00507

00508
番号外作者 源雅光 (999)

さ夜ふかき雲ゐに雁もおとすなりわれひとりやは旅の空なる

さよふかき−くもゐのかりも−おとすなり−われひとりやは−たひのそらなる

異同資料句番号:00508

00509
崇徳院 崇徳院御製 (077)

かり衣そての涙にやとる夜は月もたひねの心ちこそすれ

かりころも−そてのなみたに−やとるよは−つきもたひねの−ここちこそすれ

異同資料句番号:00509

00510
崇徳院 崇徳院御製 (077)

松かねの枕もなにかあたならむ玉のゆかとてつねのとこかは

まつかねの−まくらもなにか−あたならむ−たまのゆかとて−つねのとこかは

異同資料句番号:00510

00511
公能 大炊御門右大臣 (252)

花さきし野へのけしきも,かれぬこれにてそしる旅の日かすは

はなさきし−のへのけしきも−しもかれぬ−これにてそしる−たひのひかすは

異同資料句番号:00511

00512
季通 藤原季通朝臣 (255)

さらしなやをはすて山に月みると都にたれかわれをしるらん

さらしなや−をはすてやまに−つきみると−みやこにたれか−われをしるらむ

異同資料句番号:00512

00513
待賢門院堀河 待賢門院堀川 (080)

道すから心もそらになかめやるみやこの山の雲かくれぬる

みちすから−こころもそらに−なかめやる−みやこのやまの−くもかくれぬる

異同資料句番号:00513

00514
郁芳門院安芸 同院安芸 (263)

ささのはをゆふ暮なからをりしけは玉ちるたひのくさ枕かな

ささのはを−ゆふつゆなから−をりしけは−たまちるたひの−くさまくらかな

異同資料句番号:00514

00515
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

うらつたふいそのとまやのかち枕ききもならはぬ浪のおとかな

うらつたふ−いそのとまやの−かちまくら−ききもならはぬ−なみのおとかな

異同資料句番号:00515

00516
西行 円位法師 (086)

わたのはらはるかに浪をへたてきて都にいてし月をみるかな

わたのはら−はるかになみを−へたてきて−みやこにいてし−つきをみるかな

異同資料句番号:00516

00517
番号外作者 高野法親王(覚法) (999)

さためなきうき世の中としりぬれはいつこも旅の心ちこそすれ

さためなき−うきよのなかと−しりぬれは−いつこもたひの−ここちこそすれ

異同資料句番号:00517

00518
番号外作者 前中納言師仲 (999)

おほつかないかになるみのはてならむ行へもしらぬたひのかなしさ

おほつかな−いかになるみの−はてならむ−ゆくへもしらぬ−たひのかなしさ

異同資料句番号:00518

00519
番号外作者 左京大夫修範 (999)

日をへつつゆくにはるけき道なれとすゑをみやことおもはましかは

ひをへつつ−ゆくにはるけき−みちなれと−すゑをみやこと−おもはましかは

異同資料句番号:00519

00520
読人不知 (000)

かくはかりあはれならしをしくるとも磯の松かねまくらならすは

かくはかり−あはれならしを−しくるとも−いそのまつかね−まくらならすは

異同資料句番号:00520

00521
道因 道因法師 (082)

月みれはまつ都こそこひしけれまつらんとおもふ人はなけれと

つきみれは−まつみやここそ−こひしけれ−まつらむとおもふ−ひとはなけれと

異同資料句番号:00521

00522
番号外作者 祝部成仲 (999)

あふさかの関には人もなかりけりいはまの水のもるにまかせて

あふさかの−せきにはひとも−なかりけり−いはまのみつの−もるにまかせて

異同資料句番号:00522

00523
番号外作者 大納言定房 (999)

こえて行くともやなからむあふ坂のせきのし水のかけはなれなは

こえてゆく−ともやなからむ−あふさかの−せきのしみつの−かけはなれなは

異同資料句番号:00523

00524
番号外作者 前大僧正覚忠 (999)

たひ衣あさたつをのの露しけみしほりもあへすしのふもちすり

たひころも−あさたつをのの−つゆしけみ−しほりもあへす−しのふもちすり

異同資料句番号:00524

00525
実房 右近大将実房 (319)

風のおとにわきそかねまし松かねのまくらにもらぬ時雨なりせは

かせのおとに−わきそかねまし−まつかねの−まくらにもらぬ−しくれなりせは

異同資料句番号:00525

00526
俊恵 俊恵法師 (085)

もしほ草しきつのうらのねさめには時雨にのみや袖はぬれける

もしほくさ−しきつのうらの−ねさめには−しくれにのみや−そてはぬれける

異同資料句番号:00526

00527
番号外作者 源仲綱 (999)

玉もふくいそやかしたにもる時雨たひねのそてもしほたれよとや

たまもふく−いそやかしたに−もるしくれ−たひねのそても−しほたれよとや

異同資料句番号:00527

00528
太皇太后宮小侍従 (321)

草枕おなしたひねの袖にまた夜はのしくれもやとはかりけり

くさまくら−おなしたひねの−そてにまた−よはのしくれも−やとはかりけり

異同資料句番号:00528

00529
兼実 摂政前右大臣 (562)

はるはるとつもりのおきをこきゆけはきしの松かせとほさかるなり

はるはると−つもりのおきを−こきゆけは−きしのまつかせ−とほさかるなり

異同資料句番号:00529

00530
番号外作者 刑部卿頼輔 (999)

わたのはらしほちはるかにみわたせは雲と浪とはひとつなりけり

わたのはら−しほちはるかに−みわたせは−くもとなみとは−ひとつなりけり

異同資料句番号:00530

00531
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

あはれなる野しまかさきのいほりかな露おく袖に浪もかけけり

あはれなる−のしまかさきの−いほりかな−つゆおくそてに−なみもかけけり

異同資料句番号:00531

00532
守覚法親王 仁和寺法親王(守覚) (304)

よしさらは磯のとまやに旅ねせん浪かけすとてぬれぬ袖かは

よしさらは−いそのとまやに−たひねせむ−なみかけすとて−ぬれぬそてかは

異同資料句番号:00532

00533
慈円 法印慈円 (095)

たひのよに又たひねして草まくらゆめのうちにも夢をみるかな

たひのよに−またたひねして−くさまくら−ゆめのうちにも−ゆめをみるかな

異同資料句番号:00533

00534
隆房 左兵衛督隆房 (309)

草まくらかりねの夢にいくたひかなれし都にゆきかへるらん

くさまくら−かりねのゆめに−いくたひか−なれしみやこに−ゆきかへるらむ

異同資料句番号:00534

00535
番号外作者 法眼兼覚 (999)

いつもかく有あけの月のあけかたは物やかなしきすまの関守

いつもかく−ありあけのつきの−あけかたは−ものやかなしき−すまのせきもり

異同資料句番号:00535

00536
家隆 藤原家隆 (098)

たひねするすまのうらちのさよ千とりこゑこそ袖の浪はかけけれ

たひねする−すまのうらちの−さよちとり−こゑこそそての−なみはかけけれ

異同資料句番号:00536

00537
番号外作者 円玄法師 (999)

かくしつつつひにとまらむよもきふのおもひしらるる草枕かな

かくしつつ−つひにとまらむ−よもきふの−おもひしらるる−くさまくらかな

異同資料句番号:00537

00538
番号外作者 律師覚弁 (999)

たひねするこのした露の袖にまた時雨ふるなりさよの中山

たひねする−このしたつゆの−そてにまた−しくれふるなり−さよのなかやま

異同資料句番号:00538

00539
番号外作者 藤原資忠 (999)

たひねするいほりをすくるむら時雨なこりまてこそ袖はぬれけれ

たひねする−いほりをすくる−むらしくれ−なこりまてこそ−そてはぬれけれ

異同資料句番号:00539

00540
番号外作者 大中臣親守 (999)

あられもるふはのせきやにたひねして夢をもえこそとほささりけれ

あられもる−ふはのせきやに−たひねして−ゆめをもえこそ−とほささりけれ

異同資料句番号:00540

00541
番号外作者 平康頼(法名性照) (999)

かくはかりうき身のほともわすられて猶恋しきは都なりけり

かくはかり−うきみのほとも−わすられて−なほこひしきは−みやこなりけり

異同資料句番号:00541

00542
番号外作者 平康頼(法名性照) (999)

さつまかたおきの小島にわれありとおやにはつけよやへのしほかせ

さつまかた−おきのこしまに−われありと−おやにはつけよ−やへのしほかせ

異同資料句番号:00542

00543
番号外作者 僧都印性 (999)

あつまちも年もすゑにや成りぬらん雪ふりにけり白川のせき

あつまちも−としもすゑにや−なりぬらむ−ゆきふりにけり−しらかはのせき

異同資料句番号:00543

00544
寂蓮 寂蓮法師 (087)

いはねふみ嶺のしひしはをりしきて雲にやとかるゆふくれのそら

いはねふみ−みねのしひしは−をりしきて−くもにやとかる−ゆふくれのそら

異同資料句番号:00544


千載集 巻九:哀傷

00545
具平親王 中務卿具平親王 (523)

春くれはちりにし花もさきにけりあはれ別のかからましかは

はるくれは−ちりにしはなも−さきにけり−あはれわかれの−かからましかは

異同資料句番号:00545

00546
公任 大納言公任 (055)

行きかへり春やあはれとおもふらん契りし人の又もあはねは

ゆきかへり−はるやあはれと−おもふらむ−ちりにしひとの−またもあはねは

異同資料句番号:00546

00547
番号外作者 藤原範永朝臣 (999)

うゑおきし人のかたみとみぬたにもやとのさくらをたれかをしまぬ

うゑおきし−ひとのかたみと−みぬたにも−やとのさくらを−たれかをしまぬ

異同資料句番号:00547

00548
和泉式部 (056)

をしきかなかたみにきたるふち衣たた此ころにくちはてぬへし

をしきかな−かたみにきたる−ふちころも−たたこのころに−くちはてぬへし

異同資料句番号:00548

00549
道信 藤原道信朝臣 (052)

くちなしのそのにやわか身入りにけんおもふことをもいはてやみぬる

くちなしの−そのにやわかみ−いりにけむ−おもふことをも−いはてやみぬる

異同資料句番号:00549

00550
番号外作者 藤原頼孝 (999)

おもひかねきのふのそらをなかむれはそれかとみゆる雲たにもなし

おもひかね−きのふのそらを−なかむれは−それかとみゆる−くもたにもなし

異同資料句番号:00550

00551
花山院 花山院御製 (531)

うつつとも夢ともえこそわきはてねいつれの時をいつれとかせん

うつつとも−ゆめともえこそ−わきはてね−いつれのときを−いつれとかせむ

異同資料句番号:00551

00552
道済 源道済 (164)

さくら花みるにもかなし中中にことしの春はさかすそあらまし

さくらはな−みるにもかなし−なかなかに−ことしのはるは−さかすそあらまし

異同資料句番号:00552

00553
道命 道命法師 (158)

おくれしとおもへとしなぬわかみかなひとりやしらぬ道をゆくらん

おくれしと−おもへとしなぬ−わかみかな−ひとりやしらぬ−みちをゆくらむ

異同資料句番号:00553

00554
長能 藤原長能 (176)

おいらくの命のあまりなかくして君に二たひわかれぬるかな

おいらくの−いのちのあまり−なかくして−きみにふたたひ−わかれぬるかな

異同資料句番号:00554

00555
番号外作者 上東門院 (999)

一こゑも君につけなんほとときすこの五月雨はやみにまとふと

ひとこゑも−きみにつけなむ−ほとときす−このさみたれは−やみにまとふと

異同資料句番号:00555

00556
番号外作者 弁乳母 (999)

あやめ草なみたの玉にぬきかへてをりならぬねを猶そかけつる

あやめくさ−なみたのたまに−ぬきかへて−をりならぬねを−なほそかけつる

異同資料句番号:00556

00557
番号外作者 江侍従 (999)

玉ぬきしあやめのくさはありなからよとのはあれん物とやはみし

たまぬきし−あやめのくさは−ありなから−よとのはあれむ−ものとやはみし

異同資料句番号:00557

00558
大弐三位 (058)

かなしさをかつはおもひもなくさめよたれもつひにはとまるへきかは

かなしさを−かつはおもひも−なくさめよ−たれもつひには−とまるへきかは

異同資料句番号:00558

00559
長家 大納言長家 (535)

たれもみなとまるへきにはあらねともおくるるほとは猶そかなしき

たれもみな−とまるへきには−あらねとも−おくるるほとは−なほそかなしき

異同資料句番号:00559

00560
番号外作者 承香殿女御 (999)

おほかたにさやけからぬか月かけは涙くもらぬ人にみせはや

おほかたに−さやけからぬか−つきかけは−なみたくもらぬ−ひとにみせはや

異同資料句番号:00560

00561
番号外作者 小弁命帰 (999)

かなしさにそへても物のかなしきはわかれのうちの別なりけり

かなしさに−そへてもものの−かなしきは−わかれのうちの−わかれなりけり

異同資料句番号:00561

00562
番号外作者 前中宮宣旨 (999)

うきもののさすかにをしきことしかなとほさかりなん君か別に

うきものの−さすかにをしき−ことしかな−とほさかりなむ−きみかわかれに

異同資料句番号:00562

00563
長家 大納言長家 (535)

かなしさはいととそまさる別れにしことしもけふをかき、りとおもへは

かなしさは−いととそまさる−わかれにし−ことしもけふを−かきりとおもへは

異同資料句番号:00563

00564
紫式部 (057)

いつかたの雲ちとしらはたつねましつらはなれけん雁かゆくへを

いつかたの−くもちとしらは−たつねまし−つらはなれけむ−かりかゆくへを

異同資料句番号:00564

00565
道信 藤原道信朝臣 (052)

としをへて君かみなれしますかかみむかしの影はとまらさりけり

としをへて−きみかみなれし−ますかかみ−むかしのかけは−とまらさりけり

異同資料句番号:00565

00566
赤染衛門 (059)

つねよりもまたぬれそひしたもとかなむかしをかけておちし涙に

つねよりも−またぬれそひし−たもとかな−むかしをかけて−おちしなみたに

異同資料句番号:00566

00567
番号外作者 上東門院 (999)

うつつともおもひわかれてすくるまにみしよの夢をなにかたりけん

うつつとも−おもひわかれて−すくるまに−みしよのゆめを−なにかたりけむ

異同資料句番号:00567

00568
番号外作者 源実基朝臣 (999)

みやこへとおもふにつけてかなしきはたれかはいまは我をまつらん

みやこへと−おもふにつけて−かなしきは−たれかはいまは−われをまつらむ

異同資料句番号:00568

00569
番号外作者 平雅康 (999)

もろともに春の花をはみしものを人におくるる秋そかなしき

もろともに−はるのはなをは−みしものを−ひとにおくるる−あきそかなしき

異同資料句番号:00569

00570
匡房 前中納言匡房 (073)

花とみし人はほとなくちりにけりわかみも風をまつとしらなん

はなとみし−ひとはほとなく−ちりにけり−わかみもかせを−まつとしらなむ

異同資料句番号:00570

00571
番号外作者 藤原顕綱朝臣 (999)

かわくまもなきすみそめのたもとかなくちなはなにをかたみにもせん

かわくよも−なきすみそめの−たもとかな−くちなはなにを−かたみにもせむ

異同資料句番号:00571

00572
番号外作者 権中納言俊忠 (999)

すみそめのたもとにかかるねをみれはあやめもしらぬ涙なりけり

すみそめの−たもとにかかる−ねをみれは−あやめもしらぬ−なみたなりけり

異同資料句番号:00572

00573
国信 中納言国信 (203)

あやめ草うきねをみても涙のみかくらん袖をおもひこそやれ

あやめくさ−うきねをみても−なみたのみ−かからむそてを−おもひこそやれ

異同資料句番号:00573

00574
基俊 藤原基俊 (075)

おもひやれむなしきとこをうちはらひむかしをしのふ袖のしつくを

おもひやれ−むなしきとこを−うちはらひ−むかしをしのふ−そてのしつくを

異同資料句番号:00574

00575
番号外作者 贈皇太后★子 (999)

むねにみつおもひをたにもはるかさて煙とならむことそかなしき

むねにみつ−おもひをたにも−はるかさて−けふりとならむ−ことそかなしき

異同資料句番号:00575

00576
番号外作者 藤原有信朝臣 (999)

もろともに有明の月をみしものをいかなるやみに君まとふらん

もろともに−ありあけのつきを−みしものを−いかなるやみに−きみまとふらむ

異同資料句番号:00576

00577
番号外作者 慶範法師 (999)

うちならすかねのおとにやなかき夜もあけぬなりとはおもひしるらん

うちならす−かねのおとにや−なかきよも−あけぬなりとは−おもひしるらむ

異同資料句番号:00577

00578
崇徳院 崇徳院御製 (077)

かきりありて人はかたかたわかるとも涙をたにもととめてしかな

かきりありて−ひとはかたかた−わかるとも−なみたをたにも−ととめてしかな

異同資料句番号:00578

00579
上西門院兵衛 (262)

ちりちりにわかるるけふのかなしさに涙しもこそとまらさりけれ

ちりちりに−わかるるけふの−かなしさに−なみたしもこそ−とまらさりけれ

異同資料句番号:00579

00580
番号外作者 静厳法師 (999)

かなしさをこれよりけにやおもはましかねてならはぬ別なりせは

かなしさを−これよりけにや−おもはまし−かねてならはぬ−わかれなりせは

異同資料句番号:00580

00581
番号外作者 天台座主勝範 (999)

すみ染の色はいつれもかはらぬをぬれぬや君か衣なるらん

すみそめの−いろはいつれも−かはらぬを−ぬれぬやきみか−ころもなるらむ

異同資料句番号:00581

00582
番号外作者 鳥羽院御製 (999)

つねよりもむつましきかなほとときすしての山ちのともとおもへは

つねよりも−むつましきかな−ほとときす−してのやまちの−ともとおもへは

異同資料句番号:00582

00583
番号外作者 久我内のおほいまうちきみ (999)

心さしふかくそめてしふちころもきつる日かすのあさくもあるかな

こころさし−ふかくそめてし−ふちころも−きつるひかすの−あさくもあるかな

異同資料句番号:00583

00584
番号外作者 大宮前おほきおほいまうち君 (999)

たくひなくうきことみえしやとなれとそもわかるるはかなしかりけり

たくひなく−うきことみえし−やとなれと−そもわかるるは−かなしかりけり

異同資料句番号:00584

00585
番号外作者 花薗左大臣の室 (999)

かそふれはむかしかたりに成りにけり別はいまの心ちすれとも

かそふれは−むかしかたりに−なりにけり−わかれはいまの−ここちすれとも

異同資料句番号:00585

00586
番号外作者 大納言実家 (999)

たなはたにことしはかさぬしひしはの袖しもことに露けかりけり

たなはたに−ことしはかさぬ−しひしはの−そてしもことに−つゆけかりけり

異同資料句番号:00586

00587
番号外作者 三位(右大臣母) (999)

しひしはの露けき袖は七夕もかさぬにつけてあはれとやみん

しひしはの−つゆけきそては−たなはたも−かさぬにつけて−あはれとやみむ

異同資料句番号:00587

00588
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

故郷にけふこさりせはほとときすたれかむかしを恋ひてなかまし

ふるさとに−けふこさりせは−ほとときす−たれとむかしを−こひてなかまし

異同資料句番号:00588

00589
番号外作者 法印澄憲 (999)

つねにみし君かみゆきをけふとへはかへらぬたひときくそかなしき

つねにみし−きみかみゆきを−けふとへは−かへらぬたひと−きくそかなしき

異同資料句番号:00589

00590
実定 右大臣 (081)

をしへおくそのことのはをみるたひに又とふかたのなきそかなしき

をしへおく−そのことのはを−みるたひに−またとふかたの−なきそかなしき

異同資料句番号:00590

00591
番号外作者 民部卿成範 (999)

とりへ山おもひやるこそかなしけれひとりやこけの下にくちなん

とりへやま−おもひやるこそ−かなしけれ−ひとりやこけの−したにくちなむ

異同資料句番号:00591

00592
番号外作者 藤原貞憲朝臣 (999)

かきり有りて二重はきねはふち衣なみたはかりをかさねつるかな

かきりありて−ふたへはきねは−ふちころも−なみたはかりを−かさねつるかな

異同資料句番号:00592

00593
番号外作者 右京大夫季能 (999)

三とせまてなれしは夢の心ちしてけふそうつつの別なりける

みとせまて−なれしはゆめの−ここちして−けふそうつつの−わかれなりける

異同資料句番号:00593

00594
番号外作者 僧都印性 (999)

いりぬるかあかぬ別のかなしさをおもひしれとや山のはの月

いりぬるか−あかぬわかれの−かなしさを−おもひしれとや−やまのはのつき

異同資料句番号:00594

00595
番号外作者 左京大夫修範 (999)

野へみれはむかしのあとやたれならむその世もしらぬ苔のしたかな

のへみれは−むかしのあとや−たれならむ−そのよもしらぬ−こけのしたかな

異同資料句番号:00595

00596
番号外作者 僧都範玄 (999)

なにことのふかき思ひにいつみ川そこの玉もとしつみはてけん

なにことの−ふかきおもひに−いつみかは−そこのたまもと−しつみはてけむ

異同資料句番号:00596

00597
番号外作者 法印成清 (999)

おもひきやけふうちならすかねのおとにつたへしふえのねをそへんとは

おもひきや−けふうちならす−かねのおとに−つたへしふえの−ねをそへむとは

異同資料句番号:00597

00598
番号外作者 静縁法師 (999)

さきたたむことをうしとそおもひしにおくれても又かなしかりけり

さきたたむ−ことをうしとそ−おもひしに−おくれてもまた−かなしかりけり

異同資料句番号:00598

00599
番号外作者 藤原親盛 (999)

まつらむとおもははいかにいそかましあとをみにたにまとふ心を

まつらむと−おもははいかに−いそかまし−あとをみにたに−まとふこころを

異同資料句番号:00599

00600
番号外作者 覚蓮法師(俗名隆行) (999)

山のはにたなひく雲やゆくへなくなりし煙のかたみなるらん

やまのはに−たなひくくもや−ゆくへなく−なりしけふりの−かたみなるらむ

異同資料句番号:00600

00601
番号外作者 法眼長真 (999)

年をへてむかしをしのふ心のみうきにつけてもふかくさのさと

としをへて−むかしをしのふ−こころのみ−うきにつけても−ふかくさのさと

異同資料句番号:00601

00602
顕昭 顕昭法師 (564)

たらちめやとまりて我ををしまましかはるにかはる命なりせは

たらちめや−とまりてわれを−をしままし−かはるにかはる−いのちなりせは

異同資料句番号:00602

00603
西行 円位法師 (086)

もろともになかめなかめて秋の月ひとりにならむことそかなしき

もろともに−なかめなかめて−あきのつき−ひとりにならむ−ことそかなしき

異同資料句番号:00603

00604
寂然 寂然法師 (565)

みたれすとをはりきくこそうれしけれさても別はなくさまねとも

みたれすと−をはりきくこそ−うれしけれ−さてもわかれは−なくさまねとも

異同資料句番号:00604

00605
西行 円位法師 (086)

この世にて又あふましきかなしさにすすめし人そ心みたれし

このよにて−またあふましき−かなしさに−すすめしひとそ−こころみたれし

異同資料句番号:00605


千載集 巻十:賀

00606
番号外作者 院御製 (999)

いく千代とかきらさりけるくれ竹や君かよはひのたくひなるらん

いくちよと−かきらさりける−くれたけや−きみかよはひの−たくひなるらむ

異同資料句番号:00606

00607
番号外作者 後三条内大臣 (999)

うゑてみる籬の竹のふしことにこもれる千代は君そかそへん

うゑてみる−まかきのたけの−ふしことに−こもれるちよは−きみそかそへむ

異同資料句番号:00607

00608
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

わか友と君かみかきのくれ竹は千代にいく世のかけをそふらん

わかともと−きみかみかきの−くれたけは−ちよにいくよの−かけをそふらむ

異同資料句番号:00608

00609
番号外作者 大宮前太政大臣 (999)

君か代はあまのかこ山いつる日のてらむかきりはつきしとそ思ふ

きみかよは−あまのかこやま−いつるひの−てらむかきりは−つきしとそおもふ

異同資料句番号:00609

00610
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

君かためみたらし川を若水にむすふや千代のはしめなるらん

きみかため−みたらしかはを−わかみつに−むすふやちよの−はしめなるらむ

異同資料句番号:00610

00611
番号外作者 堀河院御製 (999)

千とせまてをりてみるへきさくら花こすゑはるかにさきそめにけり

ちとせまて−をりてみるへき−さくらはな−こすゑはるかに−さきそめにけり

異同資料句番号:00611

00612
番号外作者 大納言忠教 (999)

ほりうゑしわかきのむめにさく花は年もかきらぬにほひなりけり

ほりうゑし−わかきのうめに−さくはなは−としもかきらぬ−にほひなりけり

異同資料句番号:00612

00613
番号外作者 権中納言俊忠 (999)

千とせすむ池のみきはのやへさくらかけさヘそこにかさねてそみる

ちとせすむ−いけのみきはの−やへさくら−かけさへそこに−かさねてそみる

異同資料句番号:00613

00614
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

神代よりひさしかれとやうこきなきいはねに松のたねをまきけん

かみよより−ひさしかれとや−うこきなき−いはねにまつの−たねをまきけむ

異同資料句番号:00614

00615
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

おちたきつやそうち川のはやきせにいはこす浪は千代の数かも

おちたきつ−やそうちかはの−はやきせに−いはこすなみは−ちよのかすかも

異同資料句番号:00615

00616
番号外作者 京極前太政大臣 (999)

ちはやふるいつきの宮のありす川松とともにそかけはすむへき

ちはやふる−いつきのみやの−ありすかは−まつとともにそ−かけはすむへき

異同資料句番号:00616

00617
京極関白家肥後 二条太皇大后宮肥後 (214)

行すゑをまつそひさしき君かへん千よのはしめの子日とおもへは

ゆくすゑを−まつそひさしき−きみかへむ−ちよのはしめの−ねのひとおもへは

異同資料句番号:00617

00618
基俊 藤原基俊 (075)

おく山のやつをのつはき君か代にいくたひかけをかへんとすらん

おくやまの−やつをのつはき−きみかよに−いくたひかけを−かへむとすらむ

異同資料句番号:00618

00619
忠通 法性寺入道前太政大臣 (076)

君か代をなか月にしもしら菊のさくや千とせのしるしなるらん

きみかよを−なかつきにしも−しらきくの−さくやちとせの−しるしなるらむ

異同資料句番号:00619

00620
番号外作者 花薗左大臣 (999)

やへきくのにほふにしるし君か代は千とせの秋をかさぬへしとは

やへきくの−にほひにしるし−きみかよは−ちとせのあきを−かさぬへしとは

異同資料句番号:00620

00621
番号外作者 八条前太政大臣 (999)

ちはやふる神代のことも人ならは問はましものをしらきくのはな

ちはやふる−かみよのことも−ひとならは−とはましものを−しらきくのはな

異同資料句番号:00621

00622
崇徳院 崇徳院御製 (077)

ふく風も木木のえたをはならさねと山はやちよのこゑそきこゆる

ふくかせも−ききのえたをは−ならさねと−やまはやちよの−こゑそきこゆる

異同資料句番号:00622

00623
番号外作者 左大臣 (999)

千代ふへきはしめの春としりかほにけしきことなる花さくらかな

ちよふへき−はしめのはると−しりかほに−けしきことなる−はなさくらかな

異同資料句番号:00623

00624
番号外作者 二条院御製 (999)

しら雲にはねうちつけてとふたつのはるかに千代のおもほゆるかな

しらくもに−はねうちつけて−とふたつの−はるかにちよの−おもほゆるかな

異同資料句番号:00624

00625
式子内親王 (089)

うこきなくなほ万代そたのむへきはこやの山のみねの松かけ

うこきなく−なほよろつよそ−たのむへき−はこやのやまの−みねのまつかけ

異同資料句番号:00625

00626
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

ももちたひうらしまの子はかへるともはこやの山はときはなるへし

ももちたひ−うらしまのこは−かへるとも−はこやのやまは−ときはなるへし

異同資料句番号:00626

00627
公能 大炊御門右大臣 (252)

いく千代とかきらぬたつのこゑすなり雲井のちかきやとのしるしに

いくちよと−かきらぬたつの−こゑすなり−くもゐのちかき−やとのしるしに

異同資料句番号:00627

00628
番号外作者 入道前関白太政大臣 (999)

千とせふるをのへの小松うつしうゑて万代まてのともとこそみめ

ちとせふる−をのへのこまつ−うつしうゑて−よろつよまての−ともとこそみめ

異同資料句番号:00628

00629
番号外作者 源通能朝臣 (999)

万代もすむへきやとにうゑつれは松こそ君かかけをたのまめ

よろつよも−すむへきやとに−うゑつれは−まつこそきみか−かけをたのまめ

異同資料句番号:00629

00630
実定 右おほいまうちきみ (081)

ふえのねの万代まてときこえしを山もこたふる心ちせしかな

ふえのねの−よろつよまてと−きこえしを−やまもこたふる−ここちせしかな

異同資料句番号:00630

00631
顕季 修埋大夫顕季 (205)

むれてゐるたつのけしきにしるきかな千とせすむへきやとの池水

むれてゐる−たつのけしきに−しるきかな−ちとせすむへき−やとのいけみつ

異同資料句番号:00631

00632
番号外作者 賀茂成助 (999)

みつかきのかつらをうつすやとなれは月みむことそひさしかるへき

みつかきの−かつらをうつす−やとなれは−つきみむことそ−ひさしかるへき

異同資料句番号:00632

00633
番号外作者 藤原孝善 (999)

君か代にくらへていはは松山のまつのはかすはすくなかりけり

きみかよに−くらへていはは−まつやまの−まつのはかすは−すくなかりけり

異同資料句番号:00633

00634
番号外作者 善滋為政 (999)

千代とのみおなしことをそしらふなるなかたの山のみねの松かせ

ちよとのみ−おなしことをそ−しらふなる−なかたのやまの−みねのまつかせ

異同資料句番号:00634

00635
匡房 前中納言匡房 (073)

ちはやふる神田のさとのいねなれは月日とともにひさしかるへし

ちはやふる−かみたのさとの−いねなれは−つきひとともに−ひさしかるへし

異同資料句番号:00635

00636
番号外作者 宮内卿永範 (999)

すへらきのすゑさかゆへきしるしにはこたかくそなるわか松のもり

すめらきの−すゑさかゆへき−しるしには−こたかくそなる−わかまつのもり

異同資料句番号:00636

00637
番号外作者 参議俊憲 (999)

君か代のかすにはしかしかきりなきちさかのうらのまさこなりとも

きみかよの−かすにはしかし−かきりなき−ちさかのうらの−まさこなりとも

異同資料句番号:00637

00638
範兼 刑部卿範兼 (567)

あめつちのきはめもしらぬ御代なれは雲田のむらのいねをこそつけ

あめつちの−きはめもしらぬ−みよなれは−くもたのむらの−いねをこそつけ

異同資料句番号:00638

00639
番号外作者 宮内卿永範 (999)

霜ふれとさかえこそませ君か代にあふさか山のせきの杉もり

しもふれと−さかえこそませ−きみかよに−あふさかやまの−せきのすきもり

異同資料句番号:00639

00640
季経 藤原季経朝臣 (310)

ときはなるみかみの山のすきむらややほ万代のしるしなるらん

ときはなる−みかみのやまの−すきむらや−やほよろつよの−しるしなるらむ

異同資料句番号:00640


千載集 巻十一:恋一

00641
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

なにはえのもにうつもるる玉かしはあらはれてたに人をこひはや

なにはえの−もにうつもるる−たまかしは−あらはれてたに−ひとをこひはや

異同資料句番号:00641

00642
京極関白家肥後 前太后宮肥後 (214)

またしらぬ人をはしめてこふるかなおもふ心よみちしるへせよ

またしらぬ−ひとをはしめて−こふるかな−おもぬこころよ−みちしるへせよ

異同資料句番号:00642

00643
前斎宮河内 河内 (216)

わりなしやおもふ心の色ならはこれそそれともいはましものを

わりなしや−おもふこころの−いろならは−これそそれとも−いはましものを

異同資料句番号:00643

00644
番号外作者 後二条関白家筑前 (999)

おもふよりいつしかぬるるたもとかな涙そ恋のしるへなりける

おもふより−いつしかぬるる−たもとかな−なみたそこひの−しるへなりける

異同資料句番号:00644

00645
長能 藤原長能 (176)

もくつ火のいそまをわくるいさり船ほのかなりしにおもひそめてき

もくつひの−いそまをわくる−いさりふね−ほのかなりしに−おもひそめてき

異同資料句番号:00645

00646
番号外作者 延久三親王(輔仁) (999)

いかにせんおもひを人にそめなから色に出てしとしのふ心を

いかにせむ−おもひをひとに−そめなから−いろにいてしと−しのふこころを

異同資料句番号:00646

00647
番号外作者 徳大寺左大臣 (999)

ひとめみし人はたれともしら雲のうはのそらなる恋もするかな

ひとめみし−ひとはたれとも−しらくもの−うはのそらなる−こひもするかな

異同資料句番号:00647

00648
番号外作者 中院右大臣 (999)

つつめとも涙にそてのあらはれて恋すと人にしられぬるかな

つつめとも−なみたにそての−あらはれて−こひすとひとに−しられぬるかな

異同資料句番号:00648

00649
番号外作者 大納言成通 (999)

つつめともたへぬ思ひになりぬれは問はすかたりのせまほしきかな

つつめとも−たへぬおもひに−なりぬれは−とはすかたりの−せまほしきかな

異同資料句番号:00649

00650
公能 大炊御門右大臣 (252)

おほかたの恋する人にききなれてよのつねのとや君おもふらん

おほかたの−こひするひとに−ききなれて−よのつねのとや−きみおもふらむ

異同資料句番号:00650

00651
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

思へともいはての山に年をへてくちやはてなん谷の埋木

おもへとも−いはてのやまに−としをへて−くちやはてなむ−たにのうもれき

異同資料句番号:00651

00652
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

たかさこのをのへの松にふくかせのおとにのみやはききわたるへき

たかさこの−をのへのまつに−ふくかせの−おとにのみやは−ききわたるへき

異同資料句番号:00652

00653
待賢門院堀河 (080)

あらいそのいはにくたくる浪なれやつれなき人にかくる心は

あらいその−いはにくたくる−なみなれや−つれなきひとに−かくるこころは

異同資料句番号:00653

00654
上西門院兵衛 (262)

いはまゆく山のした水せきわひてもらす心のほとをしらなん

いはまゆく−やましたみつを−せきわひて−もらすこころの−ほとをしらなむ

異同資料句番号:00654

00655
基俊 藤原基俊 (075)

みこもりにいはてふるやのしのふ草しのふとたにもしらせてしかな

みこもりに−いはてふるやの−しのふくさ−しのふとたにも−しらせてしかな

異同資料句番号:00655

00656
長能 藤原長能 (176)

おもふこといはまにまきし松のたね千代とちきらむ今はねさせよ

おもふこと−いはまにまきし−まつのたね−ちよとちきらむ−いまはねさせよ

異同資料句番号:00656

00657
公任 前大納言公任 (055)

おほつかなうるまの島の人なれやわかことのはをしらぬかほなる

おほつかな−うるまのしまの−ひとなれや−わかことのはを−しらぬかほなる

異同資料句番号:00657

00658
頼宗 堀河右大臣 (537)

人しれす物おもふころの袖みれは雨も涙もわかれさりけり

ひとしれす−ものおもふころの−そてみれは−あめもなみたも−わかれさりけり

異同資料句番号:00658

00659
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

たちしよりはれすも物を思ふかななき名や野への霞なるらん

たちしより−はれすもものを−おもふかな−なきなやのへの−かすみなるらむ

異同資料句番号:00659

00660
番号外作者 源明賢朝臣 (999)

なけきあまりしらせそめつることのはも思ふはかりはいはれさりけり

なけきあまり−しらせそめつる−ことのはも−おもふはかりは−いはれさりけり

異同資料句番号:00660

00661
実定 右のおほいまうちきみ (081)

人しれぬこのはのしたのむもれ水おもふ心をかきなかさはや

ひとしれぬ−このはのしたの−うもれみつ−おもふこころを−かきなかさはや

異同資料句番号:00661

00662
番号外作者 久我内大臣 (999)

恋しともいはぬにぬるるたもとかな心をしるは涙なりけり

こひしとも−いはぬにぬるる−たもとかな−こころをしるは−なみたなりけり

異同資料句番号:00662

00663
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

おもへともいはてしのふのすり衣こころのうちにみたれぬるかな

おもへとも−いはてしのふの−すりころも−こころのうちに−みたれぬるかな

異同資料句番号:00663

00664
寂然 寂然法師 (565)

みちのくのしのふもちすりしのひつつ色には出てしみたれもそする

みちのくの−しのふもちすり−しのひつつ−いろにはいてし−みたれもそする

異同資料句番号:00664

00665
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

なにはめのすくもたく火のしたこかれうへはつれなきわかみなりけり

なにはめの−すくもたくひの−したこかれ−うへはつれなき−わかみなりけり

異同資料句番号:00665

00666
番号外作者 刑部卿頼輔 (999)

こひしなは世のはかなきにいひおきてなきあとまても人にしられし

こひしなは−よのはかなきに−いひおきて−なきあとまても−ひとにしられし

異同資料句番号:00666

00667
顕昭 顕昭法師 (564)

人しれぬ涙の川のみなかみやいはての山の谷のした水

ひとしれぬ−なみたのかはの−みなかみや−いはてのやまの−たにのしたみつ

異同資料句番号:00667

00668
読人不知 よみひとしらす (000)

いかにせむみかきかはらにつむせりのねにのみなけとしる人のなき

いかにせむ−みかきかはらに−つむせりの−ねにのみなけと−しるひとのなき

異同資料句番号:00668

00669
番号外作者 賀茂重保 (999)

つれもなき人の心やあふさかのせきちへたつるかすみなるらん

つれもなき−ひとのこころや−あふさかの−せきちへたつる−かすみなるらむ

異同資料句番号:00669

00670
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

涙川うきねのとりとなりぬれと人にはえこそみなれさりけれ

なみたかは−うきねのとりと−なりぬれと−ひとにはえこそ−みなれさりけれ

異同資料句番号:00670

00671
番号外作者 源通能朝臣 (999)

わか恋はをはな吹きこす秋かせのおとにはたてしみにはしむとも

わかこひは−をはなふきこす−あきかせの−おとにはたてし−みにはしむとも

異同資料句番号:00671

00672
番号外作者 仁昭法師 (999)

世をいとふはしとおもひしかよひちにあやなく人を恋ひわたるかな

よをいとふ−はしとおもひし−かよひちに−あやなくひとを−こひわたるかな

異同資料句番号:00672

00673
番号外作者 花薗左大臣 (999)

たよりあらはあまのつり舟ことつてむ人をみるめにもとめわひぬる

たよりあらは−あまのつりふね−ことつてむ−ひとをみるめに−もとめわひぬる

異同資料句番号:00673

00674
番号外作者 大宮前太政大臣 (999)

またもなくたたひとすちに君思ふ恋ちにまとふ我やなになる

またもなく−たたひとすちに−きみおもふ−こひちにまとふ−われやなになる

異同資料句番号:00674

00675
番号外作者 前中納言伊房 (999)

君こふるみはおほそらにあらねとも月日をおほくすくしつるかな

きみこふる−みはおほそらに−あらねとも−つきひをおほく−すくしつるかな

異同資料句番号:00675

00676
番号外作者 二条院御製 (999)

ことのねにかよひそめぬる心かな松ふく風にあらぬ身なれと

ことのねに−かよひそめぬる−こころかな−まつふくかせに−あらぬみなれと

異同資料句番号:00676

00677
式子内親王 (089)

はかなしや枕さためぬうたたねにほのかにまよふ夢のかよひち

はかなしや−まくらさためぬ−うたたねに−ほのかにまよふ−ゆめのかよひち

異同資料句番号:00677

00678
実定 右大臣 (081)

さきにたつ涙とならは人しれす恋ちにまとふ道しるへせよ

さきにたつ−なみたとならは−ひとしれす−こひちにまとふ−みちしるへせよ

異同資料句番号:00678

00679
番号外作者 刑部卿頼輔 (999)

なからへはつらき心もかはるやとさためなき世をたのむはかりそ

なからへは−つらきこころも−かはるやと−さためなきよを−たのむはかりそ

異同資料句番号:00679

00680
番号外作者 源有房 (999)

もらさはやしのひはつへき涙かは袖のしからみかくとはかりも

もらさはや−しのひはつへき−なみたかは−そてのしからみ−かくとはかりは

異同資料句番号:00680

00681
師光_源 源師光 (318)

恋しさをうきみなりとてつつみしはいつまてありし心なるらん

こひしさを−うきみなりとて−つつみしは−いつまてありし−こころなるらむ

異同資料句番号:00681

00682
番号外作者 藤原惟規 (999)

たのめとやいなとやいかにいな舟のしはしとまちしほともへにけり

たのめとや−いなとやいかに−いなふねの−しはしとまちし−ほともへにけり

異同資料句番号:00682

00683
番号外作者 賢智法師 (999)

かくはかり色に出てしとしのへともみゆらむものをたへぬけしきは

かくはかり−いろにいてしと−しのへとも−みゆらむものを−たへぬけしきは

異同資料句番号:00683

00684
番号外作者 賀茂重保 (999)

人しれすおもふこころはふかみくさ花さきてこそ色にいてけれ

ひとしれす−おもふこころは−ふかみくさ−はなさきてこそ−いろにいてけれ

異同資料句番号:00684

00685
番号外作者 津守国光 (999)

ひをへつつしけさはまさるおもひ草あふことのはのなとなかるらん

ひをへつつ−しけさはまさる−おもひくさ−あふことのはの−なとなかるらむ

異同資料句番号:00685

00686
番号外作者 大中臣清文 (999)

おつれとものきにしられぬ玉水は恋のなかめのしつくなりけり

おつれとも−のきにしられぬ−たまみつは−こひのなかめの−しつくなりけり

異同資料句番号:00686

00687
番号外作者 源季貞 (999)

人しれすおもひそめてし心こそいまは涙の色となりけれ

ひとしれす−おもひそめてし−こころこそ−いまはなみたの−いろとなりけれ

異同資料句番号:00687

00688
番号外作者 祐盛法師 (999)

色見えぬ心のほとをしらするはたもとをそむる涙なりけり

いろみえぬ−こころのほとを−しらするは−たもとをそむる−なみたなりけり

異同資料句番号:00688

00689
番号外作者 大中臣定雅 (999)

わかとこはしのふのおくのますけはら露かかりてもしる人のなき

わかとこは−しのふのおくの−ますけはら−つゆかかりても−しるひとのなき

異同資料句番号:00689

00690
番号外作者 祝部宿禰成仲 (999)

君こふる涙しくれとふりぬれはしのふの山も色つきにけり

きみこふる−なみたしくれと−ふりぬれは−しのふのやまも−いろつきにけり

異同資料句番号:00690

00691
番号外作者 二条院前皇后宮常陸 (999)

いかにせむしのふの山のしたもみちしくるるままに色のまさるを

いかにせむ−しのふのやまの−したもみち−しくるるままに−いろのまさるを

異同資料句番号:00691

00692
番号外作者 賀茂重延 (999)

いつしかと袖にしくれのそそくかなおもひは冬のはしめならねと

いつしかと−そてにしくれの−そそくかな−おもひはふゆの−はしめならねと

異同資料句番号:00692

00693
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

あさましやおさふる袖のしたくくる涙のすゑを人やみつらん

あさましや−おさふるそての−したくくる−なみたのすゑを−ひとやみつらむ

異同資料句番号:00693

00694
皇嘉門院別当 (088)

しのひねのたもとは色にいてにけり心にもにぬわか涙かな

しのひねの−たもとはいろに−いてにけり−こころにもにぬ−わかなみたかな

異同資料句番号:00694

00695
隆房 左兵衛督隆房 (309)

おなしくはかさねてしほれぬれ衣さてもほすへきなき名ならしを

おなしくは−かさねてしほれ−ぬれころも−さてもほすへき−なきなならしを

異同資料句番号:00695

00696
読人不知 よみ人しらす (000)

なかれてもすすきやするとぬれ衣人はきすともみにはならさし

なかれても−すすきやすると−ぬれころも−ひとはきすとも−みにはならさし

異同資料句番号:00696

00697
番号外作者 権大納言宗家 (999)

人めをはつつむとおもふにせきかねて袖にあまるは涙なりけり

ひとめをは−つつむとおもふに−せきかねて−そてにあまるは−なみたなりけり

異同資料句番号:00697

00698
番号外作者 右京大夫季能 (999)

つれなさにいはてたえなんと思ふこそあひみぬさきの別なりけれ

つれなさに−いはてたえなむと−おもふこそ−あひみぬさきの−わかれなりけれ

異同資料句番号:00698

00699
番号外作者 法眼実快 (999)

よそ人にとはれぬるかな君にこそみせはやと思ふ袖のしつくを

よそひとに−とはれぬるかな−きみにこそ−みせはやとおもふ−そてのしつくを

異同資料句番号:00699

00700
番号外作者 藤原伊綱 (999)

つれなくそ夢にもみゆるさよ衣うらみんとては返しやはせし

つれなくそ−ゆめにもみゆる−さよころも−うらみむとては−かへしやはせし

異同資料句番号:00700

00701
季経 藤原季経朝臣 (310)

おもひいつるそのなくさめもありなましあひみて後のつらさなりせは

おもひいつる−そのなくさめも−ありなまし−あひみてのちの−つらさなりせは

異同資料句番号:00701

00702
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

ともしするは山かすそのした露やいるより袖はかくしをるらん

ともしする−はやまかすその−したつゆや−いるよりそては−かくしをるらむ

異同資料句番号:00702

00703
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

いかにせんむろのや島にやともかな恋のけふりをそらにまかへん

いかにせむ−むろのやしまに−やともかな−こひのけふりを−そらにまかへむ

異同資料句番号:00703


千載集 巻十二:恋二

00704
公実 大納言公実 (201)

おもひあまり人にとははやみなせ川むすはぬ水に袖はぬるやと

おもひあまり−ひとにとははや−みなせかは−むすはぬみつに−そてはぬるやと

異同資料句番号:00704

00705
番号外作者 花薗左大臣 (999)

はかなくも人に心をつくすかなみのためにこそ思ひそめしか

はかなくも−ひとにこころを−つくすかな−みのためにこそ−おもひそめしか

異同資料句番号:00705

00706
番号外作者 二条太皇太后宮大弐 (999)

恋ひそめし人はかくこそつれなけれわか涙しも色かはるらん

こひそめし−ひとはかくこそ−つれなけれ−わかなみたしも−いろかはるらむ

異同資料句番号:00706

00707
番号外作者 前中納言雅兼 (999)

かかりける涙と人もみるはかりしはらし袖よくちはてねたた

かかりける−なみたとひとも−みるはかり−しほらしそてよ−くちはてねたた

異同資料句番号:00707

00708
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

うかりける人をはつせの山おろしよはけしかれとはいのらぬものを

うかりける−ひとをはつせの−やまおろしよ−はけしかれとは−いのらぬものを

異同資料句番号:00708

00709
顕季 修埋大夫顕季 (205)

うれしくはのちの心を神もきけひくしめなはのたえしとそおもふ

うれしくは−のちのこころを−かみもきけ−ひくしめなはの−たえしとそおもふ

異同資料句番号:00709

00710
顕仲_藤原 藤原顕仲朝臣 (210)

むすひおくふしみのさとの草枕とけてやみぬるたひにも有るかな

むすひおく−ふしみのさとの−くさまくら−とけてやみぬる−たひにもあるかな

異同資料句番号:00710

00711
番号外作者 権中納言俊忠 (999)

こひこひてかひもなきさにおきつ浪よせてはやかて立ちかへれとや

こひこひて−かひもなきさに−おきつなみ−よせてはやかて−たちかへれとや

異同資料句番号:00711

00712
番号外作者 徳大寺左大臣 (999)

いかてわれつれなき人に身をかへて恋しきほとを思ひしらせん

いかてわれ−つれなきひとに−みをかへて−こひしきほとを−おもひしらせむ

異同資料句番号:00712

00713
番号外作者 源雅光 (999)

玉もかるのしまの浦のあまたにもいとかく袖はぬるるものかは

たまもかる−のしまのうらの−あまたにも−いとかくそては−ぬるるものかは

異同資料句番号:00713

00714
番号外作者 藤原重基 (999)

あふことをその年月とちきらねは命や恋のかきりなるらん

あふことを−そのとしつきと−ちきらねは−いのちやこひの−かきりなるらむ

異同資料句番号:00714

00715
番号外作者 藤原宗兼朝臣 (999)

恋ひわたる涙の川にみをなけんこの世ならてもあふせありやと

こひわたる−なみたのかはに−みをなけむ−このよならても−あふせありやと

異同資料句番号:00715

00716
親隆 前参議親隆 (257)

みちのくのとつなのはしにくるつなのたえすも人にいひわたるかな

みちのくの−とつなのはしに−くるつなの−たえすもひとに−いひわたるかな

異同資料句番号:00716

00717
番号外作者 院御製 (999)

こひわたるけふの涙にくらふれはきのふの袖はぬれしものかは

こひわたる−けふのなみたに−くらふれは−きのふのそては−ぬれしものかは

異同資料句番号:00717

00718
実定 右おほいまうちきみ (081)

あさまたき露をさなからささめかるしつか袖たにかくはぬれしを

あさまたき−つゆをさなから−ささめかる−しつかそてたに−かくはぬれしを

異同資料句番号:00718

00719
番号外作者 権大納言実国 (999)

しほたるるいせをのあまやわれならんさらはみるめをかるよしもかな

しほたるる−いせをのあまや−われならむ−さらはみるめを−かるよしもかな

異同資料句番号:00719

00720
番号外作者 権大納言実家 (999)

よしさらはあふとみつるになくさまんさむるうつつも夢ならぬかは

よしさらは−あふとみつるに−なくさまむ−さむるうつつも−ゆめならぬかは

異同資料句番号:00720

00721
番号外作者 右衛門督頼実 (999)

いかはかりおもふとしりてつらからんあはれ涙の色をみせはや

いかはかり−おもふとしりて−つらからむ−あはれなみたの−いろをみせはや

異同資料句番号:00721

00722
俊恵 俊恵法師 (085)

恋ひしなん命を誰にゆつりおきてつれなき人のはてをみせまし

こひしなむ−いのちをたれに−ゆつりおきて−つれなきひとの−はてをみせまし

異同資料句番号:00722

00723
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

せきかぬる涙の川のはやきせはあふよりほかのしからみそなき

せきかぬる−なみたのかはの−はやきせは−あふよりほかの−しからみそなき

異同資料句番号:00723

00724
番号外作者 藤原顕方 (999)

わか恋はとしふるかひもなかりけりうらやましきはうちのはし守

わかこひは−としふるかひも−なかりけり−うらやましきは−うちのはしもり

異同資料句番号:00724

00725
道因 道因法師 (082)

なれてのちしなん別のかなしきに命にかへぬあふこともかな

なれてのち−しなむわかれの−かなしきに−いのちにかへぬ−あふこともかな

異同資料句番号:00725

00726
番号外作者 賀茂重保 (999)

にしききの千つかにかきりなかりせは猶こりすまにたてましものを

にしききの−ちつかにかきり−なかりせは−なほこりすまに−たてましものを

異同資料句番号:00726

00727
教長 前参議教長 (253)

いかはかり恋ちはとほき物なれはとしはゆけともあふよなからん

いかはかり−こひちはとほき−ものなれは−としはゆけとも−あふよなからむ

異同資料句番号:00727

00728
番号外作者 三宮家越後 (999)

なれてのちつらからましにくらふれはなき名はことのかすならぬかな

なれてのち−つらからましに−くらふれは−なきなはことの−かすならぬかな

異同資料句番号:00728

00729
番号外作者 法性寺入道前太政大臣家参川 (999)

あひみむとおもひなよりそしら浪のたちけん名たにをしきみきはを

あひみむと−おもひなよりそ−しらなみの−たちけむなたに−をしきみきはを

異同資料句番号:00729

00730
道因 道因法師 (082)

恋ひしなんみはをしからすあふことにかへんほとまてと思ふはかりそ

こひしなむ−みはをしからす−あふことに−かへむほとまてと−おもふはかりそ

異同資料句番号:00730

00731
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

いまはさはあひみむまてはかたくとも命とならむことのはもかな

いまはさは−あひみむまては−かたくとも−いのちとならむ−ことのはもかな

異同資料句番号:00731

00732
番号外作者 平忠盛朝臣 (999)

一かたになひくもしほの煙かなつれなき人のかからましかは

ひとかたに−なひくもしほの−けふりかな−つれなきひとの−かからましかは

異同資料句番号:00732

00733
番号外作者 藤原道経 (999)

恋ひわひぬちぬのますらをならなくにいくたの川にみをやなけまし

こひわひぬ−ちぬのますらを−ならなくに−いくたのかはに−みをやなけまし

異同資料句番号:00733

00734
番号外作者 寂超法師 (999)

命をはあふにかへんとおもひしを恋ひしぬとたにしらせてしかな

いのちをは−あふにかへむと−おもひしを−こひしぬとたに−しらせてしかな

異同資料句番号:00734

00735
師光_源 源師光 (318)

こひしとも又つらしともおもひやる心いつれかさきにたつらん

こひしとも−またつらしとも−おもひやる−こころいつれか−さきにたつらむ

異同資料句番号:00735

00736
道因 道因法師 (082)

あふならぬ恋なくさめのあらはこそつれなしとてもおもひたえなめ

あふならぬ−こひなくさめの−あらはこそ−つれなしとても−おもひたえなめ

異同資料句番号:00736

00737
顕昭 顕昭法師 (564)

つれなさにいまは思ひもたえなましこの世ひとつの契なりせは

つれなさに−いまはおもひも−たえなまし−このよひとつの−ちきりなりせは

異同資料句番号:00737

00738
番号外作者 源慶法師 (999)

うたたねの夢にあひみて後よりは人もたのめぬくれそまたるる

うたたねの−ゆめにあひみて−のちよりは−ひともたのめぬ−くれそまたるる

異同資料句番号:00738

00739
番号外作者 朝恵法師 (999)

あはれとも枕はかりやおもふらむ涙たえせぬよはのけしきを

あはれとも−まくらはかりや−おもふらむ−なみたたえせぬ−よはのけしきを

異同資料句番号:00739

00740
番号外作者 二条院内侍参川 (999)

衣手におつる涙の色なくは露とも人にいはましものを

ころもてに−おつるなみたの−いろなくは−つゆともひとに−いはましものを

異同資料句番号:00740

00741
殷富門院大輔 (090)

おもふことしのふにいととそふ物はかすならぬみのなけきなりけり

おもふこと−しのふにいとと−そふものは−かすならぬみの−なけきなりけり

異同資料句番号:00741

00742
兼実 摂政前右大臣 (562)

行きかへる心に人のなるれはやあひみぬさきに恋しかるらん

ゆきかへる−こころにひとの−なるれはや−あひみぬさきに−こひしかるらむ

異同資料句番号:00742

00743
番号外作者 左衛門督家通 (999)

あふことをさりともとのみおもふかなふしみのさとの名をたのみつつ

あふことを−さりともとのみ−おもふかな−ふしみのさとの−なをたのみつつ

異同資料句番号:00743

00744
番号外作者 二条院御製 (999)

なとやかくさもくれかたきおほそらそわかまつことはありとしらすや

なとやかく−さもくれかたき−おほそらそ−わかまつことは−ありとしらすや

異同資料句番号:00744

00745
式子内親王 (089)

袖の色は人のとふまてなりもせよふかきおもひを君したのまは

そてのいろは−ひとのとふまて−なりもせよ−ふかきおもひを−きみしたのまは

異同資料句番号:00745

00746
良経 左近中将良経 (091)

秋はをし契はまたるとにかくに心にかかるくれのそらかな

あきはをし−ちきりはまたる−とにかくに−こころにかかる−くれのそらかな

異同資料句番号:00746

00747
番号外作者 藤原成家朝臣 (999)

恋をのみしくるる空のうき雲はくもりもあへす袖ぬらしけり

こひをのみ−しくるるそらの−うきくもは−くもりもあへす−そてぬらしけり

異同資料句番号:00747

00748
番号外作者 藤原家実 (999)

いそかくれかきはやれとももしほ草たちくる浪にあらはれやせん

いそかくれ−かきはやれとも−もしほくさ−たちくるなみに−あらはれやせむ

異同資料句番号:00748

00749
家隆 藤原家隆 (098)

くれにともちきりてたれかかへるらんおもひたえたる曙の空

くれにとも−ちきりてたれか−かへるらむ−おもひたえたる−あけほののそら

異同資料句番号:00749

00750
読人不知 読人しらす (000)

契りおくそのことのはにみをかへてのちの世にたにあひみてしかな

ちきりおく−そのことのはに−みをかへて−のちのよにたに−あひみてしかな

異同資料句番号:00750

00751
番号外作者 殷富門院尾張 (999)

誰ゆゑかあくかれにけん雲まよりみし月かけはひとりならしを

たれゆゑか−あくかれにけむ−くもまより−みしつきかけは−ひとりならしを

異同資料句番号:00751

00752
番号外作者 藤原家基 (999)

こえやらて恋ちにまよふあふ坂や世を出てはてぬせきとなるらん

こえやらて−こひちにまよふ−あふさかや−よをいてはてぬ−せきとなるらむ

異同資料句番号:00752

00753
番号外作者 西住法師 (999)

たまくらのうへにみたるるあさねかみしたにとけすと人はしらしな

たまくらの−うへにみたるる−あさねかみ−したにとけすと−ひとはしらしな

異同資料句番号:00753

00754
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

わか袖のしほのみちひるうらならは涙のよらぬをりもあらまし

わかそての−しほのみちひる−うらならは−なみたのよらぬ−をりもあらまし

異同資料句番号:00754

00755
番号外作者 法印静賢 (999)

しほたるる袖のひるまはありやともあはてのうらのあまにとははや

しほたるる−そてのひるまは−ありやとも−あはてのうらの−あまにとははや

異同資料句番号:00755

00756
俊恵 俊恵法師 (085)

おもひきや夢を此世のちきりにてさむる別をなけくへしとは

おもひきや−ゆめをこのよの−ちきりにて−さむるわかれを−なけくへしとは

異同資料句番号:00756

00757
隆信 藤原隆信朝臣 (313)

われゆゑの涙とこれをよそにみはあはれなるへき袖のうへかな

われゆゑの−なみたとこれを−よそにみは−あはれなるへき−そてのうへかな

異同資料句番号:00757

00758
番号外作者 賀茂政平 (999)

あふことのかくかたけれはつれもなき人の心やいは木なるらん

あふことの−かくかたけれは−つれもなき−ひとのこころや−いはきなるらむ

異同資料句番号:00758

00759
番号外作者 源光行 (999)

恋ひしなん涙のはてやわたり川ふかきなかれとならんとすらん

こひしなむ−なみたのはてや−わたりかは−ふかきなかれと−ならむとすらむ

異同資料句番号:00759

00760
二条院讃岐 (092)

わか袖はしほひにみえぬおきの石の人こそしらねかわくまそなき

わかそては−しほひにみえぬ−おきのいしの−ひとこそしらね−かわくまそなき

異同資料句番号:00760

00761
番号外作者 民部卿成範 (999)

かかりけるなけきはなにのむくいそとしる人あらはとはましものを

かかりける−なけきはなにの−むくひそと−しるひとあらは−とはましものを

異同資料句番号:00761

00762
番号外作者 大宰大弐重家 (999)

恋ひしなんことそはかなきわたり河あふせありとはきかぬものゆゑ

こひしなむ−ことそはかなき−わたりかは−あふせありとは−きかぬものゆゑ

異同資料句番号:00762

00763
範兼 刑部卿範兼 (567)

いもかあたりなかるる川のせによらはあわとなりてもきえんとそ思ふ

いもかあたり−なかるるかはの−せによらは−あわとなりても−きえむとそおもふ

異同資料句番号:00763

00764
 権中納言経房 (ツネフ)

はかなしな心つくしに年をへていつともしらぬあふの松原

はかなしな−こころつくしに−としをへて−いつともしらぬ−あふのまつはら

異同資料句番号:00764

00765
寂蓮 寂蓮法師 (087)

おもひねの夢たにみえてあけぬれはあはても鳥のねこそつらけれ

おもひねの−ゆめたにみえて−あけぬれは−あはてもとりの−ねこそつらけれ

異同資料句番号:00765

00766
俊恵 俊恵法師 (085)

よもすから物思ふころはあけやらぬねやのひまさへつれなかりけり

よもすから−ものおもふころは−あけやらぬ−ねやのひまさへ−つれなかりけり

異同資料句番号:00766

00767
俊恵 俊恵法師 (085)

いたつらにしをるる袖をあさ露にかへるたもととおもはましかは

いたつらに−しをるるそてを−あさつゆに−かへるたもとと−おもはましかは

異同資料句番号:00767

00768
番号外作者 菅原是忠 (999)

恋ゆゑはさもあらぬ人そうらめしきわれよそならはとはましものを

こひゆゑは−さもあらぬひとそ−うらめしき−われよそならは−とはましものを

異同資料句番号:00768

00769
番号外作者 藤原親盛 (999)

おもひせく心のうちのしからみもたへすなりゆく涙川かな

おもひせく−こころのうちの−しからみも−たへすなりゆく−なみたかはかな

異同資料句番号:00769

00770
番号外作者 静縁法師 (999)

おのつからつらき心もかはるやとまちみむほとの命ともかな

おのつから−つらきこころも−かはるやと−まちみむほとの−いのちともかな

異同資料句番号:00770

00771
番号外作者 大江維順女 (999)

わすらるるうき名はさても立ちにけり心のうちはおもひわけとも

わすらるる−うきなはさても−たちにけり−こころのうちは−おもひわけとも

異同資料句番号:00771

00772
番号外作者 藤原顕家朝臣 (999)

よとともにつれなき人を恋くさの露こほれます秋のゆふかせ

よとともに−つれなきひとを−こひくさの−つゆこほれます−あきのゆふかせ

異同資料句番号:00772

00773
師光_源 源師光 (318)

恋しさをいかかはすへきおもへともみはかすならす人はつれなし

こひしさを−いかかはすへき−おもへとも−みはかすならす−ひとはつれなし

異同資料句番号:00773

00774
番号外作者 権大納言実国 (999)

こひしなは我ゆゑとたにおもひ出てよさこそはつらき心なりとも

こひしなは−われゆゑとたに−おもひいてよ−さこそはつらき−こころなりとも

異同資料句番号:00774

00775
番号外作者 左衛門督家通 (999)

ひたすらにうらみしもせしさきの世にあふまてこそはちきらさりけめ

ひたすらに−うらみしもせし−さきのよに−あふまてこそは−ちきらさりけめ

異同資料句番号:00775

00776
公衡 藤原公衡朝臣 (563)

ますかかみ心もうつるものならはさりともいまはあはれとやみん

ますかかみ−こころもうつる−ものならは−さりともいまは−あはれとやみむ

異同資料句番号:00776

00777
通親 権中納言通親 (306)

いましはしそらたのめにもなくさめておもひたえぬるよひの玉つさ

いましはし−そらたのめにも−なくさめて−おもひたえぬる−よひのたまつさ

異同資料句番号:00777

00778
番号外作者 藤原盛方朝臣 (999)

そま川のあさからすこそ契りしかなとこのくれをひきたかふらん

そまかはの−あさからすこそ−ちきりしか−なとこのくれを−ひきたかふらむ

異同資料句番号:00778

00779
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

おもひきやしちのはしかきかきつめてもも夜もおなしまろねせんとは

おもひきや−しちのはしかき−かきつめて−ももよもおなし−まろねせむとは

異同資料句番号:00779


千載集 巻十三:恋三

00780
実方 藤原実方朝臣 (051)

ちきりこしことのたかふそたのもしきつらさもかくやかはるとおもへは

ちきりこし−ことのたかふそ−たのもしき−つらさもかくや−かはるとおもへは

異同資料句番号:00780

00781
相模 (065)

しらしかしおもひも出てぬ心にはかくわすられすわれなけくとも

しらしかし−おもひもいてぬ−こころには−かくわすられす−われなけくとも

異同資料句番号:00781

00782
長能 藤原長能 (176)

つれもなくなりぬる人の玉つさをうき思出のかたみともせし

つれもなく−なりぬるひとの−たまつさを−うきおもひての−かたみともせし

異同資料句番号:00782

00783
長能 藤原長能 (176)

やはらかにぬる夜もなくて別れぬるよよの手枕いつかわすれん

やはらかに−ぬるよもなくて−わかれぬる−よよのたまくら−いつかわすれむ

異同資料句番号:00783

00784
 小大君 (131)

たなはたにかしつとおもひしあふことをそのよなき名のたちにけるかな

たなはたに−かしつとおもひし−あふことを−そのよなきなの−たちにけるかな

異同資料句番号:00784

00785
番号外作者 宇治前太政大臣 (999)

うらめしやむすほほれたる下ひものとけぬやなにの心なるらん

うらめしや−むすほほれたる−したひもの−とけぬやなにの−こころなるらむ

異同資料句番号:00785

00786
番号外作者 弁乳母 (999)

したひもは人のこふるにとくなれはたかつらきにかむすほほるらん

したひもは−ひとのこふるに−とくなれは−たかつらきにか−むすほほるらむ

異同資料句番号:00786

00787
公実 太納言公実 (201)

ひとりぬるわれにてしりぬ池水につかはぬをしのおもふ心を

ひとりぬる−われにてしりぬ−いけみつに−つかはぬをしの−おもふこころを

異同資料句番号:00787

00788
師時 中納言師時 (209)

恋をのみしつのをたまきくるしきはあはて年ふる思ひなりけり

こひをのみ−しつのをたまき−くるしきは−あはてとしふる−おもひなりけり

異同資料句番号:00788

00789
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

あさてほすあつまをとめのかやむしろしきしのひてもすくすころかな

あさてほす−あつまをとめの−かやむしろ−しきしのひても−すくすころかな

異同資料句番号:00789

00790
顕季 修理大夫顕季 (205)

よとともに行かたもなき心かな恋はみちなき物にそ有りける

よとともに−ゆくかたもなき−こころかな−こひはみちなき−ものにそありける

異同資料句番号:00790

00791
番号外作者 僧都覚雅 (999)

旅衣涙のいろのしるけれは露にもえこそかこたさりけり

たひころも−なみたのいろの−しるけれは−つゆにもえこそ−かこたさりけり

異同資料句番号:00791

00792
公実 大納言公実 (201)

みつしほにすゑはをあらふなかれあしの君をそおもふうきみしつみみ

みつしほに−すゑはをあらふ−なかれあしの−きみをそおもふ−うきみしつみみ

異同資料句番号:00792

00793
番号外作者 権中納言俊忠 (999)

わか恋はあまのかるもにみたれつつかわく時なき浪のしたくさ

わかこひは−あまのかるもに−みたれつつ−かわくときなき−なみのしたくさ

異同資料句番号:00793

00794
番号外作者 藤原時昌 (999)

なほさりにみわの杉とはをしへおきてたつぬる時はあはぬ君かな

なほさりに−みわのすきとは−をしへおきて−たつぬるときは−あはぬきみかな

異同資料句番号:00794

00795
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

たのめこし野へのみちしは夏ふかしいつくなるらんもすの草くき

たのめこし−のへのみちしは−なつふかし−いつくなるらむ−もすのくさくき

異同資料句番号:00795

00796
忠通 法性寺入道前太政大臣 (076)

冬の日を春よりなかくなす物はこひつつくらす心なりけり

ふゆのひを−はるよりなかく−なすものは−こひつつくらす−こころなりけり

異同資料句番号:00796

00797
番号外作者 院御製 (999)

よろつ代をちきりそめつるしるしにはかつかつけふのくれそひさしき

よろつよを−ちきりそめつる−しるしには−かつかつけふの−くれそひさしき

異同資料句番号:00797

00798
番号外作者 院御製 (999)

けさとはぬつらさに物はおもひしれわれもさこそはうらみかねしか

けさとはぬ−つらさにものは−おもひしれ−われもさこそは−うらみかねしか

異同資料句番号:00798

00799
番号外作者 待賢門院加賀 (999)

かねてよりおもひしことそふししはのこるはかりなるなけきせんとは

かねてより−おもひしことそ−ふししはの−こるはかりなる−なけきせむとは

異同資料句番号:00799

00800
教長 前参議教長 (253)

恋しさはあふをかきりとききしかとさてしもいととおもひそひけり

こひしさは−あふをかきりと−ききしかと−さてしもいとと−おもひそひけり

異同資料句番号:00800

00801
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

よそにしてもときし人にいつしかと袖のしつくをとはるへきかな

よそにして−もときしひとに−いつしかと−そてのしつくを−とはるへきかな

異同資料句番号:00801

00802
待賢門院堀河 待賢門院堀川 (080)

なかからむ心もしらすくろかみのみたれてけさは物をこそおもへ

なかからむ−こころもしらす−くろかみの−みたれてけさは−ものをこそおもへ

異同資料句番号:00802

00803
上西門院兵衛 (262)

よひのまもまつに心やなくさむといまこんとたにたのめおかなん

よひのまも−まつにこころや−なくさむと−いまこむとたに−たのめおかなむ

異同資料句番号:00803

00804
郁芳門院安芸 待賢門院のあき (263)

そなれ木のそなれそなれてふす苔のまほならすともあひみてしかな

そなれきの−そなれそなれて−ふすこけの−まほならすとも−あひみてしかな

異同資料句番号:00804

00805
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

人はいさあかぬよとこにととめつるわか心こそわれをまつらめ

ひとはいさ−あかぬよとこに−ととめつる−わかこころこそ−われをまつらめ

異同資料句番号:00805

00806
通親 権中納言通親 (306)

おもへたたいりやらさりしあり明の月よりさきにいてし心を

おもへたた−いりやらさりし−ありあけの−つきよりさきに−いてしこころを

異同資料句番号:00806

00807
皇嘉門院別当 (088)

なにはえのあしのかりねの一よゆゑみをつくしてや恋ひわたるへき

なにはえの−あしのかりねの−ひとよゆゑ−みをつくしてや−こひわたるへき

異同資料句番号:00807

00808
公衡 藤原公衡朝臣 (563)

こひこひてあふうれしさをつつむへき袖は涙にくちはてにけり

こひこひて−あふうれしさを−つつむへき−そてはなみたに−くちはてにけり

異同資料句番号:00808

00809
隆信 藤原隆信朝臣 (313)

君やそれありしつらさはたれなれはうらみけるさへ今はくやしき

きみやそれ−ありしつらさは−たれなれは−うらみけるさへ−いまはくやしき

異同資料句番号:00809

00810
番号外作者 参議俊憲 (999)

すかたこそねさめのとこにみえすとも契りしことのうつつなりせは

すかたこそ−ねさめのとこに−みえすとも−ちきりしことの−うつつなりせは

異同資料句番号:00810

00811
番号外作者 前斎院新肥前 (999)

あつまやのあさ木のはしらわれなからいつふしなれて恋しかるらん

あつまやの−あさきのはしら−われなから−いつふしなれて−こひしかるらむ

異同資料句番号:00811

00812
番号外作者 久我内大臣 (999)

つつめともまくらは恋をしりぬらん涙かからぬ夜はしなけれは

つつめとも−まくらはこひを−しりぬらむ−なみたかからぬ−よはしなけれは

異同資料句番号:00812

00813
番号外作者 前中納言雅頼 (999)

恋すれはもゆるほたるもなくせみもわかみの外の物とやはみる

こひすれは−もゆるほたるも−なくせみも−わかみのほかの−ものとやはみる

異同資料句番号:00813

00814
実定 右大臣 (081)

ひきかけて涙を人につつむまにうらやくちなん夜はの衣は

ひきかけて−なみたをひとに−つつむまに−うらやくちなむ−よはのころもは

異同資料句番号:00814

00815
親隆 前参議親隆 (257)

しほたるるいせをのあまの袖たにもほすなるひまはありとこそきけ

しほたるる−いせをのあまの−そてたにも−ほすなるひまは−ありとこそきけ

異同資料句番号:00815

00816
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

しはしこそぬるるたもともしほりしか涙にいまはまかせてそみる

しはしこそ−ぬるるたもとも−しほりしか−なみたにいまは−まかせてそみる

異同資料句番号:00816

00817
顕昭 顕昭法師 (564)

よしさらは涙にくちねから衣ほすも人めをしのふかきりそ

よしさらは−なみたにくちね−からころも−ほすもひとめを−しのふかきりそ

異同資料句番号:00817

00818
道因 道因法師 (082)

おもひわひさても命はあるものをうきにたへぬは涙なりけり

おもひわひ−さてもいのちは−あるものを−うきにたへぬは−なみたなりけり

異同資料句番号:00818

00819
番号外作者 遊女戸戸 (999)

かすならぬみにも心のありかほにひとりも月をなかめつるかな

かすならぬ−みにもこころの−ありかほに−ひとりもつきを−なかめつるかな

異同資料句番号:00819

00820
番号外作者 中原清重 (999)

涙にやくちはてなましから衣袖のひるまとたのめさりせは

なみたにや−くちはてなまし−からころも−そてのひるまと−たのめさりせは

異同資料句番号:00820

00821
番号外作者 藤原成親 (999)

かれはつるをささかふしをおもふにもすくなかりけるよよのかすかな

かれはつる−をささかふしを−おもふにも−すくなかりける−よよのかすかな

異同資料句番号:00821

00822
番号外作者 藤原伊経 (999)

わけきつるをささか露のしけけれはあふ道にさへぬるる袖かな

わけきつる−をささかつゆの−しけけれは−あふみちにさへ−ぬるるそてかな

異同資料句番号:00822

00823
読人不知 よみ人しらす (000)

おきてゆく涙のかかる草まくら露しけしとや人のあやめん

おきてゆく−なみたのかかる−くさまくら−つゆしけしとや−ひとのあやめむ

異同資料句番号:00823

00824
読人不知 よみ人しらす (000)

涙をもしのふるころのわか袖にあやなく月のやとりぬるかな

なみたをも−しのふるころの−わかそてに−あやなくつきの−やとりぬるかな

異同資料句番号:00824

00825
番号外作者 内大臣 (999)

しのひかねいまは我とや名のらまし思ひすつへきけしきならねは

しのひかね−いまはわれとや−なのらまし−おもひすつへき−けしきならねは

異同資料句番号:00825

00826
良経 左近中将良経 (091)

しられてもいとはれぬへきみならすは名をさへ人につつむへしやは

しられても−いとはれぬへき−みならすは−なをさへひとに−つつむへしやは

異同資料句番号:00826

00827
隆房 左兵衛督隆房 (309)

いつくよりふきくるかせのちらしけんたれもしのふのもりのことのは

いつくより−ふきくるかせの−ちらしけむ−たれもしのふの−もりのことのは

異同資料句番号:00827

00828
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

おもひかね夢にみゆやとかへさすはうらさへ袖はぬらささらまし

おもひかね−ゆめにみゆやと−かへさすは−うらさへそては−ぬらささらまし

異同資料句番号:00828

00829
師光_源 源師光 (318)

くり返しくやしき物は君にしもおもひよりけんしつのをたまき

くりかへし−くやしきものは−きみにしも−おもひよりけむ−しつのをたまき

異同資料句番号:00829

00830
番号外作者 藤原隆親 (999)

いとはるるみをうしとてや心さへわれをはなれて君にそふらん

いとはるる−みをうしとてや−こころさへ−われをはなれて−きみにそふらむ

異同資料句番号:00830

00831
番号外作者 源光行 (999)

あちきなくいはて心をつくすかなつつむ人めも人のためかは

あちきなく−いはてこころを−つくすかな−つつむひとめも−ひとのためかは

異同資料句番号:00831

00832
番号外作者 皇太后宮若水 (999)

くれなゐにしをれし袖もくちはてぬあらはや人に色もみすへき

くれなゐに−しをれしそても−くちはてぬ−あらはやひとに−いろもみすへき

異同資料句番号:00832

00833
番号外作者 皇嘉門院尾張 (999)

命こそおのかものからうかりけれあれはそ人をつらしともみる

いのちこそ−おのかものから−うかりけれ−あれはそひとを−つらしともみる

異同資料句番号:00833

00834
忠良 右近中将忠良 (308)

なにとかやしのふにはあらてふるさとの軒はにしける草の名そうき

なにとかや−しのふにはあらて−ふるさとの−のきはにしける−くさのなそうき

異同資料句番号:00834

00835
太皇太后宮小侍従 (321)

みし夢のさめぬやかてのうつつにてけふとたのめしくれをまたはや

みしゆめの−さめぬやかての−うつつにて−けふとたのめし−くれをまたはや

異同資料句番号:00835

00836
番号外作者 二条院御製 (999)

しるらめやおつる涙の露ともにわかれのとこにきえてこふとは

しるらめや−おつるなみたの−つゆともに−わかれのとこに−きえてこふとは

異同資料句番号:00836

00837
読人不知 よみ人しらす (000)

またしらぬ露おく袖をおもひやれかことはかりのとこの涙に

またしらぬ−つゆおくそてを−おもひやれ−かことはかりの−とこのなみたに

異同資料句番号:00837

00838
兼実 摂政前右大臣 (562)

かへりつるなこりのそらをなかむれはなくさめかたき有明の月

かへりつる−なこりのそらを−なかむれは−なくさめかたき−ありあけのつき

異同資料句番号:00838

00839
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

わするなよよよの契をすかはらやふしみのさとの有明の空

わするなよ−よよのちきりを−すかはらや−ふしみのさとの−ありあけのそら

異同資料句番号:00839


千載集 巻十四:恋四

00840
和泉式部 (056)

いかにしてよるの心をなくさめむひるはなかめにさてもくらしつ

いかにして−よるのこころを−なくさめむ−ひるはなかめに−さてもくらしつ

異同資料句番号:00840

00841
和泉式部 (056)

これもみなさそなむかしの契そとおもふものからあさましきかな

これもみな−さそなむかしの−ちきりそと−おもふものから−あさましきかな

異同資料句番号:00841

00842
花山院 花山院御製 (531)

よそにては中中さてもありにしをうたて物おもふ昨日けふかな

よそにては−なかなかさても−ありにしを−うたてものおもふ−きのふけふかな

異同資料句番号:00842

00843
番号外作者 小式部 (999)

おもひいててたれをか人のたつねましうきにたへたる命ならすは

おもひいてて−たれをかひとの−たつねまし−うきにたへたる−いのちならすは

異同資料句番号:00843

00844
和泉式部 (056)

まつとてもかはかりこそはあらましかおもひもかけぬ秋の夕くれ

まつとても−かはかりこそは−あらましか−おもひもかけぬ−あきのゆふくれ

異同資料句番号:00844

00845
和泉式部 (056)

ほとふれは人はわすれてやみぬらん契りしことをなほたのむかな

ほとふれは−ひとはわすれて−やみぬらむ−ちきりしことを−なほたのむかな

異同資料句番号:00845

00846
実方 藤原実方朝臣 (051)

たけのはに玉ぬく露にあらねともまた夜をこめておきにけるかな

たけのはに−たまぬくつゆに−あらねとも−またよをこめて−おきにけるかな

異同資料句番号:00846

00847
基俊 藤原基俊 (075)

このまよりひれふる袖をよそにみていかかはすへきまつらさよ姫

このまより−ひれふるそてを−よそにみて−いかかはすへき−まつらさよひめ

異同資料句番号:00847

00848
仲実 藤原仲実朝臣 (207)

まふしさすしつをのみにもたへかねてはとふく秋のこゑたてつなり

まふしさす−しつをのみにも−たへかねて−はとふくあきの−こゑたてつなり

異同資料句番号:00848

00849
番号外作者 源雅光 (999)

吹く風にたへぬこすゑの花よりもととめかたきは涙なりけり

ふくかせに−たへぬこすゑの−はなよりも−ととめかたきは−なみたなりけり

異同資料句番号:00849

00850
番号外作者 大納言成通 (999)

あひみむといひわたりしは行すゑの物おもふことのはしにそ有りける

あひみむと−いひわたりしは−ゆくすゑの−ものおもふことの−はしにそありける

異同資料句番号:00850

00851
番号外作者 伊与三位(藤原敦兼朝臣母) (999)

恋ひわひてあはれとはかりうちなけくことよりほかのなくさめそなき

こひわひて−あはれとはかり−うちなけく−ことよりほかの−なくさめそなき

異同資料句番号:00851

00852
師時 権中納言師時 (209)

たちかへる人をもなにかうらみまし恋しさをたにととめさりせは

たちかへる−ひとをもなにか−うらみまし−こひしさをたに−ととめさりせは

異同資料句番号:00852

00853
番号外作者 藤原道経 (999)

うつらなくしつやにおふる玉こすけかりにのみきてかへる君かな

うつらなく−しつやにおふる−たまこすけ−かりにのみきて−かへるきみかな

異同資料句番号:00853

00854
番号外作者 久我内大臣 (999)

わかれてはかたみなりける玉つさをなくさむはかりかきもおかせて

わかれては−かたみなりける−たまつさを−なくさむはかり−かきもおかせて

異同資料句番号:00854

00855
上西門院兵衛 (262)

我かそての涙やにほの海ならんかりにも人をみるめなけれは

わかそての−なみたやにほの−うみならむ−かりにもひとを−みるめなけれは

異同資料句番号:00855

00856
親隆 前参議親隆 (257)

あつまやのをかやの軒のしのふ草しのひもあへすしける思ひに

あつまやの−をかやののきの−しのふくさ−しのひもあへす−しけるおもひに

異同資料句番号:00856

00857
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

恋をのみしかまのいちにたつ民のたえぬおもひにみをやかへてん

こひをのみ−しかまのいちに−たつたみの−たえぬおもひに−みをやかへてむ

異同資料句番号:00857

00858
郁芳門院安芸 待賢門院安芸 (263)

こひをのみすかたの池にみ草ゐてすまてやみなん名こそをしけれ

こひをのみ−すかたのいけに−みくさゐて−すまてやみなむ−なこそをしけれ

異同資料句番号:00858

00859
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

露ふかきあさまののらにをかやかるしつのたもともかくはぬれしを

つゆふかき−あさまののらに−をかやかる−しつのたもとも−かくはぬれしを


00860
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

あふことはいなさほそえのみをつくしふかきしるしもなきよなりけり

あふことは−いなさほそえの−みをつくし−ふかきしるしも−なきよなりけり

異同資料句番号:00859

00861
顕昭 顕昭法師 (564)

人つてはさしもやはともおもふらむみせはや君になれるすかたを

ひとつては−さしもやはとも−おもふらむ−みせはやきみに−なれるすかたを

異同資料句番号:00860

00862
番号外作者 平実重 (999)

あさましやさのみはいかにしなのなるきそちのはしのかけわたるらん

あさましや−さのみはいかに−しなのなる−きそちのはしの−かけわたるらむ

異同資料句番号:00861

00863
番号外作者 平実重 (999)

人のうへとおもははいかにもとかましつらきもしらすこふる心を

ひとのうへと−おもははいかに−もとかまし−つらきもしらす−こふるこころを

異同資料句番号:00862

00864
番号外作者 参議為通 (999)

契りしももろともにこそちきりしかわすれはわれもわすれましかは

ちきりしも−もろともにこそ−ちきりしか−わすれはわれも−わすれましかは

異同資料句番号:00863

00865
番号外作者 従三位季行 (999)

君にのみしたのおもひはかはしまの水の心はあさからなくに

きみにのみ−したのおもひは−かはしまの−みつのこころは−あさからなくに

異同資料句番号:00864

00866
番号外作者 院御製 (999)

おもひきやとしのつもるはわすられて恋にいのちのたへん物とは

おもひきや−としのつもるは−わすられて−こひにいのちの−たへむものとは

異同資料句番号:00865

00867
季通 藤原季通朝臣 (255)

なけきあまりうきみそいまはなつかしき君ゆゑ物をおもふと思へは

なけきあまり−うきみそいまは−なつかしき−きみゆゑものを−おもふとおもへは

異同資料句番号:00866

00868
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

水くきはこれをかきりとかきつめてせきあへぬ物は涙なりけり

みつくきは−これをかきりと−かきつめて−せきあへぬものは−なみたなりけり

異同資料句番号:00867

00869
番号外作者 二条院御製 (999)

たれもよもまたききそめし鴬の君にのみこそおとしはしむれ

たれもよも−またききそめし−うくひすの−きみにのみこそ−おとしはしむれ

異同資料句番号:00868

00870
読人不知 よみひとしらす (000)

鴬はなへてみやこになれぬらんふるすにねをはわれのみそなく

うくひすは−なへてみやこに−なれぬらむ−ふるすにねをは−われのみそなく

異同資料句番号:00869

00871
読人不知 よみひとしらす (000)

みせはやなつゆのゆかりの玉かつら心にかけてしのふけしきを

みせはやな−つゆのゆかりの−たまかつら−こころにかけて−しのふけしきを

異同資料句番号:00870

00872
読人不知 よみひとしらす (000)

あふさかの名をわすれにし中なれとせきやられぬは涙なりけり

あふさかの−なをわすれにし−なかなれと−せきやられぬは−なみたなりけり

異同資料句番号:00871

00873
範兼 刑部卿範兼 (567)

月まつと人にはいひてなかむれはなくさめかたき夕くれのそら

つきまつと−ひとにはいひて−なかむれは−なくさめかたき−ゆふくれのそら

異同資料句番号:00872

00874
番号外作者 藤原為真 (999)

あしのやのかりそめふしは津国のなからへゆけとわすれさりけり

あしのやの−かりそめふしは−つのくにの−なからへゆけと−わすれさりけり

異同資料句番号:00873

00875
西行 円位法師 (086)

しらさりき雲ゐのよそにみし月のかけをたもとにやとすへしとは

しらさりき−くもゐのよそに−みしつきの−かけをたもとに−やとすへしとは

異同資料句番号:00874

00876
西行 円位法師 (086)

あふとみしその夜の夢のさめてあれななかきねふりはうかるへけれと

あふとみし−そのよのゆめの−さめてあれな−なかきねふりは−うかるへけれと

異同資料句番号:00875

00877
番号外作者 空人法師 (999)

秋かせのうき人よりもつらきかな恋せよとてはふかさらめとも

あきかせの−うきひとよりも−つらきかな−こひせよとては−ふかさらめとも

異同資料句番号:00876

00878
番号外作者 源仲綱 (999)

心さへわれにもあらすなりにけり恋はすかたのかはるのみかは

こころさへ−われにもあらす−なりにけり−こひはすかたの−かはるのみかは

異同資料句番号:00877

00879
番号外作者 二条院内侍参河 (999)

まちかねてさよもふけひのうらかせにたのめぬ浪のおとのみそする

まちかねて−さよもふけひの−うらかせに−たのめぬなみの−おとのみそする

異同資料句番号:00878

00880
二条院讃岐 さぬき (092)

ひとよとてよかれし床のさむしろにやかてもちりのつもりぬるかな

ひとよとて−よかれしとこの−さむしろに−やかてもちりの−つもりぬるかな

異同資料句番号:00879

00881
兼実 摂政前右大臣 (562)

なからへてかはる心をみるよりもあふに命をかへてましかは

なからへて−かはるこころを−みるよりも−あふにいのちを−かへてましかは

異同資料句番号:00880

00882
番号外作者 前中納言雅頼 (999)

あふ事のありしところしかはらすは心をたにもやらましものを

あふことの−ありしところし−かはらすは−こころをたにも−やらましものを

異同資料句番号:00881

00883
番号外作者 権中納言経房 (999)

うつりかになにしみにけんさよころもわすれぬつまとなりけるものを

うつりかに−なにしみにけむ−さよころも−わすれぬつまと−なりけるものを

異同資料句番号:00882

00884
忠良 右近中将忠良 (308)

わすれぬやしのふやいかにあはぬまのかたみとききしあけくれの空

わすれぬや−しのふやいかに−あはぬまの−かたみとききし−あけくれのそら

異同資料句番号:00883

00885
俊恵 俊恵法師 (085)

おもひかねなほ恋ちにそかへりぬるうらみはすゑもとほらさりけり

おもひかね−なほこひちにそ−かへりぬる−うらみはすゑも−とほらさりけり

異同資料句番号:00884

00886
殷富門院大輔 (090)

みせはやなをしまのあまの袖たにもぬれにそぬれし色はかはらす

みせはやな−をしまのあまの−そてたにも−ぬれにそぬれし−いろはかはらす

異同資料句番号:00885

00887
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

山しろのみつののさとにいもをおきていくたひよとに舟よはふらん

やましろの−みつののさとに−いもをおきて−いくたひよとに−ふねよはふらむ

異同資料句番号:00886

00888
隆信 藤原隆信朝臣 (313)

人しれすむすひそめてし若草のはなのさかりもすきやしぬらん

ひとしれす−むすひそめてし−わかくさの−はなのさかりも−すきやしぬらむ

異同資料句番号:00887

00889
番号外作者 藤原顕家朝臣 (999)

いかなれはなかれはたえぬ中川にあふせのかすのすくなかるらん

いかなれは−なかれはたえぬ−なかかはに−あふせのかすの−すくなかるらむ

異同資料句番号:00888

00890
番号外作者 源仲綱 (999)

すみなれしさのの中川せたえしてなかれかはるは涙なりけり

すみなれし−さののなかかは−せたえして−なかれかはるは−なみたなりけり

異同資料句番号:00889

00891
二条院讃岐 (092)

いまさらに恋しといふもたのまれすこれも心のかはるとおもへは

いまさらに−こひしといふも−たのまれす−これもこころの−かはるとおもへは

異同資料句番号:00890

00892
太皇太后宮小侍従 (321)

こひそめし心の色のなになれはおもひかへすにかへらさるらん

こひそめし−こころのいろの−なになれは−おもひかへすに−かへらさるらむ

異同資料句番号:00891

00893
道因 道因法師 (082)

伊勢しまやいちしのうらのあまたにもかつかぬ袖はぬるるものかは

いせしまや−いちしのうらの−あまたにも−かつかぬそては−ぬるるものかは

異同資料句番号:00892

00894
俊恵 俊恵法師 (085)

おもひきやうかりし夜はの鳥のねをまつことにしてあかすへしとは

おもひきや−うかりしよはの−とりのねを−まつことにして−あかすへしとは

異同資料句番号:00893

00895
俊恵 俊恵法師 (085)

から衣かへしてはねし夏のよはゆめにもあかて人わかれけり

からころも−かへしてはねし−なつのよは−ゆめにもあかて−ひとわかれけり

異同資料句番号:00894

00896
番号外作者 法印静賢 (999)

みのうさをおもひしらてややみなましあひみぬさきのつらさなりせは

みのうさを−おもひしらてや−やみなまし−あひみぬさきの−つらさなりせは

異同資料句番号:00895

00897
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

あふことはみをかへてともまつへきをよよをへたてんほとそかなしき

あふことは−みをかへてとも−まつへきを−よよをへたてむ−ほとそかなしき

異同資料句番号:00896

00898
宜秋門院丹後 摂政家丹後 (322)

おもひねの夢になくさむ恋なれはあはねとくれのそらそまたるる

おもひねの−ゆめになくさむ−こひなれは−あはねとくれの−そらそまたるる

異同資料句番号:00897

00899
番号外作者 民部卿成範 (999)

恋ひわひてうちぬるよひの夢にたにあふとは人のみえはこそあらめ

こひわひて−うちぬるよひの−ゆめにたに−あふとはひとの−みえはこそあらめ

異同資料句番号:00898

00900
番号外作者 権大納言実家 (999)

わひつつはなれたに君にとこなれよかはさぬ夜はの枕なりとも

わひつつは−なれたにきみに−とこなれよ−かはさぬよはの−まくらなりとも

異同資料句番号:00899

00901
読人不知 よみ人しらす (000)

なけきつつかはさぬ夜はのつもるには枕もうとくならぬものかは

なけきつつ−かはさぬよはの−つもるには−まくらもうとく−ならぬものかは

異同資料句番号:00900

00902
忠良 右近中将忠良 (308)

これはみなおもひしことそなれしよりあはれなこりをいかにせんとは

これはみな−おもひしことそ−なれしより−あはれなこりを−いかにせむとは

異同資料句番号:00901

00903
通親 権中納言通親 (306)

しぬとても心をわくる物ならは君にのこしてなほや恋ひまし

しぬとても−こころをわくる−ものならは−きみにのこして−なほやこひまし

異同資料句番号:00902


千載集 巻十五:恋五

00904
相模 (065)

うたたねにはかなくさめし夢をたに此世に又はみてややみなん

うたたねに−はかなくさめし−ゆめをたに−このよにまたは−みてややみなむ

異同資料句番号:00903

00905
和泉式部 (056)

ねをなけは袖はくちてもうせぬめりなほうきことそつきせさりける

ねをなけは−そてはくちても−うせぬめり−なほうきことそ−つきせさりける

異同資料句番号:00904

00906
和泉式部 (056)

ともかくもいははなへてになりぬへしねになきてこそみすへかりけれ

ともかくも−いははなへてに−なりぬへし−ねになきてこそ−みすへかりけれ

異同資料句番号:00905

00907
和泉式部 (056)

あり明の月見すひまにおきていにし人のなこりをなかめしものを

ありあけの−つきみすひまに−おきていにし−ひとのなこりを−なかめしものを

異同資料句番号:00906

00908
紫式部 (057)

わするるはうきよのつねとおもふにもみをやるかたのなきそわひぬる

わするるは−うきよのつねと−おもふにも−みをやるかたの−なきそわひぬる

異同資料句番号:00907

00909
馬内侍 (172)

ちはやふるかものやしろの神もきけ君わすれすはわれもわすれし

ちはやふる−かものやしろの−かみもきけ−きみわすれすは−われもわすれし

異同資料句番号:00908

00910
大弐三位 (058)

うたかひし命はかりはありなからちきりし中のたえぬへきかな

うたかひし−いのちはかりは−ありなから−ちきりしなかの−たえぬへきかな

異同資料句番号:00909

00911
相模 (065)

かり人はとかめもやせん草しけみあやしき鳥のあとのみたれを

かりひとは−とかめもやせむ−くさしけみ−あやしきとりの−あとのみたれを

異同資料句番号:00910

00912
番号外作者 大納言斉信 (999)

山よりもふかきところをたつねみはわか心にそ人はいるへき

やまよりも−ふかきところを−たつねみは−わかこころにそ−ひとはいるへき

異同資料句番号:00911

00913
番号外作者 藤原経衡 (999)

いにしへもこえみてしかはあふさかはふみたかふへき中の道かは

いにしへも−こえみてしかは−あふさかは−ふみたかふへき−なかのみちかは

異同資料句番号:00912

00914
赤染衛門 (059)

かりにそといはぬさきよりたのまれすたちとまるへき心ならねは

かりにそと−いはぬさきより−たのまれす−たちとまるへき−こころならねは

異同資料句番号:00913

00915
基俊 藤原基俊 (075)

人こころなにをたのみてみなせ川せきのふるくひくちはてぬらん

ひとこころ−なにをたのみて−みなせかは−せせのふるくひ−くちはてぬらむ

異同資料句番号:00914

00916
隆源 隆源法師 (213)

うらみすはわすれぬ人もありなましおもひしらてそあるへかりける

うらみすは−わすれぬひとも−ありなまし−おもひしらてそ−あるへかりける

異同資料句番号:00915

00917
番号外作者 中院右大臣 (999)

まことにやみとせもまたてやましろのふしみの里ににひ枕する

まことにや−みとせもまたて−やましろの−ふしみのさとに−にひまくらする

異同資料句番号:00916

00918
待賢門院堀河 (080)

うき人をしのふへしとはおもひきやわか心さへなとかはるらん

うきひとを−しのふへしとは−おもひきや−わかこころさへ−なとかはるらむ

異同資料句番号:00917

00919
上西門院兵衛 (262)

うかりけるよよの契を思ふにもつらきはいまのこころのみかは

うかりける−よよのちきりを−おもふにも−つらきはいまの−こころのみかは

異同資料句番号:00918

00920
親隆 前参議親隆 (257)

しるなれはいかに枕のおもふらんちりのみつもるとこのけしきを

しるなれは−いかにまくらの−おもふらむ−ちりのみつもる−とこのけしきを

異同資料句番号:00919

00921
実定 右大臣 (081)

はかなくもこむよをかねて契るかなふたたひおなし身ともならしを

はかなくも−こむよをかねて−ちきるかな−ふたたひおなし−みともならしを

異同資料句番号:00920

00922
忠良 右近中将忠良 (308)

おもひいてよ夕の雲もたなひかはこれやなけきにたへぬ煙と

おもひいてよ−ゆふへのくもも−たなひかは−これやなけきに−たへぬけふりと

異同資料句番号:00921

00923
隆房 左兵衛督隆房 (309)

恋ひしなはうかれん玉よしはしたにわかおもふ人のつまにととまれ

こひしなは−うかれむたまよ−しはしたに−わかおもふひとの−つまにととまれ

異同資料句番号:00922

00924
太皇太后宮小侍従 太皇大后宮小侍従 (321)

君こふとうきぬる玉のさ夜ふけていかなるつまにむすはれぬらん

きみこふと−うきぬるたまの−さよふけて−いかなるつまに−むすはれぬらむ

異同資料句番号:00923

00925
二条院讃岐 (092)

きみこふる心のやみをわひつつは此世はかりとおもはましかは

きみこふる−こころのやみを−わひつつは−このよはかりと−おもはましかは

異同資料句番号:00924

00926
殷富門院大輔 (090)

かはりゆくけしきをみてもいける身の命をあたにおもひけるかか

かはりゆく−けしきをみても−いけるみの−いのちをあたに−おもひけるかな

異同資料句番号:00925

00927
俊恵 俊恵法師 (085)

君やあらぬわか身やあらぬおほつかなたのめしことのみなかはりぬる

きみやあらぬ−わかみやあらぬ−おほつかな−たのめしことの−みなかはりぬる

異同資料句番号:00926

00928
西行 円位法師 (086)

物おもへともかからぬ人もあるものをあはれなりける身のちきりかな

ものおもへとも−かからぬひとも−あるものを−あはれなりける−みのちきりかな

異同資料句番号:00927

00929
西行 円位法師 (086)

なけけとて月やは物をおもはするかこちかほなるわか涙かな

なけけとて−つきやはものを−おもはする−かこちかほなる−わかなみたかな

異同資料句番号:00928

00930
番号外作者 寂超法師 (999)

久かたの月ゆゑにやは恋ひそめしなかむれはまつぬるるそてかな

ひさかたの−つきゆゑにやは−こひそめし−なかむれはまつ−ぬるるそてかな

異同資料句番号:00929

00931
番号外作者 祐盛法師 (999)

つらしともうらむるかたそなかりけるうきをいとふは君ひとりかは

つらしとも−うらむるかたそ−なかりける−うきをいとふは−きみひとりかは

異同資料句番号:00930

00932
番号外作者 藤原隆親 (999)

おもひしる心のなきをなけくかなうき身ゆゑこそ人もつらけれ

おもひしる−こころのなきを−なけくかな−うきみゆゑこそ−ひともつらけれ

異同資料句番号:00931

00933
番号外作者 源有房 (999)

思ふをもわするる人はさもあらはあれうきをしのはぬ心ともかな

おもふをも−わするるひとは−さもあらはあれ−うきをしのはぬ−こころともかな

異同資料句番号:00932

00934
番号外作者 惟宗広言 (999)

はかなくそ後のよまてとちきりけるまたきにたにもかはる心を

はかなくそ−のちのよまてと−ちきりける−またきにたにも−かはるこころを

異同資料句番号:00933

00935
番号外作者 源仲頼 (999)

いとはるるそのゆかりにていかなれは恋はわか身をはなれさるらん

いとはるる−そのゆかりにて−いかなれは−こひはわかみを−はなれさるらむ

異同資料句番号:00934

00936
長明 鴨長明 (337)

おもひあまりうちぬるよひのまほろしも浪ちをわけてゆきかよひけり

おもひあまり−うちぬるよひの−まほろしも−なみちをわけて−ゆきかよひけり

異同資料句番号:00935

00937
番号外作者 土御門前斎院中将 (999)

としふれとうき身はさらにかはらしをつらさもおなしつらさなるらん

としふれと−うきみはさらに−かはらしを−つらさもおなし−つらさなるらむ

異同資料句番号:00936

00938
崇徳院 崇徳院御製 (077)

なけくまにかかみの影もおとろへぬ契りしことのかはるのみかは

なけくまに−かかみのかけも−おとろへぬ−ちきりしことの−かはるのみかは

異同資料句番号:00937

00939
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

としふれとあはれにたへぬ涙かな恋しき人のかからましかは

としふれと−あはれにたへぬ−なみたかな−こひしきひとの−かからましかは

異同資料句番号:00938

00940
季通 藤原季通朝臣 (255)

いまはたたおさふる袖もくちはてて心のままにおつるなみたか

いまはたた−おさふるそても−くちはてて−こころのままに−おつるなみたか

異同資料句番号:00939

00941
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

おく山のいはかきぬまのうきぬなはふかき恋ちになにみたれけん

おくやまの−いはかきぬまの−うきぬなは−ふかきこひちに−なにみたれけむ

異同資料句番号:00940

00942
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

しきしのふとこたにたへぬ涙にも恋はくちせぬ物にそ有りける

しきしのふ−とこたにたへぬ−なみたにも−こひはくちせぬ−ものにそありける

異同資料句番号:00941

00943
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

あさゆふにみるめをかつくあまたにもうらみはたえぬ物とこそきけ

あさゆふに−みるめをかつく−あまたにも−うらみはたえぬ−ものとこそきけ

異同資料句番号:00942

00944
上西門院兵衛 (262)

なにせんにそらたのめとてうらみけんおもひたえたる暮もありけり

なにせむに−そらたのめとて−うらみけむ−おもひたえたる−くれもありけり

異同資料句番号:00943

00945
殷富門院大輔 (090)

なほさりのそらたのめとてまちし夜のくるしかりしそいまは恋しき

なほさりの−そらたのめとて−まちしよの−くるしかりしそ−いまはこひしき

異同資料句番号:00944

00946
兼実 摂政前右大臣 (562)

をしみかねけにいひしらぬ別かな月もいまはのあり明のそら

をしみかね−けにしひしらぬ−わかれかな−つきもいまはの−ありあけのそら

異同資料句番号:00945

00947
実房 右近大将実房 (319)

恋ひわふる心はそらにうきぬれと涙のそこに身はしつむかな

こひわふる−こころはそらに−うきぬれと−なみたのそこに−みはしつむかな

異同資料句番号:00946

00948
番号外作者 前中納言雅頼 (999)

おもひかねこゆるせきちに夜をふかみやこゑの鳥にねをそそへつる

おもひかね−こゆるせきちに−よをふかみ−やこゑのとりに−ねをそそへつる

異同資料句番号:00947

00949
通親 権中納言通親 (306)

世にしらぬ秋の別にうちそへて人やりならす物そかなしき

よにしらぬ−あきのわかれに−うちそへて−ひとやりならす−ものそかなしき

異同資料句番号:00948

00950
経家 藤原経家朝臣 (311)

契りしにあらすなるとのはまちとりあとたにみせぬうらみをそする

ちきりしに−あらすなるとの−はまちとり−あとたにみせぬ−うらみをそする

異同資料句番号:00949

00951
定家 藤原定家 (097)

しかはかり契りし中もかはりけるこのよに人をたのみけるかな

しかはかり−ちきりしなかも−かはりける−このよにひとを−たのみけるかな

異同資料句番号:00950

00952
顕昭 顕昭法師 (564)

秋の夜を物おもふことのかきりとはひとりねさめの枕にそしる

あきのよを−ものおもふことの−かきりとは−ひとりねさめの−まくらにそしる

異同資料句番号:00951

00953
教長 前参議教長 (253)

よしさらは君に心はつくしてん又も恋しき人もこそあれ

よしさらは−きみにこころは−つくしてむ−またもこひしき−ひともこそあれ

異同資料句番号:00952

00954
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

なき人をおもひ出てたる夕くれはうらみしことそくやしかりける

なきひとを−おもひいてたる−ゆふくれは−うらみしことそ−くやしかりける

異同資料句番号:00953

00955
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

これをみよむつ田のよとにさてさしてしをれししつのあさ衣かは

これをみよ−むつたのよとに−さてさして−しをれししつの−あさころもかは

異同資料句番号:00954

00956
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

ささめかるあれ田のさはにたつたみも身のためにこそ袖はぬるらめ

ささめかる−あれたのさはに−たつたみも−みのためにこそ−そてもぬるらめ

異同資料句番号:00955

00957
馬内侍 (172)

ささのはにあられふる夜のさむけきにひとりはねなん物とやはおもふ

ささのはに−あられふるよの−さむけきに−ひとりはねなむ−ものとやはおもふ

異同資料句番号:00956

00958
和泉式部 (056)

うらむへき心はかりはあるものをなきになしてもとはぬ君かな

うらむへき−こころはかりは−あるものを−なきになしても−とはぬきみかな

異同資料句番号:00957


千載集 巻十六:雑上

00959
道長 法成寺入道前太政大臣 (524)

かそへしる人なかりせはおく山のたにの松とやとしをつままし

かそへしる−ひとなかりせは−おくやまの−たにのまつとや−としをつままし

異同資料句番号:00958

00960
番号外作者 大納言斉信 (999)

ふえ竹のよふかきこゑそきこゆなるきしの松かせふきやそふらん

ふえたけの−よふかきこゑそ−きこゆなる−みねのまつかせ−ふきやそふらむ

異同資料句番号:00959

00961
清少納言 皇后宮清少納言 (062)

うはこほりあはにむすへるひもなれはかさす日かけにゆるふはかりを

うはこほり−あはにむすへる−ひもなれは−かさすひかけに−ゆるむはかりそ

異同資料句番号:00960

00962
紫式部 上東門院紫式部 (057)

たかさとの春のたよりにうくひすの霞にとつるやとをとふらん

たかさとの−はるのたよりに−うくひすの−かすみにとつる−やとをとふらむ

異同資料句番号:00961

00963
道信 藤原道信朝臣 (052)

いもとねておきゆくあさの道よりも中中もののおもはしきかな

いもとねて−おきゆくあさの−みちよりも−なかなかものの−おもはしきかな

異同資料句番号:00962

00964
周防内侍 (067)

春のよの夕はかりなるたまくらにかひなくたたん名こそをしけれ

はるのよの−ゆめはかりなる−たまくらに−かひなくたたむ−なこそをしけれ

異同資料句番号:00963

00965
番号外作者 大納言忠家 (999)

契ありてはるの夜ふかきたまくらをいかかかひなき夢になすへき

ちきりありて−はるのよふかき−たまくらを−いかかかひなき−ゆめになすへき

異同資料句番号:00964

00966
番号外作者 皇后宮定子 (999)

いかにしてすきにしかたをすくしけんくらしわつらふ昨日けふかな

いかにして−すきにしかたを−すくしけむ−くらしわつらふ−きのふけふかな

異同資料句番号:00965

00967
清少納言 (062)

雲のうへもくらしかねける春の日をところからともなかめつるかな

くものうへも−くらしかねける−はるのひを−ところからとも−なかめつるかな

異同資料句番号:00966

00968
選子内親王 (522)

あひみむとおもひしことをたかふれはつらきかたにもさためつるかな

あひみむと−おもひしことを−たかふれは−つらきかたにも−さためつるかな

異同資料句番号:00967

00969
番号外作者 大斎院中将 (999)

みそきせしかもの川なみたちかへりはやくみしせに袖はぬれきや

みそきせし−かものかはなみ−たちかへり−はやくみしせに−そてはぬれきや

異同資料句番号:00968

00970
実方 藤原実方朝臣 (051)

ちはやふるいつきの宮のたひねにはあふひそ草の枕なりけり

ちはやふる−いつきのみやの−たひねには−あふひそくさの−まくらなりけり

異同資料句番号:00969

00971
和泉式部 (056)

かをるかによそふるよりはほとときすきかはやおなしこゑやしたると

かをるかに−よそふるよりは−ほとときす−きかはやおなし−こゑやしたると

異同資料句番号:00970

00972
番号外作者 八条前太政大臣 (999)

昨日まてみたらし河にせしみそきしかのうら浪たちそかはれる

きのふまて−みたらしかはに−せしみそき−しかのうらなみ−たちそかはれる

異同資料句番号:00971

00973
式子内親王 (089)

みたらしやかけたえはつる心ちしてしかの浪ちに袖そぬれこし

みたらしや−かけたえはつる−ここちして−しかのなみちに−そてそぬれこし

異同資料句番号:00972

00974
番号外作者 大宮前太政大臣 (999)

やとせまて手ならしたりしあつさ弓かへるをみるにねそなかれける

やとせまて−てならしたりし−あつさゆみ−かへるをみるに−ねそなかれける

異同資料句番号:00973

00975
番号外作者 中院右大臣 (999)

なにかそれおもひすつへきあつさ弓又ひきかへす時もありなん

なにかそれ−おもひすつへき−あつさゆみ−またひきかへす−ときもありなむ

異同資料句番号:00974

00976
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

きのふみししのふもちすりたれならん心のほとそかきりしられぬ

きのふみし−しのふもちすり−たれならむ−こころのほとそ−かきりしられぬ

異同資料句番号:00975

00977
紫式部 (057)

露しけきよもきかなかの虫のねをおほろけにてや人のたつねん

つゆしけき−よもきかなかの−むしのねを−おほろけにてや−ひとのたつねむ

異同資料句番号:00976

00978
頼政 前右京権大夫頼政 (552)

人しれぬおほうち山のやまもりはこかくれてのみ月をみるかな

ひとしれぬ−おほうちやまの−やまもりは−こかくれてのみ−つきをみるかな

異同資料句番号:00977

00979
番号外作者 権中納言実綱 (999)

秋をへて光をませとおもひしにおもはぬ月のかけにもあるかな

あきをへて−ひかりをませと−おもひしに−おもはぬつきの−かけにもあるかな

異同資料句番号:00978

00980
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

とふ人におもひよそへてみる月のくもるはかへる心ちこそすれ

とふひとに−おもひよそへて−みるつきの−くもるはかへる−ここちこそすれ

異同資料句番号:00979

00981
忠通 法性寺入道前太政大臣 (076)

ささ浪やくにつみかみのうらさひてふるき都に月ひとりすむ

ささなみや−くにつみかみの−うらさひて−ふるきみやこに−つきひとりすむ

異同資料句番号:00980

00982
忠通 法性寺入道前太政大臣 (076)

あまの川空ゆく月はひとつにてやとらぬ水のいかてなからん

あまのかは−そらゆくつきは−ひとつにて−やとらぬみつの−いかてなからむ

異同資料句番号:00981

00983
具平親王 中務卿具平親王 (523)

ひとりゐて月をなかむる秋のよはなにことをかはおもひのこさん

ひとりゐて−つきをなかむる−あきのよは−なにことをかは−おもひのこさむ

異同資料句番号:00982

00984
赤染衛門 (059)

物おもはぬ人もやこよひなかむらんねられぬままに月をみるかな

ものおもはぬ−ひともやこよひ−なかむらむ−ねられぬままに−つきをみるかな

異同資料句番号:00983

00985
相模 (065)

なかめつつむかしも月はみしものをかくやは袖のひまなかるへき

なかめつつ−むかしもつきは−みしものを−かくやはそての−ひまなかるへき

異同資料句番号:00984

00986
和泉式部 (056)

ひとりのみあはれなるかと我ならぬ人にこよひの月をみせはや

ひとりのみ−あはれなるかと−われならぬ−ひとにこよひの−つきをみせはや

異同資料句番号:00985

00987
番号外作者 久我内大臣 (999)

かくはかりうき世の中のおもひ出てにみよともすめる夜はの月かな

かくはかり−うきよのなかの−おもひいてに−みよともすめる−よはのつきかな

異同資料句番号:00986

00988
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

すみわひて身をかくすへき山さとにあまりくまなき夜はの月かな

すみわひて−みをかくすへき−やまさとに−あまりくまなき−よはのつきかな

異同資料句番号:00987

00989
親隆 前参議親隆 (257)

はりまかたすまの月夜めそらさえてゑしまかさきに雪ふりにけり

はりまかた−すまのつきよめ−そらさえて−ゑしまかさきに−ゆきふりにけり

異同資料句番号:00988

00990
番号外作者 藤原家基 (999)

さよちとりふけひのうらにおとつれてゑしまかいそに月かたふきぬ

さよちとり−ふけひのうらに−おとつれて−ゑしまかいそに−つきかたふきぬ

異同資料句番号:00989

00991
俊恵 俊恵法師 (085)

いかたおろすきよたき川にすむ月はさをにさはらぬ氷なりけり

いかたおろす−きよたきかはに−すむつきは−さをにさはらぬ−こほりなりけり

異同資料句番号:00990

00992
番号外作者 賀茂成保 (999)

あまのはらすめるけしきはのとかにてはやくも月の西へゆくかな

あまのはら−すめるけしきは−のとかにて−はやくもつきの−にしへゆくかな

異同資料句番号:00991

00993
顕昭 顕昭法師 (564)

さひしさにあはれもいととまさりけりひとりそ月はみるへかりける

さひしさに−あはれもいとと−まさりけり−ひとりそつきは−みるへかりける

異同資料句番号:00992

00994
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

いまよりはふけ行くまてに月はみしそのこととなく涙おちけり

いまよりは−ふけゆくまてに−つきはみし−そのこととなく−なみたおちけり

異同資料句番号:00993

00995
登蓮 登蓮法師 (551)

もろともにみし人いかになりにけん月はむかしにかはらさりけり

もろともに−みしひといかに−なりにけむ−つきはむかしに−かはらさりけり

異同資料句番号:00994

00996
番号外作者 法印静賢 (999)

あかなくに又もこのよにめくりこはおもかはりすな山のはの月

あかなくに−またもこのよに−めくりこは−おもかはりすな−やまのはのつき

異同資料句番号:00995

00997
 源仲正 (543)

はかなくもわかよのふけをしらすしていさよふ月をまちわたるかな

はかなくも−わかよのふけを−しらすして−いさよふつきを−まちわたるかな

異同資料句番号:00996

00998
番号外作者 源仲綱 (999)

さきたちし人はやみにやまよふらんいつまて我も月をなかめん

さきたちし−ひとはやみにや−まよふらむ−いつまてわれも−つきをなかめむ

異同資料句番号:00997

00999
待賢門院堀河 (080)

のこりなくわかよふけぬとおもふにもかたふく月にすむ心かな

のこりなく−わかよふけぬと−おもふにも−かたふくつきに−すむこころかな

異同資料句番号:00998

01000
番号外作者 近衛院御製 (999)

うき雲のかかるほとたにあるものをかくれなはてそあり明の月

うきくもの−かかるほとたに−あるものを−かくれなはてそ−ありあけのつき

異同資料句番号:00999

01001
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

このまもるあり明の月のおくらすはひとりや山のみねを出てまし

このまもる−ありあけのつきの−おくらすは−ひとりややまの−みねをいてまし

異同資料句番号:01000

01002
番号外作者 道性法親王 (999)

ことのねを雪にしらふときこゆなり月さゆる夜のみねの松かせ

ことのねを−ゆきにしらふと−きこゆなり−つきさゆるよの−みねのまつかせ

異同資料句番号:01001

01003
長方 権中納言長方 (566)

あかていらんなこりをいととおもへとやかたふくままにすめる月かな

あかていらむ−なこりをいとと−おもへとや−かたふくままに−すめるつきかな

異同資料句番号:01002

01004
定家 藤原定家 (097)

いかにせんさらてうきよはなくさますたのみし月も涙おちけり

いかにせむ−さらてうきよは−なくさます−たのみしつきも−なみたおちけり

異同資料句番号:01003

01005
家隆 藤原家隆 (098)

山ふかき松のあらしを身にしめてたれかねさめに月をみるらん

やまふかき−まつのあらしを−みにしめて−たれかねさめに−つきをみるらむ

異同資料句番号:01004

01006
番号外作者 八条院六条 (999)

まつほとはいとと心そなくさまぬをはすて山のあり明の月

まつほとは−いととこころそ−なくさまぬ−をはすてやまの−ありあけのつき

異同資料句番号:01005

01007
番号外作者 法印実修 (999)

よをいとふ心は月をしたへはや山のはにのみおもひいるらん

よをいとふ−こころはつきを−したへはや−やまのはにのみ−おもひいるらむ

異同資料句番号:01006

01008
番号外作者 藤原隆親 (999)

さひしさも月みるほとはなくさみぬいりなんのちをとふ人もかな

さひしさも−つきみるほとは−なくさみぬ−いりなむのちを−とふひともかな

異同資料句番号:01007

01009
西行 円位法師 (086)

霜さゆるにはのこのはをふみわけて月はみるやととふ人もかな

しもさゆる−にはのこのはを−ふみわけて−つきはみるやと−とふひともかな

異同資料句番号:01008

01010
番号外作者 平実重 (999)

すみなれしやとをはいてて西へゆく月をしたひて山にこそいれ

すみなれし−やとをはいてて−にしへゆく−つきをしたひて−やまにこそいれ

異同資料句番号:01009

01011
俊恵 俊恵法師 (085)

ふるさとのいたゐのし水みくさゐて月さへすます成りにけるかな

ふるさとの−いたゐのしみつ−みくさゐて−つきさへすます−なりにけるかな

異同資料句番号:01010

01012
番号外作者 藤原家基 (999)

さもこそはかけととむへき世ならねとあとなき水にやとる月かな

さもこそは−かけととむへき−よならねと−あとなきみつに−やとるつきかな

異同資料句番号:01011

01013
番号外作者 藤原親盛 (999)

なにとなくなかむるそてのかわかぬは月のかつらの露やおくらん

なにとなく−なかむるそての−かわかぬは−つきのかつらの−つゆやおくらむ

異同資料句番号:01012

01014
番号外作者 大江公景 (999)

ましはふくやとのあられに夢さめてあり明かたの月をみるかな

ましはふく−やとのあられに−ゆめさめて−ありあけかたの−つきをみるかな

異同資料句番号:01013

01015
番号外作者 静蓮法師 (999)

あし曳の山のはちかくすむとてもまたてやはみるあり明の月

あしひきの−やまのはちかく−すむとても−またてやはみる−ありあけのつき

異同資料句番号:01014

01016
番号外作者 紀康宗 (999)

もろともに秋をやしのふ霜かれのをきのうははをてらす月かけ

もろともに−あきをやしのふ−しもかれの−をきのうははを−てらすつきかけ

異同資料句番号:01015

01017
番号外作者 法眼長真 (999)

ますけおふる山した水にやとる夜は月さへ草のいほりをそさす

ますけおふる−やましたみつに−やとるよは−つきさへくさの−いほりをそさす

異同資料句番号:01016

01018
為忠 藤原為忠朝臣 (541)

ふかきよの露ふきむすふこからしにそらさえのほる山のはの月

ふかきよの−つゆふきむすふ−こからしに−そらさえのほる−やまのはのつき

異同資料句番号:01017

01019
番号外作者 覚延法師 (999)

山かせにまやのあしふきあれにけり枕にやとる夜はの月影

やまかせに−まやのあしふき−あれにけり−まくらにやとる−よはのつきかけ

異同資料句番号:01018

01020
慈円 法印慈円 (095)

やまふかみたれ又かかるすまひしてま木のはわくる月をみるらん

やまふかみ−たれまたかかる−すまひして−まきのはわくる−つきをみるらむ

異同資料句番号:01019

01021
慈円 法印慈円 (095)

月影のいりぬるあとにおもふかなまよはむやみのゆくすゑの空

つきかけの−いりぬるあとに−おもふかな−まよはむやみの−ゆくすゑのそら

異同資料句番号:01020

01022
俊恵 俊恵法師 (085)

此世にて六そちはなれぬ秋の月しての山ちもおもかはりすな

このよにて−むそちはなれぬ−あきのつき−してのやまちも−おもかはりすな

異同資料句番号:01021

01023
西行 円位法師 (086)

こむよには心のうちにあらはさんあかてやみぬる月のひかりを

こむよには−こころのうちに−あらはさむ−あかてやみぬる−つきのひかりを

異同資料句番号:01022

01024
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

いかなれはしつみなからにとしをへてよよの雲ゐの月をみつらん

いかなれは−しつみなからに−としをへて−よよのくもゐの−つきをみつらむ

異同資料句番号:01023

01025
基俊 藤原基優 (075)

からくににしつみし人もわかことくみよまてあはぬなけきをそせし

からくにに−しつみしひとも−わかことく−みよまてあはぬ−なけきをそせし

異同資料句番号:01024

01026
基俊 藤原基優 (075)

契りおきしさせもか露をいのちにてあはれことしの秋もいぬめり

ちきりおきし−させもかつゆを−いのちにて−あはれことしの−あきもいぬめり

異同資料句番号:01025

01027
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

よのなかのありしにもあらすなりゆけは涙さへこそ色かはりけれ

よのなかの−ありしにもあらす−なりゆけは−なみたさへこそ−いろかはりけれ

異同資料句番号:01026

01028
番号外作者 覚審法師 (999)

すききにし四そちの春のゆめのよはうきよりほかのおもひいてそなき

すききにし−よそちのはるの−ゆめのよは−うきよりほかの−おもひいてそなき

異同資料句番号:01027

01029
番号外作者 経因法師 (999)

はかなしなうき身なからもすきぬへき此世をさヘもしのひかぬらん

はかなしな−うきみなからも−すきぬへき−このよをさへも−しのひかぬらむ

異同資料句番号:01028

01030
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

ゆくすゑをおもへはかなしつの国のなからのはしも名はのこりけり

ゆくすゑを−おもへはかなし−つのくにの−なからのはしも−なはのこりけり

異同資料句番号:01029

01031
道命 道命法師 (158)

なにこともかはりゆくめる世の中にむかしなからのはしはしらかな

なにことも−かはりゆくめる−よのなかに−むかしなからの−はしはしらかな

異同資料句番号:01030

01032
道因 道因法師 (082)

けふみれはなからのはしはあともなしむかしありきとききわたれとも

けふみれは−なからのはしは−あともなし−むかしありきと−ききわたれとも

異同資料句番号:01031

01033
番号外作者 津守景基 (999)

人こころあらすなれともすみよしの松のけしきはかはらさりけり

ひとこころ−あらすなれとも−すみよしの−まつのけしきは−かはらさりけり

異同資料句番号:01032

01034
番号外作者 中納言経忠 (999)

しら雲にまかひやせましよしの山おちくるたきのおとせさりせは

しらくもに−まかひやせまし−よしのやま−おちくるたきの−おとせさりせは

異同資料句番号:01033

01035
公任 前大納言公任 (055)

たきのおとはたえてひさしく成りぬれとなこそなかれて猶きこえけれ

たきのおとは−たえてひさしく−なりぬれと−なこそなかれて−なほきこえけれ

異同資料句番号:01034

01036
長能 藤原長能 (176)

ぬけはちるぬかねはみたるあし引の山よりおつるたきのしら玉

ぬけはちる−ぬかねはみたる−あしひきの−やまよりおつる−たきのしらたま

異同資料句番号:01035

01037
番号外作者 六条右大臣 (999)

水の色のたたしら雲とみゆるかなたれさらしけんぬのひきのたき

みつのいろの−たたしらくもと−みゆるかな−たれさらしけむ−ぬのひきのたき

異同資料句番号:01036

01038
能因 能因法師 (069)

あしたつにのりてかよへるやとなれはあとたに人はみえぬなりけり

あしたつに−のりてかよへる−やとなれは−あとたにひとは−みえぬなりけり

異同資料句番号:01037

01039
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

山人のむかしのあとをきてみれはむなしきゆかをはらふ谷かせ

やまひとの−むかしのあとを−きてみれは−むなしきゆかを−はらふたにかせ

異同資料句番号:01038

01040
番号外作者 藤原良清 (999)

おとにのみききしはことのかすならて名よりもたかきぬのひきの滝

おとにのみ−ききしはことの−かすならて−なよりもたかき−ぬのひきのたき

異同資料句番号:01039

01041
番号外作者 藤原顕方 (999)

たえすたつむろのやしまの煙かないかにつきせぬおもひなるらん

たえすたつ−むろのやしまの−けふりかな−いかにつきせぬ−おもひなるらむ

異同資料句番号:01040

01042
師頼 大納言師頼 (204)

かつらきやわたしもはてぬものゆゑにくめのいははしこけおひにけり

かつらきや−わたしもはてぬ−ものゆゑに−くめのいははし−こけおひにけり

異同資料句番号:01041

01043
番号外作者 権中納言俊忠 (999)

いはおろすかたこそなけれいせの海のしほせにかかるあまのつり舟

いはおろす−かたこそなけれ−いせのうみの−しほせにかかる−あまのつりふね

異同資料句番号:01042

01044
顕季 修埋大夫顕季 (205)

玉もかるいらこかさきのいはねまついく代まてにかとしのへぬらん

たまもかる−いらこかさきの−いはねまつ−いくよまてにか−としのへぬらむ

異同資料句番号:01043

01045
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

しほみては野しまかさきのさゆりはに浪こすかせのふかぬ日そなき

しほみては−のしまかさきの−さゆりはに−なみこすかせの−ふかぬひそなき

異同資料句番号:01044

01046
番号外作者 権大納言実家 (999)

けふこそはみやこのかたの山のはもみえすなるをのおきに出てぬれ

けふこそは−みやこのかたの−やまのはも−みえすなるをの−おきにいてぬれ

異同資料句番号:01045

01047
番号外作者 権中納言実宗 (999)

はりまかたすまのはれまにみわたせは浪は雲ゐのものにそありける

はりまかた−すまのはれまに−みわたせは−なみはくもゐの−ものにそありける

異同資料句番号:01046

01048
番号外作者 右衛門督頼実 (999)

はるはるとおまへのおきをみわたせはくもゐにまかふあまのつり舟

はるはると−おまへのおきを−みわたせは−くもゐにまかふ−あまのつりふね

異同資料句番号:01047

01049
番号外作者 円玄法師 (999)

なにはかたしほちはるかにみわたせは霞にうかふおきのつり舟

なにはかた−しほちはるかに−みわたせは−かすみにうかふ−おきのつりふね

異同資料句番号:01048

01050
番号外作者 藤原重綱 (999)

春かすみゑしまかさきをこめつれは浪のかくともみえぬけさかな

はるかすみ−ゑしまかさきを−こめつれは−なみのかくとも−みえぬけさかな

異同資料句番号:01049

01051
番号外作者 祝部宿禰成仲 (999)

ゆくとしは浪とともにやかへるらんおもかはりせぬわかの浦かな

ゆくとしは−なみとともにや−かへるらむ−おもかはりせぬ−わかのうらかな

異同資料句番号:01050


千載集 巻十七:雑中

01052
番号外作者 鳥羽院御製 (999)

心あらはにほひをそへよさくら花のちの春をはいつかみるへき

こころあらは−にほひをそへよ−さくらはな−のちのはるをは−いつかみるへき

異同資料句番号:01051

01053
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

はかなさをうらみもはてしさくら花うき世はたれも心ならねは

はかなさを−うらみもはてし−さくらはな−うきよはたれも−こころならねは

異同資料句番号:01052

01054
番号外作者 僧正尋範 (999)

やともやとはなもむかしににほへともぬしなき色はさひしかりけり

やともやと−はなもむかしに−にほへとも−ぬしなきいろは−さひしかりけり

異同資料句番号:01053

01055
番号外作者 前中納言基長 (999)

いにしへにかはらさりけり山さくら花は我をはいかかみるらん

いにしへに−かはらさりけり−やまさくら−はなはわれをは−いかかみるらむ

異同資料句番号:01054

01056
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

雲のうへの春こそさらにわすられね花はかすにもおもひ出てしを

くものうへの−はるこそさらに−わすられね−はなはかすにも−おもひいてしを

異同資料句番号:01055

01057
番号外作者 東三条院 (999)

あまたたひゆきあふさかのせき水に今はかきりのかけそかなしき

あまたたひ−ゆきあふさかの−せきみつに−いまはかきりの−かけそかなしき

異同資料句番号:01056

01058
公任 前大納言公任 (055)

いまはとていりなん後そおもほゆる山ちをふかみとふ人もなし

いまはとて−いりなむのちそ−おもほゆる−やまちをふかみ−とふひともなし

異同資料句番号:01057

01059
公任 前大納言公任 (055)

うき世をはみねのかすみやへたつらんなほ山さとはすみよかりけり

うきよをは−みねのかすみや−へたつらむ−なほやまさとは−すみよかりけり

異同資料句番号:01058

01060
和泉式部 (056)

花さかぬたにのそこにもすまなくにふかくも物をおもふ春かな

はなさかぬ−たにのそこにも−すまなくに−ふかくもものを−おもふはるかな

異同資料句番号:01059

01061
道長 法成寺入道前太政大臣 (524)

たにのとをとちやはてつる鴬のまつにおとせて春のくれぬる

たにのとを−とちやはてつる−うくひすの−まつにおとせて−はるのくれぬる

異同資料句番号:01060

01062
道命 道命法師 (158)

かくてたになほあはれなるおく山に君こぬよよをおもひしらなん

かくてたに−なほあはれなる−おくやまに−きみこぬよよを−おもひしらなむ

異同資料句番号:01061

01063
番号外作者 大江公資 (999)

としことに涙の川にうかへともみはなけられぬ物にそありける

としことに−なみたのかはに−うかへとも−みはなけられぬ−ものにそありける

異同資料句番号:01062

01064
 源仲正 (543)

おもふことなくてや春をすくさましうき世へたつるかすみなりせは

おもふこと−なくてやはるを−すくさまし−うきよへたつる−かすみなりせは

異同資料句番号:01063

01065
西行 円位法師 (086)

ちるをみてかへる心やさくら花むかしにかはるしるしなるらん

ちるをみて−かへるこころや−さくらはな−むかしにかはる−しるしなるらむ

異同資料句番号:01064

01066
西行 円位法師 (086)

はなにそむ心のいかてのこりけんすてはててきとおもふわか身に

はなにそむ−こころのいかて−のこりけむ−すてはててきと−おもふわかみに

異同資料句番号:01065

01067
西行 円位法師 (086)

ほとけにはさくらの花をたてまつれわかのちのよを人とふらはは

ほとけには−さくらのはなを−たてまつれ−わかのちのよを−ひととふらはは

異同資料句番号:01066

01068
寂然 寂然法師 (565)

この春そおもひはかへすさくら花むなしき色にそめしこころを

このはるそ−おもひはかへす−さくらはな−むなしきいろに−そめしこころを

異同資料句番号:01067

01069
寂然 寂然法師 (565)

よのなかをつねなき物とおもはすはいかてか花のちるにたへまし

よのなかを−つねなきものと−おもはすは−いかてかはなの−ちるにたへまし

異同資料句番号:01068

01070
読人不知 (000)

かくはかりうき世のすゑにいかにしてはるはさくらのなほにほふらん

かくはかり−うきよのすゑに−いかにして−はるはさくらの−なほにほふらむ

異同資料句番号:01069

01071
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

ふりにけりむかしをしらはさくら花ちりのすゑをもあはれとはみよ

ふりにけり−むかしをしらは−さくらはな−ちりのすゑをも−あはれとはみよ

異同資料句番号:01070

01072
番号外作者 源定宗朝臣 (999)

山さくら花をあるしとおもはすは人をまつへきしはのいほかは

やまさくら−はなをあるしと−おもはすは−ひとをまつへき−しはのいほかは

異同資料句番号:01071

01073
定家 藤原定家 (097)

いつくにてかせをも世をもうらみましよしののおくも花はちるなり

いつくにて−かせをもよをも−うらみまし−よしののおくも−はなはちるなり

異同資料句番号:01072

01074
番号外作者 源季広 (999)

ふかくおもふことしかなははこむ世にも花みる身とやならんとすらん

ふかくおもふ−ことしかなはは−こむよにも−はなみるみとや−ならむとすらむ

異同資料句番号:01073

01075
番号外作者 源師教朝臣 (999)

老かよにやとにさくらをうつしうゑてなほこころみに花をまつかな

おいかよに−やとにさくらを−うつしうゑて−なほこころみに−はなをまつかな

異同資料句番号:01074

01076
番号外作者 権中納言実守 (999)

くらゐ山はなをまつこそひさしけれはるの宮こにとしはへしかと

くらゐやま−はなをまつこそ−ひさしけれ−はるのみやこに−としはへしかと

異同資料句番号:01075

01077
番号外作者 右兵衛督公行 (999)

かすか山まつにたのみをかくるかなふちのすゑはのかすならねとも

かすかやま−まつにたのみを−かくるかな−ふちのすゑはの−かすならねとも

異同資料句番号:01076

01078
番号外作者 前左衛門督公光 (999)

物おもふ心や身にもさきたちてうき世をいてんしるへなるへき

ものおもふ−こころやみにも−さきたちて−うきよをいてむ−しるへなるへき

異同資料句番号:01077

01079
俊恵 俊恵法師 (085)

かすならてとしへぬる身はいまさらに世をうしとたにおもはさりけり

かすならて−としへぬるみは−いまさらに−よをうしとたに−おもはさりけり

異同資料句番号:01078

01080
道因 道因法師 (082)

いつとても身のうきことはかはらねとむかしはおいをなけきやはせし

いつとても−みのうきことは−かはらねと−むかしはおいを−なけきやはせし

異同資料句番号:01079

01081
番号外作者 藤原家基(法名素覚) (999)

いにしへもそこにしつみし身なれともなほ恋しきはしら川のみつ

いにしへも−そこにしつみし−みなれとも−なほこひしきは−しらかはのみつ

異同資料句番号:01080

01082
番号外作者 藤原盛方朝臣 (999)

あはれてふ人もなき身をうしとてもわれさへいかかいとひはつへき

あはれてふ−ひともなきみを−うしとても−われさへいかか−いとひはつへき

異同資料句番号:01081

01083
番号外作者 中原師尚 (999)

かすならぬ身をうき雲のはれぬかなさすかに家のかせはふけとも

かすならぬ−みをうきくもの−はれぬかな−さすかにいへの−かせはふけとも

異同資料句番号:01082

01084
番号外作者 大江匡範 (999)

おもひやれとよにあまれるともし火のかかけかねたる心ほそさを

おもひやれ−とよにあまれる−ともしひの−かかけかねたる−こころほそさを

異同資料句番号:01083

01085
番号外作者 藤原公重朝臣 (999)

よのうさをおもひしのふと人もみよかくてふるやの軒のけしきを

よのうさを−おもひしのふと−ひともみよ−かくてふるやの−のきのけしきを

異同資料句番号:01084

01086
番号外作者 菅原是忠 (999)

ひく人もなくてすてたるあつさ弓心つよきもかひなかりけり

ひくひとも−なくてすてたる−あつさゆみ−こころつよきも−かひなかりけり

異同資料句番号:01085

01087
番号外作者 二条院参川内侍 (999)

いかてわれひまゆくこまを引きとめてむかしにかへる道をたつねん

いかてわれ−ひまゆくこまを−ひきとめて−むかしにかへる−みちをたつねむ

異同資料句番号:01086

01088
師光_源 源師光 (318)

今はたたいけらぬ物にみをなしてうまれぬのちの世にもふるかな

いまはたた−いけらぬものに−みをなして−うまれぬのちの−よにもふるかな

異同資料句番号:01087

01089
番号外作者 源俊重 (999)

いかにせむいせのはまをきみかくれておもはぬいその浪にくちなは

いかにせむ−いせのはまをき−みかくれて−おもはぬいその−なみにくちなは

異同資料句番号:01088

01090
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

ま木のとをみ山おろしにたたかれてとふにつけてもぬるる袖かな

まきのとを−みやまおろしに−たたかれて−とふにつけても−ぬるるそてかな

異同資料句番号:01089

01091
番号外作者 橘盛長 (999)

をやま国のいほにたくひのありなしにたつ煙もや雲となるらん

をやまたの−いほにたくひの−ありなしに−たつけふりもや−くもとなるらむ

異同資料句番号:01090

01092
京極関白家肥後 二条太皇大后宮肥後 (214)

山さとのしはをりをりにたつ煙人まれなりとそらにしるかな

やまさとの−しはをりをりに−たつけふり−ひとまれなりと−そらにしるかな

異同資料句番号:01091

01093
基俊 藤原基俊 (075)

秋はつるかれののむしのこゑたえはありやなしやを人のとへかし

あきはつる−かれののむしの−こゑたえは−ありやなしやを−ひとのとへかし

異同資料句番号:01092

01094
道信 藤原道信朝臣 (052)

この世にはすむへきほとやつきぬらんよのつねならす物のかなしき

このよには−すむへきほとや−つきぬらむ−よのつねならす−もののかなしき

異同資料句番号:01093

01095
和泉式部 (056)

いのちあらはいかさまにせんよをしらぬむしたに秋はなきにこそなけ

いのちあらは−いかさまにせむ−よをしらぬ−むしたにあきは−なきにこそなけ

異同資料句番号:01094

01096
紫式部 (057)

かすならて心に身をはまかせねと身にしたかふは心なりけり

かすならて−こころにみをは−まかせねと−みにしたかふは−こころなりけり

異同資料句番号:01095

01097
番号外作者 藤原兼房朝臣 (999)

あはれともたれかはわれをおもひいてむある世にたにもとふ人もなし

あはれとも−たれかはわれを−おもひいてむ−あるよにたにも−とふひともなし

異同資料句番号:01096

01098
定頼 中納言定頼 (064)

ふるさとのいたまのかせにねさめしてたにのあらしをおもひこそやれ

ふるさとの−いたまのかせに−ねさめして−たにのあらしを−おもひこそやれ

異同資料句番号:01097

01099
公任 前大納言公任 (055)

たにかせの身にしむことに古郷のこのもとをこそおもひやりつれ

たにかせの−みにしむことに−ふるさとの−このもとをこそ−おもひやりつれ

異同資料句番号:01098

01100
道長 法成寺入道前太政大臣 (524)

いにしへはおもひかけきやとりかはしかくきん物とのりの衣を

いにしへは−おもひかけきや−とりかはし−かくきむものと−のりのころもを

異同資料句番号:01099

01101
公任 入道大納言公任 (055)

おなしとし契しあれは君かきるのりの衣をたちおくれめや

おなしとし−ちきりしあれは−きみかきる−のりのころもを−たちおくれめや

異同資料句番号:01100

01102
番号外作者 弁乳母 (999)

むかしみし松のこすゑはそれなからむくらのかとをさしてけるかな

むかしみし−まつのこすゑは−それなから−むくらのかとを−さしてけるかな

異同資料句番号:01101

01103
番号外作者 輔仁のみこ (999)

山さとのかけひの水のこほれるはおときくよりもさひしかりけり

やまさとの−かけひのみつの−こほれるは−おときくよりも−さひしかりけり

異同資料句番号:01102

01104
番号外作者 聡子内親王 (999)

やまさとのさひしきやとのすみかにもかけひの水のとくるをそまつ

やまさとの−さひしきやとの−すみかにも−かけひのみつの−とくるをそまつ

異同資料句番号:01103

01105
番号外作者 太皇大后宮 (999)

このもとにかきあつめたることのはをわかれし秋のかたみとそみる

このもとに−かきあつめたる−ことのはを−わかれしあきの−かたみとそみる

異同資料句番号:01104

01106
番号外作者 大納言実家 (999)

このもとはかくことのはをみるたひにたのみしかけのなきそかなしき

このもとは−かくことのはを−みるたひに−たのみしかけの−なきそかなしき

異同資料句番号:01105

01107
守覚法親王 仁和寺法親王(守覚) (304)

あとたえてよをのかるへき道なれやいはさへこけの衣きてけり

あとたえて−よをのかるへき−みちなれや−いはさへこけの−ころもきてけり

異同資料句番号:01106

01108
守覚法親王 仁和寺法親王(守覚) (304)

思ひいてのあらは心もとまりなんいとひやすきはうき世なりけり

おもひいての−あらはこころも−とまりなむ−いとひやすきは−うきよなりけり

異同資料句番号:01107

01109
番号外作者 前大僧正覚忠 (999)

やとりするいはやのとこのこけむしろいくよになりぬねこそいられね

やとりする−いはやのとこの−こけむしろ−いくよになりぬ−ねこそいられね

異同資料句番号:01108

01110
番号外作者 大納言宗家 (999)

身のほとをしらすと人やおもふらんかくうきなからとしをへぬれは

みのほとを−しらすとひとや−おもふらむ−かくうきなから−としをへぬれは

異同資料句番号:01109

01111
忠良 右近中将忠良 (308)

そむかはやまことの道はしらすともうき世をいとふしるしはかりに

そむかはや−まことのみちは−しらすとも−うきよをいとふ−しるしはかりに

異同資料句番号:01110

01112
番号外作者 二条太皇太后宮別当 (999)

そま川におろすいかたのうきなからすきゆく物は我か身なりけり

そまかはに−おろすいかたの−うきなから−すきゆくものは−わかみなりけり

異同資料句番号:01111

01113
定家 藤原定家 (097)

おのつからあれはあるよになからへてをしむと人にみえぬへきかな

おのつから−あれはあるよに−なからへて−をしむとひとに−みえぬへきかな

異同資料句番号:01112

01114
宜秋門院丹後 摂政家丹後 (322)

うしとてもいとひもはてぬよのなかを中中なににおもひしりけん

うしとても−いとひもはてぬ−よのなかを−なかなかなにに−おもひしりけむ

異同資料句番号:01113

01115
番号外作者 法印倫円 (999)

のほるへき道にそまとふくらゐ山これよりおくのしるへなけれは

のほるへき−みちにそまとふ−くらゐやま−これよりおくの−しるへなけれは

異同資料句番号:01114

01116
長方 中納言長方 (566)

もろ人の花さくはるをよそにみてなほしくるるはしひしはのそて

もろひとの−はなさくはるを−よそにみて−なほしくるるは−しひしはのそて

異同資料句番号:01115

01117
番号外作者 藤原顕方 (999)

うきせにもうれしきせにもさきにたつ涙はおなし涙なりけり

うきせにも−うれしきせにも−さきにたつ−なみたはおなし−なみたなりけり

異同資料句番号:01116

01118
番号外作者 前左兵衛督惟方 (999)

このせにもしつむときくは涙川なかれしよりもなほまさりけり

このせにも−しつむときけは−なみたかは−なかれしよりも−なほまさりけり

異同資料句番号:01117

01119
番号外作者 空人法師 (999)

かくはかりうき身なれともすてはてむとおもふになれはかなしかりけり

かくはかり−うきみなれとも−すてはてむと−おもふになれは−かなしかりけり

異同資料句番号:01118

01120
番号外作者 平康頼 (999)

おもひきやしかのうら浪たちかへり又あふ身ともならむものとは

おもひきや−しかのうらなみ−たちかへり−またあふみとも−ならむものとは

異同資料句番号:01119

01121
登蓮 登蓮法師 (551)

かくはかりうきよのなかをしのひてもまつへきことのすゑにあるかは

かくはかり−うきよのなかを−しのひても−まつへきことの−すゑにあるかは

異同資料句番号:01120

01122
番号外作者 覚禅法師 (999)

おもひかねあくかれいててゆくみちはあゆく草はに露そこほるる

おもひかね−あくかれいてて−ゆくみちは−あゆくくさはに−つゆそこほるる

異同資料句番号:01121

01123
永縁 権僧正永縁 (212)

夢とのみこの世のことのみゆるかなさむへきほとはいつとなけれと

ゆめとのみ−このよのことの−みゆるかな−さむへきほとは−いつとなけれと

異同資料句番号:01122

01124
良暹 良暹法師 (070)

この世をは雲のはやしにかとてして煙とならん夕をそまつ

このよをは−くものはやしに−かとてして−けふりとならむ−ゆふへをそまつ

異同資料句番号:01123

01125
読人不知 よみ人しらす (000)

うきことのまとろむほとはわすられてさむれは夢の心ちこそすれ

うきことの−まとろむほとは−わすられて−さむれはゆめの−ここちこそすれ

異同資料句番号:01124

01126
紫式部 (057)

いつくとも身をやるかたのしられねはうしとみつつもなからふるかな

いつくとも−みをやるかたの−しられねは−うしとみつつも−なからふるかな

異同資料句番号:01125

01127
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

うき夢はなこりまてこそかなしけれ此世ののちもなほやなけかん

うきゆめは−なこりまてこそ−かなしけれ−このよののちも−なほやなけかむ

異同資料句番号:01126

01128
季通 藤原季通朝臣 (255)

うつつをもうつつといかかさたむへき夢にも夢をみすはこそあらめ

うつつをも−うつつといかか−さたむへき−ゆめにもゆめを−みすはこそあらめ

異同資料句番号:01127

01129
季通 藤原季通朝臣 (255)

いとひてもなほしのはるるわか身かな二たひくへき此世ならねは

いとひても−なほしのはるる−わかみかな−ふたたひくへき−このよならねは

異同資料句番号:01128

01130
上西門院兵衛 (262)

これや夢いつれかうつつはかなさをおもひわかてもすきぬへきかな

これやゆめ−いつれかうつつ−はかなさを−おもひわかても−すきぬへきかな

異同資料句番号:01129

01131
花園左大臣家小大進 花薗左大臣家小大進 (264)

あすしらぬみむろのきしのねなし草なにあたし世におひはしめけん

あすしらぬ−みむろのきしの−ねなしくさ−なにあたしよに−おひはしめけむ

異同資料句番号:01130

01132
番号外作者 前大納言成通 (999)

をしからぬ命そさらにをしまるる君かみやこにかへりくるまて

をしからぬ−いのちそさらに−をしまるる−きみかみやこに−かへりくるまて

異同資料句番号:01131

01133
番号外作者 前大僧正覚忠 (999)

うき世をはすてて入りにし山なれときみかとふにやいてんとすらん

うきよをは−すてていりにし−やまなれと−きみかとふにや−いてむとすらむ

異同資料句番号:01132

01134
守覚法親王 仁和寺法親王(守覚) (304)

いはそそく水よりほかにおとせねは心ひとつをすましてそきく

いはそそく−みつよりほかに−おとせねは−こころひとつに−すましてそきく

異同資料句番号:01133

01135
番号外作者 権大納言実国 (999)

たれもみな露の身そかしとおもふにも心とまりし草のいほかな

たれもみな−つゆのみそかしと−おもふにも−こころとまりし−くさのいほかな

異同資料句番号:01134

01136
公衡 藤原公衡朝臣 (563)

なほさりにかへるたもとはかはらねと心はかりそすみそめのそて

なほさりに−かへるたもとは−かはらねと−こころはかりそ−すみそめのそて

異同資料句番号:01135

01137
慈円 法印慈円 (095)

おほけなくうき世のたみにおほふかなわかたつそまにすみそめのそて

おほけなく−うきよのたみに−おほふかな−わかたつそまに−すみそめのそて

異同資料句番号:01136

01138
寂蓮 寂蓮法師 (087)

さひしさをうきよにかへてしのはすはひとりきくへき松のかせかは

さひしさを−うきよにかへて−しのはすは−ひとりきくへき−まつのかせかは

異同資料句番号:01137

01139
殷富門院大輔 (090)

つくつくとおもへはかなしあかつきのねさめも夢をみるにそ有りける

つくつくと−おもへはかなし−あかつきの−ねさめもゆめを−みるにそありける

異同資料句番号:01138

01140
番号外作者 西住法師 (999)

まとろみてさてもやみなはいかかせんねさめそあらぬ命なりける

まとろみて−さてもやみなは−いかかせむ−ねさめそあらぬ−いのちなりける

異同資料句番号:01139

01141
番号外作者 六条院宣旨 (999)

さきたつをみるはなほこそかなしけれおくれはつへきこのよならねと

さきたつを−みるはなほこそ−かなしけれ−おくれはつへき−このよならねと

異同資料句番号:01140

01142
番号外作者 二条太皇大后宮式部 (999)

いまはとてかきなすことのはてのをに心ほそくもなりまさるかな

いまはとて−かきなすことの−はてのをの−こころほそくも−なりまさるかな

異同資料句番号:01141

01143
番号外作者 空人法師 (999)

おほゐ川となせのたきに身をなけてはやくと人にいはせてしかな

おほゐかは−となせのたきに−みをなけて−はやくとひとに−いはせてしかな

異同資料句番号:01142

01144
番号外作者 大江公景 (999)

とりへ山きみたつぬともくちはててこけのしたにはこたへさらまし

とりへやま−きみたつぬとも−くちはてて−こけのしたには−こたへさらまし

異同資料句番号:01143

01145
番号外作者 法眼兼覚 (999)

わけわひていとひし庭のよもきふもかれぬとおもふはあはれなりけり

わけわひて−いとひしにはの−よもきふも−かれぬとおもふは−あはれなりけり

異同資料句番号:01144

01146
寂蓮 寂蓮法師 (087)

世のなかのうきはいまこそうれしけれおもひしらすはいとはましやは

よのなかの−うきはいまこそ−うれしけれ−おもひしらすは−いとはましやは

異同資料句番号:01145

01147
番号外作者 覚俊上人 (999)

よをそむき草のいほりにすみ染のころもの色はかへるものかは

よをそむき−くさのいほりに−すみそめの−ころものいろは−かへるものかは

異同資料句番号:01146

01148
番号外作者 源通清 (999)

おもひやれならはぬ山にすみ染の袖につゆおく秋のけしきを

おもひやれ−ならはぬやまに−すみそめの−そてにつゆおく−あきのけしきを

異同資料句番号:01147

01149
西行 円位法師 (086)

あかつきのあらしにたくふかねのおとを心のそこにこたへてそきく

あかつきの−あらしにたくふ−かねのおとを−こころのそこに−こたへてそきく

異同資料句番号:01148

01150
西行 円位法師 (086)

いつくにか身をかくさましいとひいててうきよにふかき山なかりせは

いつくにか−みをかくさまし−いとひいてて−うきよにふかき−やまなかりせは

異同資料句番号:01149

01151
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

世のなかよみちこそなけれおもひいる山のおくにもしかそなくなる

よのなかよ−みちこそなけれ−おもひいる−やまのおくにも−しかそなくなる

異同資料句番号:01150

01152
番号外作者 藤原良清 (999)

おもふことあり明かたのしかのねはなほ山ふかく家ゐせよとや

おもふこと−ありあけかたの−しかのねは−なほやまふかく−いへゐせよとや

異同資料句番号:01151

01153
番号外作者 藤原宗隆 (999)

みる夢のすきにしかたをさそひきてさむる枕もむかしなりせは

みるゆめの−すきにしかたを−さそひきて−さむるまくらも−むかしなりせは

異同資料句番号:01152

01154
有家 藤原有家朝臣 (561)

はつせ山いりあひのかねをきくたひに昔のとほくなるそかなしき

はつせやま−いりあひのかねを−きくたひに−むかしのとほく−なるそかなしき

異同資料句番号:01153

01155
通親 権中納言通親 (306)

ちりつもるこけのしたにもさくら花をしむ心やなほのこるらん

ちりつもる−こけのしたにも−さくらはな−をしむこころや−なほのこるらむ

異同資料句番号:01154

01156
番号外作者 入道前中納言雅兼 (999)

うれしさをかへすかへすもつつむへきこけのたもとのせはくも有るかな

うれしさを−かへすかへすも−つつむへき−こけのたもとの−せはくもあるかな

異同資料句番号:01155

01157
季経 藤原季経朝臣 (310)

うれしさをよその袖まてつつむかなたちかへりぬるあまのはころも

うれしさを−よそのそてまて−つつむかな−たちかへりぬる−あまのはころも

異同資料句番号:01156

01158
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

あしたつの雲ちまよひしとしくれて霞をさへやへたてはつへき

あしたつの−くもちまよひし−としくれて−かすみをさへや−へたてはつへき

異同資料句番号:01157

01159
番号外作者 藤原定長朝臣 (999)

あしたつはかすみをわけてかへるなりまよひし雲ちけふやはるらん

あしたつは−かすみをわけて−かへるなり−まよひしくもち−けふやはるらむ

異同資料句番号:01158


千載集 巻十八:雑下

01160
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

もかみ川 せせのいはかと わきかへり おもふこころは おほかれと 行かたもなく せかれつつ そこのみくつと なることは もにすむ虫の われからと おもひしらすは なけれとも いはてはえこそ なきさなる かたわれ舟の うつもれて ひく人もなき なけきすと 浪のたちゐに あふけとも むなしき空は みとりにて いふこともなき かなしさに ねをのみなけは からころも おさふる袖も くちはてぬ なにことにかは あはれとも おもはん人に あふみなる うちいてのはまの うちいてつつ いふともたれか ささかにの いかさまにても かきつかん ことをはのきに ふくかせの はけしきころと しりなから うはの空にも をしふへき あつさのそまに みや木ひき みかきかはらに せりつみし むかしをよそに ききしかと わか身のうへに なりはてぬ さすかに御代の はしめより 雲のうへには かよへとも なにはのことも 久かたの 月のかつらし をられねは うけらか花の さきなから ひらけぬことの いふせさに よもの山へに あくかれて このもかのもに たちましり うつふしそめの あさころも 花のたもとに ぬきかへて 後のよをたにと おもへとも おもふ人人 ほたしにて ゆくへきかたも まとはれぬ かかるうき身の つれもなく へにける年を かそふれは いつつのとをに なりにけり いま行すゑは いなつまの ひかりのまにも さためなし たとへはひとり なからへて すきにしはかり すくすとも 夢にゆめみる 心ちして ひまゆく駒に ことならし さらにもいはし ふゆかれの をはなかすゑの 露なれは あらしをたにも またすして もとのしつくと なりはてん ほとをはいつと しりてかは くれにとたにも しつむへき かくのみつねに あらそひて なほふるさとに すみのえの しほにたたよふ うつせかひ うつし心も うせはてて あるにもあらぬ よのなかに 又なにことを みくまのの うらのはまゆふ かさねつつ うきにたヘたる ためしには なるをの松の つれつれと いたつらことを かきつめて あはれしれらん 行すゑの 人のためには おのつから しのはれぬへき 身なれとも はかなきことも 雲とりの あやにかなはぬ くせなれは これもさこそは みなしくり くち葉かしたに うつもれめ それにつけても つのくにの いく田のもりの いくたひか あまのたくなは くり返し 心にそはぬ 身をうらむらん

もかみかは−せせのいはかと−わきかへり−おもふこころは−おほかれと−ゆくかたもなく−せかれつつ−そこのみくつと−なることは−もにすむむしの−われからと−おもひしらすは−なけれとも−いはてはえこそ−なきさなる−かたわれふねの−うつもれて−ひくひともなき−なけきすと−なみのたちゐに−あふけとも−むなしきそらは−みとりにて−いふこともなき−かなしさに−ねをのみなけは−からころも−おさふるそても−くちはてぬ−なにことにかは−あはれとも−おもはむひとに−あふみなる−うちいてのはまの−うちいてつつ−いふともたれか−ささかにの−いかさまにても−かきつかむ−ことをはのきに−ふくかせの−はけしきころと−しりなから−うはのそらにも−をしふへき−あつさのそまに−みやきひき−みかきかはらに−せりつみし−むかしをよそに−ききしかと−わかみのうへに−なりはてぬ−さかすにみよの−はしめより−くものうへには−かよへとも−なにはのことも−ひさかたの−つきのかつらし−をられねは−うけらかはなの−さきなから−ひらけぬことの−いふせさに−よものやまへに−あくかれて−このもかのもに−たちましり−うつふしそめの−あさころも−はなのたもとに−ぬきかへて−のちのよをたにと−おもへとも−おもふひとひと−ほたしにて−ゆくへきかたも−まとはれぬ−かかるうきみの−つれもなく−へにけるとしを−かそふれは−いつつのとをに−なりにけり−いまゆくすゑは−いなつまの−ひかりのまにも−さためなし−たとへはひとり−なからへて−すきにしはかり−すくすとも−ゆめにゆめみる−ここちして−ひまゆくこまに−ことならし−さらにもいはし−ふゆかれの−をはなかすゑの−つゆなれは−あらしをたにも−またすして−もとのしつくと−なりはてむ−ほとをはいつと−しりてかは−くれにとたにも−しつむへき−かくのみつねに−あらそひて−なほふるさとに−すみのえの−しほにたたよふ−うつせかひ−うつしこころも−うせはてて−あるにもあらぬ−よのなかに−またなにことを−みくまのの−うらのはまゆふ−かさねつつ−うきにたへたる−ためしには−なるをのまつの−つれつれと−いたつらことを−かきつめて−あはれしれらむ−ゆくすゑの−ひとのためには−おのつから−しのはれぬへき−みなれとも−はかなきことも−くもとりの−あやにかなはぬ−くせなれは−これもさこそは−みなしくり−くちはかしたに−うつもれめ−それにつけても−つのくにの−いくたのもりの−いくたひか−あまのたくなは−くりかへし−こころにそはぬ−みをうらむらむ

異同資料句番号:01159

01161
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

よのなかはうき身にそへるかけなれやおもひすつれとはなれさりけり

よのなかは−うきみにそへる−かけなれや−おもひすつれと−はなれさりけり

異同資料句番号:01160

01162
崇徳院 崇徳院御製 (077)

しきしまや 大和のうたの つたはりを きけははるかに 久かたの あまつ神世に はしまりて みそもしあまり ひともしは いつもの宮の や雲より おこりけるとそ しるすなる それより後は もも草の ことのはしけく ちりちりに 風につけつつ きこゆれと ちかきためしに ほりかはの なかれをくみて ささ浪の よりくる人に あつらへて つたなきことは はまちとり あとをすゑまて ととめしと おもひなからも つのくにの なにはのうらの なにとなく ふねのさすかに 此ことを しのひならひし なこりにて よの人ききは はつかしの もりもやせんと おもへとも こころにもあらす かきつらねつる

しきしまや−やまとのうたの−つたはりを−きけははるかに−ひさかたの−あまつかみよに−はしまりて−みそもしあまり−ひともしは−いつものみやの−やくもより−おこりけるとそ−しるすなる−それよりのちは−ももくさの−ことのはしけく−ちりちりに−かせにつけつつ−きこゆれと−ちかきためしに−ほりかはの−なかれをくみて−ささなみの−よりくるひとに−あつらへて−つたなきことは−はまちとり−あとをすゑまて−ととめしと−おもひなからも−つのくにの−なにはのうらの−なにとなく−ふねのさすかに−このことを−しのひならひし−なこりにて−よのひとききは−はつかしの−もりもやせむと−おもへとも−こころにもあらす−かきつらねつる

異同資料句番号:01161

01163
待賢門院堀河 (080)

ときしらぬ 谷のむもれ木 くちはてて むかしの春の 恋しさに なにのあやめも わかすのみ かはらぬ月の かけみても しくれにぬるる 袖のうらに しほたれまさる あまころも あはれをかけて とふ人も なみにたたよふ つり舟の こきはなれにし 世なれとも 君に心を かけしより しけきうれへも わすれくさ わすれかほにて すみのえの 松のちとせの はるはると こすゑはるかに さかゆへき ときはのかけを たのむにも なくさのはまの なくさみて ふるのやしろの そのかみに 色ふかからて わすれにし もみちのしたは のこるやと おいその杜に たつぬれと いまはあらしに たくひつつ しもかれかれに おとろへて かきあつめたる 水くきに あさき心の かくれなく なかれての名を をし鳥の うきためしにや ならんとすらん

ときしらぬ−たにのうもれき−くちはてて−むかしのはるの−こひしさに−なにのあやめも−わかすのみ−かはらぬつきの−かけみても−しくれにぬるる−そてのうらに−しほたれまさる−あまころも−あはれをかけて−とふひとも−なみにたたよふ−つりふねの−こきはなれにし−よなれとも−きみにこころを−かけしより−しけきうれへも−わすれくさ−わすれかほにて−すみのえの−まつのちとせの−はるはると−こすゑはるかに−さかゆへき−ときはのかけを−たのむにも−なくさのはまの−なくさみて−ふるのやしろの−そのかみに−いろふかからて−わすれにし−もみちのしたは−のこるやと−おいそのもりに−たつぬれと−いまはあらしに−たくひつつ−しもかれかれに−おとろへて−かきあつめたる−みつくきに−あさきこころの−かくれなく−なかれてのなを−をしとりの−うきためしにや−ならむとすらむ

異同資料句番号:01162

01164
 源仲正 (543)

あつまちのやへの霞をわけきてもきみにあはねはなほへたてたる心ちこそすれ

あつまちの−やへのかすみを−わけきても−きみにあはねは−なほへたてたる−ここちこそすれ

異同資料句番号:01163

01165
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

かきたえしままのつきはしふみみれはへたてたるかすみもはれてむかへるかこと

かきたえし−ままのつきはし−ふみみれは−へたてたる−かすみもはれて−むかへるかこと

異同資料句番号:01164

01166
顕輔 左京大夫顕輔 (079)

あつまちののしまかさきのはまかせに我かひもゆひしいもかかほのみおもかけにみゆ

あつまちの−のしまかさきの−はまかせに−わかひもゆひし−いもかかほのみ−おもかけにみゆ

異同資料句番号:01165

01167
番号外作者 源雅重朝臣 (999)

こまなめていさみにゆかんたつた川しら浪よするきしのあたりを

こまなへて−いさみにゆかむ−たつたかは−しらなみよする−きしのあたりを

異同資料句番号:01166

01168
番号外作者 仁上法師 (999)

なにとなく物そかなしきあきかせのみにしむよはのたひのねさめは

なにとなく−ものそかなしき−あきかせの−みにしむよはの−たひのねさめは

異同資料句番号:01167

01169
和泉式部 いつみしきふ (056)

夜のほとにかりそめ人やきたりけんよとのみこものけさみたれたる

よのほとに−かりそめひとや−きたりけむ−よとのみこもの−けさみたれたる

異同資料句番号:01168

01170
定頼 中納言定頼 (064)

あとたえてとふへき人もおもほえすたれかはけさの雪をわけこん

あとたえて−とふへきひとも−おもほえす−たれかはけさの−ゆきをわけこむ

異同資料句番号:01169

01171
大弐三位 (058)

さかきははもみちもせしを神かきのからくれなゐにみえわたるかな

さかきはは−もみちもせしを−かみかきの−からくれなゐに−みえわたるかな

異同資料句番号:01170

01172
京極関白家肥後 二条太皇大后宮肥後 (214)

いけもふりつつみくつれて水もなしむへかつまたに鳥のゐさらん

いけもふり−つつみくつれて−みつもなし−うへかつまたに−とりもゐさらむ

異同資料句番号:01171

01173
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

わかこまをしはしとかるかやましろのこはたのさとにありとこたへよ

わかこまを−しはしとかるか−やましろの−こはたのさとに−ありとこたへよ

異同資料句番号:01172

01174
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

みくら山ま木のやたててすむたみはとしをつむともくちしとそ思ふ

みくらやま−まきのやたてて−すむたみは−としをつむとも−くちしとそおもふ

異同資料句番号:01173

01175
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

よとともに心をかけてたのめともわれからかみのかたきしるしか

よとともに−こころをかけて−たのめとも−われからかみの−かたきしるしか

異同資料句番号:01174

01176
番号外作者 刑部卿頼輔母 (999)

秋ののにたれをさそはむ行きかへりひとりははきをみるかひもなし

あきののに−たれをさそはむ−ゆきかへり−ひとりははきを−みるかひもなし

異同資料句番号:01175

01177
待賢門院堀河 待賢門院堀川 (080)

あきは霧きりすきぬれは雪ふりてはるるまもなきみ山へのさと

あきはきり−きりすきぬれは−ゆきふりて−はるるまもなき−みやまへのさと

異同資料句番号:01176

01178
番号外作者 僧都有慶 (999)

いなり山しるしのすきの年ふりてみつのみやしろ神さひにけり

いなりやま−しるしのすきの−としふりて−みつのみやしろ−かみさひにけり

異同資料句番号:01177

01179
登蓮 登蓮法師 (551)

名にしおははつねはゆるきのもりにしもいかてかさきのいはやすくぬる

なにしおはは−つねはゆるきの−もりにしも−いかてかさきの−いはやすくぬる

異同資料句番号:01178

01180
道命 道命法師 (158)

あやしくも花のあたりにふせるかなをらはとかむる人やあるとて

あやしくも−はなのあたりに−ふせるかな−をらはとかめむ−ひとやあるとて

異同資料句番号:01179

01181
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

うの花よいてことことしかけしまの浪もさこそはいはをこえしか

うのはなよ−いてことことし−かけしまの−なみもさこそは−いはをこえしか

異同資料句番号:01180

01182
道因 道因法師 (082)

けふかくるたもとにねさせあやめ草うきはわか身にありとしらすや

けふかくる−たもとにねさせ−あやめくさ−うきはわかみに−ありとしらすや

異同資料句番号:01181

01183
番号外作者 橘俊綱朝臣 (999)

ともししてはこねの山にあけにけりふたよりみよりあふとせしまに

ともしして−はこねのやまに−あけにけり−ふたよりみより−あふとせしまに

異同資料句番号:01182

01184
番号外作者 江侍従 (999)

夏のうちははたかくれてもあらすしておりたちにけるむしのこゑかな

なつのうちは−はたかくれても−あらすして−おりたちにける−むしのこゑかな

異同資料句番号:01183

01185
番号外作者 輔仁のみこ (999)

あきくれは秋のけしきもみえけるは時ならぬ身となににいふらん

あきくれは−あきのけしきも−みえけるは−ときならぬみと−なににいふらむ

異同資料句番号:01184

01186
番号外作者 藤原為頼朝臣 (999)

あさ露を日たけてみれはあともなしはきのうらはに物やとはまし

あさつゆを−ひたけてみれは−あともなし−はきのうらはに−ものやとはまし

異同資料句番号:01185

01187
花園左大臣家小大進 花薗左大臣家小大進 (264)

つはなおひしをののしはふのあさ露をぬきちらしける玉かとそみる

つはなおひし−をののしはふの−あさつゆを−ぬきちらしける−たまかとそみる

異同資料句番号:01186

01188
番号外作者 僧都範玄 (999)

おちにきとかたらはかたれをみなへしこよひは花のかけにやとらん

おちにきと−かたらはかたれ−をみなへし−こよひははなの−かけにやとらむ

異同資料句番号:01187

01189
番号外作者 賀茂政平 (999)

くれの秋ことにさやけき月かけはとよにあまりてみよとなりけり

くれのあき−ことにさやけき−つきかけは−とよにあまりて−みよとなりけり

異同資料句番号:01188

01190
顕昭 顕昭法師 (564)

いたひさしさすやかややの時雨こそおとしおとせぬかたはわくなれ

いたひさし−さすやかややの−しくれこそ−おとしおとせぬ−かたはわくなれ

異同資料句番号:01189

01191
基俊 藤原基俊 (075)

ふえ竹のあなあさましのよの中やありしやふしのかきりなるらん

ふえたけの−あなあさましの−よのなかや−ありしやふしの−かきりなるらむ

異同資料句番号:01190

01192
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

したひくる恋のやつこのたひにても身のくせなれやゆふととろきは

したひくる−こひのやつこの−たひにても−みのくせなれや−ゆふととろきは

異同資料句番号:01191

01193
待賢門院堀河 (080)

あふことのなけきのつもるくるしさをおへかし人のこりはつるまて

あふことの−なけきのつもる−くるしさを−おへかしひとの−こりはつるまて

異同資料句番号:01192

01194
番号外作者 良喜法師 (999)

人のあしをつむにてしりぬわかかたへふみおこせよとおもふなるへし

ひとのあしを−つむにてしりぬ−わかかたへ−ふみおこせよと−おもふなるへし

異同資料句番号:01193

01195
番号外作者 空人法師 (999)

おそろしやきそのかけちのまろ木はしふみみるたひにおちぬへきかな

おそろしや−きそのかけちの−まろきはし−ふみみるたひに−おちぬへきかな

異同資料句番号:01194

01196
番号外作者 心覚法師 (999)

ふえ竹のこちくとなににおもひけんとなりにおとはせしにそ有りける

ふえたけの−こちくとなにに−おもひけむ−となりにおとは−せしにそありける

異同資料句番号:01195

01197
道因 道因法師 (082)

やつはしのわたりにけふもとまるかなここにすむへきみかはとおもへと

やつはしの−わたりにけふも−とまるかな−ここにすむへき−みかはとおもへと

異同資料句番号:01196

01198
番号外作者 安性法師(俗名時元) (999)

つらしとてさてはよもわれ山からすかしらはしろくなる世なりとも

つらしとて−さてはよもわれ−やまからす−かしらはしろく−なるよなりとも

異同資料句番号:01197

01199
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

かみにおけるもしはまことのもしなれはうたもよみちをたすけさらめや

かみにおける−もしはまことの−もしなれは−うたもよみちを−たすけさらめや

異同資料句番号:01198

01200
赤染衛門 (059)

けふも又むまのかひこそふきつなれひつしのあゆみちかつきぬらん

けふもまた−うまのかひこそ−ふきつなれ−ひつしのあゆみ−ちかつきぬらむ

異同資料句番号:01199

01201
番号外作者 空也上人 (999)

こくらくははるけきほととききしかとつとめていたるところなりけり

こくらくは−はるけきほとと−ききしかと−つとめていたる−ところなりけり

異同資料句番号:01200


千載集 巻十九:釈教

01202
公任 前大納言公任 (055)

ここにきえかしこにむすふ水のあわのうきよにめくる身にこそ有りけれ

ここにきえ−かしこにむすふ−みつのあわの−うきよにめくる−みにこそありけれ

異同資料句番号:01201

01203
公任 前大納言公任 (055)

さためなき身はうき雲によそへつつはてはそれにそなりはてぬへき

さためなき−みはうきくもに−よそへつつ−はてはそれにそ−なりはてぬへき

異同資料句番号:01202

01204
花山院 花山院御製 (531)

世の中はみなほとけなりおしなへていつれのものとわくそはかなき

よのなかは−みなほとけなり−おしなへて−いつれのものと−わくそはかなき

異同資料句番号:01203

01205
番号外作者 僧都源信 (999)

おほそらの雨はわきてもそそかねとうるふ草木はおのかしなしな

おほそらの−あめはわきても−そそかねと−うるふくさきは−おのかしなしな

異同資料句番号:01204

01206
清少納言 (062)

もとめてもかかるはちすの露をおきてうきよに又はかへるものかは

もとめても−かかるはちすの−つゆをおきて−うきよにまたは−かへるものかは

異同資料句番号:01205

01207
番号外作者 藤原国房 (999)

月かけのつねにすむなる山のはをへたつる雲のなからましかは

つきかけの−つねにすむなる−やまのはを−へたつるくもの−なからましかは

異同資料句番号:01206

01208
番号外作者 堀川入道左大臣 (999)

いる月をみるとや人はおもふらん心をかけてにしにむかへは

いるつきを−みるとやひとは−おもふらむ−こころをかけて−にしにむかへは

異同資料句番号:01207

01209
番号外作者 瞻西上人 (999)

たききつき煙もすみてさりにけんこれやなこりとみるそかなしき

たききつき−けふりもすみて−さりにけむ−これやなこりと−みるそかなしき

異同資料句番号:01208

01210
番号外作者 藤原敦家朝臣 (999)

夢さめんその暁をまつほとのやみをもてらせのりのともし火

ゆめさめむ−そのあかつきを−まつほとの−やみをもてらせ−のりのともしひ

異同資料句番号:01209

01211
番号外作者 前大僧正覚忠 (999)

よをてらすほとけのしるしありけれはまたともし火もきえぬなりけり

よをてらす−ほとけのしるし−ありけれは−またともしひも−きえぬなりけり

異同資料句番号:01210

01212
番号外作者 前大僧正覚忠 (999)

みるままに涙そおつるかきりなき命にかはるすかたとおもへは

みるままに−なみたそおつる−かきりなき−いのちにかはる−すかたとおもへは

異同資料句番号:01211

01213
番号外作者 僧都覚雅 (999)

ちとせまてむすひし水も露はかりわか身のためとおもひやはせし

ちとせまて−むすひしみつも−つゆはかり−わかみのためと−おもひやはせし

異同資料句番号:01212

01214
番号外作者 前大僧正快修 (999)

うれしくそ名をたもつたにあたならぬみのりの花にみをむすひける

うれしくそ−なをたもつたに−あたならぬ−みのりのはなに−みをむすひける

異同資料句番号:01213

01215
俊頼 源俊頼朝臣 (074)

わひ人の心のうちをよそなからしるやさとりのひかりなるらん

わひひとの−こころのうちを−よそなから−しるやさとりの−ひかりなるらむ

異同資料句番号:01214

01216
崇徳院 崇徳院御製 (077)

ちかひをはちひろのうみにたとふなり露もたのまはかすにいりなん

ちかひをは−ちひろのうみに−たとふなり−つゆもたのまは−かすにいりなむ

異同資料句番号:01215

01217
教長 前参議教長 (253)

はかなくそみよのほとけとおもひけるわかみひとつにありとしらすて

はかなくそ−みよのほとけと−おもひける−わかみひとつに−ありとしらすて

異同資料句番号:01216

01218
教長 前参議教長 (253)

てる月の心の水にすみぬれはやかてこの身にひかりをそさす

てるつきの−こころのみつに−すみぬれは−やかてこのみに−ひかりをそさす

異同資料句番号:01217

01219
番号外作者 前大僧正覚忠 (999)

かへりてもいりそわつらふまきのとをまとひいてにし心ならひに

かへりても−いりそわつらふ−まきのとを−まとひいてにし−こころならひに

異同資料句番号:01218

01220
崇徳院 崇徳院御製 (077)

ふる雪はたにのとほそをうつむともみよのほとけのひやてらすらん

ふるゆきは−たにのとほそを−うつむとも−みよのほとけの−ひやてらすらむ

異同資料句番号:01219

01221
番号外作者 仁和寺後入道法親王(覚性) (999)

てらすなるみよのほとけのあさひにはふる雪よりもつみやきゆらん

てらすなる−みよのほとけの−あさひには−ふるゆきよりも−つみやきゆらむ

異同資料句番号:01220

01222
式子内親王 (089)

ふるさとをひとりわかるるゆふへにもおくるは月のかけとこそきけ

ふるさとを−ひとりわかるる−ゆふへにも−おくるはつきの−かけとこそきけ

異同資料句番号:01221

01223
兼実 摂政前右大臣 (562)

人ことにかはるはゆめのまとひにてさむれはおなしこころなりけり

ひとことに−かはるはゆめの−まとひにて−さむれはおなし−こころなりけり

異同資料句番号:01222

01224
番号外作者 宮内卿永範 (999)

すめはみゆにこれはかくるさためなきこのみや水にやとる月かけ

すめはみゆ−にこれはかくる−さためなき−このみやみつに−やとるつきかけ

異同資料句番号:01223

01225
慈円 法印慈円 (095)

いととしくむかしのあとやたえなんとおもふもかなしけさのしら雪

いととしく−むかしのあとや−たえなむと−おみふもかなし−けさのしらゆき

異同資料句番号:01224

01226
番号外作者 尊円法師 (999)

君か名そなほあらはれんふる雪にむかしのあとはうつもれぬとも

きみかなそ−なほあらはれむ−ふるゆきに−むかしのあとは−うつもれぬとも

異同資料句番号:01225

01227
良経 左近中将良経 (091)

ひとりのみくるしきうみをわたるとやそこをさとらぬ人はみるらん

ひとりのみ−くるしきうみを−わたるとや−そこをさとらぬ−ひとはみるらむ

異同資料句番号:01226

01228
隆信 藤原隆信朝臣 (313)

くれ竹のむなしととけることのははみよの仏のははとこそきけ

くれたけの−むなしととける−ことのはは−みよのほとけの−ははとこそきけ

異同資料句番号:01227

01229
宜秋門院丹後 摂政家丹後 (322)

むなしきも色なるものとさとれとやはるのみそらのみとりなるらん

むなしきも−いろなるものと−さとれとや−はるのみそらの−みとりなるらむ

異同資料句番号:01228

01230
番号外作者 前中納言師仲 (999)

なかき夜もむなしき物としりぬれははやくあけぬる心ちこそすれ

なかきよも−むなしきものと−しりぬれは−はやくあけぬる−ここちこそすれ

異同資料句番号:01229

01231
西行 円位法師 (086)

わしの山月をいりぬとみる人はくらきにまよふ心なりけり

わしのやま−つきをいりぬと−みるひとは−くらきにまよふ−こころなりけり

異同資料句番号:01230

01232
顕仲_源 神祇伯顕仲 (206)

いさきよきいけにかけこそうかひぬれしつみやせんとおもふわかみを

いさきよき−いけにかけこそ−うかひぬれ−しつみやせむと−おもふわかみを

異同資料句番号:01231

01233
番号外作者 寂超法師 (999)

くちはつる袖にはいかかつつまましむなしととけるみのりならすは

くちはつる−そてにはいかか−つつままし−むなしととける−みのりならすは

異同資料句番号:01232

01234
番号外作者 藤原資隆朝臣 (999)

みるほとはゆめも夢ともしられねはうつつもいまはうつつとおもはし

みるほとは−ゆめもゆめとも−しられねは−うつつもいまは−うつつとおもはし

異同資料句番号:01233

01235
登蓮 登蓮法師 (551)

おとろかぬわか心こそうかりけれはかなき世をは夢とみなから

おとろかぬ−わかこころこそ−うかりけれ−はかなきよをは−ゆめとみなから

異同資料句番号:01234

01236
寂蓮 寂蓮法師 (087)

暁をたかのの山にまつほとやこけのしたにもあり明の月

あかつきを−たかののやまに−まつほとや−こけのしたにも−ありあけのつき

異同資料句番号:01235

01237
番号外作者 式子内親王家中将 (999)

おもひとくこころひとつになりぬれはこほりも水もへたてさりけり

おもひとく−こころひとつに−なりぬれは−こほりもみつも−へたてさりけり

異同資料句番号:01236

01238
番号外作者 前大納言時忠 (999)

たのもしきちかひは春にあらねともかれにしえたも花そさきける

たのもしき−ちかひははるに−あらねとも−かれにしえたも−はなそさきける

異同資料句番号:01237

01239
番号外作者 藤原伊綱 (999)

春ことになけきしものをのりのにはちるかうれしき花もありけり

はることに−なけきしものを−のりのには−ちるかうれしき−はなもありけり

異同資料句番号:01238

01240
番号外作者 左京大夫季能 (999)

みくさのみしけきにこりとみしかともさても月すむえにこそ有りけれ

みくさのみ−しけきにこりと−みしかとも−さてもつきすむ−えにこそありけれ

異同資料句番号:01239

01241
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

むさしののほりかねの井もあるものをうれしく水のちかつきにける

むさしのの−ほりかねのゐも−あるものを−うれしくみつの−ちかつきにける

異同資料句番号:01240

01242
顕昭 顕昭法師 (564)

たに水をむすへはうつるかけのみやちとせをおくる友となりけん

たにみつを−むすへはうつる−かけのみや−ちとせをおくる−ともとなりけむ

異同資料句番号:01241

01243
番号外作者 法橋泰覚 (999)

くちはててあやふくみえしをはたたのいたたのはしもいまわたすなり

くちはてて−あやふくみえし−をはたたの−いたたのはしも−いまわたすなり

異同資料句番号:01242

01244
番号外作者 藤原敦仲 (999)

うらみけるけしきやそらにみえつらんをはすて山をてらす月かけ

うらみける−けしきやそらに−みえつらむ−をはすてやまを−てらすつきかけ

異同資料句番号:01243

01245
番号外作者 蓮上法師(俗名成実) (999)

日のひかり月のかけとそてらしけるくらき心のやみはれよとて

ひのひかり−つきのかけとそ−てらしける−くらきこころの−やみはれよとて

異同資料句番号:01244

01246
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

さらにまた花そふりしくわしの山のりのむしろのくれかたのそら

さらにまた−はなそふりしく−わしのやま−のりのむしろの−くれかたのそら

異同資料句番号:01245

01247
番号外作者 中原有安 (999)

まちいてていかにうれしくおもほえんはつかあまりの山のはの月

まちいてて−いかにうれしく−おもほえむ−はつかあまりの−やまのはのつき

異同資料句番号:01246

01248
番号外作者 中原清重 (999)

あさまたきみのりのにはにふる雪はそらより花のちるかとそみる

あさまたき−みのりのにはに−ふるゆきは−そらよりはなの−ちるかとそみる

異同資料句番号:01247

01249
番号外作者 恵章法師 (999)

もち月の雲かくれけんいにしへのあはれをけふのそらにしるかな

もちつきの−くもかくれけむ−いにしへの−あはれをけふの−そらにしるかな

異同資料句番号:01248

01250
番号外作者 俊秀法師 (999)

きよくすむ心のそこをかかみにてやかてそうつる色もすかたも

きよくすむ−こころのそこを−かかみにて−やかてそうつる−いろもすかたも

異同資料句番号:01249

01251
寂然 寂然法師 (565)

けふりたにしはしたなひけ鳥へ山たちわかれにしかたみともみん

けふりたに−しはしたなひけ−とりへやま−たちわかれにし−かたみともみむ

異同資料句番号:01250

01252
番号外作者 平康頼 (999)

とりのねも浪のおとにそかよふなるおなし御のりをとけはなりけり

とりのねも−なみのおとにそ−かよふなる−おなしみのりを−きけはなりけり

異同資料句番号:01251

01253
番号外作者 藤原定長朝臣 (999)

よをすくふあとはむかしにかはらねとはしめたてけん時をしそ思ふ

よをすくふ−あとはむかしに−かはらねと−はしめたてけむ−ときをしそおもふ

異同資料句番号:01252

01254
番号外作者 天台座主明雲 (999)

つねならぬためしは夜はのけふりにてきえぬなこりをみるそうれしき

つねならぬ−ためしはよはの−けふりにて−きえぬなこりを−みるそうれしき

異同資料句番号:01253

01255
番号外作者 律師永観 (999)

みな人をわたさむとおもふ心こそ極楽へゆくしるへなりけれ

みなひとを−わたさむとおもふ−こころこそ−こくらくへゆく−しるへなりけれ

異同資料句番号:01254


千載集 巻二十:神祇

01256
番号外作者 上東門院 (999)

みかさ山さしてきにけりいそのかみふるきみゆきのあとをたつねて

みかさやま−さしてきにけり−いそのかみ−ふるきみゆきの−あとをたつねて

異同資料句番号:01255

01257
番号外作者 大納言経輔 (999)

すみよしのなみも心をよせけれはむへそみきはにたちまさりける

すみよしの−なみもこころを−よせけれは−うへそみきはに−たちまさりける

異同資料句番号:01256

01258
番号外作者 後三条内大臣 (999)

おもふことくみてかなふる神なれはしほやにあとをたるるなりけり

おもふこと−くみてかなふる−かみなれは−しほやにあとを−たるるなりけり

異同資料句番号:01257

01259
崇徳院 崇徳院御製 (077)

みちのへのちりに光をやはらけて神もほとけのなのるなりけり

みちのへの−ちりにひかりを−やはらけて−かみもほとけの−なのるなりけり

異同資料句番号:01258

01260
清輔 藤原清輔朝臣 (084)

あめのしたのとけかれとやさかきはをみかさの山にさしはしめけん

あめのした−のとけかれとや−さかきはを−みかさのやまに−さしはしめけむ

異同資料句番号:01259

01261
隆季 大納言隆季 (256)

神世よりつもりのうらにみやゐしてへぬらんとしのかきりしらすも

かみよより−つもりのうらに−みやゐして−へぬらむとしの−かきりしらすも

異同資料句番号:01260

01262
実定 右おほいまうちきみ (081)

かそふれはやとせへにけりあはれわかしつみしことはきのふと思ふに

かそふれは−やとせへにけり−あはれわか−しつみしことは−きのふとおもふに

異同資料句番号:01261

01263
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

いたつらにふりぬる身をもすみよしの松はさりともあはれしるらん

いたつらに−ふりぬるみをも−すみよしの−まつはさりとも−あはれしるらむ

異同資料句番号:01262

01264
実定 右大臣 (081)

ふりにける松ものいははとひてましむかしもかくやすみのえの月

ふりにける−まつものいはは−とひてまし−むかしもかくや−すみのえのつき

異同資料句番号:01263

01265
俊恵 俊恵法師 (085)

すみよしのまつのゆきあひのひまよりも月さえぬれは霜はおきけり

すみよしの−まつのゆきあひの−ひまよりも−つきさえぬれは−しもはおきけり

異同資料句番号:01264

01266
番号外作者 権大納言実国 (999)

おしなへて雪のしらゆふかけてけりいつれさか木のこすゑなるらん

おしなへて−ゆきのしらゆふ−かけてけり−いつれさかきの−こすゑなるらむ

異同資料句番号:01265

01267
番号外作者 按察使資賢 (999)

めつらしくみゆきをみわの神ならはしるしありまのいてゆなるへし

めつらしく−みゆきをみわの−かみならは−しるしありまの−いてゆなるへし

異同資料句番号:01266

01268
番号外作者 権中納言経房 (999)

うれしくも神のちかひをしるへにて心をおこす門にいりぬる

うれしくも−かみのちかひを−しるへにて−こころをおこす−かとにいりぬる

異同資料句番号:01267

01269
番号外作者 僧都範玄 (999)

すきかえをかすみこむれとみわの山神のしるしはかくれさりけり

すきかえを−かすみこむれと−みわのやま−かみのしるしは−かくれさりけり

異同資料句番号:01268

01270
番号外作者 平実重 (999)

いままてになとしつむらんきふねかはかはかりはやき神をたのむを

いままてに−なとしつむらむ−きふねかは−かはかりはやき−かみをたのむを

異同資料句番号:01269

01271
番号外作者 賀茂政平 (999)

さりともとたのみそかくるゆふたすきわかかたをかの神と思へは

さりともと−たのみそかくる−ゆふたすき−わかかたをかの−かみとおもへは

異同資料句番号:01270

01272
式子内親王 (089)

さりともとたのむ心は神さひてひさしくなりぬかものみつかき

さりともと−たのむこころは−かみさひて−ひさしくなりぬ−かものみつかき

異同資料句番号:01271

01273
番号外作者 賀茂重保 (999)

君をいのるねかひをそらにみてたまへわけいかつちの神ならはかみ

きみをいのる−ねかひをそらに−みてたまへ−わけいかつちの−かみならはかみ

異同資料句番号:01272

01274
俊成 皇太后宮大夫俊成 (083)

きふね川たまちるせせのいは浪に氷をくたく秋のよの月

きふねかは−たまちるせせの−いはなみに−こほりをくたく−あきのよのつき

異同資料句番号:01273

01275
慈円 法印慈円 (095)

わかたのむ日よしのかけはおく山のしはの戸まてもさささらめやは

わかたのむ−ひよしのかけは−おくやまの−しはのとまても−さささらめやは

異同資料句番号:01274

01276
番号外作者 法橋性憲 (999)

いつとなくわしのたかねにすむ月のひかりをやとすしかのからさき

いつとなく−わしのたかねに−すむつきの−ひかりをやとす−しかのからさき

異同資料句番号:01275

01277
番号外作者 中原師尚 (999)

みゆきするたかねのかたに雲はれてそらにひよしのしるしをそみる

みゆきする−たかねのかたに−くもはれて−そらにひよしの−しるしをそみる

異同資料句番号:01276

01278
西行 円位法師 (086)

ふかくいりて神ちのおくをたつぬれは又うへもなきみねの松かせ

ふかくいりて−かみちのおくを−たつぬれは−またうへもなき−みねのまつかせ

異同資料句番号:01277

01279
番号外作者 大中臣為定 (999)

月よみの神してらさはあた雲のかかるうきよもはれさらめやは

つきよみの−かみしてらさは−あたくもの−かかるうきよも−はれさらめやは

異同資料句番号:01278

01280
番号外作者 石清水の社の歌合とて、人人よみ侍りける時、社頭月といへる心をよめる・能蓮法師 (999)

いはし水きよきなかれのたえせねはやとる月さへくまなかりけり

いはしみつ−きよきなかれの−たえせねは−やとるつきさへ−くまなかりけり

異同資料句番号:01279

01281
番号外作者 藤原義忠朝臣 (999)

ときはなる神なひ山のさかきはをさしてそいのるよろつよのため

ときはなる−かみなひやまの−さかきはを−さしてそいのる−よろつよのため

異同資料句番号:01280

01282
番号外作者 藤原経衡 (999)

うこきなく千代をそいのるいはや山とるさか木はの色かへすして

うこきなく−ちよをそいのる−いはややま−とるさかきはの−いろかへすして

異同資料句番号:01281

01283
匡房 前中納言匡房 (073)

いにしへの神の御代よりもろかみのいのるいはひはきみかよのため

いにしへの−かみのみよより−もろかみの−いのるいはひは−きみかよのため

異同資料句番号:01282

01284
番号外作者 宮内卿永範 (999)

神うくるとよのあかりにゆふそののひかけかつらそはへまさりける

かみうくる−とよのあかりに−ゆふそのの−ひかけかつらそ−はへまさりける

異同資料句番号:01283

01285
番号外作者 宮内卿永範 (999)

すへらきをやほよろつよの神もみなときはにまもる山の名そこれ

すめらきを−やほよろつよの−かみもみな−ときはにまもる−やまのなそこれ

異同資料句番号:01284

01286
番号外作者 権中納言兼光 (999)

みしめゆふかたにとりかけ神なひの山のさかきをかさしにそする

みしまゆふ−かたにとりかけ−かみなひの−やまのさかきを−かさしにそする

異同資料句番号:01285

01287
季経 藤原季経朝臣 (310)

もろ神の心にいまそかなふらし君をやちよといのるよことは

もろかみの−こころにいまそ−かなふらし−きみをやちよと−いのるよことは

異同資料句番号:01286

01288
番号外作者 藤原光範朝臣 (999)

千とせ山神のよませるさかきはのさかえまさるはきみかためとか

ちとせやま−かみのよませる−さかきはの−さかえまさるは−きみかためとか

異同資料句番号:01287


千載集 異本歌

01289
実定 右大臣 (081)

暁になりやしぬらん月影のきよきかはらにちとりなくなり

あかつきに−なりやしぬらむ−つきかけの−きよきかはらに−ちとりなくなり

異同資料句番号:00426

01290
番号外作者 左馬頭行盛 (999)

君すめはここも雲ゐの月なれとなほ恋しきは宮こなりけり

きみすめは−ここもくもゐの−つきなれと−なほこひしきは−みやこなりけり